味な話の素  No.271 2025年11月号(11101-11160) Since 2003/04/29

HOME 10月号 Back Numbers

 読み物「元気で安全な職場づくりの社会心理学(4)(5)をアップしました 
続 活字中毒 [60] 2025/11/30 Sun 11160 昨日 [57] の続き
 仕事で遠方に移動する際は[文庫]携帯を原則にすると書いた。しかし、[活字モノ]はそれだけではない。いつもの[トイレ図書室]で読んでいる[活字]も滞在数に応じてコピーを持っていく。これが、少なくとも3種、多いときは4本ほどになる。たとえば、現在は長谷川鑛平「本と校正」、矢守克也編「天変地異のオープンサイエンス」、ロバートキーガン他「なぜ人と沿い気は変われないのか」(池村千秋訳)、Francis McInerney Sean White [Beating Japan]は先週の移動中にコピーを持参した。これは[トイレ図書室]用だからホテルの同じ場所でも読み進める。ただし、こららは[トイレ図書室]のみではなく、時間があれば実物を手に取って目を通す。そのときはほんの少ししか読めないが、それもまた楽しい時間である。
日記の中の母(95) [59] 2025/11/30 Sun 11159 11月23日 [43] の続き
 1973年11月14日 水曜日 九州相互銀行の調査。私は小倉と三萩野の2支店のみ。それも予定には入っていなかったが、先方が前日の都合がつかなくなったための仕事になった。今年7月には北九州の福岡相互銀行で調査した。そのときは元気な母と待ちにでてカバンとズボンを買ってもらった。いまではその母はいないが、実感がわかない。16日からはヤマハのトレーニングで浜松へ行く。大阪まで飛行機で飛んで、あとは新幹線を使う。この前は東京間まで飛行機で行ったが、そのとき母はまだ元気でいたののに。
 この時期は、集団力学研究所が銀行で大規模な調査を進めていた。また、ヤマハとあるのはヤマハ発動機のことで、リーダーシップ・トレーニングを請け負ったのである。すべてのことが元気だった母と結びつけている。まだ2週間しか経過していないときの気持ちである。
栄枯盛衰 [58] 2025/11/29 Sat 11158 
 シャープ社長 町田勝彦氏 毎日経済人賞 毎日2.23 液晶 世界の5割 「創意の遺伝子」の継承を支えたのは、終身雇用性だった。多くの企業が業績悪化でリストラに走る中、町田社長は社内に「首切りはしない」と宣言した。
 本コラムで取り上げるつもりのメモの中のひとつである。AIでチェックすると、これは2004年2月の記事だった。シャープは液晶の世界市場の半分のシェアを誇っていたのである。そして、[創意]の源として[終身雇用]を重視し、「首切りはしない」と高らかに謳ったのである。
 しかし現実は、韓国や中国勢が急成長し、優位性が失われただけでなく経営不振に陥った。そして、現在は台湾の鴻海精密工業の子会社なのである。
 昭和の体験を引きずっている旧人は寂しさだけでなく、この国のこれからが心配になってくる。 
活字中毒 [57] 2025/11/29 Sat 11157 
 若いころ仲間たちとお互いに[活字中毒]だと笑っていた。とにかく[活字]を見ないと落ち着かない。それは朝刊からはじまる。いまでも、トイレを図書室と呼んでいるから、[活字中毒]から脱するのはあの世に逝ってからになる。そんな旧書籍人には本屋が消滅しつつある現状はなんとも厳しい。本屋に特定の本を買うために出かけていたのはいつまでのことか忘れてしまった。つい先だっても町の本屋にぷらりと入った。このときは、遠出の仕事で移動する際は[活字モノ]も軽い方がいい。そこで多くの場合、文庫か新書を1冊だけ持っていいく。その[移動向けの本]を探そうと思ったのである。このときは[文庫]に絞っていたところ、「本と校正(中公文庫)」の書名が目に飛び込んできた。長谷川鑛平という中央公論社の元校閲部長の著書である。
 文庫とは異なる書棚にも眼を回すと、「松本清張と水上勉」が眼を刺激した。こちらは「筑摩選書]で四六判だから、文庫より大きいから[移動向けサイズ]を超える。それでもタイトルに引かれて、その日は[自宅用]として手に入れた。
黄金比(4) [56] 2025/11/28 Fri 11156 11月22日 [43] の続き
 [黄金比]は自然界に存在しているという話がある。たとえば、ミツバチ集団(組織?)にける雌雄の比、オウムガイの螺旋、ひまわりの花の種の位置、ひまわりの花の種の並び、松かさの鱗片の渦巻き、植物の茎に葉がつく配列(葉序)、昆虫の体の分節などなど、おそらく自然界を見渡せば[黄金比]だらけの状態だろう。
 何分にも[golden ratio]であり、このところ[金]が高騰しているという話も聞く。とにもかくにも、[Gold]は希少価値の点でトップランナーである。それが[黄金比だらけ]と言うのでは、[名前負け]も甚だしいではないか。
GD仕事録(3) [55] 2025/11/28 Fri 11155 11月21日 [42] の続き
 1969年10月25日 土曜日 黒崎窯業へ調査に行った。4日分の旅費と日当を前払いでもらった。
 黒崎窯業は現在の黒崎播磨(株)の前身企業で耐火レンガ等をつくっていた。耐火レンガは八幡製鉄(現日本製鉄)の高炉等の内側に張られていた。北九州八幡西区の黒崎に工場があり、そこに、リーダーシップの調査に出かけたのである。それはリーダーのPM行動と部下の意欲や満足度を測定するもので、当初は124項目あったと記憶している。
 PM論は、わたしの恩師である三隅二不二先生がリーダーシップを執られたものである。リーダーの行動を[目標達成:Perforemance]と[集団維持:Maintenance]の2次元から捉える。そして、[P]と[M]のを発揮している程度に応じてそれを組み合わせてリーダーを[PM、P、M、pm]の4タイプに分類する。これを部下たちの意欲や満足度、さらには生産性や事故件数などとの関連を分析していった。その結果、もちろん例外はあるが、部下に望ましい影響をもたらすのは、[PM➣ M➣ P➣ pm]の順になった。こうしたことから、これを[PM論]と呼んでいた。
言葉と心の底 [54] 2025/11/27 Thu 11154 
 某保険会社の社員が出向先の金融機関から内部情報を不正に持ち出した。これに関して経団連会長が謝罪したNHKのニュースが流れた。その際の「深くお詫びしなければならないと考えている」との発言に苦笑いした。会長は当該保険会社と関わりが深い。苦笑いのポイントは「お詫びしなければならないと考えている」という言い回しである。どうして「深くお詫びします」と言えないのだろう。現実は「深くお詫びしなければならない」のである。さらに「しなければならないと考えている」とくるとおやおやと思ってしまう。つまりは、謝罪すべきことだと認めていながら、まだ謝罪はしていないのですね。それなら、いつ本当に謝られますかと聞きたくなる。言葉は発言者の心の底をあぶり出す。
慣性の法則 [53] 2025/11/27 Thu 11153 昨日 [48] の続き
 ピラミッドに「今どきの若い者は」と嘆き落書きがあるという話を聴いたことがある。ただし、真偽のほどは定かではないが、それは人類が生まれたときからの定番セリフだろう。わたしは、「人間行動の[慣性の法則]論」を提唱している。ニュートンさんからヒントを得たものだ。この世に存在するあらゆる[モノ]だけでなく、人間も[慣性の法則]に従っているに違いない。
それは、「外から力が働かない限り、モノ(人間)は現在の状態、つまりは等速度運動を続ける」の一文に集約される。ここで等速度の速さの部分を[0]にすれば、「静止し続ける」こととなる。この状態がエネルギーの追加も不要で最も効率がいいに違いない。
[住所変更]? [52] 2025/11/26 Wed 11152 
 大手の某宅配会社から、ショートメールで[住所変更のため配達できない]と知らせがあった。それはおかしい。わが家が現在地に住んで27年にもなる。そこで電話をしたところ、記載された住所に該当する名前がなかったという。ある商品を頼んでこの日に届くことはわかっていた。そこに登録したのも言うまでもなく現住所である。これに対して電話の担当者はやや曖昧な声に変わったように感じた。この件の結論は、配達担当者が別の住宅に行き、宛先の部屋番号の名前が違ったという単純なミスだった。この住宅とわが家は近接しているから町名・番地までは同じだったのだろう。それにしても、それだけで[住所変更]となったのは理解がむずかしい。電話番号は記載されているのだが、着信の記録はない。
 最終的には「別の建物と間違っていました」と謝罪されたが、それがどうして[住所変更]と報告したのか、その理由は聴かなかった。見るからに真面目そうな女性で、その事情について問い糾すのに躊躇したのである。
4人の物語(120) [51] 2025/11/26 Wed 11151 11月19日 [37] の続き
 Aが小学3年生の夏休みの日記 1957年7月29日 月曜日 あめ 気温28度 きょうけんちゃんとこまをしました。てんを地に書きました。おわりにてんすうをごうけいしますと、ぼくが8てん、けんちゃんが6てん。ぼくのかおがにっこりとなりました。
 絵をからコマあそびをしていたことは明らかだが、「てんを地に書きました」の意味は不明である。「ぼくが勝ちました」ではなく、「かおがにっこりとなりました」と表現しているのがいい。あちらこちらで「勝った、勝った」の声が聞こえるが、Aは子どものころから、こうした発想に抵抗を感じていた。
説得の方法(4) [50] 2025/11/25 Tue 11150 昨日 [48] の続き
 とにかく、無理難題を吹っかけておいてから、現実的な条件を提示することで[譲歩した]という印象を与える。これだ、相手から妥協を引き出すのである。つまりは[本音]は隠しておいて、相手と駆け引きするわけだ。その過程で主導権を握ろうとするのだから、まさなトランプ流である。これにSNSを多用した自らの正当性を大々的に発信する。
 ただし、この戦術は短期的には効果があるとしても、同じことを繰り返していると相手から見透かされることになる。それに、こんな相手を信頼関係を築こうといった気にもならない。そんなことで、長期的には効果があると言えるかどうか、トランプ氏の言動はまさに「歴史的実験」である。
 ただし、そんな実験が望ましくない方向に進めば、人類にとって不幸なことになる。
プロフェッショナルの定義 [49] 2025/11/25 Tue 11149 
 NHKの「プロフェッショナル」では最後に「プロフェッショナルとは?」と主役に問いかける。その答えに、それぞれの人生と価値観が滲み出る。こんなとき、自分の頭に浮かんだのは、「当たり前のことを、当たり前に続けることができる者」である。特別なことをするのではなく、日々繰り返す行為を手を抜かず、淡々と積み重ねる。それがプロフェッショナルとしての力である。
 もちろん、それは単なる習慣や惰性ではない。他者には「やせ我慢」と見えることも、厳しさを自らに課し続ける。外からの評価とは関わりなく、易きに流れず、なすべきことを淡々と続ける。そこには、「やせ我慢」を楽しみ、誇りを持った姿が現れる。それがプロフェッショナルである。さらに、プロは自分が培ってきた技や姿勢、価値観を、次の世代や周囲に「伝える」ことを喜びにできる。そして、自らは言うまでもなく、人を育て成長させていく。
 プロは特別な才能や華やかな成果で定義されるのではない。日々、基本を守り、誠実に働き、苦しい時間さえ楽しみと誇りに変え、経験を分かち合う。そうした「当たり前」を積み重ねることができるのが真のプロなのだ。。
説得の方法(3) [48] 2025/11/24 Mon 11148 昨日 [44] の続き
 ドナルド・トランプ大統領の交渉は「ドア・イン・ザ・フェイス」方式そのものである。彼はやり手ビジネスマンとしての経験を通じてこれを身に付け、おそらく多くのケースで成功を収めてきたのだろう。とにかく、相手に極端な要求を突きつけることで揺さぶる。まずは、それで様子を窺いながら次の手を出す手法である。
 関税交渉では「自動車に高率の関税を課す」といった相手が驚愕するような数値を提示する。これで相手がびびれば大成功だ。それが相手国に強い反発や困惑を引き起こすと、最初の数値を低める。ただし、それまでよりも相当に高税率だから、当初の目的は達成される。当初の数値が低くなったことで、相手には[譲歩された]という印象すら与える。
リーダーシップ・タブー集(19) [47] 2025/11/24 Mon 11147 11月17日 [33] の続き
 [部下が納得できるような指導をしない]
 このところ、本コラムで[説得の方法]について書いているが、態度や行動変容にとって[納得]は重要なキーワードである。「屁理屈など言わずに、言うことを聞いていればそのうちわかる」。これはもう[昭和の理屈]だろう。いや、[昭和]であっても[納得]は欠かせなかった。これは、[昭和]から、リーダーシップに関わるデータを収集してきたわたしの確信である。ここで気をつけなければならないのは、、[フォロワーが納得]していることである。リーダーが「みんな納得しているはずだ」と思い込んでいるだけではリーダーシップにはならない。これを確信するためには日常の良好なコミュニケーションが欠かせない。
 もっとも、この[タブー集]では、すべて[フォロワー]の視点から見た評価であることを忘れてはならない。
説得の方法(2) [46] 2025/11/23 Sun 11146 昨日 [44] の続き
 相手に[No]と言うのは躊躇するとしても、とんでもない要求は断るしかない。そんな気持ちでいるときに、今度は小さなレベルで「これならどうか」と求めてくる。先ほど[No]と言っているだけに、ここでまた断るのは相手に悪いかと心を揺さぶられる。何といっても、相手の方が譲ってくれたのだから…。
 じつは、これこそが先方のテクニックなのである。心の中で[ニンマリ]しているわけだ。
これは「返報性の原理」と呼ばれている。相手が譲歩したと感じることで、自分も譲歩しなければならないという心理が働くというわけだ。
 このテクニックは営業、恋愛、家庭など様々な場面で応用可能だとされる。ただし、あまりにも非現実的にすぎる要求をつきつけたり、同じ手法を繰り返したりすると効果は期待できなくなる。また、そもそも人間関係が良好な相手にこんな手を使っていては、信頼を失うことになる。
日記の中の母(94) [45] 2025/11/23 Sun 11145 11月16日 [31] の続き
 1973年11月11日 日曜日 母が亡くなって2週間が経過した。団地内での香典返しは留守宅を除いてすべて終わった。われわれ3人、これからはすべてのことがこの数になってしまった。
 12日 月曜日は集団力学研究所に出かけて仕事をしている。
 13日 火曜日 写真の現像が出来上がった。写真を母と見ることもできない。それは母の葬儀の写真なのだから。
 母の死から2週間、この時間ではその衝撃が薄まることはない。
説得の方法(1) [44] 2025/11/22 Sat 11144 
 
説得に関して[Door-in-the-Face]という手法がある。これは、チャルディーニ(Robert B. Cialdini)が1975年に提唱した説得技法である。まずは最初に相手が断ると思われる大きな要求を提示する。これに対して予想どおり断られる。これを受けて、今度はそれより小さな要求をする。じつは、こちらが本命なのだが、このステップを踏むことで、相手が承諾する確率を高める心理的な戦術である。[Door-in-the-Face]は「顔の前でドアを閉める」といった意味がある。相手の要望を断ったことで、多少とも「悪いな」という思いが発生する。人間、[No ]と言うときは[Yes]よりも心的負担が大きい。その[ひるみ]をつく戦法である。ドアは閉めたら開けない方がよろしいようです。
黄金比(3) [43] 2025/11/22 Sat 11143 昨日 [41] の続き
 いつのころか確認していないが、オウムガイの螺旋と90度内側の直径の比が[黄金比]という話を聞いたことがある。そもそも、[自然界の螺旋=黄金比]という一般化が広がったようだ。本物のオウムガイを見たという確たる記憶はない。ただ、図鑑などでは[見事な螺旋模様]がデザインのモデルのような印象を受ける。そんなわけで、これは神が創ったものだといった思いになるのも楽しい。ただし、オウムガイの場合は黄金比[1.168]ではなく[1.3程度]らしい。それも個体差があるというのは当然である。それでオウムガイの美しさが失われることはない。ただ、[自然界の螺旋は黄金比]などという話がまことしやかに流れることには気をつけた方がいい。世の中には、[まことしやかな情報]があふれるのである。
GD仕事録(2) [42] 2025/11/21 Fri 11142 11月14日 [27] の続き
 わたしの集団力学に関わる仕事がスタートしたのは、1968年11月20日水曜日のことである。
 九州大学集団力学研究所員として飯塚の□□□□銀行へ調査に行った。社会人を対象にしたこの仕事はなかなか面白いものである。しかし、他の支店へ行った人の結果等も見てみれば、満足した状態で社会生活を送っている人は案外少ないようである。上役との関係はむずかしいものなのである。なかでもひどいのは、上役は冷たく、いなくなってしまった方がよいという意見まで出ていた。上役が一体どんな人なのか、それはわからないけれども、とにかくどうにかしなければ、この支店はうまくやっていくことができないのではないかと思われる。
 これがわたしの集団力学の実践に関わるデビュー戦である。大学の講座から研究所員として出かけたことになっている。飯塚にはバスで行ったことを思いだす。
 このときから、すでに50年以上が経過しており、具体的な組織名も挙げようかと思った。ところが、調査対象の行員の人から上司に対する厳しい意見がが出されたことが書かれている。そのため、銀行名は伏せることにした。それにしても、はじめての調査でリーダーシップの現実を知らされたのである。
続 黄金比 [41] 2025/11/21 Fri 11141 昨日 [39] の続き
 黄金比は、【線分を一点で分け、長い部分と短い部分との比が、全体と長い部分との比に等しくなるようにしたときの比。√5+l:2 古代ギリシア以来、安定した美しさをもつ比とされ、紙、書籍の縦横比などに広く応用されている。(精選版 日本国語大辞典精選版)】
 [デジタル大辞林]は、これとほぼ同じ説明のあとに、「1対1.618をいう」としている。また、「美術的要素の一つとされる」と付け加えている。さらに、[百科事典マイペディア]では、「線分ABを点Pで分割し,BP/AP=AP/AB,つまりAP2=BP・ABとすること。(式1)または(式2)となり、これを黄金比という」とし、「絵画、建築等に応用され,本やはがきの縦横比もこれに近い」と解説する。
 同じことを伝えているが、それぞれ表現に違いが見られて興味深い。いずれもギリシャ時代からの話だという。科学的かつ厳密な理由が明らかにされているわけではないが、「そう言われればそうだなあ」という思いにはなる。
続 [説得]と[納得] [40] 2025/11/20 Thu 11140 昨日 [38] の続き
 [納得]のポイントは、リーダー自身が「説得する自分も変わる」という姿勢を示すことにある。それは、不可欠だといってもいい。そのことが部下の信頼を生み、真の行動変容につながる。もちろん結果として部下だけが変わったに過ぎないこともあるだろう。そうした場合でも、部下がリーダーの「本気度」を感じ取っているかどうかが重要である。リーダーが自らの言動を省みて[変化への決意・意志]を示すことで、部下は「この人は本気で組織を良くしようとしている」と感じるだろう。[納得]した上で自らの行動を変える。これは単なる命令や指示では得られない、深い信頼関係に基づく変化である。
 リーダーが部下に変化を求める際には、まず自分自身が変わる覚悟を持ち、[説得]ではなく[納得]を目指す姿勢が求められる。納得を得るためには、リーダー自身が柔軟であり、自己変容を厭わない姿勢を維持することが求められる。それは、個別のリーダーと部下の関係を超えて、その部署に止まらず、組織全体に安心感と信頼をもたらし、その後の持続的な改善と成長を可能にする。
黄金比 [39] 2025/11/20 Thu 11139 
 映画「ダ・ヴィンチ・コード」を観たのは20年ほど前になる。トムハンクス扮するハーバード大学の「宗教象徴学(?)」教授ロバート・ラングトンを中心に物語が展開される。ルーブル博物館も主要な舞台になっていて、まことに興味深かったが、ストーリーはよくわからなかった。その後で文庫本も読んだが、これまた今ひとつで、わが読解力を疑うだけで終わった。ただ、「黄金比」という用語には興味がわいた。その言葉でけであればそれまでも、知ってはいたが、「ああそうなんだ」程度の受け止め方だった。映画では、レオナルド・ダ・ヴィンチの「ウィトルウィウス的人体図」が出てきて、[身長1.618:腕1.629:足 2.5]といった比率を聞かされると、「いやあ、おもろいわ」となる。さらに「神聖比率」なる言葉があることも知った。そうなると、「黄金比」をもう少しは知りたくなる。
[説得]と[納得] [38] 2025/11/19 Wed 11138 昨日 [32] の続き
 現代の組織において、リーダーには「自ら変わる力」が強く求められている。部下の行動変容や発想の転換を促すことは、組織の活性化や安全性向上に不可欠であり、リーダーの重要な役割である。しかし、部下に変化を求めるだけでは十分とは言えない。リーダー自身が変化に向き合う覚悟を持っているかどうかが、組織の信頼形成と変革の成否を左右する。
 この文脈で重要になるのが、[説得]と[納得]の違いである。説得とは、相手に自分の意見を受け入れさせようとする行為であり、基本的には一方向的なコミュニケーションである。説得する側は、自分の考えや価値観を変えることなく、相手に変化を求める。つまり、「相手を変える」ことに主眼が置かれており、自分自身の変化は視野に入っていない。
 一方、納得には本質的に「相互変容」の要素が求められる。相手からの[納得]を得るためには、その立場や感情に寄り添い、自分自身も変わる覚悟を持って接する必要がある。[納得]とは、相手との対話を通じて、互いに理解を深め、ともに変わるとい点で、共通の価値や目的に到達するプロセスである。もちろん、これは[わたしの定義]である。
4人の物語(119) [37] 2025/11/19 Wed 11137 11月12日 [23] の続き
 Aが小学3年生の夏休みの日記 1957年7月28日 日曜日 はれ 気温29度 きょうでんちのじっけんをしました。はりがねのさきにまめでんきゅうをつけて、出た所にむこうのすみをつけました。すると、、でんきゅうがつきました。おとうさんはそばで見ていました。
 Aは理科好きだった。とくに電気には興味を持っていて、懐中電灯などで電球が光るのを不思議がっていた。その中の電池を使って実験をしたのだろうか。文中の「出た所」とは[+]の正極のことである。針金を動線に使って点灯に成功した状況が絵にしっかり描かれている。
未知のリスク(16) [36] 2025/11/18 Tue 11136 昨日 [34] の続き
 後者は、その運用に当たって、関係者が思いもよらない問題行動を起こすといったものはその典型例である。
 アルゼンチンの航空会社 LAPA 3142便は、1999年8月31日、離陸時にフラップが適正な作動をしなかったことから墜落した。この事故で乗客だけでなく地上にいた人命も失われた。フラップの作動不具合に対して操縦席のアラームがなっていた。これを機長たちが無視したことから、失速して滑走路から逸脱した。調査報告書では、乗員が「チェックリスト読み上げ」に集中せず、私語や感情的な会話が混じっていたことを指摘している。最終的には人的な問題だが、これは「乗員たちが想定された行動を取ること」を前提にしている。
 今年、某県の科学捜査研究所で、DNA鑑定にかかわる不祥事が発生した。鑑定をしていないにも拘わらず鑑定をしたと虚偽の報告をしたり、紛失資料の偽造などをしていたという。これが7年以上に亘ると聞けば驚愕するほかはない。その深刻さの程度は様々だが、世の中で発生してる組織の問題は[なすべき仕事をしていなかった][なすべきでない行為を取っていた]という事実に端を発していることが少なくない。
家族への通信(21) [35] 2025/11/18 Tue 11135 11月11日 [21] の続き
 はがき[消印1969年5月29日 福岡西局 父が記した番号145]
 22日学生大会で、教育学部は無期限ストに入りました。どうも東大のようになりそうで、今は全く授業はあっていません。奨学金もどうもあぶなくなりそうです。大変な時に大学に入ったものではありますが、こうなってしまったからには、運が悪いと思って、無駄な時間を過ごさないようにするだけであります。31日には帰る予定であります。
 わたしが3年生のときである。大学紛争が日常的になり、自分が所属する学部も無期限ストに突入した。このときストの賛否は1票差だった。学生たちがストライキをすれば、奨学金給付も止まるといった情報もあった。東大はこの年入学試験を中止せざるを得ない状況だった。
未知のリスク(15) [34] 2025/11/17 Mon 11134 昨日 [32] の続き
[想定外第3分類➣ 想定内想定外型:事態の発生を想定していたが、現実に問題が発生した。
 とくに問題事象の発生防止、つまりは[リスク]の対応策は取っていたが、その後[想定外]の事態によって問題が発生したものである。この場合、次の二つの可能性が考えられる。
 ①対応策そのものの実現性が危うかった。②対応策は適切だが、その運用に際して[想定外]のことが発生した。
 前者は[建前的想定あるいはリスクマネジメント]と呼ぶことができる。対応策は理解可能であっても、それが建前あるいは理想的なものであれば、構成員たちがそれらを実践する気持ちにならない。いわゆる絵に描いた餅である。また、仮に実現性はそれなりにあっても、それが形だけのものになり、対応策がないに等しい状態になることもある。さらに、組織の風土や文化、コストの制約などで実現できなくなるものもこれに含まれるだろう。
リーダーシップ・タブー集(18) [33] 2025/11/17 Mon 11133 11月15日 [29] の続き
 
部下が失敗したとき理由を聞かずに叱る
 いわゆる[頭ごなし]である。神でない人間のこと、何かをすれば[失敗]がついてくる。その内容にはよるとしても、[どうしてそれが失敗につながったのか]が成長の力となる。フォロワーとしては言いたいことがあるのに、とにかく叱られるのではストレスが高まる。また、仕事仲間の間でも「失敗の理由を聞かないリーダーだ」との評価が定着すれば、影響力は低下する。さらに、わたしが収集した自由記述やインタビューでは「リーダーは自分の欲求不満をフォロワーにぶつけているだけだ」「自分も同じことをしても知らぬ振りしている」「理由を聞いたら、納得できる指導ができないからだ」といった声が上がってきた。リーダーとしても、このような認知をされてはまずいに決まっている。
未知のリスク(14) [32] 2025/11/16 Sun 11132 昨日 [30] の続き
[想定外第2部類 ➣ 想定除外型:関係事象の発生は想像できるが、リスクマネジメントの対象とはしない。]
 その時点で、発生しうる事態ではあるが発生しないと[想定する]ものである。
 この場合、そうした事態が起きても影響が小さいと判断できるものは含まない。ただし、これとても[想定外]の甚大な影響を及ぼす可能性は[0]ではない。
 この部類で典型的なものは、ある事態が起きれば深刻な影響を及ぼすが、その発生確率がきわめて低いと判断し、現実には起きないと判断するものである。そうなれば、これに対する対策は講じられない。いわば、「発生を想定しなかった想定外」と言うことになる。こうした判断が行われる理由はコストパフォーマンスに対する考え方ではないか。
 このシリーズで最初に取り上げたアメリカン航空のエンジン脱落事故も[整備上の想定除外]に含まれる。パイロンは飛行機の翼とエンジンを繋げる装置である。そのパイロンの取り付け部で疲労による破壊や損傷が発生することは想像可能であった。しかし、エンジンと主翼パイロンを一体で外す整備方法はアメリカン航空だけでなく、航空機会社で慣習化していたという。そして、 「正しく作業すれば壊れる可能性は極めて低い」とされていた。また、アメリカン航空191便では左翼のスラットが格納された。これについては、「構造的に左右同時に動作するもので、片側だけの格納は起きない」と想定されていたという。しかし、現実にはそれが起きたのである。これも、[その事態そのものは念頭にあったが、その発生を除外した]ケースである。
日記の中の母(93) [31] 2025/11/16 Sun 11131 11月9日 [17] の続き
 1973年11月10日 土曜日 昨日書いた保険の件で大里に戸籍謄本を取りに行く。母の名前の欄は×印で消されていた。何とも言えない気持ちになった。「昭和48年10月29日午前5時20分死去」なんと事務的なことよ。それにしても、何が何だかわからないうちに母は死んでしまった。医師の医療ミスで大切な命を奪われた。わたしの言うことは何でも聞いてくれた。他人に奉仕することしか知らない母だった。それが人生の喜びだったかのようだった。
 ずいぶん長いこと戸籍を取る事態に出会っていない。以前は手書きで、いわゆる青焼きと呼ばれた複写が一般的だった。そこに手書きで×印が記載されたいるのを見て複雑な気持ちになったのである。
未知のリスク(13) [30] 2025/11/15 Sat 11130 昨日 [24] の続き
[想定外第1部類 ➣ 想定不能型:そもそも関係事象の発生を事前に想像することすらできなかった。]
 ある時点で、科学的・技術的知見が存在しなかったもので、まさに[未知の事象]と言える。
 世界初の商用ジェット旅客機コメットは1952年にイギリスのBOACによって飛行が開始された。ところが、翌53年5月2日にインドで墜落し、54年1月10日には地中海上空を飛行中に空中分解した。その年の4月8日、今度は南アフリカ航空機がナポリ沖で墜落する。
 その後の調査で、与圧の繰り返しによる胴体部分の金属疲労が原因とされた。飛行機は上空では気圧が低いため、機内に圧力かける必要がある。このため、離着陸するごとに胴体が膨張と縮小を繰り返す。その結果胴体が金属疲労を起こして空中で分解したのである。すでに、[金属疲労]そのものは知られていたが、これが航空機の胴体にも発生するとは考えられていなかったという。その点に限定すれば、コメット機の空中分解事故の原因として[金属疲労]は想像することができなかったケースに入るだろう。ただし、[金属疲労]という物理的現象は知られていたのであるから、航空機の与圧と胴体部分の[金属疲労]の関係を[予見不能型]に含めるのは適切でないという意見があるかもしれない。
リーダーシップ・タブー集(17) [29] 2025/11/15 Sat 11129 11月4日 [07] の続き
 
部下が作成した書類などの内容をしっかり確認しない
 「そこに置いといて。あとで見るから」。部下が作成した文書などはこの一言で終わる。さらに、会議での発言から察するに、部下が作ったや書類を読んでないことが露骨にわかる。それどころか、「この前頼んでいたやつ、どうなった」と来れば、それに対して一瞥すらしていない事実が判明する。たしかに目を通したようには見える、本気で読んだとは思えない。いやはや、上げていけば切りがない。上司は部下が作成したものを大事にしましょう。その書類に納得できるコメントなどを付け加えれば、「さすがわが上司」と感動を呼ぶでしょう。
未知のリスク(12) [28] 2025/11/14 Fri 11128 昨日 [26] の続き
 
アメリカン航空191便ではエンジン脱落から墜落までの時間は約6秒である。この間に、機長らが[エンジンの出力停止]と[エンジン脱落]の可能性を考えていずれかの判断を下し、それに対応して操縦桿を操作するなど、まさに想定することすらできない。したがって、このときの機長たちにとっては、現前している事態は[未知のリスク]とも言えるし、[判断不能事態]だったと言うこともできる。ここで[判断]を[理解][解釈][対応」と読み替えることも可能である。こうした状況を踏まえて、当局は機長らの対応に問題がなかったとしたのである。
 ところで、何らかの問題が発生すると、[想定]という言葉が頻出する。それは「想定外だった」という、いわば自己防衛的、言い訳的な反応も見受けられる。この[想定]は厳密に考えればいくつかのレベルがある。
GD仕事録(1) [27] 2025/11/14 Fri 11127 
 
わたしが集団力学を選択して60年近い年月が流れた。いまでもこの領域で仕事ができていることに自分の幸運を肌で感じる。ありがたいという言葉しか思い浮かばない。集団力学に関わる公的な仕事をしたのは大学2年生のときだった。それは1968年11月20日のことである。これについては、大先輩である高禎助さんからいただいた手紙をもとに連載していた際にも取り上げた。すでに書いたことではあるが、それは7年以上前の2018年3月18日だった。そこで、改めてその記事をそのまま採録する気になった。
 じつは、いわゆる[喜寿]を迎えて、自分が集団力学に関わる仕事の記録に関心が湧いたのである。そこで、スタートから振り返ることにしたのである。タイトルは集団力学が長いので、GD(Group Dynamics)と2文字に短縮した。連載にするのであれば、はやり[スタート]からはじめるべきである。そんなわけで[採録]を決めた。
未知のリスク(11) [26] 2025/11/13 Thu 11126 昨日 [24] の続き
 
本シリーズは研修を受講された方からのご質問を契機にしている。ここで改めて確認すると、それは「組織をおびやかす悪魔について、アメリカン191便の事故(エンジン脱落による失速)を考えていた。慣れ、経験、守らなくても事故らないが、当てはまりそうだが、むしろ未知のリスクによるように感じたが、どう思われるか」だった。ここで主体を機長たちにすれば、彼等にとって[エンジン脱落]は[未知のリスク]であったと、ほぼ断定できる。ここで[ほぼ]を使用し、敢えて100%と表現しないのは、第三者には知り得ない事実があった可能性を100%排除できないのである。
 その理由は、本件事故が発生した1979年以前にも、離陸時あるいは飛行中に[エンジン脱落]の記録はプロペラ機の時代を含めて[0]ではないからである。したがって、[エンジンが脱落する事象]は[想定可能]ではあった。その意味では[エンジン脱落の際の対方法」についても訓練しておく必要があったとは言える。しかし、それはあくまで理屈上のことで、構造的にエンジンが分離した際の適切な対応を訓練することが可能なのだろうか。あるいシミュレータを使用した訓練が実施されているのだろうか。また、そもそも、エンジンの脱落だけでなくスラットが格納された飛行機はそのまま飛び続けられるのだろうか。
父母からの便り(1) [25] 2025/11/13 Thu 11125 
 
日付は不明ながら父からのはがきがある。
 八千円受取した旨の葉書を受取った。勉強期という特殊な時期を過ぎた今はスポーツなどをやるとよいと思う。もともと鈍重な身体でなく、割に素早いところもあったと思う。伊万里のお宮の相撲で小学生の頃、自分より身体のでかい上級生を投げとばしていたのを見たことがある。ただし野球とかバトミントンは大したことはない。過労にならない程度にスポーツをやるのもよいだろう。あれだけの勉強をして壁を突破して眠を悪くしなかったのは何よりだ。眼鏡をかけなくていい程度に勉強しておくがよい。
 親の目から[あれだけ勉強]と親としては息子を評価している。おそらく大学に入学した1967年ころのものだろう。 
未知のリスク(10) [24] 2025/11/12 Wed 11124 昨日 [18] の続き
 
アメリカン航空191便は離陸滑走中に左主翼下の第1エンジンとパイロンが分離し、高度約90メートルで制御不能となり、滑走路の北西約1.5km地点に墜落した。この間31秒だとされている。
 滑走路を走り始めてから20秒までに通常通りの手続きを踏んで当該便は離陸する。ところが、約25秒経過したときに左側の第1エンジンが脱落した。これによって機体が左に傾くとともに油圧と電気系統が損傷する。その結果、操縦席の計器や警報装置が機能しなくなった。これに対して機長たちはエンジン出力が失われたと判断したが、エンジンの脱落との認識には至らなかったと推測されている。離陸自体は通常通りだったことから、その判断は十分に理解できる。
 通常の訓練では、エンジン停止し出力が低下した際は、速度と高度を維持しながら上昇を試みる。そして安全な高度に達してから空港に戻ることになっている。機長たちはそうした操作を行った。しかしながら、約26秒から29秒後にはエンジン脱落によって左翼にある揚力を高めるためのスラットが自動的に格納された。こうしたメカニズムについて素人は論評できないが、これだ機体が左に傾き危機的な状況となる。そして31秒後には墜落したのである。この事故について、NTSB(米国国家安全運輸委員会)の報告書では、機長らが取った対応に問題はなかったとされている。
4人の物語(118) [23] 2025/11/12 Wed 11123 11月5日 [09] の続き
 
Aが小学3年生の夏休みの日記 1957年7月27日 土曜日 雨 気温28度 きょうはいもうととラジオごっこをしました。赤胴鈴之助とか少年たんていだん、いろいろしてあそびました。ぼくはラジオのうらでペチャクチャしゃべりました。□□(妹)ちゃんは大喜びでした。
 当時は放送としてはラジオしか存在していなかった。ニュースは言うまでもなく、国会やスポーツの中継もすべてラジオだった。テレビ放送は1953年の開始だが、一般庶民には現在の[月面着陸]レベルだった。すでに成功はしていても、それは別世界のことだった。このときはラジオに見立てた箱にスイッチや音量ボタン、スピーカーに、チューニングダイヤルなどを描いたのだろう。そしてその裏側からしゃべって妹を喜ばせたのである。ここで[赤胴鈴之助]は漢字で書いているのも面白い。当時の人気漫画の主人公でラジオでも連続物として放送したいた。
未知のリスク(9) [22] 2025/11/11 Tue 11122 昨日 [20] の続き
 
ここまで[危機管理]と[リスクマネジメント]を整理してきた。そこでご質問の本題である[アメリカン航空191便]の事故になる。そこで、この事故についてまとめておく必要がある。ただし、事故の経過と分析は膨大な量で、ウイキペディア(日本語)では、21000文字を超えている。これを単純に縮小することには抵抗があるが、ご質問にお答えすることを念頭に概略を箇条書き的に記すと以下のようになる。
 1)1979年5月25日、アメリカン航空191便(DC-10型機)がシカゴ・オヘア国際空港を離陸直後に墜落した。
 2)この事故で、乗員乗客271人と地上の2人が死亡した。
 3)事故の原因は、離陸時に左主翼下の第1エンジンとそれを支えるパイロンが機体から分離したことによる。その結果、油圧系統が損傷して左翼外側のスラットが引き込まれたことから揚力が失われた。機体は30秒後に地上へ墜落した。
 4)当初はDC-10の設計不良が原因だと疑われた。
 5)その後、国家運輸安全委員会(NTSB)が調査したところ、直接の原因は航空会社の整備手順が不適切だったことが明らかになった。
 6)エンジンを交換する際に、本来推奨されていない方法でエンジンとパイロンを一体で取り外したため、パイロンの取り付け部に亀裂が生じていた。
 7)電力は左エンジンから供給していたため、事故時には警報装置やフライトレコーダーが機能しなかったことから、パイロットは状況を正確に把握できなかった。
家族への通信(20) [21] 2025/11/11 Tue 11121 8月15日 [33] の続き
 
はがき[消印1967年だが、日付は読み取れず。福岡中央局 父が記した番号110]
 りんごは皮のまま食いは禁止したがよい。ニュースによるとヒソ(農薬)が残っているそうな。11日マルクス「資本論」を購入。第一版 全三巻四冊、総頁数約3000頁 向坂逸郎訳 岩波書店版 市価3,700円、記念特価3,200円を生協の特別セールで2,880円で購入。 11日現在、12月の本への投資額4,570円なり。本は少々買い過ぎても損をするものではない。現在は買入れる本も多いが、読み下す本も又素晴しく多い。毎日が本を読むので終りそう。こんな楽しい、これこそ人生と思えるような生活こそが、今私の送っているそれである。
 わたしが大学に入学した年で、文面から12月11日ころに投函したものだと推測できる。リンゴを皮のまま食べることがあったわが家へ情報を提供している。資本論は出版100周年だった。このときから56年が経過した2023年6月13日、全三巻の活字を見終えた。
 本をドンドン買って、ドンドン読む毎日の楽しさが伝わる。はがきを読んで、父も母も喜んだだろう。
未知のリスク(8) [20] 2025/11/10 Mon 11120 昨日 [18] の続き
 
これまで、[危機管理]と[リスクマネジメント]について考えてきた。組織や個人にとって、[リスクマネジメント]は[危機]を回避する、あるいは望ましくない影響を最小限にするための手段であって目的ではない。その意味でもっとも重要なキーワードは[危機回避]であり、それが目的になるべきものとなる。そこで、わたしは「[危機管理]は組織あるいは個人の[危機]の発生を予防するともに、[危機の発生時]には、その影響を最小限にするための一連の対策群」と定義したい。つまりは、広義の[危機管理]があり、その手続きあるいはマネジメントのの中に[リスクマネジメント]と[(狭義の)危機管理]が含まれると考えるのである。
続 教師からのメッセージ [19] 2025/11/10 Mon 11119 11月8日 [15] の続き
 
[続]を付けたが、熊本教育センターの研修受講者の声としては、これで最後になる。
 「今回の研修で、一番心に残っている先生の言葉は、『リーダーシップは個人の行動で決まる。行動をするかどうかで決る』というものです。子どもへのアンケートの内容は、私にとって『えっ』と思うものでした。たった4人しか生徒がいませんので、とても近い関係なのです。ですから、家族(姉)のような気持ちになっていましたが、『これくらいは・・』と思っていることをやめてほしいと思っていたんだなと反省しました。『教師』という自覚を持たなくてはいけないと強く思いました。是非、子どもたちの要望を実行に移したいと思います』。
 わたしは多くの組織体で実施している[リーダーシップ・トレーニング]方式を先生方の研修に導入した。児童生徒たちから自分に期待されている行動について分析し、それを実践に移すのである。さらに一定期間が経過したあとで、その[行動]が児童生徒にどのように見られているのかをデータに基づいて分析する。こうした一連の流れの中で、この先生は「これくらいは」と思っていたことが生徒からは否定的に受け止められていたことがわかったのである。そのときは「えっ」と思ったとのことだが、その驚きをご自分のリーダーシップ力の向上に活かしていらっしゃるに違いない。
未知のリスク(7) [18] 2025/11/09 Sun 11118 昨日 [16] の続き
 
[危機管理]も[危機発生時]に想定される様々な要素を考慮しておくことが求められる。ただし、[危機管理]は問題事態が発生した「そのとき、その場で採用する対策や行為」と限定すれば、[狭義]の[危機管理(行為・対応)]とは言える。
 さらに、[危機]の発生を防止することも[危機管理]と考えることもできる。そのために[リスクマネジメント]が欠かせないのである。これは[広義]の[危機管理]であり、その中に[リスクマネジメント]と[危機発生時の対応(危機管理)]が含まれることになる。個人的には、「平常時には[リスクマネジメント]、そして問題が起きたら[危機管理]」という分化は意味がないと考えている。ことばの遊びを加えるなら、「[リスクマネジメント]+[危機管理]こそが、将来起きる可能性のある問題に対する[リスクマネジメント]である」と言うこともできる。先のことはずべてが確率であり、[リスク]なのである。
日記の中の母(92) [17] 2025/11/09 Sun 11117 11月2日 [03] の続き
 
1973年11月9日 金曜日 母が亡くなって10日以上になる。今日、父から職場のグループ保険に母も含まれるということで、保険金が100万円支払われるという。我々に対する母の最後の贈り物と言えるのだろうか。それにしても実に悲しい贈り物である。医師の過失によって、母は最後まで自分が死ぬことを知らずになくなってしまった。
 この日は前半に福岡の宿舎のことを書き、そのあとに保険のことを続けている。
未知のリスク(6) [16] 2025/11/08 Sat 11116 昨日 [14] の続き
 
[危機管理]は、危機が現実化した際の迅速かつ適切な対応と、問題のさらなる深刻化を防止する方策である。そこで、[万一]の場合に発生する事象を予測し、可能な限り実効性の高い具体的な対策を決定しておかなければならない。それも一部の組織や人間たちが探索し、議論するだけでは十分でない。そのときに関わる者たちの意見やアイディアを抜きにしては、具体的かつ効果のある方策を練り上げることはできない。かくして、[危機管理]は[危機事態に対する一連の対策]を意味するとしても、[危機の現実化]も[リスク]として捉えておくことが欠かせない。こうなると、時間的に[リスクマネジメント]が先行して、[危機管理]が後続するという図式は現実的ではない。
教師からのメッセージ [15] 2025/11/08 Sat 11115 
 
わたしは70歳になった年度まで、熊本市の教育センターで教師の対人関係に関わる研修をした。それは2003年から[10年経験者研修]がスタートしたときからはじまった。この研修でわたしは[リーダーシップ・トレーニング]方式を取り入れた。それから17年もの長いお付き合いになったのである。
 いつのときからか、研修終了後に受講者全員からメッセージをもらうようになった。そのかなりの部分を本コラムで取り上げていた。それで一区切り着いたと思っていたが、取り上げていなかったメモが出てきた。
 「本日の研修のLDS=TS✕HSは、まさにその通りだと思いました。TSを基本に置いた上でのHSであることも認識しました。最近、すばらしい実践技術をもっていても人間性の部分が不足していれば実践技術は意味がないと考えHSに走っている傾向が多かったが、自分の行動を見直したり人間性を磨くと同時に、やはり、TSも同時進行で行っていかなければならないことに気づき『はっ』’としました。TSとHSを同時に学ぶことのできるこの研修で、研修についていくのではなく、積極的に行動して私の教師としての資質、技術の向上につなげたいと思います」。
 いつの年度のものかを記録していない。ここで[LDS]は[リーダーシップ]、[TS]は[テクニカルスキル]、[HS]は[ヒューマンスキル]である。
未知のリスク(5) [14] 2025/11/07 Fri 11114 昨日 [12] の続き
 
時系列的に[リスクマネジメント」➣ [危機管理]と並べることはできる。しかし、ただし、現実の危機に対応する[危機管理]が場当たり的であるなど考えられない。完璧な[リスクマネジメント]が危機をシャットアウトできるはずもない。そもそも発生する可能性のある事態が[リスク]である。まずは、それを想定することから[リスクマネジメント]がはじまる。その上で、[リスク]の発生確率を評価し、そうした事態が起きないように様々な手立てを取る。それが強力で効果的であることを目指すのは当然である。しかし、それでも[リスクが現実にもの]となることを100%防止することはできない。そうなると、「普段からできるだけのことはしているのだから、問題が起きてしまったときはしかたがない。そのときはそのときだ」などという答はあり得ない。つまりは、徹底した防止策は採りながらも、その発生を止められなかった場合の[リスク]についても、あらかじめ考えておく必要がある。
学ばないDNA [13] 2025/11/07 Fri 11113 
 
あらゆる行為は、現時点での行為レベルを基準にすれば、その前段階のものは「すべてが失敗」と言える。「失敗は成功の母、あるいは[元]」ではなく、普通の行為に必然のことである。もちろん、前の状態に戻ってしまうのは正真正銘の「失敗」とも言える。かくして、われわれはいつも「失敗」と共に生きている。だから、「失敗しない」ことで頭を悩ませるよりは、「失敗を活かす」ことに力を注ぐ方が前向きで先の成功につながる可能性が高まる。しかし、これが口で言うほど簡単ではない。とくに組織の失敗となると、あちらでもこちらでも、「失敗の活かし損ない」に充ち満ちている。人間には、「失敗に学ばないDNA]が組み込まれているのではないかと考え込んでしまう。
未知のリスク(4) [12] 2025/11/06 Thu 11112 昨日 [10] の続き
 
[危機管理]の英語[crisis]は、ランダムハウス英和大辞典の第一義は、[(未来のすべての態勢が決定される)転機、決定的なとき(局面)]である。類語として[EMERGENCY]が付けられている。つまりは、緊急事態、危機的状況ということである。かくして、[危機管理]は、組織において突発的な事故や災害、不祥事などの重大事態が発生した際の対応ということになる。もちろん、個人についても[危機管理]は成立するが、一般的には[組織や集団]の事象として考えることが多い。こうした危機に直面した際に、その被害や望ましくない影響を最小化し、併せて早期に復旧を図る。これが[危機管理]である。したがって、時間的には日常的な[リスクマネジメント]があり、危機が現実化した際は、[危機管理]が実施されるという流れになる。
問題を見る視点 [11] 2025/11/06 Thu 11111 
 
「人生や組織に問題があることは当然で、問題があることが問題ではないのです。本当の問題は、問題があるにも拘わらず、それに気づかないことです。また、気づいても、その解決にチャレンジしないことなのです」。
 そもそも生きていること自身が問題を生み出す可能性を背負っている。癌は細胞のコピーミスによって生まれる。それは生きているからこそのことである。つまりは活動があれば、問題が発生するのは必然なのである。個人や組織が現実の問題を発見し、その解決に向けて取り組むことの重要性を強調するつもりで、わたしはこうした発言をしている。
 ただし、わたしはその発言自身が問題を抱えていることにも気づいている。あなたは本当の問題を抱えずに生きてきたのでしょう。世の中には言葉にも、書くこともできない、文字どおり筆舌に尽くしがたい問題に直面し続けている人たちがいるのですよ」。こう言われれば返す言葉はない。ただ、そうした事実を念頭にした上で、冒頭の視点は維持したい。それは、個人や組織の安全を考える際に必要だと考えるからである。
未知のリスク(3) [10] 2025/11/05 Wed 11110 昨日 [08] の続き
 
[危機管理]の英語は[crisis management]だが、こちらは[管理]が使われる。一方で、[risk management]が[リスクマネジメント]とそのままであるのとは対照的である。もちろん[リスク管理]と呼んでいるケースはあるだろうが、[リスクマネジメント]を使う方が圧倒的に多いのではないか。日本語で[管理]といえば、[主体的に制御、コントロールする]との雰囲気が漂う。そもそも英語である[マネジメント]は、制御やコントロールとは[何となく]違って、[何となく]幅が広いように感じる。かつて、生産効率に焦点を合わせたテイラーの[Scientific Management]の翻訳は「科学的管理法」が定着している。わたし自身は、「リーダーシップは管理ではなくマネジメントでなければならない」と提案している。ただ、これ以上踏み込むと、ご質問に対する答を考えることから逸脱しかねない。この議論は別の機会に譲る。
4人の物語(117) [09] 2025/11/05 Wed 11109 10月29日 [33] の続き
 
Aが小学3年生の夏休みの日記 1957年7月26日 金曜日 雨 気温26度 きょう大石からかえりました。ちょうめんにえきやトンネルなどをしらべると、トンネルが22、えきが24、てっきょうが8つもありました。川の水がにごっていて、見るたびにむねがギクッとしました。
 おそらく駅やトンネル、鉄橋が目の前に現れるたびにノートにチェックしていったのだろう。この日の絵はオレンジ色の鉄橋を渡る蒸気機関車である。川が水色とともに黄土色が付け加えられている。前日から雨と書いているから、川は増水し土色に変わっていたのだろう。「むね(胸)がギクッとした」は小学3年生として精一杯の表現だろう。夏休みに入ってすぐに母親が実家に帰った。ただ、出かけたのが24日だったからわずか二泊三日だった。
未知のリスク(2) [08] 2025/11/04 Tue 11108 昨日 [06] の続き
 
ご質問は、「アメリカン191便の事故は、未知のリスクによるように感じたが、どう思うか」というものである。これにお答えするためには[アメリカン191便の事故]の概要を押さえておく必要がある。さらに、[危機管理]と[リスクマネジメント]について整理しておいた方が良さそうだ。
 そもそも、[risk]は[危険、危害(損害)の恐れ;冒険、賭け]といった意味がある(ランダムハウス英和大辞典)。これ先に起きる可能性のある問題である。それは可能性だから、事前に[危険や危害、損害を引き起こす事態]の発生確率の予測や影響評価をすることになる。[リスクマネジメント]は、こうした情報に基づいて、[リスク]が現実のものになる前に、その発生を[阻止、抑制する]ために行われる活動である。それは、組織的なものもあれば、個々人が日常生活の中で実践するものもある。いずれにしても[問題事態]が発生する前のことであるから、継続的な性格を帯びる
リーダーシップ・タブー集(16) [07] 2025/11/04 Tue 11107 9月5日 [10] の続き
 
[部下が期待する専門的な知識・技術をもっていない]
 本コラムでは、連載のつもりが長期間ブランクになることが頻発する。この[タブーシリーズ]も2か月ぶりになる。
 リーダーが[専門的知識・技術あるいは技能]を持っていないのは致命的である。それではフォロワーたちの指導もできない。それは信頼感を失うことでもある。かくして、リーダーは絶え間なく、自らの専門性を磨くことが求められる。
 ただし、ここで[部下が期待する]という条件にも留意する必要がある。リーダーが[歩く百科事典]のように、「何でも知っている」「どんなことでもできる」必要はない。あくまで、部下たちが「これは知っていてほしい」「こんな技術を持っていてほしい」と期待する[専門性]が必要なのである。したがって、リーダーが自分にない[専門性]をフォロワーが身に付けるためにサポートすることも、[リーダーの専門性」だと考えている。
未知のリスク(1) [06] 2025/11/03 Mon 11106 
 
研修を受講された方から質問をいただいた。「組織をおびやかす悪魔について、アメリカン191便の事故(エンジン脱落による失速)を考えていた。慣れ、経験、守らなくても事故らないが、当てはまりそうだが、むしろ未知のリスクによるように感じたが、どう思われるか」
 ここで[悪魔]は、わたしがリスクマネジメントに関わる話で使っているものである。われわれの心の中に[リスクを現実のものにする悪魔]が住んでいるという話である。たとえば「慣れ」「経験」「記憶と忘却」にまつわるトラブルや不祥事がある。また、「規則やマニュアルを守らなくても事故はほとんど起きないぞ」と耳元でささやく悪魔がいる。さらには「規則やマニュアルを守っていても事故が起きることもあるよ」と心を揺さぶる悪魔も無視できない。その趣旨としては、誰の心にも悪魔がいることを前提にして組織の問題に対応していくことの重要性を強調することにある。
続々々 おもしろ体験 [05] 2025/11/03 Mon 11105 11月1日 [02] の続き
 
「もう立ち見しかありませんが、それでいいですか」。予想どおりの条件が提示されました。そこで、わたしが「じゃあ、今回はやめにしよう」と言ったときでした。わたしたちの近くにいたもう一人の担当者が「まだ2枚そこに残ってるだろ」と窓口の担当者に声をかけました。その言いっぷりから、この人物の方が影響力のある雰囲気が漂います。「えっ、これいいんですか」「いいんだよ」と掛け合いがあってから、その人物はわたしたちに2枚のチケットを提示しながら言ったのです。「これかなりいい席ですよ、ちょうど2枚残ってる。⚪⚪円でどうですか」。わたしは反射的に財布から提示額のお札を出していました。それは、[S席]で、しかも相当にいいところでした。しかも、[梅沢富美男・研ナオコ]さんの名誉のために確認しておきますが、それはプレミアを付けたものではありませんでした。それどころか額面よりも安かったのです。何らかの理由で、その日に[空いた]のでしょう。
 かくして、わたしたち夫婦は2時間半にわたって[梅沢富美男・研ナオコ 夢の公演]を大いに楽しんだのでした。めでたし、めでたし。
ススキの秋空 [04] 2025/11/02 Sun 11104
 
銀杏と並んで秋はススキでしょう。こちらは高原の主役になります。写真は大分県九重町の[タデ原湿原]です。熊本からは[やまなみハイウエー]で阿蘇を超えた先にあります。太陽の日射しと青空に映える姿は銀杏と並んで秋の両横綱と言えるでしょう。日本に四季があるからこそ同じ場所も景色が変わるのです。阿蘇にしても、出かけたときどきで表情が変わります。しかも背景になる山の形は変わりませんから、なおさら楽しめるのです。わたしたちも土台は同じであっても表情が豊かであれば、それだけ人との関わりも充実しそうですね。
日記の中の母(91) [03] 2025/11/02 Sun 11103 10月26日 [29] の続き
 
1973年11月9日 金曜日 福岡に宿舎があるそうだ。別府・田島・優先の3箇所で、残念ながら香椎にはないという。さて、どうしようか。今一番の問題は□□(妹)のことである。学校と家庭の往き来で、家事も加わると大変である。福岡でも上記の3箇所は大学に近いとは言えないが、それでも小倉に比べれば楽になる。そのかわり、父は通勤が大変になる。
 母親が亡くなり、父にとっては通勤しやすい北九州のアパートから福岡に引っ越す話になった。ここで[宿舎]というのは、いわゆるアパートのことである。父が公務員だったことから、[(公務員)宿舎]と呼んでいた。事実、以前は平屋の長屋形式の[宿舎]という方がピッタリするところに住んでいた。それは、伊万里からはじまり、福岡の香椎と続いた。日記に「香椎にはない」と書いているのは、香椎の御幸町の[宿舎]を懐かしみながら思い出したのである。また、妹が家事をするのが当然のような記載がある。当時としてはそうした空気感があった。もちろん、父もわたしもそれなりに家事に相当することはした。とくに大正生まれの父はそれまでの行動を大きく変えた。
続々 おもしろ体験 [02] 2025/11/01 Sat 11102 10月31日 [37] の続き
 
もうすこしで、わたしたちが[割引券]を引き換える番に到達しそうなときでした。「すみません、引き換える席は終わりになリました。また、1000円追加の分もなくなりました。あとは立ち見のみです」。さすがですね、[梅沢富美男・研ナオコ]ご両人の会場は満杯になったのでした。正直な話、自分が講演や研修をお請けしたときは、けっこうな時間立ちん坊でいます。しかし、観客の身になったときは遠慮したいものです。この掛け声を聞いた瞬間に、わたしはひるんで「今日はやめとこう」と思ったわけです。ところが、家内はこの一言を聞き漏らしていたらしいのです。そこで、とにもかくにも自分たちの番が来るまで前進しました。そして、当然のことですが、わたしが先ほど聞いた内容と同じことを告げられました。
秋深し [01] 2025/11/01 Sat 11101 
 
気候変動によって[秋]の影が薄くなってきました。日本ならではの四季が二季になるのではないかと不安を覚えます。そうした中で[秋色探し]は楽しいものです。しかし、森の中では熊と遭遇する可能性が[0]でない事態が生まれ、[紅葉狩り]にも心配が付きまといます。熊にとっても食糧不足が深刻になったと思われます。これも気候変動と関係しているのでしょう。何とか共存できるといいのですが、むずかしい問題です。
 写真は熊本県庁のプロムナードで撮った銀杏です。秋の日射しと青空で、目を瞠る鮮やかな色です。その下に立っているだけで心から感動します。