味な話の素  No.237 2023年02月号 (9075-9113) Since 2003/04/29

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オリンピックと[金][39] 2023/02/28 Tue 9113
 アスリートたちには何の責任もないが、オリンピックが金まみれであることは誰もが知っている。開催地を決める際に実力者に支払われるコンサルタント料という名の裏金はいつも問題になる。それが賄賂になるのかどうかは国によって違うだろう。日本の場合はオリンピック委員会に関係すると「みなし公務員」になる。つまりは公務員と同じ収賄と贈賄の罪が成立する。国立大学は法人化したため、身分は公務員でなくなったが、やはり公務員に準ずる扱いを受ける。そのため、物品の購入で便宜を諮ったとして教員が逮捕されるケースもあった。ついでながら、国立大学の「教官」は法人化後は「教員」になった。
[新]規則・マニュアル問題(2023-1)[38] 2023/02/27 Mon 9112
 「マニュアル問題」は、わたしの[ライフワーク(?)]である。本コラムでも取り上げ続けてきたものを「規則・マニュアル Pickup」とのタイトルで、ホームページ(表紙)にボタンを付けて公開している。その数「玉(?)石混交」の138本だが、ほとんど読まれていないだろうとの確信がある。それでも自分の[ライフワーク]だから、止める気持ちはない。そこで、「新 規則・マニュアル問題」との心意気で、新たなスタートを切ることにしよう。
 マニュアルの変更や更新の時間がないとなれば、「緊急避難的」にそれらを無視して仕事を進めてしまう。ところが、「緊急事態」が解消されても、当事者たちが「変更や更新」に取りかかる可能性が高いとは限らない。「これで乗り切ったのだから、このままでよくはないか」。そんな「暗黙の合意」が職場の常識になれば、規則やマニュアルを改善するエネルギーは失われる。絶えることのない検査不正もこうした経緯を経ていないか。
祖父からの手紙(2)[37] 2023/02/27 Mon 9111 1月13日[14]の続き
 わたしが小学4年生の二学期に、わが家は佐賀県の伊万里市に引っ越した。そこで「伊万里ニュース」という「新聞」を作成して、母方の祖父に送っていた。本日は、1月13日に取り上げた話題の続きである。わたしは「ニュース」の題字や見出しを新聞の明朝体活字を真似て[本物っぽく]仕上げていた。祖父の手紙にあった最新号のトップニュースが「わが家で飼っていたメジロの逃走」だった。当時はメジロを霞網や鳥もちで捕獲することが許されていた。わが家はサラリーマン世帯で、そうした道具も、それを使うテクニックも持ち合わせていなかった。そのメジロは近所のお兄ちゃんからもらったものだった。
心のピンホールカメラ[36] 2023/02/26 Sun 9110
 子どものころ、雑誌の付録にピンホールカメラがあった。箱に開けた小さなピンの穴から入ってきた光が像を結ぶ。そもそもモノに当たった光は吸収されたり反射されたりする。その反射光の中で、われわれに見える光がカラーで認識される。そうした反射光のうち、ピンホールを通過した光が像を結ぶのである。ピンホールは人工物だが、大昔でも、自然にできた小さな穴の反対側にモノが逆さまに写ることはいくらでもあったはずだ。そんなとき、太古の人たちはどんな思いに至ったのだろう。
 まあ、古代人に感想を聞くのは措くとして、われわれも「心のピンホールカメラ」を常備しておくことがお勧めだ。様々な事象は光をあっちこっちに反射している。そんな中で、「小さな穴」を通して物事を捉え直す。その物事の中には対人関係の課題も含まれる。それは、現実を見る際に「焦点化する」ことと同義とも言える。ただ、ピンホールカメラは「限定された光」だけを通すのではない。事実、対面にある全体像をしっかり映し出すのである。その点で純粋な情報だと言える。ただし、その像が逆さまになっていることはちょっとだけ頭に置いておくことが必要だけれど。
いつもの理由[35] 2023/02/26 Sun 9109
 福岡の老舗旅館で大浴場のお湯を年に2回しか入れ替えていないことが発覚した。本来は、週1回以上とされているらしい。この旅館はわたしも若いころから知っている。お湯の交換に関する規定は、温泉旅館であれば、従業員全員にとって基礎知識である。ここを含めた複数の施設に宿泊した客が体調を壊したことからチェックが入って問題が明らかになった。それまで、だれも規定違反だと思っていなかったなど考えられない。この件に関する調査がどの程度行われるのかはわからない。おそらく、「知っていたけれど、言えなかった」「言ったけれど、聞きいれてもらえなかった」のオンパレードになるに違いない。
人類と犯罪[34] 2023/02/25 Sat 9108
 人間と切り離せないものはいくらでもあるが、[犯罪]はその一つであり続けるだろう。その理由の一つは、動物としての人間が基本的に[生きる]ことを求めるからである。それも地球上に1人しかいなければ、何をしても犯罪にはならない。[犯罪]は地球上に2人以上がいてはじめて成立する可能性が生まれる。もちろん、彼等が相互に関わり合っている、あるいは少なくともその存在を認識していることが条件になる。
 そもそも2人がまったく同じではあり得ない。それには物理的な力の差も含まれる。食物や安全な場所が十分であればいいが、そうはいかないことがある。今日ですら、すべての人間に食や安全な生活が保障されていない。大昔は、日常が欠乏との戦いだった。そこで、それらを確保するために緊張や葛藤が生じ、争いが生まれる。その結果として、まず間違いなく力の強い方が勝つ。それで条件が優位になるから、その差がさらに拡大する。
 こうした状況で生きていかなければならない力のない側が何らかの行動を起こす。それを抑えるために、強い側はさらに力を行使する。これが[犯罪]的行為になる可能性が生まれる。また、力を持った側が、弱い者たちの行動を[犯罪]と定義する。
集中力3分[33 ] 2023/02/24 Fri 9107
 わたしの売りの1つに[集中力持続:最長3分]がある。スポーツだと相撲は1分以内がほとんどで、3分にもなれば、やがて水入りとなる。そんなわけで、朝ドラなるものも15分の長時間だから、最後まで観きる耐性はない。そんなわたしだが、いま放映中の「舞いあがれ」には例外的に、それでもチラチラではあるが、観ている。いや正確には、しばらく観ていた。その理由は簡単で主人公がパイロットになるべく悪戦苦闘している話が続いたからである。それもいつの間にか飛行機とは縁遠くなって、わたしも放送と縁遠くなった。
 ともあれ、わたしは飛行機大好き人間なのだ。子どものころ、ことあるごとに「○○と煙は高いところに上りたがる」なんて言い回しを聴いた。また「豚もおだてりゃ木に登る」と言う。そもそも豚をどうやっておだてるのだろう。それに、こちらはおだてたつもりでも、豚に確かめる方法があるなど想像すらできない。いや万歩譲って、[おだて]に成功したとしても、豚の体型を見れば、彼らが木に登れると信じる人がいるなんて、それこそ信じられない。科学的根拠皆無のことを言ってはいけない。
 その点、「吉田もおだてりゃ木に登る」のは、やや事実に近い。ただし、ガキのころだって、屁っ放り腰で、しかも相当に低い木に、わずか数回だけ登った記憶があるくらいのものだ。いまや間もなく後期高齢者クラブに入会する身のこと、そんな危険なことは夢の中でもしてはいけない。
Good-bye ジャンボ[32] 2023/02/23 Thu 9106
 ボーイングB747の生産が終了した(2月1日朝日新聞デジタル)。あの「ジャンボ」である。最初に登場したときは400人から500人乗りという驚くべき大型機だった。福岡の箱崎にある大学で学生をしていたころ、志賀の島上空から福岡空港へ着陸する巨大なジャンボが真上を通過していった。その騒音が、それまでの飛行機よりも小さかったことに驚いた。機体の前方は二階席で、何回かそこで楽しんだことがある。国際線であればファーストあるいはビジネスクラスだったから、それだけで豪華な旅をしている気分になった。
 当初は日本の保有機数が最も多いと自慢していた。とにかく右肩上がりの経済だったから、ジャンボも大量購入したのである。但し、経済力だけでなく、空港の着陸料の高さから、回数を減らして一気に運ぶことが優先されたらいしいことを後になって聞いた。ホンモノの航空大国アメリカでは、適当な大きさの飛行機がバスのようにひっきりなしに飛んでいた。何のことはない、むしろ航空後進国の側面もあったのだ。
 いまや右肩下がり、風前の灯の感まで漂いはじめた国の懐かしい思い出である。総生産台数は1574機だという。
外部調査委員会の限界[31] 2023/02/22 Wed 91045昨日[29]の続き
 島津製作所の子会社で判明した問題について、外部調査委員会は、「九州の一部地域の営業所では不合理な業績目標が設定され、『現場がプレッシャーにさらされていたのではないか』と指摘した」とある(熊本日日新聞2月11日)。「さらされていたのではないか」という疑問符には疑問が残った。そこで、「島津メディカルシステムズ」のホームページを検索したところ、「調査報告書(公表版)」がアップされていた。
 これを見ると、「九州支店に所属する 7 名のサービス技術者」を「嫌疑濃厚者」とした上で、遅くとも 2010 年頃よ り、本件不正行為を実行していたか、あるいは、その蓋然性が高いと認定」している。案の定、一人のとんでもない人間の行為ではなかったのである。しかも、内部告発による発覚まで10年以上が経過している。
 この7 名だが、本委員会のヒアリングで不正行為の実行を告白または 示唆したのは 2 名だったという、この2人も、「いまだ重要な情報を秘匿していることが窺わ れ」たと記している。つまりは何かを隠しているとの強い疑念が残ったままなのだ。また、2 名は不正行為を否認し、別の 2 名は退職済みで、ヒアリング自身を拒絶した。さらに、1 名は病気でなくなっていた。
 こうした点は、警察と違って、法的強制力を持たない委員会の限界がある。それは、学校におけるいじめにかかわる第三者委員会でも同じ事情が発生しうる。
やっぱり…[30] 2023/02/21 Tue 9104
 島津製作所の子会社が熊本県内の病院に納品したX線装置にタイマーを付けて、セットした日に作動しないよう細工し、修理代として230万円ほどの支払いを受けた「事件」は9月6日から12日まで、7回取り上げた。その時点で、「これだけ」の特別なケースではないだろうと邪推した。それから、部外者には何の動きも見えないのでどうなっているのだろうと思っていた。
 ここに来て、外部者で構成する委員会が、疑わしいものを含めて43件を認定したという記事を読んだ。案の定というか、思った通りというか、「あの件だけ」でなかった。何のことはない、「売り上げ(?)」を上げるためのプレッシャーが原因であることは、ほぼ確実だろう。タイマーをしかけて壊れたことにして修理費を取ったのだから、金は個人の懐に入ったのではない。しかも「これだけ」でなかったのだから、一人のとんでもない人間の個人作業ではなさそうだ。
 社内の内部告発はお釈迦にされ、社長には届いていなかったという。そうかと言って、だからトップは関係ないとはいかないでしょう。
基本は守られない[29] 2023/02/20 Mon 9103
 熊本の消防士が無免許運転で現行犯逮捕された。本人は1月12日に免許の取り消し処分を受けていたが、その後に救急車を20回運転していた。免許取り消しの理由は12月8日の酒気帯び運転だった。職場へはバイクで通勤していた。消防局の内規には、免許取り消しを受けた場合は上司へ報告することになっていたが、これが守られていなかった。また、規則では、救急車で出動する際は「免許証携帯の確認」が必要だったが、これを怠っていた。わが邪推ながら、何分にも「一人で20回」なのだから、この当人に限らず、職場全体に「確認しない常識」が出来上がっていたに違いない。
 また、「基本は守られない」事例が一つ増えた。
ほめられる関係づくり(4)[28] 2023/02/19 Sun 9102 昨日[25]の続き
 その上で、わたしの「正解候補」を挙げると次のようなものがあります。
 ①ご本人に、「わたしは、あなたがなぜか怖くて苦手で緊張してしまう。それって、気づいていますか」とストレートに聴く。
 ②その回答次第で自分の行動を少しだけ変える。
  「そんなことありませんよ」と言われれば、「ああ、よかった」と喜んで、その後の対応に自信をもつ。「そう思いますよ」と言われれば、「わたしはどうにかしたいと思っているんだけど、何かアドバイスがありますか」と問いかける。「ある」ときは、できるだけそれを実践する。「ない」と言われれば、「自分でいろいろ工夫してみるので、これから、『ああ、何かしているんだ』と思って、そのときの気持ちを伝えてほしい」と依頼する。
 ③ご本人とうまくいっているスタッフにどのように対応したらいいかを聴く。
 ④あわせて、同僚に「わたしがAさんを苦手にしていることがわかりますか」と聴く。
 ⑤上司に、自分がAさんを苦手にしていて、困っていることを伝え、アドバイスをもらう。
 ⑥Aさんへの対応だけでなく、自分の行動に対して「みんなから」アドバイスをもらう。
 ⑦もらったアドバイスはできるだけ行動に活かす。

 まあ、どれもこれも「あんたは言うだけだから気楽だね」と思われることでしょう。そうだとすると、わたしの「正解候補]に、ご質問いただいた方の正解が入っていないことになります。
 ともあれ、「正解」を探求するにあたって、「自分の方が先に変わる」ことが「大前提」です。もちろん、その変化は「ちょっと」だけでOKですけれど…。」
訂正
 
昨日、大分県立芸術文化短期大学の吉山尚裕先生から、本コラム17日「銃社会の病理」の「発砲事件は、 ミシガン大学(University of Michigan) ではなく、ミシガン州立大学 (Michigan State University)ですね」とのメールをいただきました。いやあ、ミシガンと聞いて、「すわ、 あのミシガン」 と思い込んでしまいました。吉山先生はわたしの教え子に近い関係の方です。 集団力学研究所でご一緒に仕事をしました。 これまでも、本コラムのミスに気づかれると、 すぐにお報せいただいています。まことに ありがたいことです。 かくして、 「グループ・ダイナミックスと関連の深いミシガン大学での発砲事件」を「ミシガン州立大学での発砲事件」に訂正します。
ゆっくり、ゆっくり[27] 2023/02/18 Sat 9101
 
熊本大学に勤めていたとき、わたしの研究室は2階にあり、在職中はその階段を昇リ続けた。まだ建築中だった施設を見に行ったとき、階段になる赤い鉄骨がらせんのように渦巻いていた。その階段を昇りながら、3回に2回はその光景を思い出した。その様子を人が見ていたら、あるいは駆け上がっているように見えたかもしれない。
 ある日、「そんなにあわてなさんな。もう少しゆっくりいこうじゃないか」という声が聞こえた。生来のせっかちが身に着いたわたしは、「そうだよなあ」と、その声に同意した。それからは、仕事場以外の階段も含めて、「ゆっくり、ゆっくり」と自分に言い聞かせるようになった。そうした発想が、毎日の生活や仕事全体に拡大していったのかどうか、われながらはっきりしない。ただ、「花のフリーター」生活も5年になってきて、「ゆっくり」の声を頻繁に聴くようになった。もうあわてるような年ではないのである。
 わたしが高校生の卒業文集に書いた言葉「あわてるな! 人生は、そんなに短くはない。 なまけるな! 人生は、そんなに長くもない。 ただ、一瞬を悔いなきものにするのみ! 」
 今年、「後期高齢者クラブ」に入会するわたしだけれど、まだ、あわてません。
ほめられる関係づくり(3)[26] 2023/02/18 Sat 9100 昨日[23]の続き
 
質問に対して、次のように答えた。
 わたしは、問題解決の行程を以下のように考えています。
 ①正解は無数にある。 
 ②自分が知っている、あるいは推測する正解を複数提示する。
 ③個々人が「正解だ」と思うことを実践する。
 ⑤それで問題解決ができれば「めでたし、めでたし」で一区切りつける。
 ⑥解決できなければ、ほかの「正解」を試みる。
 ⑦ここで⑥が続く場合は、Never Ending Challenge spirits で「正解」の探求を止めない。
 ⑧それでも⑥に終わりが見えないときは、努力し続けた自分を評価する。
 そんなわけで、お問い合わせに含まれる「できるだけ短い期間で改善する」「正解」はほとんどないと考えるべきでしょう。
銃社会の病理[25] 2023/02/17 Fri 9099
 
アメリカのP銃関連の事件は67回目になった。これが1月から2月15日現在、の数値だから愕然とする。今回は、グループ・ダイナミックスと関連の深いミシガン大学での発砲事件である。今年に入って46日として、毎日1件以上が銃がらみの事件なのである。事件の現場は、小学校からスーパーマーケット、町のイベントなど場所を選ばない。しかも命を失う人数も二桁のものもある。これは明らかに人災だが、アメリカでは銃規制の動きはいかにも遅い。こうした事件が起きると「だから自衛のために銃が必要だ」との理屈が幅を利かせるのだろうか。そう言う人々が無視できないほどいるに違いない。
ほめられる関係創り(2)[24] 2023/02/17 Fri 9098 昨日[22]の続き
 
リーダーは、ただ口先で「ほめ言葉」を発すればいいというものではない。フォロワーたちがリーダーを尊敬せず、むしろ反発している状況で「ほめ言葉」を乱発しても、不信感を増大させる。本気でほめたつもりでも、フォロワーたちは「何か裏があるんじゃないか」と邪推する。その一方で、心から信頼しているリーダーから「見え見えのお世辞」をいわれても、「そんなことありません」と否定しながら、内心ではけっこう嬉しがる。つまりは、ほめるリーダー自身が、ほめる相手から「信頼されている=ほめられている」ことが、「ほめる効果」を生み出すのである。「人間関係」が、行動やことばの「意味」を決定するわけだ。
 講演でこうした話をしたから、「ほめられる関係創り」についての質問をいただいたのだった。
ほめられる関係創り(1)[23] 2023/02/16 Thu 9097
 
講演後にいただいた質問:「ほめられる関係創り」を創るためには、双方の人間関係が重要だと思うのですが、これまで上手くいっていない関係をできるだけ短い期間で改善するためには何か良い方法がありますか? 簡単に言えば、苦手な(こわい)スタッフに対して話をする時に緊張して上手く自分が伝えたい内容が伝わらない事があります。
 リーダーシップの重要な要素として、「ほめること」の重要性が強調される。世の中には「ほめる」という言葉そのものに抵抗を感じるリーダーもいる。これに対して、わたしは、「正しく評価すること」と言い換えることもある。さらに、その評価は「小さいこと」に対するものであるほど望ましいと強調している。デカいことはみんながほめる。リーダーは、相手が「この人だから気づいてくれる」と思う「小さなこと」に気づくことが力が必要なのである。
 もちろん、ただ闇雲に「ほめればいい」というものではない。
汚職度ランキング[22] 2023/02/15 Wed 9096
 
「世界汚職度ランキング」なるものがある(GLOBAL NOTE)。ドイツにあるトランスペアレンシー・インターナショナル(TI)が昨年行った調査結果で、対象は世界180カ国に及ぶ。TIは、汚職・腐敗防止活動を展開する国際NGOである。
 「腐敗」を「与えられた権限を濫用して私的利益を得ること」と定義し、政府・政治家・
公務員の腐敗度を100点満点にして、「腐敗認識指数」なるものを算出し、順位をつけた。

 清潔度のトップは、デンマーク(90点)、フィンランド、ニュージーランドが87点で2位になった。の3カ国が同点で並んだ。上位10カ国には、ノルウェー(84点)、シンガポール(83点)、スウェーデン(同)、スイス(82点)、オランダ(80点)、ドイツ(79点)、アイルランド(77点)、ルクセンブルク(同)がランクインした。日本は73点で、ベルギー、イギリスと並んで18位だった。
 そもそも、調査手法の詳細がわからないから、「まあ、そんな調査もあるのね」でおしまいではある。それにしても、わが国の18位はどうなんでしょうね。オリンピックの件は、ランクに影響するのだろうか。
浪花節の世界[21] 2023/02/14 Tue 9095 昨日[20]の続き
 
わたしが高校生だったと思う。福岡の西新にあった映画館で、未来の世界を描いたSF的映画を観た。そのストーリーはすべて忘れた。ただ、最終的には人間が、自由で豊かな生き方をしているシーンがあったような気がする。そのときの感想は、「まったくの理想にすぎない」だったのか、「そうなればいいじゃないか」だったかは記憶にない。いずれにしても、AIが人間をこえる時代が来るのかどうか知らないが、人間が人間らしく生きることができない世界は地獄に違いない。人間らしくとは、人との関わりが欠かせない生き方である。人をモノと見ない生き方である。わたしには、それが「浪花節の世界」だと思える。
究極は浪花節[20] 2023/02/13 Mon 9094
 
DXなるものは、「ほかがやってるから」「遅れてはいけないから」「流行だから」などの理由で導入するものでないことは本欄でも触れた。それは「カラっぽの3カラー」である。そもそも「何のために」が近視眼的で、対症療法的なものは、そのうち役立たなくなる。
 また、「チャット何とか」というアプリが登場して、物語などもAIでできるのだそうな。いやはや、わたしが思ったよりも早く人類がバカになるときが到来しそうだ。そのとき、地球上から「人間」なるものがめでたく消滅するに違いない。
 今年中に、「後期高齢者クラブ」に入会する身である。自分がこの世にいるうちに、そんなことになってはまずいなあと心配のネタが増えた。 わたしは、人類が「義理と人情」に満ちあふれた「浪花節」の世界に生きることこそが究極のあるべき姿だと確信している。
実験と因果関係と法則[19] 2023/02/12 Sun 9093
 
実験は、特定の要因間にある因果関係を明らかに知るために行う。その際、対象の要因以外のものが影響しないようにコントロールする。たとえば、同じ重さのものを容器の中で同時に落下させれば、その形状に関係なく同じ重力が働いて容器の底には同時に到達する。それが鉄の玉であろうと羽毛であろうと、重さが同じならば必ず成立する。もちろん日常の世界では、底には鉄の玉の方が先に到達する。それは形や体積の違いによって異なる空気抵抗を受けるからである。そこで、空気抵抗を排除するために容器を限りなく真空にして実験する。
 モノの世界、つまりは物理や化学では、こうした制御がしやすいから、要因間の因果関係も明白になる。それは、実験する国や地域、人種や文化とは関わりないため、全人類が結果を受け入れ、そうした情報の蓄積が法則にまで結びつく。 
意思表示の型[18] 2023/02/11 Sat 9092
 
コミュニケーションにおいては、[直接意思表示]と[間接意思表示]の二つのパターンがある。そのいずれが[正解]かは、状況と相手によって異なる。「それなら[正解]はないのではないか」と言われそうだが、社会の中で生きる人間には[どちらも正解]はまことに自然な[正解]と考えていい。たとえば、職場にパジャマで出勤するのは[正解]ではないが、スーツを着たままベッドに潜り込むのも[正解]とはほど遠い。つまりは、すべては状況次第だという、きわめて当たり前の「正解」に到達する。
 ただ、ものごとを決めるために時間を取って議論する際は、[直接意思表示型]に徹した方が効率がいい。全員が[間接意思表示]ばかりだと、「あんたの本当の気持ちはどうなんだい」と[直接意思表示型]のメンバーに詰問される危険性もある。これを避けるには、この会議では[直接意思表示]に価値を置くという合意が出来上がっていなければならない。そして、そのルールに基づいて、参加者全員がその[役割を][演じる]ことができればいい。
 もちろん、その水準に達するためには、相当程度の時間が必要である。現時点で、そこまで到達した集団があふれているとは思えない。それでも、「だから止ーめた」と「とにかくトライし続けよう」のいずれを選択するかで、その結果も違ってくる。 
やっぱり、あの二要因?[17] 2023/02/10 Fri 9091
 
東京オリンピック組織委員会の元次長が談合に絡んで逮捕された。公務員あるいは準公務員系で「次長」は実務的にはトップであることが多い。各省庁の事務次官はその典型だろう。その上には大臣がいるが、これは政治状況で変わる。その省庁の仕事に関して、専門性を疑われるような人が大臣になることもある。そう言えば、オリンピック憲章を読んだことがない担当大臣もいた。
 ともあれ、細かいことは抜きにして、実務のトップが特定の業者と組んで、400億円もの契約で談合していた容疑で逮捕された。そして、業者側の主役が、あの電通である。これに関わった組織や個々人に、それが犯罪行為になるとの意識があったのだろうか。こうした事態が進行中に、内部で問題にならなかったのだろうか。
 これまた、「言いたかったけれど言えなかった」「言ったけれど、聞いてもらえなかった」のどちらかではないかと推測する。
前世紀のプログラム[16] 2023/02/09 Thu 9090
 
わたしは、自分が関わったリーダーシップ・トレーニングのスケジュールメモをため込んでいた。それを綴じたバインダーの冊数が半端でなくなってきた。そんなことから、熊本大学を完全リタイアした2019年から、その主だったものは電子化して原版は処分した。そして、今はパワーポイントでスケジュールを作成している。それまではプログラム風だったが、現在は研修のメニューとしてスライドになったのである。
それはそうとして、大昔のプログラムをときおり眺めると懐かしい。たとえば1986年から実施した京セラのコーススケジュールを見ると、何とフルタイム3日間のスケジュールである。それも、初日と二日目は9時から21時までだから、われながら驚いてしまう。最終日も夕刻17時30分の終了なのだから、もはや大笑いしかない。それでも、内容に苦労した記憶はない。そんな時代だったのである。
憲法を読む(28)[15] 2023/02/09 Thu 9089 昨日[12]の続き
 
憲法は第7章の「財政」から、第8章「地方自治」、第9章「改正」、第10章「最高法規」と続いて、最後は第11章「補則」の第103条で完結する。これまで、わたしの主観で興味深いところのみを見てきたが、条文一つひとつが、なかなかの味わいがあった。
 最後の「補則」第100条から103条までの4条である。その中で、新しい憲法の公布と施行の日程を示したり、新生の参議院について、その任期などを記したりしている。これを見て、昔は貴族院だったことなども思い出した。まともに、じっくり読んだのは、学生時代以来ウン十年ぶりだった。いや、あるいは、意識して読み込んだのは、人生で初めてだったかもしれない。
松川事件[14] 2023/02/08 Wed 9088
 
社会面の死亡欄に阿部市次という名前があった(熊本日日新聞1月30日)。「松川事件最後の元被告」との見出しがついていた。それを見て、「松川事件」のことが思い浮かんだ。戦後の混乱期に発生した機関車転覆の裁判で無罪となった事件である。これは戦後最大の冤罪事件と言われるもので、最高裁が無罪を確定したのは、1963年9月である。わたしは中学3年生だったが、その日のニュースはしっかり記憶にある。この裁判の被告は20名で、第一審では5人が死刑判決を受けていた。その事件の元被告で唯一の生存者だったのが阿部氏だった。昨年、老衰で99歳の生涯を閉じたとのこと。裁判では、作家などの文化人が冤罪事件として声を挙げたが、最高裁長官がこれを「雑音」と評したという。
憲法を読む(27)[13] 2023/02/08 Wed 9087 昨日[10]の続き
 
憲法第7章は「財政」で、第87条に「予見し難い予算の不足に充てるため、国会の議決に基いて予備費を設け、内閣の責任でこれを支出することができる」とある。この名称は、コロナ対策などでも耳にすることがあった。国会が事前に総額について議決することになっているが、使い方は「内閣の責任」で決定できるのである。ただし、第2項で、「すべて予備費の支出については、内閣は、事後に国会の承諾を経なければならない」と条件を付けている。まさに「事後承諾」ということである。
一言一句パスなし読書(下)[12] 2023/02/07 Tue 9086 昨日[09]の続き
 
わたしは、自分の記憶に残る限り、おそらくそれは中学生のころだが、夏目漱石の「坊ちゃん」や「吾輩は猫である」といった、その年齢でも読める本に目を通しはじめた。こうした小説を文庫本なるもので読めることを知ったのである。当時の岩波文庫には☆や★のマークが付いていて、★1個で30円といった価格設定だった。これは値上げする際に★の単価を変えればいいので、在庫もそのままで販売できたから、何ともすごいアイディアである。
 ともあれ、文庫本に出会ったころから、「一文字」ずつ確実に読み進むのが、わが基本方針であり、それが60年以上経過した現在も続いている。
 かくして、わたしは フレッド・ハプグッド著「マサチューセッツ工科大学」の「謝辞」に記載された全員の名前を「声を出すように」読んだ。この手続きは、本の理解には微塵も影響しない。それだけ本文に入る時間が遅れるのだから、読了までの障害とも言える。それでも、わたしは苦笑いし、しかし、妙な満足感、さらには達成感にまで浸りながら、「H・ケント・ボウエン、ナンシー・デイリー、ディック・ダンハイザー、…」と名前を追いかけた。わたしの辞書には「斜め読み」や「速読」が収録されていないのである。
憲法を読む(26)[11] 2023/02/07 Tue 9085 昨日[08]の続き
 
憲法第82条は「裁判の対審及び判決は、公開法廷でこれを行ふ」としている。ただし、裁判官の全員一致で、非公開を決めることができるとしているが、「政治犯罪」「出版に関する犯罪」、そしてだい「第三章で保障する国民の権利」にかかわる問題は、「常にこれを公開しなければならない」としている。「政治」「出版=言論」、そして「基本的人権」に関わる問題は、国民の見えるところで審議されなければならないのである。
一言一句パスなし読書(上)[10] 2023/02/06 Mon 9084
 
フレッド・ハプグッド著「マサチューセッツ工科大学」(新潮文庫)の冒頭の「はじめに」に続いて「謝辞」がある。その見出しのとおり、2ページにわたって、63名もの名前が並んでいる。ただし、あまりにも多いので、この人数にはダブり、あるいは見落としの可能性があり、その精度は保証しない。それに、わたしとしてはその人数の多さを強調するつもりもない。
 ここでは、カタカナで印刷されたすべての人名を一つひとつ読んでいる自分に笑ってしまったことを話題にしたいのである。この書かれたものの「一言一句」をすべて読む行動がいつごろ身に着いたのかは記憶にない。あるいは、中学校の国語で、試験対策のために「一文字」もパスせずに読んでいくことから始まったのかもしれない。
憲法を読む(25)[09] 2023/02/06 Mon 9083 昨日[05]の続き
 
憲法第79条第6項に、「最高裁判所の裁判官は、すべて定期的に相当額の報酬を受ける。この報酬は、在任中、これを減額することができない」と記されている。毎年、公務員に期末手当(ボーナス)が支給される6月と12月には、総理大臣と最高裁長官への支給額が報道されるが、両者は同額でトップである。
 憲法には、給与や手当ではなく「報酬」とされているのが興味深い。給与だと「与えられる」もので、最高裁判事には相応しくないのか。ついでに、「報酬」を引くと、精選版 日本国語大辞典では、第4義として、「裁判官の俸給」と記されている。つまりは、すべての裁判官は仕事をして「報酬」を得ているのである。
 また、「在任中、これを減額することができない」と、わざわざ念押し(?)している。まさに、「最高の待遇保障」である。
[求む]軋み音対策[08] 2023/02/05 Sun 9082
 
金属同士が擦れ合うときに発する音には顔をしかめたくなります。あの「キー、キー」音です。ホテルでズボンをハンガーに架けるとき、ズボン吊りの金属をズボンの幅に合わせるとき、決まってこの音を聞かされます。どういう理由なのか、これまで調整しないですむ幅でセットされていたことがありません。大抵は距離が空きすぎなんです。まあ、調整はいいのですが、その際に、あの軋むような音が出ないものを発明してほしいものです。自宅の部屋では100円ショップのものを使っていますが、挟むパーツがプラスティックなので音無しでスムーズに動くわけです。ホテルともなれば、強度も考慮しないといといけないでしょうが、とにかく何とかならないののでしょうかね。
憲法を読む(24)[07] 2023/02/05 Sun 9081 昨日[05]の続き
 
最高裁判所の任命は、憲法第6条第2項「天皇は、内閣の指名に基づいて、最高裁判所の長たる裁判官を任命する」と規定されている。その第1項は「天皇は、国会の指名に基づいて、内閣総理大臣を任命する」である。そのほかの最高裁判所判事は内閣が任命する(第79条第1項)。最高裁判所判事は任命後最初の衆議院選挙で国民の審査を受ける。その後も10年経過したとき、やはり直近の衆議院選挙で審査の対象になる。国民が司法を監視するという段取りだが、これまでこれで失職した判事はいない。
金まみれの五輪 [06] 2023/02/04 Sat 9080 
 どこまでいくやら「五輪の金まみれ物語」である。そもそも国際オリンピック委員会からして、開催地の決定に金がからむのが常識のように語られていた。つまりは胡散臭かったのだが、それにしても東京はひどすぎはしないか。クーベルタンがが呆れて、涙も出ないに違いない。近代五輪の精神など雲散霧消を超えて、金儲けのセレモニーに堕してしまった。それは1984年のロサンジェルスからはじまった。これからも、4年に一度の金まみれ大会が続くのでしょうか。 
憲法を読む(23) [05] 2023/02/04 Sat 9072月21日[02]の続き
 憲法第6章は「司法」に関わる。その第76条に「最高裁判所は、訴訟に関する手続き、弁護士、裁判所の内部規律及び司法事務処理に関する事項について、規則を定める権限を有する」とある。弁護士に関することまで権限を持っているのだから、何とも絶大である。さらに第2項は「検察官は、最高裁判所の定める規則に従はなければならない」と、検察官は別項に挙げて規定している。いやはや最高裁判所の力には驚いてしまう。
規範の感受性(下) [04] 2023/02/03 Fri 9078 昨日[03] の続き
 わたしたちは、同じ風景を見ていても、すべての情報を平等に観ているのではありません。それぞれが、自分にとって意味を持っているものに焦点を合わせています。そこで、問題意識があれば、良きにつけ悪しきにつけ、「気になる」ことを発見するのです。職場の規範や常識についても同じことが言えるでしょう。
 カタツムリの殻が雨で流されていつもきれいな状態であったり、蓮の葉の上で水玉が弾けるのを観て、雨水で汚れが取れるビル向けのタイルや油物も水で洗い流せる皿を発明したエピソードがあります。これは、「ある製品を何とかしてつくりたい」という気持ちが発見を生み出した典型的な例です。
 いつの間にか、規範の話題から離れてしまいましたが、「意識が気づきを生む」という点で大事なことを伝えていると思います。
規範の感受性(上) [03] 2023/02/02 Thu 9077 
 組織安全に関する研修で、職場の[行動規範]について講義し、その後グルーワークを導入した。わたしは[規範]を[常識]と言い換えているが、これに関して質問をいただいた。「安全文化の自己評価において、組織に属していると当たり前になっていて、自ら組織の行動規範に気づくことはむずかしい。客観的に組織の規範等に自ら気づくようになるための工夫や留意点等があればご教示ください」。これに対して、わたしは次のように答えた。
 いわゆる「常に問いかける態度」が基本になると思います。いつも、「これでいいのだろうか」という視点です。また、だれもが小さな疑問を意見として出せる空気づくりもリーダーに求められます。世の中に、「何も問題がない職場」などないでしょう。そこで、「問題」を少しでも解消するためにどうすればいいかを全員で考えていくことで、「改善すべき常識」が発見できると思います。「ああ、みんなそう思っているから、こうなるんだ」とか「だから、先に進めないんだ」といったことから、問題を生み出している常識というか、考え方が意識されてくるでしょう。
憲法を読む(23) [02] 2023/02/02 Thu 9076 1月31日[51]の続き
 憲法第75条「国務大臣は、その在任中、内閣総理大臣の同意がなければ、訴追されない。但し、これがため、訴追の権利は害されない」。ここで「訴追」とは、「①検察官が刑事事件について公訴を提起し、それを遂行すること。 ②弾劾の申し立てをして裁判官・人事官の罷免を求めること。 ③検事総長などが司法警察職員に対する懲戒処分を求めること(デジタル大辞泉)」である。
 末尾の但し書きが興味深い。「訴追の権利は害されない」のだから、検察官が、国会議員を刑事事件で訴追することはできるのである。それはそうだ、仮に犯罪を犯していることが明白なケースであれば、それを放置することは法治国家として大問題である。そうした場合は、いつものように「国会議員の進退は本人が決定すること」という理屈で、処理されるのだろうか。
 
阿蘇冬景色 [01] 2023/02/01 Wed 9075
 阿蘇は、観光客が中岳の火口をのぞき見ることができる。わたしも、ずいぶん前になるが、コバルト色に沸騰した湯だまりから白い蒸気が上っているのを間近に見た。大きな活火山でここまで行けるのは世界でも阿蘇くらいのものではないか。ほんの数日前に火山の動きが活発になって、気象台が「火口周辺警報(噴火警戒レベル2)」を出した。これで火口から1kmの範囲は立ち入り禁止となる。観光客には、この規制に遭遇するかしないかで、阿蘇の記憶に、あるいは自慢話に大きな違いが生まれる。
 熊本空港から離陸する飛行機は、阿蘇方面に向かって飛び立ち、西に旋回した後、東向きになってから大分方面へ向かう。わたしは左側の座席のことが多く、眼下に写真のような噴煙を上げる阿蘇を眺めながら仕事に出かける。