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| 報告したくなる空気 [90] 2022/11/30 Wed 8988 自然界の水は太陽の力によって天まで昇っていく。人間組織で構成員の意見や心情をトップまで上らせる太陽はどこにいるのか。それはトップ自身であり、リーダーであることは言うまでもない。組織の上にいる者たちが温かい日差しで全体に働きかければ、構成員たちの声も上に昇っていく。ただし、太陽に雲がかかれば蒸発は止まってしまう。組織もトップや管理者たちのこころが雲で遮られれば、みんなの声も蒸発しないままになる。自分には雲がかかっていなくても、その途中で雲が発生していないかどうかもチェックし続けることが欠かせない。ただ、「何でも言いなさい」と口先だけで叫んでも、自動的に蒸発がはじまるわけではない。 いまでは誰もが知っている[サラリーマン川柳]に古典的名作がある。「無礼講、酔いが覚めれば無礼者」「活性化、叫ぶあなたが辞めなさい」。わたしの大先輩は、「上司は部下のことを3ヶ月経ってもわからないが、部下は上司を3日で見抜く」と言っていた。 |
| 主語と動詞 [89] 2022/11/30 Wed 8987 あらゆる言語に[主語]と[動詞]はあるのだろう。ただし、日本語は英語に比べれば[主語]が省かれることが多い。そのほかの言語は知らない。同じようなものがあれば面白いが、前期高齢者後期がそれを探索するのは遅すぎる。大学の第二外国語はフランス語で、先生は城野節子教授だった。九州大学初の女性教授として知られていた。先生からフランス語の[r]の発音をほめられて気持ちよくなった記憶がある。[très bien][merci][bonsoir]などで、これを意識するとフランス語っぽくなる。 |
| 「金メダル」ならぬ、「金まみれ」 [88] 2022/11/30 Wed 8986 オリンピックが「金メダル」ではなく「金まみれ」だった感が強くなってきた。そもそも、開催地の選定などで、金が動くという話は常識のように言われてきた。まだ、捜査の段階だから、今後の経過次第だが、大金が自然さを超えて動いていることはたしかだろう。つまりは、利益追求が支配する一大イベントなのだ。 せっかくの大会が後味の悪いものになる。オリンピックを目指して努力に努力を重ねてきた選手たちには気の毒な話である。 |
| 黒澤監督とテレビの脚本 [87] 2022/11/29 Tue 8985 もう半年くらい前になるだろうか、黒澤明監督がテレビの脚本を書いていたというニュースを観た。わたしは黒澤監督はフィルムとスクリーンにこだわり続けていたと思い込んでいたから、それなりの衝撃を受けた。黒澤氏の目から見れば、テレビなど自己表現できるはずもないと確信していたと「確信」していたからである。その情報に接したとき、「影武者騒動」が頭に浮かんだのは言うまでもない。影武者は、あの武田信玄の物語である。本物がどうだったのかは誰も知らないはずだが、あの恰幅のいい肖像画から、まさに勝新太郎と生き写し感があった。ところが、勝が自分の演技のためにビデオを撮ったことが原因で主役の座を降りた。 |
| ヒーローと先生 [86] 2022/11/29 Tue 8984 1957年11月17日日曜日、わたしが小学3年生のときに書いた日記。 「今日スーパージャイアンツを見に行きました。それはもうとても面白くてたまりません。カッパみたいなものが踊ったり震えたり僕は帰りにまでも面白くて笑いました。そして帰りにこう思いましたから思ったと言う通りに書きます。先生は、小さい時にこんなのを書いたことがありますか。あったらだいたいなんまるくらいを先生からもらっていましたか。僕はご丸を全部もらえるように頑張ります。夜はスーパージャイアンツの話や相撲の絵を書きました」。 先生に見てもらう絵日記である。一学級が60人を超える時代にも、教師たちには赤インクで○とコメントをつける余裕があった。なお、「スーパージャイアンツ」は宇津井健が扮する日本版スーパーマンである。「カッパ」の怪物はいまでも、しっかり記憶にある。 |
| 若き日の駄文たち(24) [85] 2022/11/29 Tue 8983 11月15日[43]の続き 新聞に投稿しようと思った原稿の続き。アメリカでは大学内でライフル乱射事件が起こったりするが、日本の大学は超安全だと確信していた。ところが、「じつはそうでなかった」と訴える。 「私は空の凶器を忘れていたのである。6月2日米軍機が九大構内に墜落した。夜であったことと建築中の建物であり、文書類等がなかったことが不幸中の幸いだったといえるであろう。しかし私はどうしてもこれが真昼であったら、教授、学生のいる建物であったらと想像して思わず身震いせずにはいられない。いやしくも日本の未来を担う学生そして教授達は死におののきながら学問をせねばならぬのか。米軍機が日本の大学に落ちる。まだまだ第二次世界対戦の傷は残っているのではないか。戦争を知らない我々がその戦争の影響を受けているのではないか。私はまだ教養部にいるがこれでは箱崎なんか行かずにできることなら何年も留年したいものだ。福岡市室見町一丁目54 荒川方 吉田道雄19歳学生」 1968年6月2日、板付基地(福岡空港)に着陸中の米軍戦闘機ファントムが九州大学に墜落した。その衝撃を伝えようとしたと思われるが、原稿が手元にあったのだから、投稿はしなかったことになる。 |
| 第6台目のボンド [84] 2022/11/28 Mon 8982 WOWOWで「ジェームズボンでであること(2021年製作)」という映画を観ました。ボンドの6代目、ダニエル・クレイグをフォローしたドキュメンタリーです。最初、彼が選ばれたときはプロの評論家たちから酷評だったんですね。わたしなんぞは、初代ショーン・コネリーしかボンドはいないと信じていましたから、「何を今さら感」一杯でした。 そうは思いながらも、初代ショーンはわたしが高校生・大学生時代のジェイムスです。そんなわけで、2015年12月、半世紀も経過したのでと、ダニエルの「スペクター」を観に劇場に出かけたのでした。お久しぶりのボンド登場BGMはもちろん、いきなりメキシコのお祭りから始まるスクリーンは衝撃でした。その影響で、クレーグのボンドは全作カバーすることになりました。 とにもかくにもショーン以来の大ヒットシリーズでしたが、ダニエルはリタイアとなりました。酷評したプロの方々はちゃんと責任を取ったのでしょうか。 |
| 風土と文化と規範 [83] 2022/11/28 Mon 8981 風土が人間の生き方に影響を与える。そうした行動が文化になって、日常の行動を規定する。モンスーン地帯で稲作が生まれた。みんなで一斉に田植えをするから、集団行動が欠かせない。人類は共に働くことで生き延びてきたが、稲作文化は、その協働を最も強く求める特性を持っているのではないか。こうした文化に固有の要求事項が人々の行動基準になっていく。 それはルールのように文章に書かれたものではなく、構成員たちが暗黙に了解している常識である。これを集団規範と呼ぶ。この明文化されていない規範が、組織の正式な決まりよりも集団メンバーの行動に大きな影響をおよぼすのである。 安全に関わる規則マニュアルは多くの場合しっかりできている。しかし、メンバーたちに、「マニュアルなんか守ってたら仕事なんてできっこない」といった共通の認識がメンバーにあればどうなるか。そうした職場ではマニュアルが無視されるに違いない。 |
| 塩野七生氏の視点 [82] 2022/11/28 Mon 8980 6月15日[33]の続き 塩野七生著「ローマ人の物語 23 危機と克服」(142から143ページ)の記述が頭に残った。 塩野氏は「自分は歴史のアマチュアである」と断った上で、「そうかと言って勝手気ままに書くわけではなく、調査・研究が必要だ」と主張する。「調査研究の必要度ならば学者も作家も差はないのだが、それに取り組む姿勢となると、学者と作家とではちがうように思う。そのちがいを一言で片づければ、学者には史料を信ずる傾向が強いが、作家は、史料があってもそれらを頭からは信じない、としてよいかと思う」。 この一文が印象的だ。史料を、あるいは資料も含めて「信じるか」「信じないか」が、その先の成果を決めるというのだから衝撃的である。もちろん、これには学者から直ちに反論が出されるに違いない。それは、「史料を信じる」のではなく「信じることができる史料」を使うのだと。 わたしも研究者の端くれとして仕事をしてきた。だから、研究者として「事実」に対する基本姿勢は保持しているつもりである。ただ、「アマチュア」と自称する立場からのこうした「見方・見解」を教訓的に受け止めるべきだと考える。 |
| ヒヤリハット報告書(6) [81] 2022/11/27 Sun 8979 11月24日[72]の続き 「三人寄れば文殊の知恵」「現場人が寄れば珠玉のアイディア」である。第一線でモノをつくり、サービスを提供する人たちを「ボトム」と呼んで何とも思わない感受性では、みんなから尊敬されるはずがない。「ヒヤリハット事象」防止にしても、「グラウンド」からの意見やアイディアを出してもらうのが一番だ。そして、「ヒヤリハット報告」に対して、同じことが起きないために組織ができることを積極的に実現するのが何より必要である。そうすれば、「言えば対応してもらえる」体感が、より安全な組織づくりの原動力になる。 |
| 君子の自己変革力 [80] 2022/11/27 Sun 8978 「君子豹変する」の本義をこまかいことまで言及すると長くなるが、これは「君子は状況を正しく認識し、自分の過ちはすぐに修正する」という肯定的な意味を持った言い回しである。 わたしは、人間関係において「謝らない誤りを犯してはいけない」とアピールしてきたが、リーダーたる者は「自分の誤りを自ら認め、豹変する力」を持っていなければならない。これを「自己変革力」と言い換えることもできる。 それがフォロワーに影響を与え、組織全体を変えていく。最初から正直に徹すれば、傷も回復しやすい。 |
| バス降車時の呼びかけ [79] 2022/11/27 Sun 8977 バスが停留所に近づくと、運転手が「お降りの方はバスが停まるまでそのまま座席でお待ち下さい」と呼びかけます。このアナウンス、わたしが知る限り全国共通になったと思います。そして、自分自身がこのメッセージに何年も経ってようやくなれた感があります。 こうしたアナウンスがないころは、バスが停車するまで座っていると、運転手や周りの乗客たちから「トロいぞ、早くしろ」といった無言の声が聞こえているような気がしていました。そこで、バス停が近づくと早めに席を立って降車ドアの方へ歩いて行っていたものです。その後、「そのままお待ち下さい」と言われはじめても、つい腰が浮いてしまうわたしがいました。 それがようやくこの呼びかけにしたがうようになったのです。 これは、自分が前期高齢者後期に達して、足下の危うさを感じはじめたからかもしれません。それと併せて、運転手があれだけ強調してくれるので、わたしの耳にこびりついていた「トロいぞ、早くしろ」が聞こえなくなったからではないかと思います。また、社会全体の「空気」が変化してきたような気もします。それに、自分自身がほかの人の行動に「トロいぞ、早くしろ」と無言で叫んでいたのではないかとの思いも生まれました。わが気持ちを自分に対しても投射していたのかもしれません。 |
| 一番だったら… [78] 2022/11/26 Sat 8976 「一番でないといけないんですか」の一声で歴史に残りそうな(?)人がいる。先日、コロナの第五回目接種を受けた。ファイザー製である。この接種のために使われた、あるいはこれから使われる国家予算はどのくらいになるのだろう。 仮に日本が「一番」にワクチンを開発していたら、その製薬会社は海外売り上げも含めて莫大な収益を得たに違いない。それは一法人の利益だとしても、その中から相当程度の税金が国家に支払われる。それに、製造に関わる人たちの賃金も賄われる。これらの収支を差し引きすればどのくらいのプラスになったことか。 政治は短期的な利害だけで動いてはいけない。ましてや、自分たちの利益だけを追い求めるなど、もってのほかである。 |
| 「熊本城完全復活祭」への参加について [77] 2022/11/26 Sat 8975 熊本城は、2016年に発生した熊本地震で大きな損害を被った。このうち、大小の天守閣は鉄筋コンクリート製ながら完全に復活している。中心街からもしっかり眺めることができる。それでも、崩壊した石垣などの完全復旧は2037年とされてきた。 ところが先日、それが2052年に先送りされると市長が発表した。これまでの予定であれば、自分も「間に合う」かもしれないと思っていた。しかし、2052年では100歳以上の寿命が必要になる。そんなことで、「完全復興祭」参加のスケジュールは、あの世に逝ってから、手帳に記入することにした。 |
| クイズに答えて、就職しよう! [76] 2022/11/26 Sat 8974 11月23日[68]の続き 終活のリモートによる試験で代行したとして関西にある大企業の社員が捕まった。その事実に驚いたが、ワイドショーでが取り上げた試験内容を見て、それ以上に驚いた。そこでは1問だけしか提示されなかったが、バラエティショーのクイズもどきだった。 こんな問題を採用の第一歩にするのを組織のトップは承知していたのだろうか。まあ、「頭の回転らしきもの」は測れるのだろうが、バラエティショーの出演者を決めるんじゃないですよね。組織の人材に対する認識、いや見識を疑いたくなった。 |
| 犯罪と守秘義務 [75] 2022/11/25 Fri 8973 コンピューターウイルスによる攻撃で身代金を要求された病院があった。これについて、ロシアの犯罪集団が3万ドルを受け取ったと主張しているらしい(熊本日日新聞10月21日)。ハッカー集団は取材に「取引が成立して復元プログラムを提供した」と説明したという。 病院はIT業者に7千万円を支払って復元を依頼していた。当の業者は「守秘義務があり個別の事件にコメントできない」としながら、「直接交渉はできないが復元プログラムが入手できれば復旧に使うことはある」と答えたという。守秘義務を前面に出しながらも、曖昧かつ微妙な答えをしている。ここで330万円を払ったとすれば、単純計算で6,600万円ほどの差額が生まれる。病院は町立だから、支払いは税金によるが、町は身代金は払わないとしていた。しかし、この点はきわめて灰色の状況である。ここで守秘義務を理由に説明しないことになれば、これからも灰色物件が増える可能性がある。 |
| HPの著作権 [74] 2022/11/25 Fri 8972 ときどき、「HPの情報を転載する際の著作権、ポリシーはどうなっているでしょうか」「情報はすべて自由に引用して問題がないでしょうか」といった問い合わせをいただく。その答えは「HPとして公開しておりますので、ご自由に引用していただいてかまいません。もっとも、『引用』ですから、『吉田のHPから』といったクレジットを付けていただければと思います」である。ある方が、わたしの講演内容をそのまま公的な場でお話しされたことがあった。また、印刷物に記されたケースもある。いずれも「引用元」の言及がなかったから、「それはないでしょう」と言いたくなった。ここは良識の問題である。 |
| 不祥事防止の4点セット(5) [73] 2022/11/25 Fri 8971 11月23日[68]の続き 一般的に考えれば、「自分には嘘がつけない」だろう。ただし、それには「嘘をついている」という自覚が欠かせない。人間とはやっかいなもので、そうした「自覚」がない人がいるようだ。ところが、「自覚していない」のか「自覚していない風を装っているのか」を客観的かつ完璧に確定できる術がない。何かがあると流行語になる「記憶にございません」だが、それが真実であるかどうかを実証できない。 かくして、このセリフは人間の世の中から永遠に消えることがない。とりわけ、あそこは「記憶」を消してしまうおどろおどろしいガスが漂っているのではないか。 |
| ヒヤリハット報告書(5) [72] 2022/11/24 Thu 8970 昨日[69]の続き 今どきの若者たちであれば、「ヒヤリハットLINE」といったものはできないだろうか。ヒヤリハッとしたことを「音声入力」すれば、「報告」は簡単になって「面倒感」は抑えられるのではないか。これに対するやりとりも、その後は教育啓発の資料になる。もちろん、これは[責任のない第三者]の荒唐無稽な(?)独り言である。とにもかくにも、いろいろなアイディアを出して、できることからはじめるのが王道なのだ。その際に、「そんなこと、できるわけがない」と、頭の中だけで判断して切り捨てないことが肝要である。やってみて、「できないこと」を発見するのも進歩につながる。 |
| [eラーニング物語](23)[71] 2022/11/24 Thu 8969 11月17日[49]の続き 契約の条件には、「5第三者からの知的財産権などの申出によって甲がコンテンツの利用ができなくなるなどの損害が生じた場合は、甲に生じた一切の損害をご負担いただきます」とも記されている。とにかく、問題が発生する可能性を踏まえて、まことに念入りなのである。それに、これも一見して当然のように思える。しかし、ちょっと待ってよと思う。 すでに見てきたように、コンテンツに関して不平等条約を思い起こさせる条件で著作権(あるいは使用権?)を永遠(?)に得たにも拘わらず、トラブったらすべて「著作権を手渡した者」が対応するわけだ。しかも、「一切の」損害賠償まで求められるのである。わたし自身は、こうした事態が起きない手立ては取って準備した。しかし、ここまで読んで、「何なのこれは」と言いたくなった。 |
| 勤労感謝の日[70] 2022/11/24 Thu 8968 昨日は勤労感謝の日だったが、いつものように仕事をするのは、あるいはできるのは素晴らしい。 久しぶりの雨模様で窓の外は烟っていたが、それを眺めながら仕事を進めた。今日は市内で対面の研修である。講義で使うパワーポインをトチェックしたが、少しばかり手を入れたくなった。いつも、やり出すと止まらない癖があって、いつものことながらけっこう時間がかかった。前日は、コロナワクチン第5回目だったが、全く副反応なしである。もちろん針を刺したところは痛いがこれは当然のこと。腕が上がらない人もいるらしい。ともあれ、めでたし、めでたし。 |
| ヒヤリハット報告書(4) [69] 2022/11/23 Wed 8967 昨日[65]の続き ④「ヒヤリハット」は、それに気づく感受性が欠かせない。ある組織の調査で、[リーダーシップとヒヤリハット件数]に関係がないとの結果になった。さらに分析すると興味深い事実を発見した。それはリーダーによって以下の4つのケースに分類できる。 望ましいリーダーの場合、「リーダーが日頃から安全を十分に配慮したリーダーシップを發揮している」から、 (1)そもそもヒヤリハットが少ない。(2)部下が小さなヒヤリハットにも気づく。 望ましくないリーダーの場合、「リーダーが安全を重視したリーダーシップを發揮していない」から、 (3)そもそもヒヤリハットが多い。(4)部下がヒヤリハットがあっても、それに気づかない。 それぞれ、(1)と(2)、(3)と(4)は相殺し合って、「リーダーシップとヒヤリハット件数」に関連が見出されなかったことになる。この結果、じつはリーダーシップの重要性を明らかにしていたのである。 ともあれ、組織全体で「ヒヤリハットに気づく感受性」を磨くことが求められる。 |
| 不祥事防止の4点セット(4) [68] 2022/11/23 Wed 8966 11月19日[56]の続き 「嘘も方便」、まさに「嘘が役に立つ、あるいは必要なときもある」と言う。よく聴くと、「〇〇という状況だったので、つい嘘をついてしまった」などと弁解する、ところが、「〇〇という状況」そのものが「嘘」だったりする。こうなると「方便」そのものが「嘘」だから、この場合の「嘘の罪」は重い。とにもかくにも、「嘘」は自分自身を衛る強力な武器ではある。それが、自らを優位に見せるための手段としても効果的に働くこともある。 |
| 太陽の移動 [67] 2022/11/23 Wed 8965 わたしの部屋から夕日が見える。真夏は目の前に真っ赤な太陽が山の向こうに沈んでいく。それがいつの間にやら移動して、ビルの間の空が真っ赤に染まる。そう言えば、朝日も同じだ。初日の出はベランダから拝めるが、夏になると日の出は見えなくなる。地軸が太陽に対して23.4度傾いていることがよくわかる。日の出も日没も、毎日の移動には気づかないが、それが蓄積されると大きくなって、「いつの間にか」と声を挙げる。「日出づる国」が気づけば「沈没する国」になっていないことを願う。 |
| 沈滞の原因探求 [66] 2022/11/22 Tue 8964 スマートフォンの液晶が[有機EL]にレベルアップして、国内メーカーが苦境に陥っているという(熊本日日新聞 11月4日)。これまで、「日本製はハイレベルだが、価格競争で勝てない」という「解釈」、いや「幻想」は棄てた方がいい。それは団塊世代たちの昔物語である。技術力を過信(?)して、他の追随を許さないが、誰も使わない高機能の携帯が海外から受け入れられずガラパゴス化した。トップを走って標準化を狙う気持ちはわかるビジネスモデルも、人がついてこなければ意味がなければモデルとは言えない。 ソニーは他の追随を許さないとばかり、精細技術をレベルアップしてウォークマンに何でもかんでも詰め込もうとした。これを単なる箱にしたのがスティーブ・ジョブズだった。発想が真逆で、ジョブズから敬意を払われていたアップルに逆転された。有機ELをはじめて製品化したのはソニーだったはずだ。その後、サムスンやLGから抜き去られた。 わが国の30年間におよぶ停滞について、数字だけでなく、そうなった原因を探求する必要がある。 |
| ヒヤリハット報告書(3) [65] 2022/11/22 Tue 8963 昨日[63]の続き まずは、報告書を記載する側に、報告を挙げない理由を確かめることからはじめる必要がある。もちろん、その前に報告書が必要な理由を説明し、納得を得ることが欠かせない。トップダウン的に「とにかく提出しろ」では納得感は生まれない。 また、その理由の中に、報告した者のメリットも含まれていることが求められる。それが組織や上役のためだけなどと捉えられては反発すら引き起こす。もちろん、提示する側には「そんなつもりはない」はずだが、人の受け止め方は発信側の意図どおりにはいかない。それが可能ならば、この世の中からコミュニケーションによる問題は発生しない。 |
| 怪獣のリアリティ(3) [64] 2022/11/22 Tue 8962 昨日[61]の続き 「古事記」に登場する[須佐之男命vs.大蛇]物語だが、「頭が八つ」の大蛇は来る年も来る年も出雲に襲来し、娘たちを食べるのである。須佐之男命がやってきた年は[櫛名田比売]が生け贄にされることになっていた。この話、[大蛇の襲来]が川の氾濫を象徴しているというのは研究者の間でも定説のようだ。大蛇の犠牲になろうとしていたる[櫛名田比売]は、その名から推察されるように[水田]を指していたわけだ。こうしたことから、[須佐之男命]の行為を治水事業とする見方もある。 これに対して物理学者の寺田寅彦は溶岩流を連想していたようだ。たしかに、火山の爆発で流れ出る溶岩は8つの頭をもたげて迫ってくるように見える。 どちらが正しいか、専門家も古事記の筆者に会えないのだから証明のしようがない。わたしとしては「古事記」に[リアリティ]が存在していること、「コング」の「ゴジラ」もそうした背景なしで語るべきでないことを強調したいのである。 |
| ヒヤリハット報告書(2) [63] 2022/11/21 Mon 8961 昨日[60]の続き ③報告書は簡単につくれるのか、あるいは面倒なのか。その評価は、作成を「求める側」ではなく、「求められる側」の意見を尊重することが欠かせない。 「求める側」としては、「これが最低限」という基準を頭に描くから、「このくらいは書いてもらわないと意味がない」と考える。しかし、それが「求められる側」にとって「面倒」だと思われれば、報告する気持ちが萎える。「このくらいなら気軽に(?)書ける」程度のレベルにすることがポイントになる。 「そんなものなら必要ない」と思うのであれば、「なかなか出てこない」現状を甘受するしかない。まずは、「求める側」が自分たちで報告する立場になって、実際に作成するシミュレーションを繰り返してみるといい。そこで少しでも「面倒なところがある」と感じたら、それはそのまま採用しても使えないということである。 |
| 極小意見(2) [62] 2022/11/21 Mon 8960 昨日[59]の続き 「極少意見」が真に「極少」であれば、「多数決原理」で動くのもやむを得ない。ただ、「極少」が真に「極少数者の意見」であるか否かを確認することはきわめて重要である。いわゆる氷山の一角で、「じつは多数がそう思っている」にもかかわらず、それを発言する者が「極少数」である可能性はないか。 氷山の場合、海水の比重が1.03、氷山のそれは0.92である。そこで、アルキメデスの原理を使って浮力計算すると、ほぼ90%が海の中となる。これを集団にあてはめるとけっこうおもしろい。たとえば、静かで動きのない集団の意見という水槽の水を考えてみよう。これは水よりも空気の方がいいかもしれない。ともあれ、周囲の比重が1.0として、「極小意見」の比重によって表に出てくる部分が変わってくる。たとえば、それが9.9であれば1%しか表に出ない。これが意見なら聞こえてこないということだ。つまりは、残りの99%は重力(?)で水面下に押し込まれているのである 。 |
| 怪獣のリアリティ(2) [61] 2022/11/21 Mon 8959 11月19日[57]の続き わが国で最初に登場した怪獣は「古事記」に登場する[八岐大蛇(ヤマタノオロチ)]だろう。「頭が八つ、尾が八つ、谷を八つ渡るほどの体」だったという。初代の「ゴジラ」は体長50mである。一方、初代「キングコング」は居住地である髑髏島とニューヨークでのサイズが違っていて、エンパイアステートビルに上ったときのサイズは24フィート(約7.2メートル)だった。 [オロチ]の詳細サイズは記録されていないが、その巨大さは計り知れない。これを[須佐之男命(すさのおのみこと)]が見事に退治し、[櫛名田比売(くしなだひめ)]と結婚するのである。 わたしが小学生のとき、映画「日本誕生」を学校から観にいった。「文部省推薦」だったに違いない。三船敏郎が演じる須佐之男命が八岐大蛇をやっつけた。製作は1959年だから、「ゴジラ」から5年後になる。神と大蛇の対決シーンの撮影では「ゴジラ」のノウハウが活かされていたのではないか。 |
| ヒヤリハット報告書(1) [60] 2022/11/20 Sun 8958 「ヒヤリハット事案が発生した時点で、自主的な報告書が提出されない」という声を聴いた。これに対する、わたしの疑問と提案を記してみよう。 ①まずは、上層部や監督者が率先して「報告書」を出すことがあるのだろうか。「ヒヤリハットは現場だけの問題、自分たちはそんなことはしない」では説得力がない。そもそも「ヒヤリハット」は「小さなこと」「些細なこと」なのだから、組織のあらゆる段階で発生する。上の方が「自らモデルになる」ことが必要なのである。その内容が「些細なこと」であれば、「ああ、そんなことも報告したほうがいいのか」と納得される。 ②上層部や監督者が自分が経験した具体的なヒヤリハットの「事例」と「その対応策」をまとめるのも「モデル」の役割を果たす。これを「小出し」にしながら、教育に使うといいのではないか。これに、新しい報告を加えていけば、組織独自の「ヒヤリハット集」ができあがる。 |
| 極少意見(1) [59] 2022/11/20 Sun 8957 民主主義の基本は「みんなの意見が活かされること」である。しかし、全員一致を得ることができないときは「多数決原理」が採用される。そもそも、すべての人間がお互いに違っているのだから、厳密には、集団において「全員一致」はあり得ない。また、そうあってはいけないとも言える。この「多数決原理」に触れるとき、「少数意見」を尊重すべきことが強調、あるいは付加される。その際「少数」とは原理的には「たった一人」も含まれるだろう。 ただし、現実には、その意見はほとんど存在しないものとして無視される可能性が濃厚である。わたしは、これを「極少意見」と呼んでいる。この手の意見は、内容だけでなく、そうした発言をくり返す者は集団の中で変人扱いされる。その結果、「極少意見」はまともに取りあげられない。しかし、「極少」とは本当に「極少」なのか、それとも「発言する者」が「極少」なのかは注意する価値がある。 |
| 科学的管理法[58] 2022/11/20 Sun 8956 テイラー(Frederick Taylo 1856-1915)著「科学的管理法(The Principles of Scientific Managemen, 1911)を読んでいる。その序章で、テーラーはこの本を書いた3つの理由を上げている。 その1:毎日の行動のほとんどすべてが非効率的であるために、国全体がきわめて大きな損害を被っていることを指摘する。 その2:こうした非効率性の改善には、並外れたすばらしい人物を探すことではなく、体系的な管理の中にあることを読者に明らかにする。 その3:最良の管理法とは、真の科学であり、その基盤としての明確に定義された法則、規則、原理に因っていることを証明する。 さらに、「4番目」は振っていないが、科学的管理法の基本原則は、あらゆる人間の行動に提供できることを付け加えている。 |
| 怪獣のリアリティ(1) [57] 2022/11/19 Sat 8955 今年のゴールデンウィークのころ、WOWOWで「ゴジラ」シリーズがはじまった。事前の予告を観て、「キングコング」はないのだろうかと思っていたら、ちゃんと初代版が放映された。これは1933年製作だが、わたしは子どものころNHKで観て感動した。おそらく小6か中1だった。これが本格的怪獣映画の元祖である。 怪獣映画は怪獣が暴れるだけでは評価できない。ただひたすら町や村を破壊する怪獣など面白くも何ともない。彼らが登場するまでの物語と人間に対して牙を向けるに至る背景がなくてはならない。怪獣映画には[リアリティ]が必要なのである。 その点で、世界初登場の「キングコング」はほぼ満点だった。わたしはエンドマークが出た瞬間に、「また観たい」という気持ちになった。それが名作というものだ。そして、戦後になってわが国に来襲した「ゴジラ」も[リアリティ]にあふれた怪獣だった。しかし、その後の「ゴジラ」は「現実」から遠ざかっていく。 |
| 不祥事防止の4点セット(3) [56] 2022/11/19 Sat 8954 11月14日[40]の続き 世の中に「意図的嘘」という四文字はあり得ない。そもそも「嘘」は、それが「真実でないこと=嘘」を意識して発信するから「嘘」という呼び名を与えるのである。ただし、「虚言癖」というものもあって、それを語っているときは、自分が「嘘を言っている」との自覚がないという。そして、話の流れも整然としていて、事情を知らない者には「虚言」に気づかれないのである。そうなると、瞬間的に「無意図的嘘」もあり得ることになる。 |
| 滅亡のリスト(5) [55] 2022/11/19 Sat 8953 11月17日[50]の続き ある工場では何度もやって来る日本人が憲兵に捕まって処刑されたというから、スパイだったようだ。いずれにしても、わが国は、こうした情報力と分析力で比較にならない国と戦争したのである。一方の日本では、野球でも敵性英語を使ってはいけないと言ってストライクを「よし」、ボールを「だめ」などと言っているのである。今や情報戦争はさらに過激にかつ高速化している。こういう時代に未だに能天気な状況が続いていないか。 |
| 偉大なる信条 [54] 2022/11/18 Fri 8952 アメリカ元大統領ビル・クリントン氏の回想録[マイライフ]に、大統領選を制して2期目を迎えた1997年1月のこととして以下の記述がある(下巻p421)。 「わたしは過去の誤りを正すため、第二次大戦で従軍したアフリカ系アメリカ人七人に議会名誉勲章を授与した。意外にも、それまで黒人の軍人は誰ひとり第二次大戦で勲章を授与されていなかった」。 戦争が終わって半世紀以上が経過していたのである。アメリカの人種問題だけでなく人間の差別意識について考えさせられる。 受賞者7人のうち、健在だったのはヴァーノン・ベイカー氏で、77歳だった。彼は「若き将校としてイタリア戦線に派遣されて、独力で敵の機関銃隊三隊を打ち倒すという戦功をあげていた」のである。受賞の際に偏見や差別にどう耐えたかを尋ねられ、「相手から敬意を払われようと思う前に相手に敬意を表する、自分がされてうれしいことを相手にする。使命を忘れず、模範を示し、前に進み続ける」と答えたという。時代も国籍も超える見事な信条である。 |
| 健さん(4) [53] 2022/11/18 Fri 8951 昨日[51]の続き 健さんの作品でよく知られている「黄色いハンカチ」は網走から出所した人物の物語だが、ほかにも刑務所と関わる作品がけっこうある。遺作となった「あなたへ」では富山の刑務所に勤める刑務官役だった。わたしが映画館に出向いて見た健さん作品の最初で最後の1本目が「あなたへ」である。富山から長崎の平戸まで、亡妻が希望した故郷での散骨のために長崎の平戸まで車を運転して行く。その間に、関門大橋や門司港など、わたしがよく知っている光景が映し出されて楽しかった。わたしの本籍地は北九州市の門司である。 |
| 投票率28.26% [52] 2022/11/18 Fri 8950 熊本市長選挙は13日の投票で、現職が当選した。当選が14万3943票で、ほかの二人が1万8228票、5579票と圧倒的な差が出た。こうした流れの中で、家内と「投票率は40%に届かないだろう」と話していた。その結果は28.26%で、30%を切っていた。報道で前回が31.38%だったことを知った。その過去最低を今回はそれを更新したわけだ。もちろん(?)、わが家は投票所に出かけたが、投票者よりも事務担当者や立会人の方が圧倒的多数だった。その後、松江市長選挙では現職の無投票当選が決まったとのニュースを聴いた。県庁所在地でも無投票なんだと思った。 |
| 健さん(3) [51] 2022/11/17 Thu 8949 11月5日[13]の続き わたしの年代の人間にとって、「健さん」は「網走番外地」に代表される「任侠シリーズ」と結びつく。わたしはその手の映画はほとんど観たことがない。ただし、歌謡曲好きでラジオで「義理と人情を秤にかけりゃ、義理が重たい男の世界…」と歌う健さんの「セリフ」が耳に残っている。ところが、いつのころからか、健さんはその世界から脱皮していったようである。そして、プロをはじめとして多くの人々から称賛される大スターになっていった。 |
| 滅亡のリスト(4) [50] 2022/11/17 Thu 8948 昨日[47]の続き アメリカは日露戦争で勝った日本が、その後は軍事進出することを懸念、あるいは予想したのである。これが[戦略的思考]というものだろう。これに加えて、アメリカは太平洋戦争中に戦後の日本占領の青写真をつくっていたという話を聴いたことがある。とにかく、先を見た情報収集と分析力には圧倒される。戦艦武蔵に装備された艦砲の設計についても情報を持っていたという。それらはアメリカのビジネスマンを通して得ることもあったようだ。今日、こうした情報力の差は、さらに拡大しているように思える。 |
| [eラーニング物語](22)[49] 2022/11/17 Thu 8947 11月10日[28]の続き 契約の条件もおしまいに近づく。「4甲に対し、本業務により創作した著作物が第三者の知的財産権を侵害しないことを保証していただき、当該侵害があった場合には、申出があった者への対応をお願いいたします」。もちろん、自分の著作物が「第三者の知的財産権を侵害しないこと」は当然である。これまでも、わたしはそうした問題が発生しないように最大限の手立てを取ってきた。著作権法で許容されている授業のための題材を、新たにイラスト作成を依頼して差し替えた。その上で、「万一でも問題が起きたら、当方は関わりないので、あんたが対応するんだよ」と読める文言には、いささか以上の驚きがあった。まさに、すべてのリスクを回避する究極の一文ではないか。これって業界の常識なんだろうか。 |
| エラーと自覚と行動と [48] 2022/11/16 Wed 8946 「自分は大丈夫だ」という自信は必要だろうが、それが「過信」と親戚関係にあることを頭に入れておいた方がいい。「猿も木から落ちる」ことがあり、実在しないカッパだって「河童の川流れ」となる。もちろん、人間である「弘法も筆の誤り」を避けることはできない。人間さんになると「ヒューマンエラー」と言うが、この世に生きること、何かをすることには人間ならずとも「失敗=エラー」が付きまとう。そのことを自覚した上で行動ができるのは人間だけなのかどうかは、猿語や河童語に通じていないわたしには断言できない。ただし、「自覚できる能力」と「自覚して行動する力」は無条件に一致してはいない。 |
| 滅亡のリスト(3) [47] 2022/11/16 Wed 8945 11月6日[18]の続き 米軍の資料には攻撃する会社の全景や施設についての写真も含まれていた。その中には会社のパンフレットから切り抜いたものもあった。番組では、東條英機首相が「この戦争は頑張りが大事で、頑張り通したものが勝つ」と演説している映像も映し出された。また、アメリカの研究者は「アメリカは1906年からすでに日本を仮想敵国として情報を収集していた」と語っていた。それは、1904年からの日露戦争で日本が一応の勝利を収めた翌年である。 |
| 仕事ができる、人を育てる [46] 2022/11/16 Wed 8944 リーダーは「仕事ができる人」でないとまずいが、それだけでは十分でない。もう一つ、「人を育てることができる人」であることが必須の条件になる。もちろん、文字どおりの「一匹狼さん」は、この議論の範囲外になる。そうは言いながら、人間は「人と人との間で生きている」から「人間」なのである。人と関わりのない「人」はリーダーにはならない。 わたしの仕事は組織や集団の中で人生を送る人たちだから、「人との関わりを抜きにして」は「生活も仕事」も考えられない。そして、「関わる」こと自身が他者との影響の与え合いであり、これを「リーダーシップ」と呼ぶのである。これには、「意図的」に相手を「育てる」だけでなく、本人としては意識していないままに相手を「育てている」ことも含まれる。そうなると、「仕事ができる人」は、その姿勢が見えるだけでも他人に影響を与えるから、「人を育てていることにならないか」との疑問はわく。 |
| companion animal [45] 2022/11/15 Tue 8943 英語の[company]は、《[com:いっしょに][pany:パン]を食べる人》のことである(ジーニアス英和辞典)。そこで、[同席][仲間]、そして[会社]などを表すものとなった。それが[companion]につながるのはよくわかる。こちらも[仲間・友だち]をはじめ、[付き添い]の意味もある。後者は《老人・病人などの話し相手・手伝いとして雇われる人、主に女性》とある(同上)。酒席に登場する女性とは相当に違っている。 ところで、ペットと言えば日本語なら[愛玩動物]となる(広辞苑)。愛玩とは「もてあそび楽しむこと」である。一方、英語圏ではpetよりも[companion animal]を使用することが多いようだ。最初は動物愛護家たち使いはじめたらしいが、いまでは定着しているのだろう。それは[愛玩する対象としての動物]ではなく、[ともに生きる相棒]なのである。この相棒、人間と違って邪心がないから、安心して付き合えるかもしれない。 |
| 標準語と方言[44] 2022/11/15 Tue 8942 日本語に「標準語」と「方言」がある。前者は東京山の手の[教養人(??)]の言葉を基本にして、国が「標準化」を進めたらしい。そうした特定地域の偏りや国による上から目線の雰囲気を意識してか、NHKは「標準語」ではなく「共通語」を使っている。言葉は理解されなければ用を足さないから、[共通化]は欠かせない条件である。その一方で、「方言」は、それぞれの地域性と歴史を基礎にして創りあげられてきた。その点で「方言」と個性は相性がいい。わたしが子どものころは、「標準語」がカッコいい、「方言」を話すのは田舎もんという雰囲気があった。何のことはない、両方をしゃべるバイリンガルの方がはるかにカッコよく、スマートである。熊本に住んで40年を超えるが、当時30歳の「新参者」は豊かな「肥後弁」はしゃべれない。 |
| 若き日の駄文たち(23) [43] 2022/11/15 Tue 8941 11月8日[22]の続き 「命をかけた学問」という、大風呂敷的タイトルの原稿用紙が出てきた。最後に住所、氏名、さらには年齢と学生という身分まで記している。これを観て、新聞への投稿を考えて書いたものであることを思い出した。タイトルとは別に、「-変わった私の大学安全論-」とある。 「交通戦争だの何だのと一歩誤れば死にも至るというやたらと危険に包まれている我々現代人にとって大学は最も安全なところだと私は常に考えていた。いつだったかアメリカの大学内でライフル乱射事件が起こった時も、日本の大学ではそんなことはなかろうと思ったし、警察の侵入にも大学は大変敏感であり、全く大学とは平和で自由なところだとばかり思っていた」。 この当時も大学構内での銃撃事件が起きていたことがわかる。いまや、その現場が小学校にまでも拡大しているのがアメリカの現状である。それと比べて平和そのものと思えた自分が通う大学でとんでもないことが起きたのである。 |
| 通信障害 [42] 2022/11/14 Mon 8940 先週11日(金曜)17時過ぎに携帯で電話をしたところ、かからなかった。その前に孫と会っていたが、これまた自宅に電話がつながらないと言っていた。また、家内にもつながらなかったことから「通信障害」を確信した。その後、ドコモが障害の発生を伝えていた。このときの影響エリアは熊本県の一部とされ、原因は通信設備の故障だという。個人的には深刻な事態が発生したわけではないが、こうしたトラブルが人ごとでないことを実感した。じつは、ちょっとした被害はあった。 |
| 公的資料の軽視 [41] 2022/11/14 Mon 8939 先週少年事件の記録が廃棄されたことが明らかになっている(10月22日 熊本日日新聞)。そのなかに重大事件が含まれているが、それぞれの家裁での判断で廃棄したらしい。大分県で発生した一家6人の殺傷事件は当時15歳の少年が関わっていたが、廃棄した時期もはっきりしていない。最高裁の内規は一般的な少年事件の記録を、少年が25歳になるまで保存するとした上で、一定の要件を満たすものは26歳以降も「特別保存」として永久に保存するよう定めている。これも内規であり、その判断は家裁に任されているようだから、こうした結果になってしまう。海外の状況は識らないが、わが国の「公的資料」に対する扱いはきわめて軽く、それが歴史に関わるものだという認識と感受性に欠けている。 |
| 不祥事防止の4点セット(2) [40] 2022/11/14 Mon 8938 昨日[39]の続き 子どものころから「嘘をついてはいけない」と言われてきた。そもそも「〇〇するな」の「〇〇」には、数え切れないほど多くの行為が当てはめられる。人間は、黙っていると「〇〇する」から「するな」と、わざわざ取りあげるのである。その中でも「嘘」が「〇〇」のベスト3に入るのは間違いない。世の中で起きる問題や不祥事、さらには純粋の事故の場合でも、その原因、あるいは原因と結果の説明の際に、様々な「嘘」が多用され。縦横無尽に活躍する。 |
| 不祥事防止の4点セット(1)[39] 2022/11/13 Sun 8937 組織のトラブルや不祥事の発生を防止するために必要なものは何だろう。その一つは「ウソをつかない」ことである。ウソも小から大まで幅が広いが、「小さなウソ」もすぐに「大きなウソの素」になる。その二は「約束を守る」ことで、これまた大小は問わない。第三は「合理化しない」ことだ。人間は自己防衛策として「理屈をこねる力」に充ち満ちているから注意しなければならない。そして第四は「人が見たらどう思うかを考える」ことである。 |
| 交付金の効果検証[38] 2022/11/13 Sun 8936 国の地方自治体への交付金には使途が決められているものとそうでないものがある。後者は自治体の判断で使えるから自由度が高い。そのため、「適切、有効な活用」が期待される。そこまではいいが、それがどのように使われたかについては、すべてが公表されるわけではなさそうだ。新型コロナウイルス対策の「地方創生臨時交付金」も、その例に漏れず効果検証の公表をしていなかった自治体が759自治体で、調査対象の77%に達していた(10月18日 熊本日日新聞)。このうち558自治体は検証自体を行っていなかったという。 自由には責任が伴うのは常識であり、税金の使い道が「勝手気まま」でないことは当然である。 |
| SARSのメモ[37] 2022/11/13 Sun 8935 かつてSARSなる新種のウィルスが世界で話題になったことがある。もう時期も詳しい内容も記憶にない。ここに来て、「すべてのウイルスをなくしても新たなSARSが生まれるのではないか」というメモ書きが出てきたので苦笑いした。SARSは、わが国で大きな問題にはならずに終息した。「そんなことで安心してはリスクマネジメントにはならない」と言いたくなった。それをアピールしようとメモしたに違いない。ただし、そのときに本コラムに挙げたかしらと思って笑った。そこで書いていれば、[新型コロナ パンデミック]が襲来したら、「ほうら、言ったとおりでしょうが」としっかり自慢話になったはずである。もちろん、このネタは「ただ、それだけのこと」である。 自然科学とは比較にならないが、わたしの仕事でも、新しい視点や考え方を提示することが何より大事である。そこで、思いついたことをメモしておく習慣が身に付いた。ただし、「メモ」で終わって日の目を見ないものが多いけれど。 |
| 学習できない人たち [36] 2022/11/12 Sat 8934 毎日が変化の旅、自分で変わっていないと思っても、体の中は確実に変化している。食べたものは栄養素に「変わり」、体の中の元素は「入れ替わる」。それはミクロの変化だから気づかないだけである。ガンはその代表クラスで、「極小あるいは極少の変化」が蓄積されて健康を脅かすまでに成長する。もちろん、望ましい変化も同じことが言える。この世のあらゆることは、「大は小からはじまる」と考えて生きていきたい。 |
| 学習できない人たち [35] 2022/11/12 Sat 8933 「朝、死刑のはんこを押す。昼のニュースのトップになるのはそういう時だけという地味な役職」。これが日本国法務大臣の発言として報道された。自民党衆院議員のパーティーでのあいさつしらしいが、内輪であっても公的な発言である。ご本人としては自虐ネタで笑いを取ろうと考えたのかもしれない。 心理学者のバンデューラは、社会的学習の一つとして「他人の振り見て我がふり直す」ことを挙げている。子どもでも、そうした学習能力を持っているが、それができない大人たちがいらっしゃる。 お国の中で法にもっとも責任のある人ですよね。「ことばは人間理解、最強の道具」であるとともに「人間誤解、最悪の凶器」なんです。 |
| 教師の学び [34] 2022/11/12 Sat 8932 「朝、学校の教師が担任する児童生徒たちからの要望を聴いて、それを実践する。そして、学期の終わりに、その結果を「評価」してもらう。熊本市の教育センターでそんな研修をしていたことがある。教師が子どもから通信簿をもらうのである。 研修終了時に教師が書いた感想文。「生徒からの回答をドキドキしながら開封しました。90%が予想通りの回答だったのですが、授業について誰一人触れていないことは残念な気がしました。印象に残っていないのは、教材研究が足りないのだと反省しました。『聞きたいけれど聞くチャンスが無い』『聞くのは少し怖い』という思いでいる生徒の本音に触れて落ち込みもありましたが、今後に生かしていけそうです。先生がおっしゃったように、『まずはやってみる』ことに心がけ、やりもしないで『どうせやってみても』という教師生活は送りたくないと思いました。失敗を恐れず、チャレンジ精神で進んでいきたいと思います。先生の生き生きとしたお話しぶりに活力を得た思いです。ありがとうございました」。 もちろん、反省のし過ぎはまずいが、他者の声を適切に分析することが行動変容を生み出す。 こちらこそ、ありがとうございました。 |
| 通過駅の興奮 [33] 2022/11/11 Fri 8931 新幹線のすごさは乗っているときよりも、通過駅で走り去るのを観たときに実感する。東海道であれば。おそらく時速270kmほどの猛スピードである。その轟音はすさまじいが、線路がびくともしていないことに改めて驚く。さらに架線も少し揺れているようにしか見えないのも感動する。これに逆方向の新幹線が行き合えば、ただただ興奮する。 |
| 小人と不善 [32] 2022/11/11 Fri 8930 【 小人 閑居して不善をなす:(「礼記‐大学」の「小人間居為二不善一、無レ所レ不レ至」による) 徳のない、品性の卑しい人は暇であるととかく良くないことをする。(精選版 日本国語大辞典)】これを高校生のときに識って自分に当てはめた。暇があるとろくなことはしないんだと。しかし、それで何も考えずに突進するのもいかがなものかと気づいたのはいつごろだっただろう。小人でも閑居して小善ならできるのではないか。 |
| トップホテルの苦境 [31] 2022/11/11 Fri 8929 先日、新幹線が止まる中都市のホテルに泊まった。駅前の一等地で便利がいいのだが、外観からコロナ禍の影響を感じた。チェックインした際に、以前と請求額がかなり違うのに軽く驚いた。わたしがこのホテルに初めて宿泊したのは昔のことだが、当時はその名前に見合った宿泊料だった。おそらくこの近辺でもっとも高かったと思う。 その後、周りに全国ネットのビジネスを含めて新しいホテルが開業しはじめた。その中でのコロナは、稼ぎ頭の結婚式や宴会を激減あるいは消滅させ、これが相当に効いたのではないか。 わたしに何ができるわけもないが、時代の変化とビジネスの厳しさを感じた。 |
| モラルとモラール[30] 2022/11/10 Thu 8928 モラル(moral)の低下が叫ばれて久しい。世の中で反社会的、非倫理的行動が増えてきたというわけだ。もちろん、モラル的行動を定義する客観的物差しはない。ほぼすべての戦争が「自分たちの正義」を主張するのは典型的な実例である。 モラルと似たモラール(morale)は意欲や士気などと訳される。いわゆる「やる気」である。わたしは「モラルの前にモラールありき」だと考えている。「衣食足りて礼節を知る」のである。もっとも、現実は「衣食足りすぎて礼節を忘する」と思うケースも多い。 それに、モラールが高くても道徳的なことをするとは限らない。モラールは身体的健康と類似点がある。体が元気で健康であれば、望ましい行動を取る可能性は高い。しかし、健康だから悪いことをしないわけでもない。強盗だって健康だからできるのであり、病気で入院していては犯罪も犯せない。いやはや妙な話になってきた…。 |
| タクシーの支払法[29] 2022/11/10 Thu 8927 いつのころからか、出張で現金を使わなくなった。どこに行ってもカードが使えるようになったからだ。公共交通機関はSuicaである。 そんな中で、熊本のタクシーは対応がまちまちで、まだまだの感がある。カードはもちろん、電子マネーのほぼすべてOKは、わたしの体験では一社だけだ。ただし、ここは今どき運転席にコロナ対応のカバーがないのが気になる。もう一つは、カードは受け付けるが、電子マネーはアウトのタイプだ。こちらは、いままでカードを使ってきたから親和性が高い。ただし、これも興味深いのだけれど、暗証番号を入れるものとそうでないものがある。そう言えば、ある社は、かなり以前からSuicaも受け付ける。先日は、電子マネーのPayPayのみOKで後は現金の車に乗って現金払いとなった。そして、いまだに「現金のみ」を固持し続けているところがある。 |
| [eラーニング物語](21)[28] 2022/11/10 Thu 8926 11月3日[3]の続き 契約の条件はつぎのように続く。「(2)動画コンテンツにかかる著作権(3)前2号に係る著作権法27条及び28条の権利2上記1の規定は、本契約が何らかの理由により終了した場合についても、引き続き効力を有するものとします」。何とも衝撃的である。契約が「何らかの理由」で「終了」したあとも「無償かつ無期限で、それらの利用を許諾」すると約束することが条件なのである。 「何らかの理由」が目に飛び込んでくるなり、そのすばらしい表現に感動してしまった。これは「理由が何であれ」と読み替える方がわかりやすい。いかなる契約や約束も、それが終了するにはそれなりの理由があるに決まっている。現時点では想定すらできないこともあるに違いない。それでも「無期限に利用する権利は生きる」のだから、明治時代の不平等条約を思い起こさせる。こんな受け止め方をすることからして、わたしが契約にド素人である証拠なのだろうか。 |
| 緊急事態のリーダーシップ [27] 2022/11/09 Wed 8925 日頃のリーダーシップは緊急事態に役立たないだろうと言われる方がいる。そんなときにフォロワーとの人間関係など配慮している余裕などないというわけだ。たしかに、それも一利ありだが、緊急事態にこそ日頃の関係が効果をもたらす。いざというとき、フォロワーはリーダーの指示を信じ、自分がなすべきことに全力を尽くす必要がある。平時、フォローワーたちに「うちのリーダーの言うことは危うくいい加減だ」といった思いが浸透していれば、緊急時にリーダーの指示とは真逆の行動をとる可能性もある。そんなときこそ、「リーダーとフォロワー」が築いてきた「対人関係のインフラ」が効果を発揮する。 |
| 対面の復活 [26] 2022/11/09 Wed 8924 コロナが本格化する2019年のレベルではないが、先月から対面の仕事が増えてきた。その中には、対面とリモートの[ハイブリッド]もある。講演はこちらが話をするだけだから、ハイブリッドでもとくに支障はない。ただし、先日の対面版では、「この方が表情の微妙な動きが伝わりますね」と言われた。また、[トレーニング]となるとハイブリッドは工夫がいる。それでも、はじめから「できない」と決めつけることはしないでおきたい。人間にとって知恵と工夫は進歩の原動力である。 それにしても、各地の空港はだんだん人が多くなってきた。 |
| 縮む「ヒョウタン島」 [25] 2022/11/09 Wed 8923 新生銀行が非上場化を考えているらしい(10月20日 熊本日日新聞)。まだバブルの傷を引きずって、国の公的資金3500億円を抱えたままである。少し前にSBIホールディングスの傘下になったが、その際も旧経営陣は抵抗しまくった。しかし、自分たちで泥沼に陥ったままのていたらくに、債権者の国も株主も見切りを付けた。 この国の辞書から「責任」ということばが抹消されたかのようである。こうして、「カムチャツカ半島のヒョウタン島」はさらにしぼんでいく。 ※「カムチャツカ半島のヒョウタン島物語」は吉田が前世紀末に書いた歴史上最短の物語(と自称中) |
| アナログ人間、ばんざあい! [24] 2022/11/08 Tue 8922 世の中には「わたしはアナログ系でデジタルにはついて行けない」と言う人がいる。それは大いなる勘違いである。そもそも大脳の神経細胞を代表に体の中はデジタルな電気信号、パルスで情報を交換している。大脳自身がコンピュータのモデルなのだ。かくして、われわれはデジタルを基礎にして、アナログな行動をし関係をつくっている。そこで「アナログな関係をデジタル化しよう」などと言う声が生まれるが、わたしは「デジタルな人間関係」とはどんなものだろうと首をかしげる。それに、アナログな関係なしで「人間関係」と呼ぶのは無理がある。世の中が限りなく「デジタル」になったとき、「アナログ関係」だけが人間らしい営みになる。そうでなければ「人間」として生きる意味もなくなる。「アナログ人間、ばんざあい!!」 |
| 未使用ルーター [23] 2022/11/08 Tue 8921 このところ、会計検査院の調査結果が報道されている。教育の分野では学校が児童や生徒に貸し出すモバイルルーターの63%が未使用だったという(10月20日 熊本日日新聞)。これはインターネット環境を整えていない家庭に学校が貸し出すために購入されたものである。とくにコロナ禍で早急な対応が求められたことから、正確な必要数が把握できなかったためだろうか。当事者としては、不足すると批判されるから、数値がはっきりしなければ多めに購入することになる。それにしても、「貸し出し数は最も多い時で約6万5千台で、残りの約11万3千台は一度も使われずに学校や教育委員会に残ったままだった」とあれば、やはりその間の事情を検証する必要がある。 |
| 若き日の駄文たち(22)[22] 2022/11/08 Tue 8920 11月2日[4]の続き これは、わたしの若き日のメモを自己満足的に遺す意味しかありませんのでパスをお願いします。「人間関係についてのお悩み」からはじまった文章だったが、いつの間にか制服をつくる話になり、それを依頼する3つの指定店のことに移っていった。しかも、「私は自分の体の寸法をある程度知っていたとする。そして、服屋が裁寸に来た時インチで測るが、その人が頼りなくどぎまぎしていたので、気にはなったけれどもインチではあまり知らないので黙っていたとする」などと謎の文章が続く。その挙げ句の果てにノートが破られていて、その先がない。まさに究極の駄文である。大事なお時間を取ってしまい、申し訳ございません。 |
| 命がなくなる可能性[21] 2022/11/07 Mon 8919 わたしは「今日も命がなくなるかもしれない」という思いで時間を過ごしていない。これまでもそんな気持ちになったことはない。もちろん、生きている限りは、「いつ命が途切れるかわからない」可能性を背負ったまま時間を過ごすことは変わらない。それは本当に、その時間まで続くのである。ただし、世の中には様々な理由から「今日も命がなくなるかもしれない」と思い続る人がいることは承知している。それは病であったり、ひょっとしたら仕事であったりするかもしれない。 ただ、その場合でも「人から命を奪われるかもしれない」というケースはきわめて少ないと思う。何ともくどい言い回しをしているが、毎日、いや時々刻々と「人から命を奪われるかもしれない」と思い続けざるを得ない状況が現に存在し続けていると言いたいのである。それは「戦争」である。戦争は「他人から命を奪われる」状況に追いやられるだけでなく、「人の命を奪う」可能性も背負わされる。 |
| 同時代人[20] 2022/11/07 Mon 8918 団塊世代にとって日本赤軍の元最高幹部の重信房子氏は同時代人である。氏は中東で活動している思っていたから、2000年11月に大阪で逮捕されたときは大いに驚いた。その後20年の刑期を満了したというニュースを観た。衝撃的な逮捕は「この前」のように気がするが、すでに22年も経過していることにも驚いた。先日、京都で開かれた集会で講演したという記事を読んだ(10月17日 熊本日日新聞)。その際に「10歳の時から変革の道を歩み、戦いの中で過ちも良いこともあった」と語り、日本赤軍が起こしたイスラエルの空港乱射事件などについて回顧したという。このとき、「戦いの中での過ち」と「空港乱射事件」について、どんなことを語ったのだろう。 |
| 池永投手[19] 2022/11/07 Mon 8917 西鉄ライオンズの投手だった池永正明氏が亡くなった(9月27日 熊本日日新聞)。下関商業高校のエースとして甲子園での春の優勝、夏の準優勝に貢献した。さらに65年、西鉄に入団すると、20勝を挙げて新人王になった。その後も67年は23勝で最多勝を獲得するなど飛ぶ鳥を打ち落とす勢いだったが、八百長に関わったとして、70年に球界から永久失格処分を受けた。本人は関与を否定し続けていたが、35年後の2005年に処分が解除された。わたしは、いまでも[西鉄ライオンズファン]を自認しているが、年齢的に近い池永氏には親近感を持っていた。ご冥福をお祈りする。 |
| 滅亡のリスト(2) [18] 2022/11/06 Sun 8916 10月26日[77]の続き アメリカが攻撃の対象として挙げたリストのうち、九州は233箇所あったが、純粋に軍事施設と見られるのは60箇所だった。そのほかの173箇所は民間の施設である。その中には、わたしもよく知っている久留米の月星ゴムがある。子どものころのズックは月星のマークだった。いまでも久留米駅に近づくと会社のマークが付いた煙突が見える。当時は地下足袋を作っていたが、これを軍隊にも供給していた。放送では、実際にはそれ以外にも軍事に関わる仕事をしていたようだと伝えていた。 |
| ローマ帝国の公用語[17] 2022/11/06 Sun 8915 【ラテン語:インド・ヨーロッパ語族イタリック語派に属する、古代ローマ帝国の公用語。その文語である古典ラテン語は今日でも学術・宗教の用語として用いられており、民衆の口語であった俗ラテン語は帝国各地で独自に変遷して現在のロマンス諸語となった。(精選版 日本国語大辞典)】英語はラテン語語源の言葉がお好きなようで、論文でもいろんなものに出会う。[cf.→confer:参照]「et al.→et alii:他」[e.g.→exempli gratiaたとえば」[etc.→et cetera:などなど]ローマ帝国が今も生きる。 |
| 華厳経(1)[16] 2022/11/06 Sun 8914 鎌田茂雄「華厳の思想」(講談社学術文庫)を読んでいる。そもそもは「司馬遼太郎が考えたこと」(新潮文庫 全15冊)で「華厳経」に興味をもった。わたしの手元に「司馬遼太郎14 法華宗 社会構成主義?」とのメモが残っていた。それは、社会構成主義と言われる現代の発想が、はるか昔の文献に記されていることを「発見(?)」したときに記したはずである。わたしは「自分の発想だと思っても、それ以前に誰かが言っている」と確信している。それは、世の中、それも世界の中で影響力を持っている思想や理論にも適用できると、これまた確信している。そして、社会構成主義もそのケースだと思ったのである。この話、またぞろ長くなりそうな「悪い予感」がする。 |
| [資本主義]と[差異性][15] 2022/11/05 Sat 8913 高校の国語教科書に「資本主義・経済」の解説があった(第一学習社 精選/現代の国語 p.234)。「資本主義とは、私有財産と自由競争を原則とし、資本が利潤を生む経済体制でありその利潤は差異性から生じる。資本主義には、安く買える地域から高く売れる地域へモノを運ぶことで、価格の差異を利潤に転化する商業資本主義や、労働力への対価と労働生産物の売り値の差異で利潤を生む産業資本主義などがある」。 教科書は1年生を対象にしたものだが、わたしが高校生のとき、こうした記述が記載されていた記憶はない。ただ漠然と「資本主義」という言葉が頭にあった程度だったのではないか。この解説は「資料編」の部分だから、教師が授業できっちり押さえることはないのだろう。ともあれ、「私有財産と自由競争」によって「資本が利潤を生む」ところは、だれもが体験的に知っている。わたしは、利潤が生まれる要因として[差異性]という用語が使われることをはじめて知った。 |
| さらに重ねて、文化の違い[14] 2022/11/05 Sat 8912 とうとう、[CSI:Crime Scene Investigation」は[Season3 2002年]に入ってしまった。そこで、また驚きのシーンに遭遇した。冒頭に、薬物注入による死刑執行のシーンが映し出される。これまで邦画で登場人物が絞首台に向かう場面を観たことはある。オレンジ色の服を着た死刑囚が執行台の上に縛り付けられ、腕に針を刺される。時計の秒針が動いて12時00分を指したとき、執行官が注射針から薬を注入する。 わたしが驚いたのはその数コマほど前のカットである。カメラは執行室にあるカーテンを映し出す。つぎにカーテンが開けられる。ガラスの向こうには10人を超える人たちがこちらを見ていたのである。二人の老人は夫婦と思われるが、婦人は若い女性の写真をもっていた。それが、死刑囚によって命を奪われた被害者であることは容易に推測できる。ドラマではあるが、彼の国では死刑執行に被害者の遺族や関係者が立ち会えるのだろう。ここにも文化の違いを感じる。 |
| 健さん(2)[13] 2022/11/05 Sat 8911 10月2日[05]の続き 健さんの「君を憤怒の河を渉れ」はかなりすごかった。とにかく新宿の街中を馬が走り回る。さらに健さんがセスナ機を操縦して北海道の日高から千葉まで飛んでいく。それもレーダーに捕捉されないためだったと思うが、意識的に海面スレスレに飛行するのである。こんな猛烈なる操縦スキルを持っている人はそうそういないだろう。しかも、主人公は濡れ衣を着せられた現職の検事なのだ。そんな人物が、口頭で一言二言説明されて、はじめてセスナを操縦するのだから、驚き桃の木である。それも娯楽映画だからOKということだろう。そこにリアリティなどはない。映画の公開は1976年だが、こうした荒唐無稽なシーンが続出する映像も健さんの主演ともなれば、しっかり受け入れられていたということか。いかにも旧き、よき時代の香りがする。 |
| 翻訳の壁[12] 2022/11/04 Fri 8910 「名文を外国語に訳す難しさ」との見出しに目がいった(熊本日日新聞 2019年2月23日)。ノーベル文学賞作家川端康成の代表的作「雪国」は、サイデンステッカーの英訳〝Snow Country〟で欧米でも知られるようになった。その冒頭の「国境の長いトンネルを抜けると雪国であった」ほど有名な書き出しはないだろう。この一文で目の前に拡がる状況と景色がしっかり浮かんでくる。「そんなことがあったなあ」「あのときは、あんな思いでいたなあ」などと考えて作家のことを忘れている。 その翻訳は、〝The train came out of the long tunnel into the snow country.〟である。〝The train〟が主語として登場する。「うーん」。この文の主語は汽車なんだろうかと考える。たしかに、翻訳は客観的な現象としての事実を伝えている。だから「ああ、そうなんだ」とは思うが、その心情が英語文化の人々とどの程度共有化できるのだろう。わたしは、若いころからノーベル文学賞に疑問を感じてきた。 |
| [東レ]の不正[11] 2022/11/04 Fri 8909 東レで製品の安全認証を不正に取得していた(熊本日日新聞4月13日)。外部委員会がまとめたとされる報告書からわかることは、①一部不正は遅くとも30年前から行われていた。②当時取締役だった担当本部長は2017年に不正の報告を受けていたが、抜本的な改善策を講じていなかったの2点である。 素人に不正の詳細はわからないが、アメリカの「米保険業者安全試験所(UL)」の認証を取得した410品種のうち122品種で不正があったという。「《難燃性》の基準を満たすために、製品とは別にサンプルをつくって提出していた」のが事実であれば、これは明らかに意図的であり、不正行為である。このケースも、30年間もの長期間にだれも気づかなかったとは考えにくい。問題を「言えない」「言っても聴いてもらえない」状況が続いていたのではないか。さらにトップの責任者が「気づいても適切な対応策をとっていなかった」とすれば、その理由を知りたくなる。 |
| また、また文化の違い[10] 2022/11/04 Fri 8908 10月30日[88]の続き アメリカのテレビ番組[CSI:Crime Scene Investigation」の[Season2]の23本も1ヶ月ほどで観てしまった。テレビドラマだから1本は45分程度であるが、毎日のように観ている計算になる。いくら[巣ごもり]といってもこんなことはこれまで経験したことがない。 さて、その内容に子どもが人の命を奪うものがあって、子役の演技のすごさに、彼我の文化の違いを感じたことを書いた。その後も、父親と母親が命を奪われるものがあった。こちらも文章では表現しにくい状況で亡くなるのだが、遺された子どもが最後まで登場する。このときは子ども自身は犯罪に関わることはないが、子役を演じた女の子は、全体の流れを承知していると推測する。おそらくは10歳前後と思われる彼女は、フィクションであるとは言いながら、おとなの世界の出来事を理解して演技をしているわけだ。わたしの勝手な評価基準ではあるが、わが国のテレビで同じものをつくるのは無理だと思う。 |
| [解釈]考[9] 2022/11/03 Thu 8907 憲法はすべての決まりの基本である。これに抵触する法律は存在することができない。仮に憲法に反する法律があれば、それは最高裁判所で違憲と判断される。ただし、これも裁判官という人間が判断するから無謬はあり得ない。 そもそも憲法を筆頭に法律には個別ケースについてこまかいことは決められない。そこで、「同じ条文」についてどう解釈するかが問題になる。ここで、「解釈」とは「言葉や文章の意味・内容を解きほぐして明らかにすること。また、その説明」「物事や人の言動などについて、自分なりに考え理解すること」(デジタル大辞泉)とされる。 この「解きほぐす」だが、それを誰がするかで「意味・内容」が違ってくる。さらに「自分なりに」となると、それこそ恣意的な「解釈」が生まれる。組織でも問題が起きると苦し紛れの「解釈」をして、問題を大きくすることがある。 |
| [eラーニング物語](20)[8] 2022/11/03 Thu 8906 10月27日[79]の続き 契約条件には、「3上記表中の「利用内容」の範囲内においては、甲又は甲指定の第三者に対して、本業務により創作した著作物に係る著作者人格権を行使しないものとします」とある。ここで「利用内容」として、「講演(セミナー)及び当該講演(セミナー)の動画収録(資料作成含)」「甲及び甲のグループ会社のサービスサイトでの講演(セミナー)収録動画の配信及び問題の掲載」の2項目にチェックが入っている。これは、甲に関連した組織でもわたしが著作権を主張しないということだろうから、「それはそうだろう」と思った。 |
| リーダーシップの確信(2)[7] 2022/11/03 Thu 8905 昨日[6]の続き 「わたしは[正解]など提示できない」という確信については補足が必要だ。心理学を研究する者たちの中には行動の一般論を停止する一方で、個別対応を問われると「正解はない」と不用意に答えるケースがある。その気持ちは理解しないでもないが、わたしは別の答え方をしている。「正解は無数にあります。わたしも自分で正解と思うものをご提示します。その中からみなさんにとっての「正解」があるといいなと思います。もし、ピッタリの正解がないときでも、「正解」発見の「ヒント」になれば嬉しいです」。とまあ、こんな具合である。「それって『正解がない』と言うのとどう違うの」という訝しげな声も聞こえてくるが、わたしとしては、こちらの方が「正解」に近いと思っているのですが…。 |
| リーダーシップの確信(1)[6] 2022/11/02 Wed 8904 リーダーシップに関する理論や研究は世界中にあふれている。これに評論やエッセーを含めれば、その数は「無量大数:10の68乗あるいは88乗」を超えて「無限大:∞]と言うべきか。研究者が「リーダーシップの理論は研究者の数だけ存在する」と皮肉るほどである。ともあれ、世の中の研修や講演などでは、それぞれの研究成果に基づいて、「リーダーシップの[正解]」を提示し、それらの実践を働きかけることが多いと推測する。そうした中で、個別の状況を知らないわたしが、現実の職業人に[正解]など提示できるはずがないと確信し続けてきた。 |
| すべて誰かが言ってる[5] 2022/11/02 Wed 8903 古典は人類の智恵の宝庫である。自然科学的知識はいざ知らず、人間の心や行動に関わるあらゆることは、誰かがすでに考え、言っている。孫悟空は自分が自由に生きていると思っていたが、じつはお釈迦さまの手のひらの上で飛び回っていただけのことだった。この話、小学生のころに聴いた記憶しかないから、「いまも真実なのか」は知らない。ともあれ、わたしが「これは新しいアイディアだあっ」と絶叫しても、とうの昔に先人が言っているのを知らないだけなのである。 |
| 若き日の駄文たち(21)[4] 2022/11/02 Wed 8902 10月25日[73]の続き 人間関係で悩んでいると書き始めた文章が、高校時代の制服の注文話に進んでいく。文面からは、3つの指定店のうち、どこでもいいと言いながら自分に1店を指定したことに問題を感じている雰囲気がうかがわれる。それが、自分の身近な店ではなかったからである。ともあれ、その先の文章が、これまた何を言いたいのかわからない。「しかし、よく聞いてみると、店から採寸に来るそうで、できた服も学校でとればよいということだったので全然気にしないで注文した」。こうなると、個人的な店までの距離は関係なくなる。と言うことは、学校が3つの店を割り振っていたのかもしれない。 |
| みんなの集団[3] 2022/11/01 Tue 8901 人間は集団の中で生まれ、生きていく。また集団なしには生きていけない。したがって集団は人間にとって掛け替えのないものである。 しかし、その集団は人間にとって息苦しさを与える要因にもなる。あるいは、集団によって身体的・心理的に抹殺されることもある。なくてはならぬが、あったらあったで人間を悩ませる。「兎角に人の世は住みにくい」(草枕)のである。 その一方で「生まれてよかった」という思いをもてるのも集団あってのことだ。集団には困ったときに助けてくれる人もいる。悩みがあるときは一人で抱え込まないことである。自分の気持ちを伝えると、人も案外と同じことで悩み、困っていることがわかる。集団で不安を共有化すれば、気持ちが落ち着く。さらに、それならみんなでいっしょに問題を解決していこうというエネルギーが生まれる。 ヒトはヒトとかかわって人間になるのである。言いたいことは、言える人に言ってみましょうよ。 |
| 富士の「早替り」[2] 2022/11/01 Tue 8900 先週の27日に「焦げ茶と白の富士」について書いた。10月20日は「焦げ茶」だったのに、25日には「真っ白」に早替わりした話である。いつもは「その月に撮った過去の写真」を表紙に使っているが、今月はタイミングを失わないように、先月の写真を採用することにした。小学生の孫が母親に「どうして東京から富士山が見えるの」と聴いたらしい。なんともかわいいものである。 |
| インフルの予防接種[1] 2022/11/01 Tue 8899 毎年この時期にインフルエンザの予防注射をうってきた。今年も数日前にすませたが、この2年間、コロナでおとなしくなっていたインフルが流行する可能性があるという。熊本市の場合、高齢者の予防接種料金は1,500円だが、そのほかは3,600円ほどになる。両親と子どもが打てば、けっこうな負担になる。注射するしないは個人の意志で決めればいいが、経済的理由で接種できないのであれば問題である。インフルに罹ると治療に要する経済的コストだけでなく、患者や周囲の人間の心的負担なども大きい。社会的コストは見えない部分を計算に入れる必要がある。 |