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| 集団自己満足力 [62] 2022/08/31 Wed 8715 わたしは「自己満足力」が生きるエネルギーになると確信し、本欄でも繰り返し触れてきた。組織の視点では、それは「個人」に止まらず、「集団自己満足力」に拡がることが欠かせない。そもそも「一人だけ満足」では、まわりはカッカするばかりである。ただし、どんなことでも最初はたった一人からはじまる。世界の宗教も始祖は一人が定番である。ここで、「自己満足『力』」とは「何もしないで現状を黙認、合理化する」ものではない。 |
| [青焼き]の思い出 [61] 2022/08/31 Wed 8714 いまの人は[青焼き]と聴いても何のことか想像すらできないに違いない。わたしが学生だったころ、大学では複写機としてゼロックス製のものが1台だけ鎮座ましましていた。それも教授の専用で、学生などお呼びでない代物だった。生協の定食が80円のときコピー1枚が50円もしたのである。 そうした状況で、とりあえずコピーができる代替機があった。まずはトレース用の薄い用紙に文字を書いて原稿をつくる。それを専用の複写用紙と重ねて投入口に差し込むとゆっくりと自動的に吸い込まれていく。すぐに光が漏れて、やや湿り気のある用紙が出てくると、「原稿」の文字がそのまま写っていて、複写のできあがりとなる。 この原理は単純で、原稿を書いた薄い用紙の上から光を当てると、文字の部分は光を遮り、そのほかの部分と区分される。このとき用紙全体は白色に近くなり、文字の部分は濃い青色に変色する。それは、日光写真と同じで、専用紙が印画紙なのである。 |
| 逝きし方々 [60] 2022/08/30 Tue 8713 8月28日 [56]の続き わたしが学部の学生のころ、熊本大学から内地留学で九州大学に来られていたのが、佐藤静一先生である。先生は学部の屋上で助手や大学院生たちと卓球をされていた。その印象が強すぎて、わたしの中では「卓球先生」と呼んでいた。わたしが熊本大学に採用されたときは、お久しぶりといった温かい雰囲気で迎え入れてくださった。その後、わたしが所属するセンター長に就任された。ほぼ一回り違いの佐藤先生だが、すでに他界された。 |
| 若き日の駄文たち(12) [59] 2022/08/30 Tue 8712 8月23日 [45]の続き 駄文「現在の私の状況と方針を訴える声明(二)」のコメント(8月16日)に書き残しがあった。それは、「§2 外的環境の存在 -自己との戦い-」へとつながって(?)いく。 「およそ、人間とは一人で生きてゆくことの出来ないものである。常に他人との関係を考えてゆかねばならないものである。私のが安易な『人間革命』路線があえなくも崩壊したのは、このことを全く忘れてしまっていたからである。今でもそれは部屋のドアに貼られた紙にも残っている。「10時半頃に寝るから、面会は10時迄にしてくれ」といった内容のものである。これは全く自他両者によって無視され続けている。自分だけはそのつもりであっても、この世の中には他人という否定し難い存在が厳然としてあるのである」。 さすが駄文だけあって理解不能の文が並ぶ。これは、「自分だけで『変わるぞ』と決めても、他者の存在を前提にして考えないとうまくいくわけがない」ことを絶叫しているのだ。 |
| 聖職者のハラスメント [57] 2022/08/29 Mon 8710 九州内のカトリック系の教区で「司祭からのパワハラ」があったとして提訴された(熊本日日新聞 4月27日)。訴えたのは教区で起きた性暴力や人権侵害の相談業務を担当していた元職員である。在職中に複数の司祭からパワハラを受け、心的外傷後ストレス障害(PTSD)を発症したとしている。 記事の情報量が少ないから、詳しいことはわからないが、性暴力や人権侵害の相談を受ける担当者自身が被害者というのだからお話にならない。しかも加害者が複数の司教というから言葉がない。海外でもローマ・カトリック教会の聖職者が児童に対して性的虐待をしたとして問題になっていた。そんなことでは神様に申し訳が立たないではないか。 ともあれ、組織の目的や業務内容に関わらず人間集団では様々な[ハラスメント]が発生する可能性は[0]にならない。この件も、裁判になれば結論が出るはずである。ただし、記事の量を踏まえると、それが報道されるかどうかわからない。 |
| 逝きし方々 [56] 2022/08/28 Sun 8709 恩師の三隅先生は2002年に亡くなられて20年が経過した。それから大先輩の関文恭氏が他界された。わたしは、関さんの声掛けで集団力学研究所と関わりはじめた。当時、PMリーダーシップ研究の発展として、リーダーシップ・トレーニングの開発がはじまっていた。その初期の試みがブリヂストンタイヤの職長を対象にしたもので、大分県天ヶ瀬の同社保養所で実施された。わたしは関さんからこれを手伝わないかと誘われたのである。 |
| 高さんからのメール(11) [55] 2022/08/28 Sun 8708 8月21日 [41]の続き 高さんは、リーダーシップ・トレーニングを受講した造船所の作業長たちから、同じ教育を副作業長にもしてほしいと求められた。しかし、人数の多さから対応できないと答えたところ、それでは「自分たちでする」となった。 「小生は一切手を出さず側で見ていただけです。実はこの作業長会主催のPMTが極めて有効だった訳です。PMリーダーシップとはどう云うものかという講義を作業長自身が先生となり実施したわけですから。このことが長崎プログラムの成功に強く関係したと思えます」。 自分は何もしていない、作業長たちがすばらしかったと語る高さんは、本当に高さんらしい。とても、「一切手を出さす側で見ていただけ」だとは思えない。いずれにしても、こうした現場の力を伝えられると鳥肌が立ち、目頭が熱くなってくる。わたしは「この作業長さんたち」と雲仙の小浜温泉にある国民宿舎に通って、「リーダーシップ・トレーニング」を共に体験したのだから。 |
| ウォシュレット体験 [54] 2022/08/27 Sat 8707 ウォシュレットはTOTOの商品名だが、ともあれトイレで洗浄することがいまでは普通のことになった。わたしの初体験は福岡市の博多区千代町にあるビル[パピヨン]のトイレである。ここには貸し室があり、集団力学研究所の「リーダーシップ・トレーニング」で使っていた。おそらく前世紀のことである。朝のトイレを習慣にしているわたしが、そのときはパピヨンで[うわさのウォシュレット]と対面しておそるおそるボタンを押した。
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| 人生ドライブの先行き [52] 2022/08/26 Fri 8705 前期高齢者後期としては、いまのところそこそこ健康でありがたい。そんなことで、自称[花のフリーター]として仕事も続けている。わたしが[集団力学講座]のドアを叩いたのは1968年だから、すでに半世紀を超えている。そのときからお世話になった先生や先輩たちが旅立たれていく。これは宇宙に流れる時間とともに起きる必然として淡々と受け入れるしかない。そして、わが人生のドライブも、長距離の計画は立てられなくなった。 |
| 「独裁者の訴え」(11) [51] 2022/08/26 Fri 8704 8月19日 [37]の続き いよいよ「独裁者」と入れ替わった「理髪師」は演説を締める。 「独裁者たちは自らの自由は獲得するが、彼らは人々を奴隷にするのだ!さあ諸君、われわれの約束を果たすために戦おう!世界を解放するために、国家の障壁を取り払うために、貪欲を、憎しみと不寛容を放逐するために戦おう!理性のある世界、科学と進歩がすべての人々の幸福につながる世界のために戦おう!兵士たちよ!われわれは民主主義の名の下に、全員で団結しよう!」。 この言葉の後に大喝采が響き渡り、第一声を発してから3分30秒ものワンカットが終わる。まさに「世紀の大演説」である。チャップリンの「独裁者」は1940年に製作された。この年の5月には、あの「独裁者政権」はフランス、オランダ、ベルギー、ルクセンブルグに侵攻していたのである。まさに飛ぶ鳥を落とす勢いだった。 理髪師の演説はまるで今日のことのようだ。人間が歴史に学ばないことを戒めているようにも聞こえる。 |
| 「いかされている」こと [50] 2022/08/25 Thu 8703 随分前になるが、本コラムに「相互依存のパラドックス」について書いた。われわれは「依存すればするほど、依存していることを忘れる」ことを強調した。この世に生まれてから、いやその前から、誰もが人の力で「生かされている」のである。成長するにしたがって「活かされている」ことも実感する。ときには不本意なところに「行かされる」こともあるけれど。そして、すべての人が一定の時間になると「逝かされていく」ことになる。 |
| [eラーニング]物語(10) [49] 2022/08/25 Thu 8702 8月18日 [35]の続き リスク対応を重要な仕事にしているわたしとしては、12本3時間の収録に4時間しか充てないことはリスクを考慮していないと考えた。せっかくの機会だから、当然ながら満足できるものにしたい。それが、「最終便の時間が迫っている」といった状況に陥ってしまっては、悔いが残るではないか。とまあ、こんなことも頭に描きながらも、1月31日の収録は決まった。 ともあれ収録の日程が決まったことから、パワーポイントづくりに注力した。わたしの現職時代は、所属していた組織の性格から「グループ・ダイナミックス」という講義名の授業をしたことはなかった。ただ、複数の大学の非常勤で「グループ・ダイナミックス」を担当したことがあったから、その際の教材の流れを基準にして12回分を作成することにした。こうしたときは著作権についても慎重に対応する必要がある。学校の授業であれば、教材に実験の模様を撮った写真などを一定の範囲内で使用できる。 |
| 日本のやり方 [48] 2022/08/24 Wed 8701 アメリカのAIG幹部たちが、納税者の基金をもとにした資金から多額のボーナスを受け取ったことが社会的な問題になった(2009年3月)。これに対して、上院財務委員会のトップだった Charles Grassley 議員が「ボーナスを受け取った AIG 関係者は、いわゆる『日本の例』に則って直ちに辞任するか、自殺するべきである」と述べて批判を浴びた。その後、発言は取り消されたが、こんなところで「日本のやり方」が引用されたのである。 |
| 目標の小条件(21) [47] 2022/08/24 Wed 8700 8月17日 [33]の続き [自己満足力を鍛える] 人から「そんなつまらないことがよくできるね」と言われたら天にも昇る気持ちで喜ぼう。そもそも「つまるか、つまらないか」は人が決めることではない。それに、自分でも「つまらないこと」だと思っていてもかまわない。「わたし、こんなことをここまでし続けてるなんて、笑っちゃうよね」と自分に声をかけて一緒に笑うといい。小さなことでも、できたら[◎]で自己満足する力が人生を前に進めるのである。 ここで「自己満足」とは、「何もしないで、現状を受け入れること」ではない。むしろ、[小さなことも大事にして、チャレンジし続けながら、一つひとつの成果を評価、満足し、さらに前進するエネルギーにする」ことであり、その「力」が大事なのだ。それは、個人だけでなく集団にも求められる。 [目標の小条件]シリーズは、今回でおしまいとしよう。 |
| 梅雨の北進 [46] 2022/08/23 Tue 8699 東北の秋田や北海道で、これまでニュースで見聞きしたことのない大雨が降っている。天気図を見ると、東西に延びる前線が東北辺りに停滞しているように見える。まさに、梅雨の停滞前線と同じである。わたしの見立てでは、九州はすでに[亜熱帯気候]になっている。そのうち、マラリアが九州の風土病になる。この流れで云えば、昔の温帯のベルトは北に移動し続けていて、今後は東北地方や北海道の梅雨が当たり前の景色になるのである。 |
| 若き日の駄文たち(11) [45] 2022/08/23 Tue 8698 8月16日 [31]の続き コクヨの緑色の罫線が入った原稿用紙に書かれた原稿(?)である。タイトルは「現代の哲学に要求されるもの」と勇ましい。 「哲学はあらゆる科学*の源泉であった。現代に於て、驚くべき進歩を遂げた科学も、もとはと言えば哲学の子孫に他ならない。思索をその主たる道としていた哲学から、実証の道へと飛び出したのが今の科学ということが出来るのである。 *科学には社会科学もあれば、自然科学もあるわけだが、ここでは特に自然科学を頭に置いて考えてもらえば理解しやすいであろう。 ところで、哲学とはギリシャ語で「智を愛する」という意味である。事実、知識愛及び学問一般を意味していたのである。学問というものが、「暇つぶし」であることの出来たギリシャ時代では、文字通りそのまゝて良かった。だが」。 考古学の発掘並みに、なぜか2枚目以降の原稿が残っていない。 |
| [目的]と[手段]の一体化 [43] 2022/08/22 Mon 8696 われわれは集団をつくることでここまで生き延びてきたらしい。現生人類の先輩であるネアンデルタール人たちは屈強な体を持って、猛獣たちとも戦った闘争者だった。われわれは、彼等と比べると何ともひ弱だったのだが、それにもかかわらず、生き残れたのは、「集団」をつくって協力したからだという解釈がある(NHKスペシャル[人類誕生])。 集団、組織、そして社会は人類にとって欠かせないのである。かくして、組織に所属して仕事をするのも、そうした流れに含まれるわけだ。ところで、仕事は生活の糧を得る手段であることは疑いない。しかし、それは同時に「生きていることを体感できるため」という目的も持っていると考えたい。そもそも手段は目的を達成するためにあるから、それ自身がいつの間にか目的になってしまってはまずいというのが一般的な見方である。しかし、集団や組織のことを考えると、「目的と手段の一体化」もありだと思えてくるのである。 |
| 250文字の情報 [42] 2022/08/21 Sun 8695 昨日 [40]の続き 工場でブレーカーを落とさずに照明を取り替えていた作業員が感電死した。一緒に作業をしていた年長の男性は、その理由を「作業効率を優先させたかった」と述べている。最終的に書類送検されたのだから、二人は上下関係にあったと思われる。いずれも「ルールは知っていた」と推測するが、下の人間としては、「それはルール違反だからできない」と拒否できなかった可能性はある。ただし、この情報は文字数で250字ほどの量である。 |
| 高さんからのメール(10) [41] 2022/08/21 Sun 8694 8月14日 [27]の続き 三菱重工業長崎造船所で、ある一つの係に監督者の「リーダーシップ・トレーニング」を実施した。この試みで事故が減少したため、ほかの係の作業員たちが「自分のところでも同じことをしてほしい」と上司である作業長に訴えた。これがすべての作業長を対象にした「リーダーシップ・トレーニング」に繫がった。そして今度はトレーニングを受講した作業長たちが、同じことを部下の副作業長にしてほしいと声を挙げたのである。しかし、高さんはその数の多さからこれに応えることは不可能だと考えた。 「そこで残念ながらとても無理だと断った訳です。その結果、作業長会で検討が進められ『それでは作業長会主催で副作業長対象のPMTを実施しよう』となり、結果的には作業長がリーダーシップを取ってPMTが一泊二日で実施されたのです」。何と作業長たちが動き出したのである。 |
| 基本は守られないもの [40] 2022/08/20 Sat 8693 工場で照明の取り換えをしていた作業員が感電して死亡した。原因はきわめて単純で、作業前にブレーカーを落とさなかった。一緒に作業をしていた電気工事士が業務上過失致死容疑で書類を送検された(8月11日 読売オンライン)。なすべきことをしなかっただけで28歳の男性が命を落としてしまった。送検された男性は34歳だが、ブレーカーを切らなかったのは「作業効率を優先させたかった」からだという。基本は守られないのである。 |
| エンジン整備の検査不正(3) [39] 2022/08/20 Sat 8692 8月13日 [25]の続き いつも、「製品の安全性に問題ない」が繰り返される。つまり、手続きとしては問題があったが、製品自体に問題はないというわけだ。ほかの組織で発生した問題事例も含めて、製品を物理的に評価すれば、「安全性に問題ない」のは事実だと推測する。そうでなければ、製品のリコールなど組織を揺るがす事態になる。この種の発言、あるいは念押しはどうしても必要なのだろう。それにしても、整備する順番を入れ替えたにもかかわらず、規定通りにしたように虚偽の日時を記録していたのに、それでも問題がないのであれば、作業手順にはどんな意味があったのだろう。 また、トップは記者会見で、「少なくとも2017年1月からやっていたことは判明している」と述べ、それより前については調査中であると答えていた。その後、「過去10年で国内航空会社向けに整備したエンジンの75%にあたる34台で不正が見つかった」と発表している(朝日新聞デジタル2019年4月9日)。 |
| [トップ]と[ポンプ] [38] 2022/08/19 Fri 8691 わたしは[bottom-up]と表現して何とも思わない組織の上層部の感受性に疑問を感じています。これに変わる言葉として、わたしは「ground up]の使用を提案してきました。これで大地から水を汲み上げることの重要性と不可欠性を強調したつもりです。 それに加えて、「pump up」もありだなと思いつきました。地下に蓄積された天然の水は井戸のポンプを使って汲み上げられ活用されます。このポンプの構造が何とも魅力的かつ示唆的だと思うのです。ポンプのハンドルを押して上げるとシリンダー内の空気の気圧が下がります。これで地下の水に加わる空気圧との差が生まれ、水が上がってくるのです。 組織のトップ層も自分たちの圧力を利用するのではなく、自らが真空になることでグラウンド層の意見や考えが届くはずです。それが組織力を強化することは疑いありません。問題が発生すると、聴いてなかったと嘆くトップがいますが、それは空気の抜き方が悪かったのです。 |
| 「独裁者の訴え」(10) [37] 2022/08/19 Fri 8690 8月12日 [23]の続き 理髪師の声は高まり、演説も終わりに近づく。 「諸君、民主主義の名の下に、われわれが持っている力を駆使しよう、そして団結しようではないか!新しい世界、人々に働く機会を与える世界、若者たちに未来を、老人たちに安寧を与える世界のために戦おう!野蛮な人間たちはこうしたことの実現を約束して権力を握った。しかし、彼らは嘘をついているのだ。その約束が守られることはない、断じてないのだ!」。 権力を握った者たちの言はいつも耳当たりがいい。「人々に働く機会を与える、若者たちに未来を、老人たちに安寧を与える」。そして、戦争はいつも「正義を実現するためだ」と強調される。国民に不満があると「そうだ、そうだ」という大波になって動きはじめる。しかし、理髪師は「彼らは嘘をついているのだ。その約束が守られることはない」と叫ぶ。そもそも、権力を持った者たちは戦場から遠い距離にいる。戦争で命を失うのは権力を持たない人間たちだ。 |
| [Black Lives Matter] [36] 2022/08/18 Thu 8689 アメリカで警察官が黒人を拘束する際に首筋を押さえて死亡させた(2020年5月)。その後、[Black Lives Matter]を掛け声にしたデモが全国に拡がっているニュースが流れていた。アメリカではアフリカから奴隷として強制的に連れてこられた人たちの子孫と西インド諸島で奴隷になった人々の子孫が米国に移住した場合とでは、習慣や食文化に違いがあるらしい。それがある種の対立を引き起こしているという。人間の関係は複雑である。 |
| [eラーニング]物語(9) [35] 2022/08/18 Thu 8688 8月11日 [21]の続き 東京日帰りに「最安のチケット」というのも規定と言われれば仕方ない。ただし、これでは便の変更もできないから、わが基本方針である「プレミアム」にして、差額を負担することで対応すると決めた。 それでも、3時間分の収録を4時間で終えるスケジュールだと、その日に完成しない場合のリスクはまったく考慮されていないことになる。そうした想定外、いや想定内というべき事態の発生可能性を考慮して前泊を提案したが、先方は4時間で大丈夫と主張する。その理由は「これまでもできてきた」からである。 わたしは[リスクマネジメント]を[リーダーシップ]と並んで仕事にしている。今回作ろうとしている[eラーニング]のコンテンツにもそれを含めることも考えた。その中に挿入するキーフレーズが「これまでなかった症候群」「これまであった症候群」の危険性なのである。 |
| コミュニケーションの力 [34] 2022/08/17 Wed 8687 すでに10年以上前になるが、TOYOTAがアメリカでリコール問題に直面したことがある(2009~10年)。同社の車が急加速によって死亡者が出たことに対するものだった。当時はソフトの欠陥が指摘されたが、最終的には問題は見つからなかった。このときは豊田章男社長が聴聞会に召還される事態になった。豊田氏は英語で講演する実力の持主で、質問に落ち着いて答えていた。わたしは事実と併せてコミュニケーションの力を確信した。 |
| 目標の小条件(20) [33] 2022/08/17 Wed 8686 8月10日 [19]の続き [手軽にできる] まずは簡単にできることからはじめる。わたしは70歳になったとき、体力の衰え対策として無駄な抵抗をしようと決めた。そこで頭に浮かんだのが腕立て伏せである。さっそく「やってみる」と5、6回で胸の筋肉がビビレて即中止を呼びかけてきた。その日はそれで終わったが、その後もとにかく10回程度は続けた。そのうち15回、20回と平気さがレベルアップしてくる。これが「成功体験」となるから体だけでなく心にもプラスになる。それでも、やり過ぎは逆効果だから、いまは「ゆっくり息を吐きながらベース」で14回にしている。これは、「ラッキー7」の倍数の縁起担ぎのつもりだ。 こうして早くも4年に近づいているが、いまではわが生涯で、青年期を含めて、胸板が最も厚くなった。手軽にできることが「鍾乳石効果」を生むのである。鍾乳石は石灰岩から溶けた炭酸カルシウムを含んだ水滴が一滴ずつ落下し続けて、ついには大きな石となる。 |
| 贅沢言ってはいけない [32] 2022/08/16 Tue 8685 8月14日 [28]の続き 松本清張は遅咲きで、文学界にデビューしたのは40歳を超えてからである。それを知ったときは、自分にもかなりの時間があると思っていた。しかし、それもあっという間に前期高齢者後期で、今年は74歳になってしまう。人間はいつも「〇〇してしまった」を繰り返しながら生きていくもののようだ。それでも「まあいいや」と思うことができればそれでいいような気がしている。ここまで元気で過ごせたのだから贅沢言ってはいけない。 |
| 若き日の駄文たち(10) [31] 2022/08/16 Tue 8684 8月9日 [17]の続き わたしの駄文から、若いころ「今のままじゃいけない」といったある種の危機意識、あるいは問題意識を抱いていたことが伝わってくる。もちろん、この点は悪いことではなく、精神的にはむしろ健康的ですらある。適度の「危機意識」が組織や個々人を成長させる力になる。そんなことで、わたしは今でもリーダーシップや組織安全に関わる研修や講演で他人様にも言い続けているのである。 ともあれ、「現在の私の状況と方針を訴える声明(二)」の「§⒈「人間革命」ということ」は次の文章で終わる。「だが、私は外的な環境というものを全くと言って良い程、忘れてしまっていた。(こともあろうに、集団力学というものを専攻しながら、他人というものの存在を忘れようとは!!)ここに至って、「集団力学」が登場するのだから笑ってしまう。そう言えば、「こともあろうに」という言い回しも学生運動家のアジ演説や声明文でしばしば見かけた懐かしい[用語]である。 |
| リスク感受性とリーダー [29] 2022/08/15 Mon 8682 リーダーに「リスク感受性」は欠かせないが、この世の中に全能者はいないから、すべてのリスクに対する「感受性」など期待すべくもない。これを補うのが、部下たちの「感受性」である。ただし、「感受性」があっても、それをすぐに発信しなければ「ない」のと同じである。つまりは、「気づいたことを気兼ねしないで言える」のでなければ、リスクを回避することはできない。そうした空気をつくり、維持するもリーダーの役割である。 これは逆に言えば、リーダーが「言えない空気」をつくり出す可能性があるといういうことである。もう少し踏み込んで言えば、リーダーが「言うべきことを言えなく」しているから、トラブルや事故、不祥事が起きるのである。そのリーダーが組織のトップであるときは発生する問題も深刻さを増す。組織の誰もが「言えない」からである。 体には神経が張り巡らされていて、蚊に刺されてもそれに気づく。それで健康が維持されるのである。 |
| 逝きし人たちの時間 [28] 2022/08/14 Sun 8681 松本清張が亡くなって30年、WOWOWでも清張関連の映画やドラマが流された。同じ年の1992年2月に父が、12月には叔父が亡くなった。叔父は清張が小倉の朝日新聞にいたころの後輩で、いろいろな話を聴いてわたしも清張に興味をもった。ともあれ、あの世に逝った人は、そのままの状態であっという間に時間が経過する。母は47歳で他界したが、今年は50回忌を迎える。それでも、わたしの頭の中ではいまも母の声が聞こえてくる。 |
| 高さんからのメール(9) [27] 2022/08/14 Sun 8680 8月7日 [13]の続き 事故の多い係で「リーダーシップ・トレーニング」を実施して事故が減った。これを見た作業員たちが「自分たちにも同じことをしてほしい」と係長に申し出たのである。高さんのメールは続く。 「この事が原因で外業係他の全ての係に作業長対象のPMTが実施されたわけです。全ての係が現場からの申し出で実施されたのです。しばらくして現場には作業長会と云うのがあり、ここから『PMリーダーシップは副作業長にも必要だ。副作業長に我々と同じようにPMTを実施して欲しい』との申し出がありました。しかし副作業長は各作業班に2名ずついるので全体では280名になります。作業長対象のPMTは全て貴兄等の協力で集団力学研究所が行った訳ですが、当時280名を対象に2泊3日のPMTを実施することは、とても不可能でした」。今度は「トレーニング」を体験した作業長クラスから「自分たちと同じことを副作業長にもしてほしい」という動きが生まれたのである。 |
| 続々「生セリフ」 [26] 2022/08/13 Sat 8679 昨日 [24]の続き タレントのカンニングを観ると、「そのくらい憶えといてよ」と文句を言う前にチャンネルが変わっている。プロ意識が希薄なのである。カンニング問題の矛先は報道でレポートする記者たちにも向かう。アナウンサーと話している風を装いながら、その視線がカンペに向かっている。ご本人は事実を伝えているつもりだろうが、伝え方が真実でないからがっかりする。最近は、われわれ全体の能力が退化しているのではないかと思いはじめた。 |
| エンジン整備の検査不正(2) [25] 2022/08/13 Sat 8678 8月6日 [11]の続き 検査不正についての記者会見で、トップは事業拡大の裏側で検査員の負担が増えていたと語っている。競争社会における組織にとって、事業を拡大するのは本能的な反応のようだ。とにかく「食うか食われるか」の世界なのだろう。もちろん、世の中には拡大に抑制的な組織もあるに違いない。 ともあれ、拡大するならするで、適切な人員を確保するのがマネジメントというものである。目の前に差し迫った緊急事態が発生しているのでなければ、やってみて、あとは何とかすればいいでは戦略・戦術とは言えない。また、緊急避難的対応であれば、少しでも落ち着いたら直ちに修正しなければならない。問題が発覚するまで検査員の負担増に気づかなかったとすれば、それ自身が問題である。また、そうした情報が上がってこなかったのであれば、これもまた深刻な問題である。 記事は「安全性については問題ない」と強調したことも伝えているが、これまた典型的なパターンである。 |
| 続「生セリフ」 [24] 2022/08/12 Fri 8677 昨日 [22]の続き テレビの草創期はビデオがなかったから、すべてが生仕様だった。ところが、このごろはテレビのバラエティなどを観ていると、短いセリフやメッセージも目線があっちを向いている。こちらにはカンニングしていることが見え見えになる。まことに緊張感がない。「ギャラをもらっているんだからそのくらいのセリフは憶えてよ」と文句を言いたくなる。 |
| 「独裁者」の訴え(9) [23] 2022/08/12 Fri 8676 8月5日 [09]の続き 気弱で善人そのものの小市民である床屋は、兵士を前に、時間の経過とともにことばを積み重ねて行く。その声には迫力が生まれ、その言に確信を持った人間としてのパワーがあふれ出てくる。映画「独裁者」では、これがワンカットで進んでいくから、この場面までくるとスクリーンの前にいる者は、床屋の、いや独裁者の、そうではなくチャップリンの顔と声に引き込まれていく。あの時代、現実に顔と体型まで似たような「独裁者」が存在しているとき、人はどのような気持ちでこのワンカットを観たのだろう。 「聖ルカ福音書の第17章には、『神の王国は人のうちにある』と記されている。それは一人の人間でも、一つの集団のうちでもなく、すべての人々のうちにあるのだ! あなた方のうちにこそ! 諸君、人々は力を持っているのだ、機械を創り出す力を! 諸君、人々はこの人生を自由なものとし、美しくする力を、この人生を素晴らしい冒険にする力を持っているのだ!」 |
| 生セリフ [22] 2022/08/11 Thu 8675 8月4日 [07]の続き わたしは本格的な演劇を観たことがない。高校生のとき文化祭で演劇部の芝居を観たことだけ記憶に残っている。劇中で同学年の女子部員が発した「いかん、いかん、そりゃあいかん。おとっちゃんに叱らるる」という甲高い声はいまも頭の中に残る。このセリフが出てきた状況はまったく憶えていないが、60年ほど前のことだから、人間の記憶の不思議さにはいつも驚く。ともあれ、演劇は生だからセリフを憶えていないとお話にならない。 |
| [eラーニング]物語(8) [21] 2022/08/11 Thu 8674 8月4日 [07]の続き 東京日帰りで収録する件は受け入れることにした。つぎは日時を決めることになるが、先方は12月か1月を希望してきた。わたしは年内は仕事が入ってバタバタ気味だったから1月31日と決めた。 そこで、つぎに交通手段の話になった。わたしは航空機はプレミアム席を基本にしている。これを聴いて、「何と贅沢な」と思われるかもしれない。しかし、当方も前期高齢者後期である。それなりに体を大事にしながら仕事をするためにはゆったりと移動するのがいい。ありがたいことに、多くのケースでこれを了解していただいている。それが出来ないときは、当方で差額を負担する。家内からも「年が年なんだから、ケチったりしたらダメよ」と言われている。 そんなことで、交通費についてたずねてみたところ、先方からは「普通席の往復」でお願いしたいとの回答があった。そこで念のため「通常の往復チケット」かと確認したら、最も安い「往復チケット」ということだった。 |
| 定石(定跡) [20] 2022/08/10 Wed 8673 【定石/定跡 ①(定石)囲碁で、昔から研究されてきて最善とされる、きまった石の打ち方。②(定跡)将棋で、昔から研究されてきて最善とされる、きまった指し方。③ 物事をするときの、最上とされる方法・手順。[デジタル大辞泉]】 定石(定跡)は「正解」に近いと思われるが、これを破ってこそ進歩がある。わたしの仕事であるグループ・ダイナミックスでは、それぞれの人間に合った「定石(跡)」が無数にあると考えている。 |
| 目標の小条件(19) [19] 2022/08/10 Wed 8672 8月3日 [05]の続き [期間を限定する] 長期に亘る遠大な目標は額縁に入れるか絵に描いておくといい。組織のトップの部屋や応接室をはじめ、いろいろなところでこうした目標が掲げられている。それは目標と言うよりも理念というべきものでもある。そこまでいくと、使われている用語や言いまわしは違うものの、どこにでもある当然のことのオンパレードである。たとえば、「お客様を…」「患者様を第一に」といった具合である。いわゆる社是は期間なしの経営目標である。 これらを眺めているだけでなく、本気で実践に活かすつもりがあるのなら、「期間限定、タイムサービス]がお勧めである。まずは現実の小さな一歩を踏みだして、前に進み続けていくことで大きな成果が生まれる。そんな悠長なことでは飛躍的なジャンプは期待できないという声も聞こえてきそうだ。しかし、大地やしっかりした踏み台がなければジャンプそのものが成立しない。つまりは、「大は小からはじまる」のである。 |
| 続・北広島市 [18] 2022/08/09 Tue 8671 7月30日 [88]の続き いつだったか、「アジア系は群れる」と言う人がいて、「そうだなあ」と思ったことがある。アメリカでも[China Town]や[Little TOKYO]はお馴染みで、これもみんなで一緒に田植えをする稲作農耕で培われたDNAなのだろうか。北海道の北広島市にファイターズのホームスタジアムが建設中である。ご当地では、ファイタースが新庄監督を迎えて大いに賑わっている。今シーズンの成績は今ひとつだが、それだけに伸びしろだらけだ。 |
| 若き日の駄文たち(9) [17] 2022/08/09 Tue 8670 8月2日 [03]の続き 現在の生き方を自らに問いかけ、「否!!」と自答したわたしはさらに続ける。 「では現在の生活を考えなおして、真の人間性を回復するには一体どうすればよいのか。それは、総体的には失敗という結果を生み出した。生活の全てを否定し、新しき生活へと止揚させる他に方法は見出せないのである。まさにそれは私という一人の人間の革命と呼ぶより他には表現することの出来ない方法である。そして、私は今迄が否定されるべきであるとの確信のもとに、この『人間革命』という難しいことを開始しようとしたのである」。 とにもかくにも、「今までのままではまずい」と言いたいことだけはわかるかなあ…。ここでも、学生になって仕入れたばかりの[止揚]なる用語を使っているが、その理解度については怪しげさが漂う。元気はいいものの、言いたいことはよくわからない。今どきの学生を含めた若者たちがどうなのか知らないが、わが駄文を見る限り、そんな印象を受ける。 |
| [講義ネタメモ](9) [15] 2022/08/08 Mon 8668 8月1日 [01]の続き また別の[講演メモ]が出てきた。こんな調子だから、[メモ物語]はいつ終わるともしれない不安感(?)に充ち満ちてきた。 メモのタイトルには「適度の競争力」とある。スポーツや将棋などの勝敗を決する競技には、負けず嫌いスピリットが必要である。自分から「どうせ負けてもいいや」ではなく、負けたら「悔しい」と嘆き、さらに涙するくらいの気持ちがいるだろう。その点で、わたしは競技向きでないと自覚している。そもそも競争する気持ちがない。そのわたしが、「適度の競争意識」の必要性について話すのだからわれながら苦笑する。 それは「競争意識は個人的なものより集団的なものを」という話である。自分たちの集団内では徹底して共同し、相手とは競争する。これを「協同的競争」と名付けて大事にしようというのである。こう書いてしまえば、当たり前のことなのだが、世界中で「競争」に充ち満ちているこの時代、ちょっとだけ視点を変えるのはどうだろう。 |
| リーダーのリスク感受性 [14] 2022/08/07 Sun 8667 昨日 [12]の続き まずは、身の回りにある、あるいは新たに発生するリスクに気づく感受性がないとお話にならない。もちろん、組織の全員が同レベルの「リスク感受性」を持っていることが理想ではあるが、現実はそうもいかない。そうであれば、少なくとも集団のリーダーにはそれなりの「リスク感受性」が求められる。ここに問題があれば、リスクのウイルスは止めどなく増殖し、発熱に気づいたときは、すでに手遅れで回復不能になっていることがある。 |
| 高さんからのメール(8) [13] 2022/08/07 Sun 8666 7月31日 [93]の続き 造船所の中で、事故・出勤率・能率などに問題があった係の事故が、グループ・ダイナミックスを応用した働きかけで減少した。これが大いなる刺激になって、広がりを見せはじめる。高さんのメールは続く。 「この動きを見ていた隣りの□□□□係の作業員の一人が『うちは何でやらんとですか?』と自分の係長に文句を言ったのがキッカケで□□□□係でも集団決定とPMTが実施されることとなり結果が出ました」。 プロジェクトの成果を目の当たりにした「隣りの係の作業員」が「自分たちにしないのか」と上司に文句を言ったのである。ほかの係のメンバーたちは「あの係に何をしても事故は減るわけがない」と思っていた。そこで事故が減少したのだから衝撃だったに違いない。係員たちの声を聴いた管理職はその希望に応えようと考えた。これこそは理想の関係と言うべきである。[PMT]とあるのは、「リーダーシップPM論に基づいたトレーニング」を指している。 |
| [リスク]と[人・組織・集団] [12] 2022/08/06 Sat 8665 世の中のリスクには、気づくものと気づかないものがある。また、気づく人と気づかない人もいる。さらに、気づいたらすぐに動く人と、動かない人がいる。そうそう、リスクが現実のものになったとき、そこから学ぶ人もいれば、そうでない人もいる。とにかく十人十色、対応も様々である。ここで「人」を「組織・集団」と読み替えてもいい。個人も組織も、生きている限りは、リスクという無数の地雷の上を前進しているようなものだ。 |
| エンジン整備の検査不正(1) [11] 2022/08/06 Sat 8664 IHIで航空機エンジン整備の検査不正が明らかになったことがある(日経Web 2019年3月8日)。エンジンのブレードを研磨修理した後の外観検査を無資格者が行い、検査後に有資格者の印鑑を押して書類を偽造していた。これが自筆のサインであれば、かなりの抵抗感が生まれるかもしれない。このケースがどうだったかわからないが、そもそも印鑑は本人でなくてもドンドン押せる。これが習慣となれば、押す方も単なる作業として受け止めるから、心が揺れることがない。当初からの事情を知らない新人などは、「それが当然のこと」として、心配のしようもない状況が生まれる。 それにしても、これとほぼ同じ問題の発覚が、他の業種で繰り返し報道されていて、もう耳にたこができてしまった。さらに同社では、整備順序を入れ替えた事例もあって、正しく作業を進めたことにするため、虚偽の実施日を記録していた。これなどは意図的なもので、悪質としか言いようがない。 |
| 続北海道体験記 [10] 2022/08/05 Fri 8663 昨日 [08]の続き 北海道は、学会などの仕事で函館や釧路にも行ったし、宗谷では、はるか遠く樺太を視認した。また、企業の講演や研修で出かける機会はいまもあるから、日記で訪道回数をカウントすれば相当な数になるはずだ。ところが、その時期がとにかく寒い時期に集中していて、雪まつりのタイミングにも遭遇することはできた。それはいいとして、日本は四季が売りなのだから、わたしとしては、夏の北海道も体験しなければならなかったのである。 |
| 「独裁者」の訴え(8) [09] 2022/08/05 Fri 8662 7月29日 [87]の続き 「独裁者」の訴えは、さらにさらに熱を帯びていく。 「これらの人倫に外れた人間たちに自分たちを委ねてはならない。彼らは冷酷な心情をもった機械人間なのである。あなた方は機械などではない。あなた方は家畜ではないのだ。あなた方は人間なのである。あなた方は心の中に人類に対する愛をもっている。あなた方は憎しみをもってはいけない。それは、愛されていない者、人倫に欠ける者たちだけがもつものなのだ。兵士たちよ、奴隷制のために戦ってはならない。自由のために戦うのだ!」 いよいよクライマックスが近づいてきたことから、ここでおさらいをしておこう。チャップリンは独裁者と街の床屋の二役で、後者は気弱な小市民だ。彼等はうり二つで、チャップリン喜劇のドタバタ騒ぎがあって、二人が入れ替わる。そして、最後のシーンは兵士たちの大集団を前に「独裁者」が檄を飛ばすのである。スタートは小心さ丸出しのおどおどした様子で兵士に語りはじめた。 |
| 北海道体験記 [08] 2022/08/04 Thu 8661 息子の卒業と就職祝を兼ねて北海道へ出かけたときは、雪の帯広空港に降りた。それから凍った然別湖や阿寒湖などをめぐり、網走では砕氷船オーロラ号で流氷を楽しんだ。健さんの「番外地」も必見の場所で、最終地は札幌となった。その後、家内と娘の3人で旅行した際は、登別から小樽、旭川の旭山動物園にも足を伸ばした。季節は冬の真っ只中で、高速道路が通行止め、小樽の運河を歩いていて、数メートル先も見えない吹雪を体験した。 |
| [eラーニング]物語(7) [07] 2022/08/04 Thu 8660 7月21日 [84]の続き 東京日帰りの4時間で[eラーニング動画]12本計3時間分を収録するという提案に疑問を感じた。ネット上の情報は個人のコントロールを超える。個人的な動画であれば、自分で削除できるが、それとて一旦アップしてしまえば、完全には消せないことは認識しておかねばならない。そうした状況で、提案された動画はビジネスとして提供されるものである。それなりの完成度が求められるだけでなく、その後は当方の都合でコントロールすることはできない。 こちらも[動画のプロ]ではないから、完璧を期するには無理がある。そうかと言って、時間に迫られて気になるところが出ても「まあいいいか」で済ませるのは気持ちが悪い。こうした問題が頭に浮かんだが、その一方で、「何とかなるだろう」という楽観的な気持ちもあった。リスクマネジメント的視点からは、まことに危うく、客観的根拠のない自己説得である。自分としては事前の準備で乗りきれるとの思いもあった。 |
| 目標の小条件(18) [05] 2022/08/03 Wed 8658 7月27日 [81]の続き 「すぐに簡単に達成できるもの」 こんな条件だと、内容はささやかなものになるが、それでかまわない。人から「そんなちんまいことを目標にするのかい」と笑われても気にしない。それを実行するのは自分であり、他人ではないのである。そもそも「ちんまい=つまらない」という方程式があったら、その理由と一緒に教えてほしい。「ちんまいこと」を「チマチマ」とやっていきながら「ちんまい成功体験」を積み重ねていく楽しさはたまらない。 これは「プログラム学習」で知られている B. F スキナーの「スモールステップの原理」と相性がいい、というよりも、それそのものである。どんなに自分で思いついたと確信していても、疾うの昔に誰かが言っているのが、人の世である。それに、「若いころゲットしたスキナーの原理の知識が潜在的に頭の中にあったのさ」と攻められれば、自分で大脳を開いて、「そんな痕跡はどこにもないだろうが」と反論することもできない。 |
| 夏の富士山 [04] 2022/08/02 Tue 8657 富士山はいつ見ても美しいはずだが、夏姿については意見が分かれるかもしれない。富士山は、九州から東京に向かう際は左側に、復路ではおおむね左側に見える。往路はやや遠方で、頭には雪をがぶり、それを雲の上に出していることが多い。白雲が絨毯のように拡がっていれば、極上の絵になる。九州へ帰る際はかなり接近するから、迫力満点だが、ときには眼下に見えることもある。今月の写真は白い雲で頭を覆われた夏の富士山である。 |
| 若き日の駄文たち(8) [03] 2022/08/02 Tue 8656 7月26日 [78]の続き われわれが若者だったころは、[自己否定][革命]という言葉に充ち満ちていた。それに、「若者は自分の生き方について悩むこと」が必須であるといった空気があった。ゲーテの「若きウェルテルの悩み」も若者たちが好んで読む本だった。ただ、わたしはタイトルを知っているだけで読まなかった。友人の中には「必読書だあ」と叫び、「お前も読め」と迫る者がいた。そうなると意地になって抵抗する虫がわたしの体内で元気になった。 「若きウェルテルの悩み」は読まなかったが、それでも「今のままではいけないスピリット」は若者世代として共有していた。そこで、この種の駄文を殴り書き的に書いていたのだ。ただし、そのどれもが長くてせいぜいノート2枚、ほとんどは400字詰め原稿用紙1枚とか2枚止まりである。それを、前期高齢者後期の今日まで棄てずにおいたのだから、何とも物持ちのいいことだと一人で笑いながら、今度こそはシュレッダーにかけていく。 |
| 夏の北海道 [02] 2022/08/01 Mon 8655 夏の北海道は緑がまぶしい。今月の写真は新千歳空港に着陸する直前、眼下に拡がった緑の大地である。こう言うと、緑の北海道を知っていたかのようだが、この光景は初めて遭遇した。北海道には、これまでも仕事だけでなく、2回の家族旅行を含めてけっこう出かけている。しかし、そのほとんどが雪の季節だったため、「白い」北海道は体験済みながら、鮮やかな「緑」の畑を見て、北の大地の広大さを別の視点から体感したのである。 |
| [講演ねたメモ](8) [01] 2022/08/01 Mon 8654 7月25日 [75]の続き 前世紀に書いた[講演ネタメモ]のラストは⑥命令だけでは人は動かない:集団の活力を引き出そう。 これには「有明のおしぼりサービス」との付記があるから、メモは国鉄が民営化した1987年4月から間もなく書いたものである。JRになって様々な変化が起きたが、それは客に見えるサービスとして現れた。その一つが鹿児島線を走っていた特急「ありあけ」の「おしぼりサービス」である。これはトップダウンで決定されたものではなく、列車に乗っているスタッフの声で導入された。 すでに30年以上も前のことだから詳細は記憶にないが、「お客様に喜んでいただけるように、おしぼりサービスをしたい」という希望が出て予算化されたのを知って、講演メモに残したのである。上層部から業務命令として「おしぼりを配れ」と言われても気持ちは乗らない。自分たちのアイディアだからこそ、その心が客に伝わるのである。それに客が喜べば、意欲がさらに高まることが期待される。 |