味な話の素 No.225 2022年01月号 《 8290-8351 》 Since 2003/04/29
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変化と生きること [62]  2022/01/31 Mon 8351
 人が生きるために[変化]は欠かせない。そして、人が構成する組織も[変化]が必須である。そもそも人は生きている限り[変化]し続けている。いや、[変化]しなければ人間は一瞬たりとも生きていけない。早い話が、心臓が動き続けることを止めればおしまいである。そのすべての拍動は一度たりとも[まったく同じ]ではあり得ない。あるいは、大脳の神経が信号のやり取りを停止すれば、脳死と呼ばれる。いわゆる[新陳代謝]はわれわれの体の中で常に[変化]が継続していることを伝えている。
 つまりは、[変化]し続けていることが[生きている]証なのである。ただし、体感的には、そんな単純なことにも気づかない。人も組織も、変化を絶えず[意識]しておきたい。
組織の空気 [61]  2022/01/31 Mon 8350
 みずほフィナンシャルグループが繰り返し発生したシステム障害について業務改善計画を金融庁に提出した。社長も交代することになった。
 改善命令を出した金融庁は、こうした問題が起きた背景に「言うべきことを言わない」「言われたことだけしかしない」姿勢があったと指摘した。この表現だと「言わない」「しない」者たちに問題がありそうにも聞こえる。しかし、現実には「言うべきことを言えない」「言われないことまでやるとまずい」という空気、あるいは圧力が組織に充満していたと言い換えた方がいい。
 あるテレビ番組によれば、「砥石になる粘板岩は1000年に1mmずつ堆積したもの」だという。小さな積み重ねが大地を形作り、それが風土となり、人の行動に影響をおよぼす。
[軽犯罪法]あれこれ(18)[60]  2022/01/30 Sun 8349 1月23日[46]の続き
 「十四 公務員の制止をきかずに、人声、楽器、ラジオなどの音を異常に大きく出して静穏を害し近隣に迷惑をかけた者」
 公務員とは警察官のことだろうか。「止めなさい」と言われても止めないときは[犯罪]になるわけだ。ここで民間人が「止めて」と頼んでも問題にならないのかしら。また、「異常に」がどの程度のものを指しているかはわからない。さらに、「近隣」の範囲も定かではない。 これらはすべて個々の状況によるところが、いかにも法律らしい。時代とともに、「人声、楽器、ラジオ」以外にも挙げだしたらきりがないほど音源は多様化している。
論文捏造と懲戒 [59]  2022/01/30 Sun 8348
 京都大学の元教授の論文4本が捏造だったと認定され懲戒解雇されることになったという(1月26日 熊本日日新聞)。本人は2020年3月に定年退職しているが、大学の就業規則で退職後5年以内なら懲戒にあたる行為の責任を認定できるとされているらしい。こうした結論を出すのだから、大学は相当程度に調査したと思われる。部外者にその経緯を知ることはできないが、[論文捏造]は弁解の余地がない。世の中にも知られた研究者だったようだが、どうしてそんなことをしたのだろう。 
バイトーンの思い出 [58]  2022/01/29 Sat 8347
 毎日を決まった流れで進めることにしている。そうでないと、[サンデー毎日]のフリーター生活は危うくなる。朝は5時台から6時に起きることが多いが、ときには6時を回る。とにかく自然体で[蘇り]を繰り返す。
 毎朝、目覚まし時計のお世話になったのは高校生のときである。このときは福岡で一人暮らしをした。父が長崎に転勤になり、わたしは福岡に残ると決めた。母と中洲の時計店に行って、セイコーの目覚まし時計を買った。もちろんゼンマイ式だが、[バイトーン]という新機能付きだった。それは、時間が来ると、まずは[チリン]と鳴りはじめる。これを数回繰り返してながら、だんだんと大きな音で止めるまで鳴り続けるのである。これに対して、わたしはほとんどの場合、第一発目の[チリ…]で起きた。いやそれさえも不要なことが少なくなかった。
 その後も目覚ましのお世話になることはなかった。もちろん、今でも朝から仕事があるときは必ずセットするが、その音で目覚めることはまずない。その前に[蘇る]からである。わたしは[目覚まし時計のお世話になった時間あるいは回数が極少である人類の一人]だと密かに確信している。
組織におけるマルチリンガル [57]  2022/01/29 Sat 8346 昨日[56]の続き
 「こっちはこっちでしっかりしている」「あちらはあちらでやっているはずだ」。まさに[自己完結満足]と[危うい推測]の組み合わせが成立する。その結果、互いの仕事を機能的に結びつけることから目が逸れてしまう。「それは、あの部門の仕事だ」「向こうがやってくれていると思っていた」。事故や問題が起きてしまった後で、同じ組織に属する部局や係からこうした声が聞かれるのは、[自己完結型サブシステム]の大きな問題点である。
 わたしは、リーダーシップの重要な要素として[展望力:Perspective power ]の重要性を指摘してきた。これは[展望台]に立って、自分がかかわっている集団だけでなく、全体との関係を把握する力である。それは[鳥瞰力]と呼ぶこともできる。その昔、リッカートが[連結ピン]と言う考え方を提起した。これはピラミッド組織の中で、それぞれ階層のリーダーが自分より[上位]と[下位]の集団を繋ぐ[ピン]になることを提唱したものである。それは[展望力]や[鳥瞰力]よりも限定されているが、かかわりのある複数集団を[繋ぐ役割]の重要性は言うまでもない。そうした位置にいる者には[上と下」をつなぐために[バイリンガル]であることが求められる。いや、組織においては[横同士]のも重要だから、[マルチリンガル]でなければ十分な役割を果たしことはできないのである。
組織の[つなぎ][56]  2022/01/28 Fri 8345
 組織は複数の集団が互いに影響を与えながら機能的に運用される必要がある。個々の集団は独立しているのではなく、それぞれが重層的に関連しあっている。個々集団を有機的に[組]み合わせ、それらを縦糸と横糸に[織]り上げて、全体が動くから[組織]なのである。
 したがって、組織によって、その重なりの複雑さや程度に相違があるとしても、関連する集団を適切につなぐことが必要である。その役割を果たすのはニッチと呼ぶべきほど小さな部分であるかもしれない。しかし、そうした小さな[つなぎ]を軽んじることから事故の芽が出てくる。
 個々の集団に属するメンバーが自分たちの仕事を[自己完結的]だと思い込むと、[つなぎ]が失われる。それが[組織劣壊]を引き起こす危険因子となる。
大型計算機センター [55]  2022/01/28 Fri 8344
 スクラップブックに九大が発刊していた「大学広報 No43」(1970年3月7日発行)があった。「昭和45年度入学試験の検査は本日無事に終了しました。この試験の実施にあたって教職員の皆様方の多大なご協力をいただいたことに対して深甚の謝意を表します」との記載がある。
 同紙には、大型計算機センターの建設工事についての記事もある。同じ3月13日には6階の型枠を組み上げて、鉄筋ができあがるという。この施設は建設中の1968年6月2日に米軍機が墜落した。全国で大学紛争の火が燃え上がっているときで、機体を引き下ろしを阻止する学生たちが閉じこもった。広報によれば、「事故前夜の状態まで形態を整えるに至った」としている。福岡には米軍の板付基地があったのである。
延期とリモート化の波 [54]  2022/01/27 Thu 8343
 このところ、[オミクロン]が世界中を席巻している。これに伴って、すでに34の都道府県が「まん延防止等重点措置」の指定地域になった。あとは13県のみだが、それも時間の問題か。
 私はと言えば、今週は2日間の対面研修が予定されていたが、当然のことながら延期になった。来週も東京に出かかることになっていたが、こちらも延期である。さらに、来月は東海地区で3日間のスケジュールが入っていたが、いずれも[リモート]にせざるを得なくなった。
 アメリカでは来月がピークになるという専門家の見解もある。そうあってほしいが、まだ希望的観測を越えていないのではないか。
[競争]だらけ [53]  2022/01/27 Thu 8342
 アメリカのインテルがオハイオ州に世界最大級の半導体製造工場を建設する(1月23日熊本日日新聞)。投資額は10年間で最大1000億ドル(11兆円)にもなるらしい。バイデン政権は半導体生産の国内回帰に力を入れていることから、これに応えるものとして期待されている。とくに台湾のTSMC(台湾積体電路製造)はトップレベルであり、これに対抗することになる。わが国ではTSMCが熊本に工場を建設することになり、地元としては盛り上がっている。そんな矢先の発表だけに、今後ますます厳しい競争にされされるのだろうと複雑な気持ちになる。地球のアチラでもこちらでも[競争]だらけである。この先も人類は[競争]なしには生きていけないのだろうか。
老いの定義 [52]  2022/01/26 Wed 8341
 フランスのシモーヌ・ド・ボーヴォワールは「老い(La Vieillesse 1970)」の一節で、「人は老人を次のように定義しうるだろう」と自問し、「自分の背後に長い人生をもち、前方にはきわめて限られた存続の希望しかもたない者である」と自答している。
 原文は知らないが、「希望しか」の[しか]は大いに気になる。それに、「背後の長い人生」についても、人生を[時間だけ]で考えているんじゃないのと言いたくなる。わたしは「人間関係度数=時間(回数)×深さ」で評価することを提唱している。これは[人生充実度数]と言い換えてもいい。
  まあ、全文を読んだわけでもないから、わたし特有の邪推である可能性は否定できない。しかしながら、[前期高齢者後期]を、[希望と夢]をもち、日々[臨死体験と蘇り」を繰り返している者としては相当にひっかかるのである。
関係代名詞の文化 [51]  2022/01/26 Wed 8340
 英語の関係代名詞は、はじめに主文を述べて、その後に詳しく説明する。いわば[事実先行・重視型]である。これがない日本語では、まずは状況を先に説明してから主文が続く。これを[前置き文化]と呼んで、「説明文化」と区別することは、本コラムでかなり昔に取り上げた。
 わが[前置き文化]は自虐的に言えば、[弁解先行型]とも言える。そこにはできるだけ問題が起きないようにしたいという動機が働いている。それは「関係重視文化」であり、一方を[関係代名詞文化=事実重視文化]と位置づけることができる。「まずは関係」か「まずは事実か」であり、わたしのような[優柔不断子]にとっては、「どちらもいいよね」でおしまいである。
最後の映画 [50]  2022/01/25 Tue 8339
わたしは[映画好き]を自称している。その根拠の一つが映画館に出かける回数である。子どものころは二本立てが普通だったから、[回数×2」本の映画を観ていたことになる。しかし、いつのころからか映画は1本立てになった。おそらく[シネコン]なるものが出現してからだろう。ともあれ、2019年までは、毎年20本以上はシネコンで楽しんできた。何分にも自宅から歩いて5分で[わが家のシネコン]に行けるのだから、これ以上の環境はない。そんな状況で[コロナ]が襲来してきた。これで映画館に出かける機会が完璧に失われた。最後に観たのは19年12月2日の[決算!忠臣蔵]である。 
ベルリン回想 [49]  2022/01/25 Tue 8338 昨日[47]の続き
 旧東ベルリンにあったホテルから出て歩いてみたら、10分足らずのところにブランデンブルク門がそびえ立っていた。あの[壁]が崩壊したとき、頻繁に登場した歴史的建造物だ。ヒトラーの映像とも重なる。その[向こう側]に[壁の跡]があった。さらに少しいくと国会議事堂があった。東西ドイツが統合されてからベルリンを首都にすることになり、旧来の建物を修復したという。観光客も見学できることから、長い行列が続いていた。ニュージーランドでも国会を開放していて、見学したが、ベルリンは列が長すぎて入場しなかった。そう言えば、日本の国会議事堂にも行ってみたい気持ちはある。おそらく、ニュース映像よりは[はるかに狭い]だろうと推測している。
 [壁の崩壊]から、すでに30年を超える歳月が流れた。それは、[われわれの経験]から[歴史]に変わりつつある。歴史はややもすると忘れられやすい…。 
[大豆由来][48]  2022/01/24 Mon 8337
 昨年の7月、「代替肉フライドチキンアメリカ KFC 発表会」という見出しの記事を見た。あの[ケンタッキーフライドチキン]が大豆由来など植物性タンパク質を原料とする代替肉を使ったチキンを販売するという。アメリカではファーストフードによる肥満が問題視されていることは聴いていた。とくにコロナ禍での運動不足が健康志向をさらに強めているのである。風味や食感は本来のものと変わらないらしい。
 そもそも豆腐に味噌・醤油、納豆等々、大豆がらみの食品が大好きだ。
人間、まずは食べるところから変えていくことがなによりなのである。
[壁]というもの [47]  2022/01/24 Mon 8336
 第2次大戦が終結した後、ドイツを占領したのはアメリカ・イギリス・フランスとソ連だった。このうちソ連だけが社会主義を標榜し、資本主義体制の3国と対立した。その結果、ソ連が統治する東と米英仏が関与する西に分断される。わが国の場合は、アメリカが主導する連合国による占領で分断はされなかった。
 ドイツは国だけでなく、東ドイツの首都ベルリンそのものが東西に分断された。こうした状況になって、自由を求めて西に移ろうとする人が出現した。それは東ドイツにとって死活問題であり、これを阻止するためにつくられたのが[ベルリンの壁]である。はじめのうちは鉄条網だったたことから、傷ついてでも西へ入ろうとする人々がいた。しかし、最終的には西ベルリンを取り囲んで、高さ3m、総延長155㎞の壁が造られた。わたしは学会でドイツに出かけ、旧東ベルリンにあるホテルに泊まったことがある。
 生物の体を構成する細胞は、細胞膜という壁ができたから個として生命を得た。その意味で壁は生命の基礎である。ただし、細胞膜と外界との交渉があるからこそ生命が維持できる。壁は物理的なものだけではない。心の壁が深刻な影響をおよぼす。
[軽犯罪法]あれこれ(17)[46]  2022/01/23 Sun 8335 12月16日[31]の続き
 「十三 公共の場所において多数の人に対して著しく粗野若しくは乱暴な言動で迷惑をかけ、又は威勢を示して汽車、電車、乗合自動車、船舶その他の公共の乗物、演劇その他の催し若しくは割当物資の配給を待ち、若しくはこれらの乗物若しくは催しの切符を買い、若しくは割当物資の配給に関する証票を得るため待つている公衆の列に割り込み、若しくはその列を乱した者」
 とにかく長い。それに21世紀に[割当物資の配給]とは、前期高齢者後期でも未体験のことが書かれているから、笑ってしまった。それにしても[ツッコミどころ]満載で楽しくもある。公共の場で粗野で乱暴な発言や行動をしてはいけない。そして、割り込みをしてはいけないと言っているのである。
 それにしても、[多数の人]とはどのくらいの人数なんだろう。それに[一人二人なら]OKということもあるまいに。これについては、ほかの項で触れているのかもしれないが、ここでわざわざ確認する気はない。
小さな[注意書き][45]  2022/01/23 Sun 8334 昨日[44]の続き
 呉竹からの封筒には筆ペンの新品と併せてお詫びとていねいな説明文が同封されていた。それは[調査報告書]で、わたしが送ったものは2020年6月製造であることが記されていた。その構造図を見ると、温度や圧力に対応して、インクが余分に出ても本体に戻る機構が備えられていた。これが[押さずに書ける]ノウハウなのである。
 末尾には、「保管するときは穂先を上向きにし、…」とあり、「こちらは製品の裏面[ご注意]に記載させていただいております」と書かれていた。これを読んで、筆を筆箱で寝かせたり、穂先を下にしてペン立てに置いたりしたことがあったと気づいた。そこで新品のパッケージを確認すると、[ご注意]が4点記載されていたが、元々小さい文字の中でもさらに小さな活字が使われている。こうした虫メガネが必要な記述が世の中の商品にはけっこう多い。[注意書き]なのだから[注意]を引くように工夫してほしいものだ。
 そんなこんなながら、わたし自身は今回の対応に満足した。今後も改良が進むことを期待している。 
[押さずに書ける筆ペン][44]  2022/01/22 Sat 8333
 リーダーシップ・トレーニングで使う道具の一つとして筆ペンで署名するものがある。あるとき文具店で[くれ竹美文字 完美王]と名付けられた筆ペンに目が向いた。[ストレスなし 押さずに書ける墨インク]とアピールしている。これは魅力的な機能である。筆ペンと言えば、永年に亘って[ぺんてる筆ペン]が圧倒していた。ところが、これはインクの出が悪くなると筆の本体部分を押すのである。それはいいのだが、押し加減によってはドボッと出過ぎてしまう。そんな体験を持っているものだから、[押さずに]と聴けば、無条件に飛びつくのも当然なのだ。
 ところが、ストレスなくインクが出てくるのはたしかだが、途中からボテボテとインクがあふれてきて、文字を書くたびに手が汚れてしまう。これでは「ストレスまみれ」になってしまう。ということで、製品の袋に書かれていた[お客様窓口]に「書くたびに手が汚れて困っています」と書いて問題の[筆]を送った。
 これに対して3週間ほど経過して返信が届いた。すでに長文になったので、その内容は[続き]とさせていただく。
[○○筋]の発言 [43]  2022/01/22 Sat 8332
 新聞では首相をはじめ、政治家の発言や動向を伝えるとき、「○○筋」といった書き方をするときがある。たとえば「官邸筋」などがそれである。専門家にはこれだけで、[だれの発言]なのかがわかるらしい。あるいは推測できると言う方が正しいかもしれない。そんな中には、「首相は『こんなはずじゃなかった』と思わずこぼした」といったものまである。まるで記者が「そこにいたような」臨場感(?)あふれる書き方である。
 政治家たちはこうした報道関係者との「匿名」の「会話(?)」による情報発信で世の中の反応をうかがうことも少なくない。いわゆる[観測気球]を上げてみるのである。それで問題が起きても、「だれがそんなこと言ったんだろう」でおしまいになる。一般人としては、そうした情報の特性を押さえておかねばならない。
歴史と風土と文化 [42]  2022/01/21 Fri 8331 昨日[40]の続き
 組織は社会の構成物だから、その風土や文化の影響の上で生まれる。憲法も法律も歴史を背負っている。地球上の地理的位置による気候などは[風土]だが、長い歴史もそのときどきの人間活動には[風土]と考えることができる。その上で構成員の約束事である憲法や法律がつくられるから、これらは[文化]である。もっとも、[文化]が後の時代における人々の思考や活動に影響をおよぼす点では、これも[風土的]特性を持っている。自然においても、時間とともに新しい土が積み重なり大地は変わり続ける。
マルクスと粘着質 [41]  2022/01/21 Fri 8330
 まだ「資本論(向坂訳)」の文字を眺め続けている。ようやく第3巻第二部の第44章まで到達した。その935ページにつぎのような文字が並んでいる。
 「ある土地は天然に平坦であり、他の土地は平坦にされねばならない。一方は自然的排水路を有し、他方は人工的排水を必要とする。一方は深い肥土を天然に有するが、他方ではそれが人工的に深くされねばならない。ある粘土地には適量の砂が混じっているが、他の粘土地ではこの割合がこれから作り出されねばならない。ある土地は天然に灌漑され、あるいは湿度で被われるが、他の草地は労働によって、またブルジョワ経済学の用語では、資本によってそうされねばならない」。
 これって、[自然な状態と、人工的な働きかけをするものとがある]と言っているだけなんですよね。わたしが作文で文字数を増やすために同じことを繰り返すのとはレベルも質も違います。それはそうなんですが、こうした場所にけっこう出会うので、マルクスさんも相当に粘着質だなあと思うんですよね。
風土と文化と人間 [40]  2022/01/20 Thu 8329
 「組織風土」「組織文化」といった用語が使われる。そもそも「風土」は[風]と[土]だから、ある場所の気候やその結果である土地の状況のことである。和辻哲郎は「風土」を「モンスーン・砂漠・牧場」に分けて、その基礎の上で思想や文化が成立するとした。稲作がモンスーン気候のもとで生まれたのは自然の流れだったわけだ。
 人間はその「風土」という基盤の上で行動する。ただし、そうした行動が思想や文化を育むが、そうした活動が、それ自身を変えていく。いま問題になっている気候変動は、人間の活動の結果として文化や行動様式が変わり、それが地球風土を変えている。風土に影響を受けた人間の活動が今度は風土を変える図式である。 
「やらないよりまし」なら「やってみよう」 [39]  2022/01/20 Thu 8328
 何かを提案すると、「まあ、やらないよりましだけどね」と言われることがある。それなら「やってみたらどうでしょう」と返したくなる。とにかく「しないよりはいい」のだから。とにもかくにも「やってみれば」、課題や問題も見えてくる。何もしなければ、何も見えない。「しないよりまし」なことなら、問題があっても解決しやすいだろう。それで「しないよりまし」な程度が少しばかり「増して」くるかもしれない。
 何かを提案すると、「そんなこと全部はできない」と言われることがある。それなら「一つだけやってみてはどうでしょう」と返したくなる。「全部はできない」から「やーめた」では元も子もない。一歩も前進しない。「できるところからする」うちに、ほかのことだってできるようになるかもしれない。ひょっとしたら「したくなる」かもしれない。小さな成功体験がけっこうなエネルギーになる。
優等生の[不正] [38]  2022/01/19 Wed 8327
 トヨタは製造業の優等生だが、ここでも昨年秋に系列会社の[車検不正]が発覚した(9月30日熊本日日新聞)。車検の時間を短縮するため、排ガス検査を実施しなかったり、ヘッドライトの明るさの検査結果を改ざんしたりしていた。それにしても、[改ざん]という見出しを見て驚かなくなった自分がいる。
 その原因をトヨタ自身が「人手不足」と「車検の入庫台数や売り上げ数のみによる評価」にあったと分析している。販売会社の経営層が営業成果を重視して無理をさせたが、これをメーカーが表彰制度で後押ししたのである。
 トヨタは在庫を持たない方式で世界に知られる。しかし、協力会社は[在庫を持ちません]などと言えるはずもない。ものごとは一部だけ切り取ると問題が隠れてしまう。
上等の机じゃないけれど… [37]  2022/01/19 Wed 8326
 わたしの書斎もどきの部屋に机を置いている。マンションに入居したとき気分が高揚していて、机は背伸びして上等を手に入れようかと思った。そこで、家具屋さんを覗いたりもした。しかし、「机だけが立派でもなあ」などと思いはじめた。長いこと、机を買うまでのつもりで、学生時代から使っていた折りたたみ式のテーブルで仕事をしていた。結局「上等の机」はいらないと決めたので、その後も折りたたみが[メインデスク]となった。
 畳や床に胡座してPCに向かう。これもまたなかなかいい。もう半世紀近くも前のことになってしまったが、この雰囲気で学部の卒論や修士論文も書いた。そんな思いで仕事をしていると、胸が高まり嬉しさがあふれてきたものだ。上等な机でないと上等な仕事ができないなんて道理はない。むしろ、折りたたみテーブルでだって仕事はできるのだ。
 現在は娘から木製の机を譲り受けて使っている。わたしと相性がよく、ワクワクしながら趣味の仕事に励むことができる。
[間接広告] [36]  2022/01/18 Tue 8325
 韓国のテレビドラマでは「間接広告」が多用されているらしい(21年6月23日熊本日日新聞夕刊)。劇中に小道具として同じ会社の製品が使われて、それがコマーシャルになっているのだという。韓国では途中で話が途切れるのを嫌う視聴者が多く、CMはストーリーの前後に限定されている。これには、画面の1/4以内で放送時間の5%程度という条件がついている。
 番組の途中でCMが入るのを嫌うのは国や文化を問わないだろう。わたしのような天の邪鬼は「ちょうどいいところ」でCMを入れられると、もう先は見ない。それを見なくったって命が取られるわけでもない。
窓外の青空と白い雲 [35]  2022/01/18 Tue 8324
 冬の寒さは感じながらも、窓の外は青空に白い雲が浮かんでいる。いつのころからか、この光景が日常になった。熊本大学に採用された1979年10月、公務員アパートに入居できた。熊本市の中心街に近いにもかかわらず、静かなところで何かと便利で快適に過ごしていた。
 しかし、いずれは住宅を退去しなければならない。私は仕事で様々な方とお会いするが、家内の付き合う範囲はご近所に限定されている。そこで、これからも住み慣れてお友達も多いこの町がいいという話をしていた。そんなときタイミングよく近くにマンションが建つことがわかった。そろそろ50歳になろうかというときである。さっそく新しい生活に入ることを決めた。入居から四半世紀近くの時間が経過し、わたしは前期高齢者後期の真っ只中にいる。いつものことながら「光陰矢のごとし」を体感する。これから同じ時間が経てば100歳が目と鼻の先だが、そこまで生きながらえるのは無理に決まっている。もう[そんな年齢]になってきたのである。
[危機回避]から[壁の崩壊]まで [34]  2022/01/17 Mon 8323 昨日[32]の続き
 カリブ海での[米ソ一触即発]の危機状況は10月15日から13日間続くことになる。この間の緊張をドキュメンタリータッチで映画化したのが、2000年12月に公開されたケビン・コスナー主演の〝13Days〟である。最終的にはソビエト側がミサイル建設を中止することで、ギリギリの攻防は核戦争に繋がることなく収集された。しかし、その後も東西の雪解けはほど遠く、[冷戦時代]が続いていく。
 お互いに譲り合うことを知らない状況を目の当たりにしていたわれわれ世代にとって、[ベルリンの壁]がなくなるなど、地球が逆転してもあり得ないと思われた。しかも、アメリカのレーガン大統領は、ソ連を[悪の帝国]と決めつけ、敵対関係はますます強まると思われもした。ところが、そのレーガン氏がソ連のゴルバチョフ書記長との会談を進めるなど、一転して対話攻勢に出るのだから、まさに驚き桃の木の連続だった。そして、1989年11月には、[あの壁]が市民たちの手によって破壊されていくことになる。それも世界中が注視している中である。
コロナの[臨床試験][33]  2022/01/17 Mon 8322
 昨年9月6日の夕刊(熊本日日新聞)に「若者リスク覚悟の治験」と題した記事が掲載された。イギリスで行われている[ヒューマンチャレンジ]を取り上げたものである。これは、健康人にウィルスを投与して感染させる臨床試験である。それがワクチンや治療薬の開発期間を短縮できるという考え方だ。対象は18歳から30歳の男女で、2週間は24時間体制で経過を見守る。これには4500ポンド、日本円で69万円ほどの報酬がある。試験に参加した医師志願の男性は、「コロナとの戦いの役に立ちたいと思って決め、報酬は関連団体に寄付した」という。地球上には様々な文化があり、それに対応した倫理観、価値観、そして行為がある。 
世界大戦の危機 [32]  2022/01/16 Sun 8321
 いまでは歴史になったベルリンの壁だが、これは冷戦の中、東ドイツによって1961年につくられた。その翌年1962年10月には[キューバ危機]が勃発している。ソ連が密かにキューバにミサイル基地を建設していることが判明したのである。カリブ海に浮かぶキューバはアメリカと目と鼻の先、まさに喉元である。そこにミサイル基地を作るなど、アメリカにとっては断じて許すことができない。それはもう宣戦布告ともいえる[挑発]だった。大統領のケネディは、その危機的な状況をテレビで国民に訴えた。そして海上封鎖に踏み切って、ソ連船の検問をすると宣言したのである。
 このとき私は中学生だった。その子どもですら、世界大戦争になるのではないかという恐れを感じたことをうっすらと憶えている。
[軽犯罪法]あれこれ(16)[31]  2022/01/16 Sun 8320 12月9日[18]の続き
 「十二 人畜に害を加える性癖のあることの明らかな犬その他の鳥獣類を正当な理由がなくて解放し、又はその監守を怠つてこれを逃がした者」
 いかにも法律らしい表現である。ここで[性癖]とは何を指すのか、また[明らかな]とはどの程度のものなのかがわからない。
 そうした[犬その他の鳥獣類]を解放する[正当な理由]ってどんな状況だろうか。作物を守るために天敵を放つなどはその条件を満たすのかもしれない。ハブとマングースが頭に浮かぶ。
 ときおり、素人が驚くようなペットが逃げ出した[事件]が報道される。あれは、[逃した]点で軽犯罪になるのだろうが、彼らが[人畜に害を加える性癖のあること]が[明らかな]かどうかは判断しにくい。人に恐怖感を覚えさせること自身も[害]に含まれるのだろうか。
[ちょっと]×[かな][30]  2022/01/15 Sat 8319
 五木寛之氏のコラム「新・地図のない旅」は「まだまだ続きそうだ。ユーモアを交えた文章を楽しんでいる。昨年の7月11日には「ちょっと」が取り上げられた。
 テレビの街頭インタビューといえば、私が長年ふしぎに思っていることが一つある。それは質問に答えるとき、なぜか「ちょっと」という表現を多用する人が多いことだ。「それはちょっとどうかと思いますね」とか、「やっぱりちょっと変だと感じますけど」とか、「政府のやり方がちょっと納得いかないんだ」とか、必ずといっていいほど「ちょっと」。すごく困っている場合でも「ちょっと」困っている、というのが日本人独特の国民性なのだろうか。そう言えばわたしも、これを「ちょっと」だけ使っている自覚がある。
 わたしの方はと言えば、「かなかな症候群」に神経をとがらせていることは、本コラムをお読みの方にはご存じの方が多いだろうか。わたしは何かと言えば「かな」を語尾に付けることが「いつもちょっと(?)」気になっている。
[基本]の実践 [29]  2022/01/15 Sat 8318
 千利休の弟子が「茶の湯はどのようなものですか」と聴いた。そのときの答えが「利休の七則」と言われるものである。 [茶は服のよきように、炭は湯の沸くように、夏は涼しく冬は暖かに、花は野にあるように、刻限は早めに、降らずとも雨の用意、相客に心せよ」。
 それを聞た弟子は「そのくらいのことなら私だって知っていますと答えた」。これに対して利休は「もしこれができたら私はあなたの弟子になりましょうと返した」という。 そもそも「基本」は「基本」であるがゆえに実践することはむずかしい。わたしが「味な話の素」に書く前に千利休さんが言ってたんだと苦笑いする。われわれの頭に浮かぶことは、とうの昔に誰かが言っているもんだ。この世界は早いもん勝ちだよね。
[独創的]ということ [28]  2022/01/14 Fri 8317
 フロムは「自由からの逃走」の中で、「独創的とは、ある考えが以前にだれか他人によって考えられなかったということではなく、それがその個人のなかではじまっているということ、すなわちその考えが自分自身の活動の結果であり、その意味で彼の思想であるということを意味する」と記している(邦訳P268)。
 この一文には勇気づけられる。仕事ではもちろん、本コラムで書き続けていることも、おそらく「すでにだれかがどこかで言っていること」だらけだと思う。ただ、わたしが「そのことを知らないだけ」なのである。ただし、それはわたしに限ったことでもないだろう。いま生きるわれわれが思いつくことは、孔子や孟子、ソクラテスにアリストテレス、プラトンといった人物を含めて、これまで地球上で生活しただれかが言及し、はたまた徒然草なんぞでも取り上げられているにちがいない。
 それでも、「それが自分自身の活動の結果」であれば、[とりあえずは、《わが独創》]として[自己満足]しよう。Thank you, Mr. Fromm. 
高校生の[読書メモ][27]  2022/01/14 Fri 8316
 身辺整理をしているといろんなものが出てきます。高校時代に読んだ読書メモもその一つです。スタートは1年生だった1964年12月8日で、漱石の「草枕」からはじまり、次の年の1965年12月24日までに75冊読んでいました。芥川龍之介の「藪の中」は12月5日ですが、彼の作品は短編が多く、これらを含めてです。外国物でもモーパッサンの「女の一生」やデュマの「モンテクリスト伯」、バーネットの「プラトン哲学」なども記載されています。また、松本清張「点と線」は3月20日から21日で読み切っています。
 このほか、スタンダール「赤と黒」や東京オリンピックバレーボール監督の大松博文「なせばなる」、石原慎太郎の「太陽の季節」も目にはいります。後者は3月9日から12日までで読んだようです。
 昔から雑食系だったんだと笑っている自分がいます。 
縮みと老化 [26]  2022/01/13 Thu 8315
 わたしの身長はしっかり縮んできた。人間ドックで、[ポーン]とバーが降りてきて頭に触れれると同時に身長と体重が表示される。あれで大台を切ったと言われたときは「えーっ、ええ、えーっ」と絶叫した。その迫力に看護師さんも測定器もおののいて、再測定となった。その結果、わずかに大台をキープできた。それでも[最盛期]より3cmは縮んでいる。
 一方、体重はかつて60kgの大台をキープし続けていたが、一念発起して減量した。その成果があって、ウン十.ウンkgと、自分としては満足できる水準を維持し続けている。身長については細胞自体も小さくなったり減少したりするのだろう。これに重力も働くから、[縮みと老化]は強い相関があるに違いない。その点、わが宇宙はいまだに膨張しているという。したがって、[宇宙]はいまのところ老化していないことになる。めでたし、めでたし。
中学生の反応[25]  2022/01/13 Thu 8314
 数年前に中学校に出かけて話をした。その際の感想文を本欄で取り上げたことがあった。わがファイルに2年生の女子生徒が書いた未掲載のものがあった。

 今日はお忙しい中、私たちのために講演をして下さりありがとうございました。吉田先生がおっしゃったように、今私たちが存在しているのは今まで生きてきた先祖の方や私を頑張って産んでくれたお母さんのお陰で、お母さんたちに感謝しようと思ったし、これから友達の命を無駄にしないように生きて行こうと思いました。また三つの歯車の「心・行動・言葉」のように、私もその歯車をつなぎ合わせるようにしようと思いました。そして、 私は朝起きたらいつも機嫌が悪く、あまり朝ごはんは食べれないけど吉田先生みたいに朝からワクワクの心で一日を過ごせるようにいつかなってみたいなあと思いました。そして吉田先生みたいにお店で色んなことを楽しく考えるのはできないと思うけれど、私は周りに流されず自分の言い方で考えていけるようにしたいと思いました。そして「慌てるな人生はそんなに短くはない。なまけるな人生はそんなに長くもない」というように、これからの人生をおばあちゃんになっても楽しく生きていくつになってもいろんなことを挑戦していこうと思いました。

 講演内容についてこまかい説明はしない。とにかく、こんなしっかりした反応をしてもらえるから、お声がかかれば飛んでいく。 
またかの[3点セット][24]  2022/01/12 Wed 8313
  「日立系 車部品で検査不正 1千万点超 ブレーキ関連も」(12月23日 熊本日日新聞)。このごろは[検査不正]の見出しに[慣れきって]しまった。それにしても[1千万点]と見れば見過ごすわけにはいかない。
 日立製作所の子会社で不実施やデータ改ざんなどがあったという。車のブレーキ部品関連が約5万7000件、サスペンション部品で約1千万点に上る。これが[2000年頃から昨年10月まで約20年間続いていた]のである。まさに[超ロングラン]だが、これにも[またか]と[新鮮さ]を感じない。そして、会社の「製品について安全性や性能に問題はない」との説明にも、しっかり[慣れきり]感が充満する。発覚のきっかけは社員の報告だったという。
 ともあれ、今回も、「不正」「ウン十年前から」「製品に問題ない」の3点セットである。世界に冠たる[ものづくりニッポン]は幻想だったのか。
放送局の女性役員 [23 ]  2022/01/12 Wed 8312
 「民放の7割が女性役員0」。この見出し記事は日付が曖昧だが、昨年5月25日の熊本日日新聞だったと思う。民放労連女性協議会が全国の民放テレビ局を対象とした調査で得られた女性役員の割合を公表した。それによると、127社の役員は1797人だが、女性は2.2%で、約7割の91社は[0]だったという。
 キー局では東京の5社中2社、大阪の4社中3社が[0]である。また、製作部門の女性局長はいなかった。報道では[ジェンダーギャップ]の問題も繰り返し取り上げられるが、自らのこととなるとなかなかのようですね。
モノと生命 [22]  2022/01/11 Tue 8311
 もとはと言えば、地球上の、あるいは宇宙の根源は物質にある。いまのところ、その最小単位は素粒子と呼ばれている。ノーベル賞の時期になると[クォーク]や[ニュートリノ]といった単語を目にすることが多くなる。こまかいことは抜きにして、「はじめに物質ありき」まではたしかなことだ。
 だから、生命体もそうした[物質=モノ]からできている。一般的に[モノ]は生きていないが、[生命体]は文字どおり、[命をもつ生きモノ]である。もちろん、[物質]が集まっただけで[命]は生まれない。中学生のとき、物質の間で化学反応が起きることを学んだ。原子がくっついたり離れたりすると、別のモノになるといった知識を得る。
 そうした[化学反応]が天文学的回数で繰り返されるうちに、反応が持続するものが発生した。それも「外からモノを取り入れ、外にモノを出す」ようになると、これは[命]と呼びたくなる。化学反応の超々絶妙な組織化が細胞を生み出し、生命体へとつながっていくのである。そこには個々の人間と組織のあり方を考えるヒントがある。前期高齢者後期にして[生命化学]について知りたくなる。 
ご近所の神社 [21]  2022/01/11 Tue 8310
 今年も初詣は見送った。熊本城内の加藤神社に出かけた知人は車の大渋滞を見て、引き返したという。日本国中のあっちこっちで相当な賑わいだったに違いない。わたしは今月末に東京での仕事が入っているが、先方には[様子見]で了解を得ている。
 昨日のお昼ころ、徒歩10分ほどのところにある神社に家内と出かけてみた。人がいっぱいだったら参拝は中止のつもりである。成人の日でもあり、少しは賑わっているかもしれないと考えた。しかし、そんな心配は無用だった。神社に到着したときは一人の女性がいただけだった。われわれが参拝をすませた後も高校生風のカップルや親子連れがチラホラやってきた。神社の賽銭箱は心配だが、わたし自身のこころは晴れやかになり、今年もしっかり意欲が高まった。ありがたや、ありがたや。
ホンダの狭山工場[20]  2022/01/10 Mon 8309
 「ホンダ狭山工場、生産終了へ」の見出しがわたしの目を引いた(熊本日日新聞12月28日)。HONDAと聴けば狭山工場をイメージするほどだった。それまでバイクを専門としていたホンダが4輪車に参入し、その専用工場として1964年に完成させた。わたしの知り合いもそこに勤めていたことがある。
 それから60年近くが過ぎ去り、4輪車を生産しなくなることに、わたしなりの感慨がある。世界を驚かせた排ガス規制を触媒でなく、構造的にクリアするCVCCエンジンの開発も思い起こされる。これを可能にした自社の技術者の力を知って、創業者本田宗一郎が勇退を決めたというエピソードも懐かしい。そのホンダも電気自動車にシフトする。ソニーまで世界は確実に変わっている。
変化と危機への対応能力[19]  2022/01/10 Mon 8308
 今年に入ってから日本のスキー人の活躍が報道されている。スキー競技と言えば、日本勢がジャンプなどで目立ってくるとルールが変わるという話を聴いたことがある。いわゆる[ゴールポストを動かす]対策である。もちろん、スキーがそれに当たるかどうかは知らない。いずれにしても、日本選手たちはそうした変更にもしっかり対応してきている。
 わが国の製造業でも、条件が変わっても、あるいは石油不足といった危機に見舞われても、難題を克服してきた。それが怪しくなってきてから随分と時間が経過した。
[軽犯罪法]あれこれ(15)[18]  2022/01/09 Sun 8307 12月26日[28]の続き
 「十一 相当の注意をしないで、他人の身体又は物件に害を及ぼす虞のある場所に物を投げ、注ぎ、又は発射した者」
 他人に物を投げつけてはいけないのである。また、物件に問題が起きるところに物を投げても[軽犯罪]なのである。ここで[注ぐ]とあるから、これは液体状のものになる。人に、[相当の注意をしないで]水をぶっかけてはいけない。じゃあ、[相当の注意をした]らOKなんかいな。
 さてさて、[発射]とは具体的にどんなものになるのだろう。鉄砲などの武器はりっぱな犯罪だから軽犯罪には当たらない。そうかといっておしっこは[発射]の範疇に入るのか、法律の素人にはわからない。さすがに[放屁]まで軽犯罪の対象になるとは思えない。そもそも、これを[発射]とするには大いに無理がある。
シェービングフォームの[大発見][17]  2022/01/09 Sun 8306
 人生は最後まで[発見の旅]だ。この何十年間、困りに困っていたことが克服できることがわかったのである。
 わたしはシェービングフォームを使ってひげを剃る。電動シェーバーの時期もあったが、おおむね剃刀派で通してきた。これには父の影響もある。ブッチャーもどきの剃刀を顔に当てる父は子ども心にカッコよかった。
 ところで、シェービングフォームについては、[途中]から泡が出なくなり、液体様になる不満があった。これは出張中に使う携帯版にも共通する[大欠点]であり続けてきた。ところが数ヶ月前、缶の裏側にある[使用方法]を読んで驚愕した。「※下向きにして使うとガスだけが出て中身が残り、最後まで使えないことがありますのでご注意ください」と書いてあるではないか。しかも赤文字である。出張用も類似の表記があった。何のことはない、[ただ読んでなかった]だけのことである。
 この大発見に至るまでに半世紀を費やしたことになる。それだけに、その喜びは半端ではない。
教師の盗撮 [16 ]  2022/01/08 Sat 8305
 超小型カメラで、熊本県の小学校教諭が盗撮で書類送検されたことを伝える記事がある。これは2003年6月28日の毎日新聞のスクラップである。小学校の男性教諭だが、年齢は48歳、熊本市内の繁華街で20歳の女性を盗撮した。靴に超小型カメラを装着し、ズボンの内側にコードを通し、ウエストポーチに入れたビデオカメラで撮影していた。さらに、肩にかけたバッグには別のカメラを入れて女性の顔まで写すという念の入れようである。教員の不祥事には関係機関も頭を悩ませているが、18年前にも、最新機器を操る輩がいたのである。その上、自宅に数十本の盗撮ビデオがあったというからことばを失う。
 この種の事件がいつまで経ってもなくならない。
[ボツ原稿][15 ]  2022/01/08 Sat 8304
 命を賭けた学問? ー変わった私の大学安全論ー 交通戦争だのなんだのと、一歩誤れば死にも至る危険に包み込まれている現代人にとって、私は大学は最も安全な場所だと考えていた。 いつかアメリカの大学でライフル乱射事件が起きたときも、日本の大学ではあり得ないと思った。また、警察力の導入にも大学はきわめて敏感であり、大学は平和で自由なところだと確信していた。しかし 私は空の脅威を忘れていたのである。去る6月2日、米軍機が九大構内に墜落した。 夜だったこと、建築中の建物で文書類等がなかったことが不幸中の幸いだった。 しかし、これが昼間であったら、そして学生のいる建物であったらと想像して身震いせずにはいられない。教授や学生たちはおののきながら学問をせねばならぬのか。大戦の傷は未だに残っているのではないか。戦争を知らないわれわれが戦争の影響を受けているのではないか。[住所・氏名19歳学生]
 原稿用紙に書かれたこの一文、新聞に投稿しようと考えた形跡がある。その内容から、1968年6月~7月のことだと推測される。最終的に[ボツ]にした理由は、いま聴いてもわからない。
会長のメモ [14] 2022/01/07 Fri 8303
 わたしが、前世紀終わりに「《組織安全学》を立ち上げる!」と宣言してから早20年以上が経過した。もちろん《学会長》の地位は盤石で、未だにそのパワーを維持し続けている。因みに学会名簿には[わたしの名前]のみであることも明らかにしておきたい。
 ともあれ、《会長》は責任感が強く、朝から晩まで[ときおり]安全について考える。そんな中で、[健康と安全のアナロジー]なるメモが残っていた。そこには、[バランスの取れた食事、適度の運動、遠回りは健康の近道→組織風土の改善も同じこと][胃ガンにならないためには胃を取ればいい?][転ばないためにはステッキを持つ? 運動して鍛える?]といった走り書きがある。これを記した日付はないし、会長によれば、「自分でもいつのlことなの見当も付かない」とのこと。そこで、[にわか]かつ[エセ考古学者]が、このメモを遺した古代人が考えたことを解析する意欲を高めている。それもじきに記憶の彼方に飛んでいくと推測される。
象さんの形 [13] 2022/01/07 Fri 8302
 [象]という漢字の由来は象形文字で、まさに[象]そのものです。長い鼻がと顔があって体や足、そして尻尾も付いています。文字としては縦に向いた状態になってはいますが。 これぞ[象形文字]の元祖と言うべきでしょう。この[象]みは[かたどる]意味もあります。 [気象]は[空気のかたち]ということでしょうか。これに関連して[海象]という言葉もあります。こちらは文字通り海の[気象]ということになります。それにしても[気象台]はよく聴きますが、そもそもは[象さん]の方が先にあっったというのはとても楽しく面白い話だと思います。
 それはそうと、今年の3が日はいい天気に恵まれました。これが[コロナ克服]のサインだと願いたいものです。
[組織]は変わらない、変われない? [12 ]  2022/01/06 Thu 8301
 日大は前理事長の逮捕と辞任で一応の区切りが付いたのだろう。わたしの世代では、学園紛争の時代にも日大が思い起こされる。それは1968年のことだが、当時の会頭の名前もすぐに記憶から蘇る。このときは、裏口入学斡旋や使途不明金の問題が明らかになり、学生が立ち上がり、私立大学の学園紛争として最大規模なものとなった。学生は[日大全共闘]を組織し、秋田明大議長は全国に知られた。わたしも学生時代に大学にやってきた秋田氏の演説を聴いたことがある。
 このときの[全共闘]が要求した経理の全面公開や全理事の退陣は実現できなかった。もう半世紀以上も前のことである。特定の大学を取り上げて申し訳ないが、組織とは「変わらない」もののようだ。あるいは「変われない」のだろうか。
[看板]に偽りあり? [11]  2022/01/06 Thu 8300
 4Kの映像は精度が高く美しい。とくに自然をテーマにしたドキュメンタリーには目を奪われる。そんな4Kだが、本物はNHKのみである。民放にも[4Kチャンネル]はあるが、[4K番組]はほとんどない。しかも、テレビショッピングなどでは[4K]があったりするから苦笑いがとまらない。「おいおい、放送するなら番組の方でしょう」「これでは『看板に偽りありじゃないの』」と言いたくなる。番組表から推測すると、ほとんどが通常のBSと同じ番組を流しているようだ。これには膨大な制作費が壁になっているに違いない。それは十二分に理解できるが、現状で[4K]と自称するのはどうなんでしょうね。
ただ読むだけで… [10] 2022/01/05 Wed 8299
 「祇園精舍の鐘の声、諸行無常の響きあり。娑羅双樹の花の色、盛者必衰の理をあらはす。奢れる人も久しからず、ただ春の夜の夢のごとし。猛き者もつひにはほろびぬ、ひとへに風の前の塵に同じ。遠く異朝をとぶらへば、秦の趙高、漢の王莽、梁の朱忌、唐の祿山、これらは皆舊主先皇の政にもしたがはず、樂しみをきはめ、諌めをも思ひ入れず、天下の亂れん事を悟らずして、民間の愁ふるところを知らざつしかば、久しからずして、亡じにし者どもなり。近く本朝をうかがふに、承平の將門、天慶の純友、康和の義親、平治の信賴、これらはおごれる心もたけき事も、皆とりどりにこそありしかども、まぢかくは六波羅の入道、前太政大臣平朝臣清盛公と申しし人のありさま、傳へ承るこそ心もことばも及ばれね。」([平家物語] 巻第一 祇園精舎)
 だれもが知る書き出しを[小出し]にしながら、「歴史は繰り返される」「人間は歴史に学べない」「権力者のあるべき姿」などを論じるつもりだった。ところが転写しながら、不用意に区切りを付ける気が失せた。その流れる力に圧倒されてしまったのである。こうした古典にあふれるわが文化にただただ感謝するだけで本日はおしまいにさせていただきます。
1%が38%を占める納得感? [09] 2022/01/05 Wed 8298
 世界上位1%の超富裕層の資産が世界全体の個人資産の37.8%を占めたという(熊本日日新聞12月27日)。個々人の努力が富を生み出すと仮定すれば、ある程度の差が生まれることは致し方ないか。しかし、天文学的な差がつくのはどうかと思う。だれもが地球という、自分でつくったものでない舞台を与えられた上で仕事をしているのである。しかも、人の力なしで富を築くことはだれにもできない。たとえば商品の製造や販売は、それらを買ってくれる人たちがいるからこそ富の源泉になる。まさに、お客様は神様なのである。もちろん、個人の努力やアイディアに応じた見返りはあっていい。ただし、その差にはそれなりの納得感がないとまずくはないか。[実力も運のうち]なのだから。
混迷のハイブリッド? [08]  2022/01/04 Tue 8297
  みずほ銀行のシステム障害は深刻という表現では足りないほどのレベルだった。とにかくトラブルが繰り返されて、報道されるたびに、「ああ、またか」という反応しかできなかった。あまりのひどさに、金融庁から業務改善命令を出されてしまった。外部の人間がその原因を知りようがないが、MINORIと名付けられた基幹システムが「富士通」「日立」「日本IBM]「NTTデータ」の4社が分担して開発したと聴いただけで驚いてしまう。合体前の第一勧業銀行・富士銀行・日本興業銀行のシステムを引きずった結果ではないか。それぞれの利害関係やしがらみ、さらには勢力争いまであったのではないかと邪推したくなる。
[ご指摘の御礼と訂正]
 いつもご愛読していただいている方からメールが届きました。同じものをアップしていたのですが気づいていませんでした。わたしのエラーの記録として、抹消せずに番号を[※]に振り替えさせていただきます。しっかりワクワクしていただければ幸いです。ありがとうございました。

 「味な話の素」について、気になるほどでもありませんが1点、確認致したくメールしました。本日の8297号の内容と1/3の8295号の内容に一部重複部分があります。もしかして、先生も気づかれていないのでは?と、ワクワクしながらメールしております。
[無資格]の常態化 [※]  2022/01/04 Tue ※※
 製造業で[不正]あるいは[無資格]の冠がつく検査が、しばしば問題になる。 IHIは「総合重工業グループとして、資源・エネルギー、社会インフラ、産業機械、航空・宇宙の4つの事業分野を中心に新たな価値を提供している(同ホームページ)。わたしの年代だと「石川島播磨重工業」がなじみ深い。
 IHIでも2019年3月に、無資格の従業員が部品修理の目視検査などを行っていたことがわかった(熊本日日新聞 3月6日)。その資格は[社内規定]によるものだったが、[有資格者のはんこ]を使っていた事例もあった。これは[法令違反]ではなく[社内規定]を遵守しなかったケースである。素人には[目視]となれば、「無資格でもいいじゃないか」となってしまいそうに思える。それが定着すると「おかしい」と言えない空気の濃度が高まる。
 われわれには、[自分の弱み]を認める[強み]をもつことが求められている。
駅の無人化 [07]  2022/01/04 Tue 8296
 熊本県内にあるJR駅のうち4駅が無人化するという(12月24日 熊本日日新聞)。その結果、70駅のうち39駅が無人になる。すでに半数が無人なのである。運輸業界は人口減少にコロナ禍が加わって収入が激減していることはだれにもわかる。昨年の豪雨で不通になった肥薩線も原状回復の見通しははっきりしない。コロナや災害がなくても、こうした流れが全国で発生することは必然である。これは民間企業だけで解決できることではない。国家の危機として。今後を見据えた具体的な議論をしなければならない。
言えない空気 [06] 2022/01/03 Mon 8295
 製造業の検査に関して、[不正]あるいは[無資格]の見出しがつく報道が結構目につく。
 IHIは「総合重工業グループとして、資源・エネルギー、社会インフラ、産業機械、航空・宇宙の4つの事業分野を中心に新たな価値を提供している(同ホームページ)」。わたしの年代だと「石川島播磨重工業」がなじみ深い。ここも2019年に、無資格の従業員が部品修理の目視検査などを行っていたことがわかった(熊本日日新聞 3月6日)。その資格は[社内規定]によるものだったが、[有資格者のはんこ]を使っていた事例もあった。このケースでは[法令違反]ではなく、[社内規定]を遵守しなかったことになる。とくに[目視]となれば、「無資格でもいいじゃないか」となってしまったのか。そうした状況が定着すると「おかしい」と言えない空気が充満する。
 わたしたちは、[自分の弱み]を認める[強み]をもつことが求められている。
日記の付録 [05] 2022/01/03 Mon 8294
 中学2年生の[博文館當用日記1963年]の末尾に付録がある。これを見ると、[テレビの普及率]は[100世帯あたり28.8台]である。もちろん白黒テレビだが、その価格は高嶺の花だった。それに放送局のない県もあり、今風にいえばコンテンツも充実していなかった。
 また[人口]は[93,418,501人]と一億に達していない。
 さらに[子どもの体位」では、[19歳の欄に、身長:男子164.5cm 女子15.6cm]で[座高は男子89.7 cm 女子84.5cm]である。わたしは身長は人並みだったが、座高はけっこう目立っていた。成長するにつれて、それが自慢にならないことを知った。因みに、座高の測定は意味がないということで2014年に学校の身体測定からなくなった。そもそもは、足が短いと重心が低くなるため兵士に求めれる特性として認知されていたらしい。
中二の新春 [04] 2022/01/02 Sun 8293
 [一月要記]年のはじめの月である。中学3年生への道も、また高校への道もかかりつつある1月であるから、適度に勉強して、適度に遊んでやろうと思う。もう来年は高校だ、がんばれ、がんばれ。
 [1月1日火曜日 曇り 8℃ 年賀状受信13枚 発信5枚]今日は例により、父母、妹が大里にいった。もちろん、あとで僕もいった。そしたら、みんなから大きくなった大きくなったと言われるばかりで、少しはずかしくなってきた。なにしろ、この日記に書くと言っても、そのはずかしさはとても書き表すことはできない。そして今日帰りたかったのでお父さんだけを残してさっさと帰ってきた。旅費は片道190円だった。[1963年(昭和38年)博文館中型當用日記]より。国鉄鹿児島線香椎・門司間の料金。
今月の写真 [03] 2022/01/02 Sun 8292
 わたしの趣味の一つに[雲ウォッチング]がある。今月は正月の夕刻を飾る雲である。雲は朝も昼間も夕刻も感動を呼び起こす。飛行機から眼下に見渡す雲もまたすばらしい。雲を観る、あるいは眺めることに目覚めた(?)のは1996年にオーストラリアで六ヶ月を過ごしたときである。単身で出かけたから、休日になると広い公園に行って、芝生に寝っ転がった。目の前に鮮やかな青空が降ってくる。その舞台で白い雲が生まれ、移動し、形を変える。もちろん、消えてなくなることもある。その形状も様々で、いつも個性を発揮している。かくして、真っ青な舞台で物語が展開していく。すでに四半世紀を超えたが、その光景はいまもわたしの脳裏に焼き付いている。
今月の写真 [02] 2022/01/01 Sat 8291
 水前寺公園の正式名称は[水前寺成趣(じょうじゅ)園]である。熊本藩初代細川忠利公からはじまり、3代目の綱利公で現在の形になった。阿蘇からの伏流水が湧き出る池があり、その周りを歩く桃山式回遊庭園とされる。熊本地震の際には池の水が枯渇したが、現在は元に戻っている。園内には出水神社がある。文字どおり、[水が湧き出でる地の神社]なのだ。これまで、わが家の初詣三社の一つにっ入っていた。しかし、[コロナ禍]で昨年に続いて今年も控えることにした。
ご挨拶 [01]  2022/01/01 Sat 8290
 新年、あけましておめでとうございます。今年も[味な話の素]をよろしくお願いいたします。わたしは[後期高齢者]に向けて本格的な準備に入ります。
 [新年所感]1961年、1962年、そして今年1963年、僕は日記経験3年目という、もうりっぱなりっぱなベテランとなってしまったわけである。しかし、人間には進歩というのが必要である。どれだけ科学が発達しても、進歩がなければそれっきりというわけになってしまうのである。だから、私はこの2年の経験を生かして、61年、62年よりももっともっと進歩した日記を書こうということを、1963年の「新年所感」としておこうと思う。
 [1963年(昭和38年)博文館中型當用日記] わたしが中学2年生のときのものである。