味な話の素
No.222 2021年10月号《 8177-8222 》 Since 2003/04/29
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[組織][マネジメント][リーダーシップ[46]  2021/10/31 Sun 8222
 「組織」という単語を見るたびに、漢字の素晴らしさを思う。「[組織]とは個々人を[組]みあわせて糸によりあげ、それを縦糸と横糸にして[織]りあげる体制である」。
 世の中には[マネジメント]と[リーダーシップ]について、様々な言及がある。わたしはかねてから、[マネジメント]は[仕事や体制の設計図]を作成すること。それを実現するために[影響力]を行使するのが[リーダーシップ]と言ってきた。これに加えて、[個々人を組み合わせて糸によりあげる][縦糸と横糸を織りあげる]の二つも[マネジメント]と呼ぶこともできる。その織物がしっかりしたもので、それを[うまく着こなす]のが[リーダーシップ]と考えてもいい。
 これを前提とすれば、世の中には[マネジメント力]と[リーダーシップ力]を兼ね備えた人もいれば、いずれかで優れた力を発揮する者もいる。そして、いずれにも課題を抱えたケースがあることも否定できない。
高校生からのメール(3)[45]  2021/10/30 Sat 8221 10月23日 [38]の続き
 
高校生の「若者の自殺対策としてSNS(LINEなど)を活用した相談に対する需要は高まると思うか」との問に[Yes]と回答したわたしは、その理由を挙げる前に[華厳の滝に身を投じた青年]のことなどを書いた。それから、つぎのように続けた。

 そこで、[1の理由]を挙げることにしましょう。
 わたしは[グループ・ダイナミックス(集団力学)]と呼ばれる領域で仕事をしています。その名のとおり、[集団との関わりを通して人間を理解する」ことを目的にしたものです。
 その中で、わたしは[人間は、一人でも自分を理解(支持)してくれる人がいれば、強くなれる(がんばれる)]ことを強調しています。その[一人(一つ)]に[SNS(LINEなど)を活用した相談]が入るのは言うまでもありません。
 すでに[いのちの電話][こころの電話]など、電話による直接的なコミュニケーションによって自死を含めたさまざまな問題の解決が図られてきました。わたしは、40年ほど前に、福岡で[いのちの電話]を立ち上げられ方のお一人を存じ上げておりましたが、この活動によって多くの命が救われたと思います。
 こうした働きかけが、SNSによってさらに身近なものになれば、その効果は絶大でしょう。
 
 これに関連して、三重苦を克服したヘレンケラーさんのすばらしいことばがあります。“Walking with a friend in the dark is better than walking alone in the light”. 「白日の中を一人で歩くより、暗闇で一人の友人と歩くほうがいい」。ここで、a friend の代表が教師のアニー・サリバン女史だったことは容易に推測できます。
 SNSは、[一人の欠くことのできないフレンド]になる可能性を秘めています。

 わたしの[ジコチュウご宣託]はまだ終わらない。この続きは次週にせざるを得ない。
[小さなズレ]の蓄積 [44]  2021/10/29 Fri 8220
 人も組織も[生きて]いるから、絶え間なく変化している。これに対して、[規則やマニュアル]は時々刻々と変化することはない。それは[仕事や行動の基準]であり、[判断の素]だから、コロコロ変わってはまずいのである。ただし、そうした性格の故に、すべての個別具体的状況に対応してはいない。
 こうしたことから、ときには規則やマニュアルから[ちょっとだけズレ]が生じることは大いにあり得る。それが意識されないほど小さなものであれば、そのまま先に進む。おそらく目立った影響もないから問題も起きない。そのうち、また同じような状況が生まれ、[ちょっとだけのズレ]が加わる可能性はある。とにかく[小さい]のだから、やはり気づかれない。こうして[いつの間にか]ズレが追加蓄積され、気づいたときは[規則・マニュアル違反]に至っている。そこで修正できればいいが、現実には事故が発生したり、対応が問題になったりして表面化する。こうしたケースは枚挙に暇がない。
[ワクチン物語](12) [43]  2021/10/28 Thu 8219 7月25日 [80]の続き
 このところ、コロナ感染者数が激減している。専門家たちもその原因を特定できないようだ。英国では、ワクチン接種と日本人のマスク着用の徹底を指摘する報道もあるらしい。おそらく「それら」は重要な要因だろう。ただし、この二つだけで[激減]を説明できるわけではない。ともあれ、専門家が説明に苦慮するほどの状況が生まれているのである。さらに、これから先のこととなればだれにもわからない。
 一時は国中が[ワクチン騒動]であふれかえっていたが、今では2回接種者が9,000万人に近づき、全人口の70%を超えた。この数値を観れば、[ワクチン効果]が大きな要因であることは疑いない。[ワクチン]と言えば、本コラムで、[1回]済みの高齢者の「これで孫に会える」といった声がワンパターンで報道されていることに疑問を呈したことがある。たしかに、放送ネタとしては、[孫]を表に出した方がおもしろい。さらに、「これでカラオケや旅行にも行ける」という反応があれば、最上級の[情報]として取り上げたくなるに違いない。しかし、こうした人たちは「1回の接種だけで大安心」と勘違いしているとも言える。こんなとき、「1回で安心してはいけない。また2回受けたとしてもそれで以前と同じように外出しまくっていいわけではない」などと言う人がいても当然である。しかし、それには前向きな明るさがない。そこで、[孫に会える」を採用する。かくして、情報はおそらく選択されていく。
フリーターと昼寝 [42]  2021/10/27 Wed 8218
 昼寝は[高齢フリーター]の特権だと思う。この[職(?)]についてしばらくは、平日のスーパーマーケットや映画館にいる自分に気づいて妙な違和感があった。その上で、「そうだ、そうだ、自分はフリーターなんだ」と思って安心することも少なくなかった。しかし、人間は、少なくともわたしはすぐに慣れて、間もなくそれが[普通]のことになった。それが[コロナ禍の巣ごもり]でさらに強化された。いまでは[家にいること]が基本なのである。これを称して[サンデー毎日]と呼ぶ人たちもいる。
 現役のころは、土日や祝日に、思い出したように昼寝をすることはあった。平日はまったくそんな気にもならないことから、「休みの日は意識しないままに気持ちがゆったりしているのだろう」などと日記に書いたこともある。それが、いまや毎日ではないものの、平日の午後3時前後に20分から30分ほど昼寝をするようになった。この短時間の睡眠がじつに快適で、「今日は朝に続いて2回目の蘇りだ」と叫んでいる自分がいる。とにかく、脳みそが心地いい痛みを感じるのである。
じつは、24日の日曜日に、対面の[教員免許更新講習]で久しぶりに絶叫した。その影響か、月曜日の昼寝が1時間にも達した。こんなところに、[前期高齢者後期ぶり]がうかがえると思って苦笑した。ありがたや、ありがたや…。
世の中の[すごい人たち][41]  2021/10/26 Tue 8217
 世の中には、すごい人たちがいる。地元紙で取り上げられた人吉でスナックを経営する63歳の女性は、まさしくその一人である(熊本日日新聞10月18日)。昨年の水害で自宅は浸水が床上2メートル以上に達した。テナントビルの店も泥まみれになった。さらに車も水没してしまう。それでもビルのオーナーや常連客の後押しで、11月には店を再開したものの、[コロナ禍]で休業も余儀なくされる時期もあった。
 人生を振り返れば、ご本人が4歳のとき父親がなくなった。自分は2回の離婚を経験している。一人息子の養育と借金返済のためにスナックを開店したのが40歳だという。「幸せって、思うように物事が進むことだと思っていた。でも思うようにならないのが人生。…今ではちょっとうまくいくだけで幸せを感じる…」。困難に直面しても、「そんときは、そんときタイ」「一日一日 自分にできるしこ(だけ)」。
 世の中には、とにかくすごい人たちがいる。
教員免許更新講習とわたし[40]  2021/10/25 Mon 8216
 昨日は教員免許更新講習で山鹿市に出かけた。わたしはこの講習が立ち上がったときから講座を担当してきた。公式のスタートは2009年だが、前年に文科省から前倒しの試行をする大学の募集があり、熊本大学はこれに手を挙げた。その際は、熊本大学と阿蘇地区で実施したが、わたしと講習の関わりはこのときからはじまった。
 はじめの数年は必修を担当していたが、数年後から、[対人関係スキルアップ・トレーニング]をタイトルに1日6時間コースに切り替えていった。さらに、[学校における危機管理の社会心理学]を立ち上げて2本立になった。ともあれ、2008年の試行を含めると14年目を迎えた。
 わたしは[仕事が趣味]だから、今年度は[対人関係 5回][危機管理 3回]を担当している。熊本大学ではサテライトと称して、八代・阿蘇・玉名・人吉・天草の5地域で開講していた。このうち人吉は昨年の水害で中止になったままだ。また、県北地域は玉名から山鹿に移った。わたしはすべてのサテライトに出かかけていたから、担当講座数が多くなったのである。それでも、「熊本大学まで行かなくてすむから助かる」といった声を聴くと嬉しくなってやる気満々になる。天草地区では熊本まで片道3時間を要する場所もあるから、主催者側の立場にいながらも、すばらしいサービスだと思う。
 こうした中で、教員の多忙さなども含めて講習の是非が検討され、文科省は基本的にこの講習を来年度で終了することを宣言した。
[軽犯罪法]あれこれ(6)[39]  2021/10/24 Sun 8215 10月17日 [31]の続き
 このところ、法律案や裁判所の判決文に、誤字脱字や挿入ミスなどがあったと報道されている。人間のなせる業だから、何かをすれば誤りの可能性が伴う。だから、それを乗り越える努力は終わることがない。ただ、それも程度や内容、そして数の問題である。最近のケースはこれまでと比べて「大丈夫かい」と不安を呼び起こすレベルに達しているようだ。
 その原因の1つとして、[ワープロ一太郎]がやり玉に上げられていたのには苦笑した。わたしは1985年の[jX-WORD太郎]から[一太郎 一筋]できた。[Word]ですら、日本上陸の当初は[一太郎]の変換システム[ATOK]を推奨していたのである。そして、おそらく国策として、ワープロソフト黎明期には国の機関を中心に和製の[一太郎]が導入された。それから随分と時間が経った。いまや日本語も[Word]が独走しているのだろう。パワーポイントやエクセルといった強力なソフトの影響もあって、世界はマイクロソフト一色の雰囲気になっていった。そして、[玄人筋(?)がMac]という図式もできあがった。いまでは、[一太郎]のタイトルが付いた解説本なども書店の棚から探すのがむずかしい状況である。そうした逆風がさらに強くなろうとも、わたしと[一太郎]とのつき合いは終わることはない…。
 今日は[軽犯罪法]とは何の関係もない、わたしの「ワープロ記」になってしまった。
高校生からのメール(2)[38]  2021/10/23 Sat 8214 10月16日 [30]の続き
 高校3年生が取り組んでいる課題研究に関する問い合わせのメールに感動したわたしが返信したことは言うまでもない。ただし、質問されると、相手の事情など考えずにあれやこれやと余計なことまでしゃべったり書いたりする。この性癖、家内から繰り返し[指導]を受けているのだが、これがいつまで経っても治らない。このときの返信も今日の1回ではとても終わらない。

   □□□□さま  こんにちは。
  メールを拝見しました。 とても大事な課題にチャレンジされていますね。
  わたしは、「心理臨床的」な視点からの「自殺(自死)」について承知しておりません。この点については、すでに専門の方にアクセスされていると思います。
  その上で、少しでもお役に立てることがあればと思い返信させていただきます。
  なお、ここでは[自死]ということばを使用します。
【質問内容】
  1.若者の自殺対策としてSNS(LINEなど)を活用した相談は、今後需要が高まると思われますか?
 [回答] 今後、需要は高まると思います。
  もちろん、[自死]がなくなり、その結果として[不要]になるのが理想ですが、いまのところその可能性は皆無でしょう。 こうしたことから、わたしはもう一歩踏み込んで、「SNSを活用した相談」は、その仕組みも含めて、整備・充実を図り続けていく
べきだと思います。
  2.1と答えた理由
  [理由]を記す前に、一般論からお話ししましょう。青年期の[自死]が多い傾向は、以前から日本人の特徴と考えられてきました。しっかりしたデータは持っていませんが、わたしが□□さんと同じころ、つまりは1960年代でもそうでした。歴史的に知られたケースに、藤村 操の[華厳の滝]における自死があります。漱石は藤村を教えていたこともあり、その原因が自分にあるのではないかと思い悩んだという話もあります。ただし、その真偽はわかりません。
 彼は滝に身を投じるに当たって、近くの木に[巌頭之感]と題した遺文を彫っていました。その内容は[生きる意味]にかかわるものですが、まだご存じでなければ、ネットで確認してください。これは1903年、藤村が16歳のときのことです。
 こうしたことも含めて、かつて[青年期の自死]は、藤村のような[人生観や哲学的苦悩]によるものが多いと言われていました。ただし、それも[言われていた]のであって、現実には「いじめや差別、対人関係]など、今日と同じ深刻な原因があった可能性は否定できません。
 □□さんたちには、こうした[表の《事実》]に疑問を持ってものごとを受け止め、考えていっていただきたいと思います。

 質問に対して回答し、その理由を述べる「前に」言いたいことを書き連ねてしまった。これからようやく[理由]に至るのだが、それがまた長いのである。かくして、続きは来週に回さざるを得なくなってしまった。
[想定外]の印籠 [37]  2021/10/22 Fri 8213
 「規則やマニュアルを守っていれば問題は起きるはずがない」。この言は正しいのだろうか。そうであれば、人間の世の中でトラブルは発生しないことになる。しかしそうは問屋が卸さない。それが人間世界の宿命なのである。そもそも規則にしてもマニュアルにしても作成する際は[完璧]を目指すことは当然として、いわゆる[想定外]なるものがある。
 この[専門用語(?)]は「都合よく」使用される傾向があるから注意が必要だ。何かまずいことが起きたとき、[想定外]が黄門さまの印籠にされる。それは[免責]の打ち出の小槌となる。
 こうした空気があれば、新たに「想定すべき」ことが出現しても、重大なものでなければ、直ちに対応する状況は生まれにくい。それが規則やマニュアルの検討となれば、経済的にも心理的にもコストがかかる。かくして、[想定内]の事象は[想定外]の倉庫にしまわれる。
おかげさま spirit [36]  2021/10/21 Thu 8212
 わたしは「おかげさま」という言い回しが好きだ。この世は[自分一人]では生きていけない。人がいるから自分がいる。そもそも、地球上に[自分しかいない]なら、[他人がいない]だけでなく、[自分]という意識もない、つまりは[自分もいない]のである。われわれはこうした事実を忘れて、自分は自立していると思ってしまう。スポーツにしても、[ただ勝てばいい、強ければいい]のでは動物の生存競争と変わりない。人間なんだから、心の中に[おかげさまspirit]を維持し続けていきたい。ただし、「口だけで[おかげさま]と言っても意味ないよ」という心の声も聴き続けていかねばならない。
目標の小条件(9)[35]  2021/10/21 Thu 8211 10月11日 [21]の続き
 [不言実行]は意志の強い人には向いているが、そうでない者は[有言実行]の方がよさそうだ。ついでながら、国会の方々の辞書には[有言不実行]なる[辞]も収録されているに違いないと邪推している。
 ともあれ、「言ってしまった」事実が適度の[プレッシャー]になればいい。その結果、周りの人たちから「やってますね」と声をかけられれば力になる。わたしは[小は大を兼ねる]を提唱しているから、[有言]の内容やレベルは[小さなもの]がいい。その積み重ねが大きな目標達成を実現する。わたしはこれを[鍾乳石効果]と呼んでいる。
父の影響 [34]  2021/10/20 Wed 8210
 父はわたしが中学生のころから新聞記事を切り抜いてスクラップブックに貼り付けていた。その中には[初代若乃花の引退][ユダヤ人大量虐殺の責任者アイヒマンの裁判]。そして、「九州大学三隅二不二教授の紹介」など、いまでも目に浮かぶ記事が並んでいた。
 親の影響は様々な形で現れる。わたしもいつのころからかスクラップするようになっていた。また、中学生のころに當用日記を書いたのも父の影響である。それは高校生になってから級友の牧野伸行くんの刺激で定着し、習慣化した。わたしは1964年11月19日から昨日まで毎日せっせと日記を書いている。ここまで来ると、「もうやめられない」。この粘着質は本コラムにも当てはまる。こちらも2003年4月29日にスタートして今日まで続いている。これまた、「もうやめられない」レベルに達してしまった。これがストップしたときは、わたしの活動もおしまいになる。
 こんな前置きを書いたのは、自分のスクラップの整理をはじめたからである。父が亡くなってから、折に触れて遺されたスクラップを眺めていた。そして、そのうち少しずつ整理しながら、その作業は終わった。そんな中で、自分のものは、元気なうちに区切りをつけておこうと思った。そこで、わたしの旧いスクラップを本欄で取り上げようと考えた。
[前期高齢者]の不安と憂い[33]  2021/10/19 Tue 8209
 台湾にある半導体を製造する最大手の会社が熊本県に工場を建設するらしい。団塊世代はこのニュースに接して複雑な気持ちになった。
 このTSMCは半導体を世界中から受託して製造している。前世紀から「半導体は産業の米」と言われていた。あらゆるモノがこれなしには存在しないというシンボル的な意味である。その領域で世界を引き離してダントツで走っていたのが日本だった。しかし、いまやそれは前後期高齢者たちが語る昔話と化した。そのことは、わたしもけっこう前から認識していた。だから、気持ちを複雑にさせたのはその点ではない。
 新聞記事によれば、新工場では回路線幅22~28ナノメートルの半導体を製造するらしい。しかし、世界の最先端は5ナノメートルだという。いやはやレベルとしては相当に低い。しかも、「40ナノメートル程度に留まる日本の中では先端半導体の生産拠点となる」と続く。その昔、おじいちゃんが若いころは、日本の工場で最先端の製品を製造し、レベルの低いモノを海外の工場で製造するという図式が定着していた。それがいまや大逆転しているのである。
 半導体はそうした現象の目に見える一つに過ぎないのではないか。ここまで書いて、「複雑な気持ち」が「不安と憂い」に変わるのを覚える。
ガラスの天井 [32]  2021/10/18 Mon 8208
 Carly Fiorina氏がヒューレット・パッカード社のCEOに就任したのは1999年である。当時、[フォーチュン誌]の[トップ20]にランクされる大企業では女性初の快挙だった。私のメモには「最強の女性経営者と呼ばれているらしい」とある。あわせて[ガラスの天井][女性役員 アメリカ 18.7%、オーストラリア14.7%、日本]と書いている。日本の数値がブランクなのは、「あとで調べよう」と思ったのだろう。
 最近のデータでは、[全国の女性社長は8.0%(2020年 帝国データバンク)]である。調査条件の違いは措くとして、未だに10%に達していない。さらに[年商100億円以上]の企業では、[1.4%]と、[ほぼ0]レベルである。 アメリカですら、[男女平等]を謳いながら、Fiorina氏就任のころは[目に見えない〈ガラスの天井〉があって、それより上には昇れない]と言われていた。それがいま解消されたのかどうかは知らない。ただ、昨年は[Black lives matter]とのスローガンで人種差別がクローズアップされたように、人種やジェンダーにかかわる問題の終わりは見えない。
 さて、Fiorina氏だが、経営的には失敗し、2005年に退任を余儀なくされた。これで「だから女性は」などと短絡的に反応してはいけない。それは個人の問題だったかもしれないが、性別とは関わりはない。そもそも、これまで男性で組織をダメにした輩は星の数より多いのではないか。
[軽犯罪法]あれこれ(5)[31]  2021/10/17 Sun 8207 2009年5月19日の続き
 [軽犯罪法]は、昭和23年法律第39号として制定、公布され、5月2日から施行された。その第1条は「左の各号の一に該当する者は、これを拘留または科料に処する。」からはじまる。ここで[左]とあるのは、法律が縦書きで右から読むように書かれているからである。また、[拘留:1日以上30日未満の期間、拘留場に留置して自由を束縛する][科料:軽微な犯罪に対して科せられる財産刑で、罰金よりも軽い](ともに、精選版 日本国語大辞典)。
 本コラムではその第4項まで取り上げたまま、2009年5月19日から休止状態が続いてきた。そこで、まずは第4項までを確認しよう。それぞれ、「一 人が住んでおらず、且つ、看守していない邸宅、建物又は船舶の内に正当な理由がなくてひそんでいた者」「二 正当な理由がなくて刃物、鉄棒その他人の生命を害し、又は人の身体に重大な害を加えるのに使用されるような器具を隠して携帯していた者」「三 正当な理由がなくて合かぎ、のみ、ガラス切りその他他人の邸宅又は建物に侵入するのに使用されるような器具を隠して携帯していた者」「四 生計の途がないのに、働く能力がありながら職業に就く意思を有せず、且つ、一定の住居を持たない者で諸方をうろついたもの」である。
 第4項だけ、「者」が「もの」になっている。これは意図的なのか単純ミスなのかは興味深い。法律は[官報]に印刷されると、それが[公式]となる。仮に過ちがあっても修正されるまでは効力を持つのである。
高校生からのメール(1) [30]  2021/10/16 Sat 8206
 6月のある日、熊本県内の高校生から、つぎのようなメールが届いた。

 突然のメールにて失礼いたします。私は、熊本県立□□高等学校3年の□□□□と申します。
  私が取り組んでいる「若者の最適な相談支援」をテーマにした課題研究を進めるうえで、質問がありメールをお送りしました。日本の自殺問題は深刻ですがその中でも10代の若者の自殺者数に減少が見られず、また原因も不詳というケースが多いのが現状です。私と同年代の若者が悩み苦しんだ時に死を選ばないための相談支援とはどんなものかを研究しています。
 以下の項目について、詳しくお答えいただけないでしょうか。

【質問内容】
  1.若者の自殺対策としてSNS(LINEなど)を活用した相談は、今後需要が高まると思われますか?
  2.1と答えたその理由
  以上です。
  お忙しいところ恐れ入りますが、お返事いただけましたら幸いです。研究の参考にさせていただき、論文作成に向けさらに探究していきます。

 これを読んだわたしは、同世代が抱える問題に取り組む若者の意識を頼もしく思った。また、回答を依頼するしっかりした文章にも感心した。そこで、これを本コラムで紹介したいと考えて、ご本人からその承諾をいただいた。学校名と氏名を除いて原文のままである。
 その後のやり取りを、[土曜日の連載]として、しばらく続けたい。
まだ[巣ごもり]的生活 [29]  2021/10/15 Fri 8205
 このところ、[コロナ]の勢いが急激に弱まってきた。その原因は専門家でも十分な説明ができていない。これを「複合的なものだ」と言われれば、「そりゃあそうだろう。そのくらいのことなら素人でもわかる」などと憎まれ口を叩きたくなる。この傾向がこのまま続いてくれればいいが、その可能性はまずない。これからも、[季節的な流行]程度になるまで時間がかかるに違いない。
 それにしても、この1年半ほどで、わが国の[危機管理能力]の脆弱さが危うさが白日の下に晒された。しかし、それが急激な襲来だったから目立っただけだったとも言える。前世紀末から止むことのないわが国の[緩やかな衰退]も、[危機対応力の脆弱さ]に起因しているのではないか。
 ところで、わたしはインフルエンザワクチンの接種を恒例としてきた。今年もすでに予約を入れている。さらに、第3回目の接種も、その適否について議論はありながら、国としてのスケジュールに入ってきそうだ。そんな状況だから、外出等はしっかり押さえたままでいる。この1年、街中に出かかけたのは熊本市教委の会議のとき1回のみである。今年の4月には熊本駅にJR九州が経営する[アミュプラザ]がオープンした。その規模は博多駅に次ぐとのことだが、まだ一度も出かけていない。そもそもJRを利用しないのである。
教員の不祥事 [28]  2021/10/14 Thu 8204
 わたしが「熊本県教職員資質向上対策委員会」の委員になったのは2004年11月である。名称は「資質向上」だが、当時は教員の盗撮などの不祥事が発覚し、問題になっていた。それは熊本県だけの問題ではなく全国的な傾向で、文部科学省の発表では、2003年度に懲戒を受けた教員が[体罰494人 わいせつ行為 196人]と、「いずれも過去最高」を記録していた。
 こうした事態への対応を検討する委員会はさまざまな議論を行った。それでも、指針の策定や研修の充実などを提言するのが精一杯だった。あれから15年以上が経過したが、今日でも全国的に、教員の体罰・わいせつ行為にかかわる報道が後を絶たない。
子どもたちからの期待 [27]  2021/10/14 Thu 8203
 わたしは、熊本市教育委員会の[教職経験10年目研修]で、教師のリーダーシップ・トレーニングを担当していたことがある。そこでは、教師が子どもたちから「先生にしてほしいこと」「してほしくないこと」を書いてもらい、その中から教師が選択した行動を実践する。それを子どもたちが評価し、つぎの研修で分析していくという流れである。
 その第一段階で、子どもたちが書いた「してほしいこと」「してほしくないこと」に対する教師たちの思いを記したものがある。

 「いよいよこの日がきた!」という思いでした。子どもたちが書いた1つ1つが、とても大切に思えてありがたい気持ちがします。「書かれるだろうな」と予想していたものは、「気づいているのに行動していない自分の甘さ」を反省させられ、思いもよらなかった嬉しい項目には、教師といえどもほめられることの嬉しさを感じています。子どもたちは2学期、私の変化を期待していると思います。この夏休みで、行動日標をかみしめ実現していく心構えでいます。
[巣ごもり]関連症 [26]  2021/10/13 Wed 8202 昨日 [24]の続き
 喉の違和感は、日とともに気になるほどになってきた。わたしは健康第一を旨とする前期高齢者後期だから、すぐに動いた。とにかく喉ということで耳鼻咽喉科に行った。鼻から入れる内視鏡で検査したが異常はないという。声帯もまともとの診断だった。
 数日前に歯の処置をしていたので、こちらにも出かけたが、やはり問題なしである。そうは言われても。喉の痛みはそこそこシビアなので口腔外科にも診てもらった。そこではCTまで撮ったが、またまた異変は見つからない。ついには総合内科で、「CTまで撮っているのであれば、うちですることはない」でおしまいとなった。そのうち、徐々に痛みがなくなっていった。それが、八代のライブで再発(?)したことから、一種の[巣ごもり関連症]に違いないと素人診断した。
[低迷]から[じり貧]へ[25]  2021/10/13 Wed 8201
 私の手元に、「日本の競争力 低迷11位」という見出しのスクラップがある。スイスに本拠地があるビジネス教育・研究機関IMDが発表ししたものだ。それによれば、主要59カ国中[人口2千万超の国・地域」で11位、G7の中ではイタリアのつぎに低かった。アメリカを筆頭に、オーストラリア、カナダ、マレーシア、ドイツが続く。台湾とタイもベストテンに入った。
 わが国で低いのは、[ビジネスと政府の効率性]で、前者は21位、後者は17位だった。
  記事は、熊本日日新聞2003年5月14日付けのものである。こうした類いの比較は、評価基準などまでチェックした上で評価する必要がある。それはそうだけれど、今世紀の初めには、わが国で[低迷]という表現がすでに使われていたのである。これから先も、この流れが改善していく明らかな見通しはたたないままである。これを[じり貧]という。
[巣ごもり]と[喉の痛み][24]  2021/10/12 Tue 8200
 今月2日、八代で開講した[教員免許更新講習]に出かけた。久しぶりの対面だったが、しばらくしてから喉の奥に痛みを感じた。その瞬間、心の中で「ああ、これだったんだ」と叫んだ。まったく同じ位置の痛みを8月から1ヶ月近く体験していたからである。
 昨年来の[巣ごもり]で[発声]する機会が徹底的に減少していたことが原因に違いない。ありがたいことに、[リモート]では、それなりに仕事をしているから、[しゃべり]は続けている。しかし、対面の状況とは声の出し方が違うのだろう。その症状も、[声帯]ではなく、自覚的には[喉の筋肉痛]といった感じなのだ。とにかく、8月の数日間は食べ物を飲み込むのに障りが出るほどだった。
[accident]と[事故][23]  2021/10/12 Tue 8199
 《 accident : 1)an unpleasant event, especially in a vehicle, that happens unexpectedly and causes injury or damage 2) something that happens unexpectedly and is not planned in advance》《 accidentally : by chance; in a way that was not planned》(Oxford ADVAVCED LEARNER‘S Dictionary)
 [アクシデント:1)不愉快な出来事、とりわけ車におけるもので、その発生が予期できず、障害や損害をもたらす。2)予期しないで発生し、事前に計画できないもの。][副詞:偶然に;あらかじめ計画されていなかった形で]
 ことばの意味としては、[予期できない]点が強調されている。日本語の[事故]は、「故ある事」と読める。つまり、[事故]には、[故:深い理由や原因(精選版 日本国語大辞典)]が存在しているのである。
[しゃがむ]がない[ことば][22]  2021/10/11 Mon 8198
 岩波書店のPR誌「図書」に「台湾のサイシャツト族には[しやがむ]概念がないから、それを表現することばもない」といった記述があった(土田滋 1999年1月号)。これはわたしのメモに記していたのだが、「図書」の原本はすでに処分している。したがって、内容を含めてあやふやな点は否めない。ただ、[しゃがむ]といった、自分たちには説明の必要もない行動に対して、その概念もことばも存在しない文化があることを知っただけで十分である。
 われわれは、様々な面で[自分と異なる]ものを[おかしい、へんだ、信じられない]と、つい否定的に評価しがちである。これでは相互理解などできるはずがない。
目標の小条件(8) [21]  2021/10/11 Mon 8197 10月6日 [12]の続き
 心理学では、[外から与えられるごほうび]で何かをする気になるのは「外発的動機づけ」と呼ばれる。一方、自分の心の中から湧き上がる達成感や気持ちのよさからやる気を起こすのは「内発的動機づけ」となる。
 一般的には後者による行動の方が長続きして、本人にとってもいいように思える。たしかに、エサで釣るなんてことは上品でもない。その点で、自分でごほうびを創って、目標を達成したときにそれをゲットするのはお勧めである。それが[自己満足]のようなものでもいいのは、前回述べたとおりである。
 もっとも、人間は複雑だから、最初は「外発」によっていたものが、いつの間にか[内発的刺激]になることもある。もちろん、逆も真なりだから、一方でなければならないと言うわけでもない。
[軽犯罪]の復活予告? [20]  2021/10/10 Sun 8196
 何の前触れもなく、[軽犯罪法]なるものが頭に浮かんだ。それに刺激されて、「そう言えば、[味な話の素]に[軽犯罪法]を取り上げていたことがあったなあ」と思い出した。そこで、さっそく検索したところ、[軽犯罪あれこれ]と題したシリーズが見つかった。それは、2009年5月19日だから、もう一回り昔のことだ。何と、「第1条4項」で尻切れトンボだから苦笑する。このときは、[軽犯罪法]の条文すべてを追いかけようと思っていた。そこで、またぞろ復活する気になった。
 わざわざ[検索]までする気になるのも、[巣ごもり生活]で時間にも気持ちにも余裕ができたからである。厚生労働省の「平均余命概況(2020年度)」によれば、70歳の平均余命は男性で16.18年である。そもそも「平均」なるものは極めて怪しい数値であるが、それを承知の上で、「もう15年は切った」ことになる。いやはや、余命にまで脱線したが、本日は[軽犯罪あれこれ]の復活予告でおしまい。
生きている組織の認識 [19]  2021/10/10 Sun 8195
 大銀行のシステム障害が止まらない。同じ年に同じようなトラブルを何回も起こすのは、ハードの問題ではなく、人間の問題だと考えざるを得ない。それは人とハードの両者を含む[システム]の問題である。
 これまでも金融機関でシステム障害が発生したことは少なくない。また、今後もそうした問題が起きることははっきりしている。システムは生きているのだから、いつでもトラブルは起きる可能性を背負っている。われわれが生きている限り、病気にもなれば怪我もするし、不慮の事故に遭遇することもある。だからこそ、そうしたトラブルを防止、あるいはダメージを最小限にするための対策を考え、実践し続けて行く必要がある。
 大銀行のトップは、そうした組織という生きものが遭遇するであろうリスクをどのくらい認識していたのだろうか。また、トラブルが起きてしまったあとで、その根本的な原因を追求し、システム全体に潜む問題の解決に注力したのだろうか。
みんなが違うからこその豊かさ [18]  2021/10/09 Sat 8194
 いろいろなスポーツがある。わたしの家内は野球にチンプンカンプンでここまで来た。孫たちが野球をしていることもあって、ようやく[9つの守備位置]を理解した。それでもショートがどこにいるのか、まだ危うさが残る。一方で、スケートは大好きで、わたしなど訳のわからないジャンプの仕方も知っている。
 それぞれの人が[違う]ものに興味・関心をもっていから、数限りない[スポーツ]が世の中に存在している。そのことだけで、「なんと豊かな世界だろう」とうれしくなる。みんなが違うから豊かな世界が拡がるのである。とにもかくにも、多様性と個性をあわせて大事にすることだ。
バランスの揺れ [17]  2021/10/09 Sat 8193
 どんなことにも、バランスが大事である。その昔、政治家たちが官僚に動かされていると問題になった。大臣は必ず変わるから、官僚たちは彼らを適当に持ち上げて実質的には自分たちのいいようにする。こうしたことで、抜本的な改革も骨抜きにされるというわけだ。
 そうした問題を解消するために、政治主導への転換は、それなりに説得力があった。ところが、人事権を握られるやいなや、[忖度集団]と化した。つまりは、別の方向でバランスが崩れたのである。
 文明開化以来、官僚システムが日本の発展に寄与してきたことは疑いない。しかし、どんな組織もシステムも自ら変化できなければ存続は危うい。この組織群が日本劣壊の元凶にならなければいいがと心配している。
小人の証明 [16]  2021/10/08 Fri 8192 9月22日 [25]の続き
 小人にとって、皮肉はけっこういい味がするし、揚げ足取り(鳥)も格別にうまい。さらに天の邪鬼になるのもそこそこの快感がある。いかにも悲しいことではあるが、小人はそれが止められない。
 世の中で「学習する組織」なる本がベストセラーになると、「組織って学習しないんだ」と言いたくなる。「歴史は繰り返す]と聴けば、「人間は学習能力がないんだ」と考える。「初心に返れ、初心忘るべからず」にしても、「つまりは、初心は忘れるもんなんだ」と苦笑する。さらに、「基本に忠実に」といった文言に出会えば、「そもそも基本は守られないもなのよ」と悟ったような顔をする。
 とにもかくにも、[皮肉][揚げ足取り]に[天の邪鬼]をお友だちにしているのだから、わたしは正真正銘の小人である。
自己完結の危険性 [15]  2021/10/08 Fri 8191 9月22日 [25]の続き
 [相互依存のパラドックス]によって、依存性が高まっているにもかかわらず、その認識力が低下する。その結果、「自分たちの力だけで仕事をしている」「自分たちだけはしっかり仕事をしている」という[自己完結の幻想]が生まれる。それは[自己完結の自己満足]ということもできる。
 ここで[自己]とは個人のことではなく、特定の組織やシステムに含まれる個々の集団やグループを指している。それが組織やシステムの安全を左右する問題を生じさせる。仕事が[自己完結]していることから、外の集団に対する興味や関心が低下する。そうなると、自分たちの行為が他に与える影響にも気を配らなくなる。とにかく、[自らの仕事ぶり]に対する満足感に浸り、「よそはよそ」といった気分が支配的になる。
仕事のやりがい [14]  2021/10/07 Thu 8190
 熊本市電を空気圧によるブレーキ操作でなめらかに停車させる運転士が話題になった(熊本日日新聞 9月6日)。わたしも福岡の市電で高校に通ったから、あの[シューッ]というブレーキ音は昔から知っている。その操作は、電車の速度や電停の傾斜、降雨などで微妙な違いがあるらしい。スムーズな停車に向けて神経を集中する。そして、乗客から「ありがとう」と声をかけられてやりがいを感じるという。仕事に対する意欲について考えさせる27歳の若き運転手さんが頼もしい。
3点セットと自己防衛 [13]  2021/10/07 Thu 8189 昨日 [11]の続き
 [自慢話/悪口/うわさ話]は、人間が営々と築いてきた[自己防衛策]の成果である。[自慢話]は、「わたしはこんなことができる、あるいはできた」という能力の表明である。これによって、自分の立場は周りよりも強くなると本人は考える。そして、それは「自分を護ること」につながる。。だからこそ、「自慢じゃないが」と言いながらしっかり自慢する。それを聴いた相手が「それはすばらしい」「うあー、うらやましい」などと感嘆の声を挙げれば、その歓喜は頂点に達する。ただし、本人がいないところで、「あの人は自慢話が大好き」「そうそう、あれれに合わせるのはしんどいよね]などと、[悪口/うわさ話]のネタになっている可能性はけっこうありそうな気がする。
目標の小条件(7) [12]  2021/10/06 Wed 8188 9月29日 [32]の続き
 目標を達成すれば、そのこと自身が[ごほうび]になる。「自分はやれた」という満足感はつぎの動機づけにつながる。その点で、わたしは[自己満足感]を大事にしている。他人から認められないと達成感が得られない人は、さぞかしきついだろうなと思う。外からは見えないささやかなことにも満足できるのは、大事な[能力]であり、個性あふれる[脳力]に違いない。
3点セットの虜 [11]  2021/10/06 Wed 8187
 政治家が宴会に出席したことが話題になったとき、橋下徹氏のコメントを聴いて笑ってしまった。政治家が集まってすることと言えば、「自慢話か悪口かうわさ話に決まってる」というのである。ご本人も政治家だったから、これには説得力がある。この業界の方々には、[どうでもいい(?)]、あるいは[最も大事(?)]な3点セットなのだろうか。
 もっとも、[一般ピープルの宴会]でも、程度の差はあれ、[この手の情報交換]が大事な要素になっていそうだ。わたし自身は[幸い(?)][この手の会合]には縁が薄い。いわゆる大勢が参加する[宴会]に出席した記憶は、自分が辞めるときの[学部主催送別会]だが、すでに7年前の話である。もちろん、上記[3点セット]とは無縁の会合だった。ただし、会の性格上、[実態をはるかに超えてほめられて、鼻をヒクヒクさせた]ことは否定しないでおこう。その後も、古稀のお祝いをしていただくこともあったが、それは本当に内輪のもので、[3点セット]の空気も臭いもなかったことは言うまでもない。ともあれ、わたしも「どうでもいい」と思うのだが、他人に自粛を要請しても、自分は[3点セットの虜]にたっている人たちがいるのは疑いなさそうだ。
わが家の働き者 [10]  2021/10/05 Tue 8186
 家内は[働き者]だ。わたしの母親も[働き者]だったが、医療ミスのために47歳で逝ってしまった。だから高齢者としての後ろ姿を見ることはない。その点、家内が義母に似てきたと思う。もちろん義母も[働き者]だった。夏は汗を出して、冬は寒い中で食事を作る。そんな仕事をしても、20分も経たないうちに、料理は胃の中に消えていく。それでも毎日、淡々としている。わたしの家内は[働き者]なのである。
まずは、[どうありたいか][どうなりたいか] [9]  2021/10/05 Tue 8185 昨日 [7]の続き
 [DX化]は、「自分たちの組織」、いや「組織で働く自分たち」が「どうありたいか」「どうなりたいか」について「はっきりした状況をみんなで共有する」ことからはじまる。その上で、「それを実現するためには[DX化]が欠かせない」という物語ができあがるのである。「とにかく[DX化]しないと負けそう、遅れてしまう」では本末転倒も甚だしい。そもそも、組織に明確な「目標」があり、それに到達するための問題意識をもっていることが欠かせないのである。いつも考え、チャレンジし続けながら、「ああ、これまで解決できなかった問題が[DX化]でうまくいくじゃないか」と感動する組織であってほしい。しかし、いまやそんな常識が通用しない組織が少なくないように思える。
歯磨きしないで? [8]  2021/10/04 Mon 8184 昨日 [5]の続き
 映画「美徳のよろめき」では主人公の夫が朝食を摂って出かけるシーンがある。まずはスーツにネクタイの出で立ちに驚いてしまう。これが当時の首都圏の家庭では常識だったのだろうか。しかも、食べたらお手伝いさんからコートを取ってもらって、歯も磨かずに出かけた。いやあ、食後に歯磨きをしないことまで、[東京のサラリーマンの常識]だったとは考えにくい。パジャマで食べて歯を磨いて着替えシーンにすれば、すぐに家を出られない。それでは映画が流れないという事情があったのだろう。しかし、リアリティに欠けることこの上ない。原作者として三島は何も言わなかったのだろうか。
[DX]化と[組織変革] [7]  2021/10/04 Mon 8183
 ある方から[DX(Digital Transformation)化]について意見を求められた。わたしはつぎのように答えた。
 リーダーシップに関して、transactional leadership と transformational leadership という考え方があります。 前者は相互関係に重点があり、どちらかといえば 、「短期的成果」を重視し、「賞罰」といった[give & take]的視点から人を動かします。後者はフォロワーたちの生きがい、動機づけなどを促進する「変革」に焦点を当てます。もちろん、リーダーシップは「transformational=組織変革」に繋がるものであることが期待されます。
 [DX化]にしても、単なるデジタル化による「効率化」を目的にするようでは組織の存続も危ういもので、生き残りはできません。 その先にあるのは活き活きした構成員の姿であり、自らをも変革することができる力を育てる組織です。
 いまや、[sustainable]が常識語になってきました。しかし、それは[持続可能]な社会を創る[力]を前提にしなければ、単なる[絵に描いた餅][掛け声倒れ]で、[一時の流行語]で終わってしまいます。 「みんなが言ってるから」なんて気持ちでは組織の存続は怪しくなります。[DX化]の第一歩は、[組織のトップ]が[自らを変革する]と意思決定し、実践することからスタートすべきなのです。
これまでも、これからも… [6]  2021/10/03 Sun 8182
 三菱電機の不正検査について調査委員会の報告書が公表された。問題発生の要因として、「工場単位で内向きな組織風土が存在した」「品質に問題がなければよいという正当化が行われていた」「コスト削減を求められ管理職が設備投資を見送るケースもあった」ことを挙げた(熊本日日新聞10月2日)。再発防止に向けては、「従業員が安心して声を上げることができる企業風土を構築すべきだ」と提言した。
 この文言、冒頭の[社名]をこれまで問題を発生させたすべての[組織名]に入れ替えても、見事なまでに違和感がない。そして、嫌な言い方だが、まったく同じことが、これからも必ず起きると確信(?)している。自慢じゃないが、いや自慢だけれど、わたしは「世界中で発生した組織の問題の原因は、[言いたいことが言えなかった]か[言っても聴いてもらえなかった]かのいずれかである」と前世紀から(?)絶叫し続けてきた。
コロナ禍の映画鑑賞 [5]  2021/10/03 Sun 8181
 [コロナ禍]による巣ごもりで映画館に行かなくなった。その代わりWOWOWを含めてオンライン鑑賞が一気に増えた。わたしは、映画館で観た作品だけを[映画リスト]に挙げていた。しかし、パンデミックの襲来によって基本方針は変更せざるを得なくなった。
 そんな中で、「美徳のよろめき」を観た。原作は三島由紀夫だが、内容よりも出演者に興味がわいたのである。まずは、月丘夢路と三國連太郎に加えて、葉山良三、北林早苗、安部徹など懐かしい名前があふれる。脚本も新藤兼人だった。じつは、わたしの[いつもの奇跡]なのだが、数日の差で、自分が高校生のときの[読書メモ]を発見していた。そこに「美徳のよろめき」が入っていたのである。高校生で[よろめき]とは苦笑ものだが、当時わたしは三島に嵌まっていたのである。
淡路島と関空 [4]  2021/10/02 Sat 8180
 名古屋から熊本に向かうとき、飛行機は関西上空を低い高度で飛ぶ。この写真は10月の淡路島だが、雲は上方にある。地図で見る島と印象が違うのは、北側を飛んでいるからである。これも新発見の気分になるから楽しい。
 雲が多くはっきりしないが、明石海峡大橋や少し奥には関西空港が写っている。その向こうは紀伊半島である。今年はフライトゼロの異常事態が続いているが、ここにきて、年内に何回か飛ぶ可能性が出てきた。
五年前のメモ [3]  2021/10/02 Sat 8179 昨日 [1]の続き
 留学生はミニレポートに「先生の講義はすばらしいです」とも書いてくれていた。これで図に乗ってはいけないが、ほめてもらうと天にも舞い上がる気持ちになって、ますますヤル気が高まる。同時に、前期高齢者になってもこうした機会を与えられていることの幸せを実感する。「ありがたや、ありがたや」である。まだ新学期が始まったばかり。「なあんだ、最初だけかあ」なんて言われないように、しっかり準備もいたしましょう。
 留学生の話は措くとして、わが国は観光立国を目指している。昨年の統計だと思うが、観光客が使った金額は2兆円に達したという。次の目標は2,000万人に設定されている。多くの外国人が日本にやってきて、相互理解が進むのは素晴らしいことである。[2015年4月15日]
 それから五年後、未曾有のパニックが襲ってきた。
10月の雲 [2]  2021/10/01 Fri 8178
 秋晴れの雲は格別だ。流れるような姿を見るだけで気持ちが静かになる。今月の写真は熊本市を流れる白川に架かる大甲橋からの眺めである。白川は阿蘇から流れてきて、有明海に達する。大甲橋から市の中心街に視線を向けると、デパートやホテルをはじめとしたビルに挟まれて路面電車が走る。その正面は熊本城の天守閣がしっかりおさまっている。その背景に真っ青な空があり、そこに白い雲が浮かんでいれば言うことはない。
留学生 [1]  2021/10/01 Fri 8177
 2015年4月9日に書いたメモが出てきた。
 外国からの観光客が1,500万人に達したという。外交上の摩擦とは無縁のように中国からも多くの人々がやってきた。民間人の交流が深まれば相互理解も進む。私には中国にも韓国にも友人がいる。昨年度は韓国からの留学生が熱心に授業に参加してくれた。
 今年度も大学院の授業を3人の留学生が受講している。はじめての授業後に、ハルピン出身の学生が挨拶にきてくれた。こうした学生がいると、日本のことを理解してもらおうと気分が乗ってくる。授業のミニレポートに「私は外国人で、百分之百意味が分かっていないが、納得しました」とあった。ここで「百分之百」は「100%」に違いない。こうした表現に出会うこともまた楽しい。