吉田道雄 YOSHIDA, Michio
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味な話の素
Since 03/04/29
 No92  2010年12月号 (2844-2874)
回遊魚への変身 2010/12/31 2874
 今年も本日でおしまい。味な話の素≠ヘN0.2507からスタートして今日がNo,2874になった。差し引きで368回である。つまりは1日に2つ書いた日が3日あったわけだ。この点はやや少ない感じがする。私としては、ネタ切れの心配はしていないし、今日は2つでもいいなあ≠ニ思う日はけっこうある。しかし、まあ年も年だからゆっくり、のんびりと≠ネんて気分になることが多い。それでも、あと126回で3,000回になる。このままだと5月6日がその日に当たる。これは一つの区切りだから、私としても楽しみにしている。ここで、早く達成したい≠ニいう生来のせっかちの虫≠ェ蠢きだしてきそうな気配がする。そんなわけで、3,000回達成記念日は前倒しになるに違いない。それにしても、じっとしておられない質である。自転車操業≠ニいうことばがある。自転車は2輪だからペダルを踏むのを止めると倒れる。だから赤字でも操業し続けなければ倒産する経営のことを指して言われる。私も自分の精神構造は自転車≠セと思ってきた。ところが家内に言わせれば、自転車にはスタンドがあるでしょう。少し斜めになるけど、ちゃんと休めるじゃないの。その間に油を差したりボディーを磨いたりしないと役に立たなくなるのよ≠ニいうことになる。なあるほどと大いに納得した。しかし理屈はそうなのだが、私としてはそれでもこの性分は抑えるのがむずかしいんだよ≠ニ応じてしまった。すると家内はじゃあ、自転車じゃなくて回遊魚なのよ。回遊魚は止まると死ぬらしいから…≠ニきた。じつは魚は食べるのだけが得意なため、恥ずかしながら、そんなことちぃっとも知りませんでした。来年は回遊魚$骭セをしようかなあ。よいお年をお迎えください。
煽らないで 2010/12/30 2873
 今月初めにサッカーのワールドカップ開催地決定が話題になった。日本は2022年の開催を目指してアピールしたが、あえなく落選した。招致委員長によれば、敗因は開催間隔の身近さ≠セという。韓国と共催したのが2002年でまだこの間≠ニいう受け止め方をされたという。私はサッカーについて詳しく知らないし、それほど関心が強いわけでもない。ただ、投票結果を見ていささか驚いた。立候補していたのは、カタール、アメリカ、韓国とオーストラリア、そして日本だった。まずは最初の投票で、カタール11票、韓国4票、アメリカと日本が3票でオーストラリアは1票だった。これで最少得票のオーストラリアが脱落した。そして2回目には、カタールが10票でアメリカと韓国が5票、日本は2票と最少だった。この段階で日本が消えた。それから3回目、4回目と進んで最後にカタールが栄冠を勝ち取ったわけだ。私がいささか驚いた≠フは日本が2回目でわずか2票しか取れずにアウトになったことである。その理由は単純だ。プレゼンテーションをした後から投票当日にかけて、テレビなどで日本にも十分チャンスがある≠ニいうイメージの情報を流し続けていたからである。とくに韓国については、北朝鮮の攻撃で地域的な不安が高まったため、きわめて不利になったというものもあった。ところが何のことはない、数値で見る限りそんな影響は微塵もない。韓国だって開催はToo Soon≠ニいうハンディを負っていたはずなのに…。やれやれ、あの景気のいい報道は何だったのか。私みたいなサッカー情報に疎い者から見れば、単なる煽り≠セったのかと思えてくる。人を元気にさせるのは大事だが、もっと客観的な情報をもとに情報を流してくれないと…。
先を読む力 2010/12/29 2872
 ダーウィンの進化論≠完読した人は、専門家以外ではほとんどいないだろう。もちろん私だって読んだはずもない。だから推測するしかないが、書名そのままに人間も含めて生き物はすべて進化し続ける≠ニ書いてあるのだろうか。そうなると、これからずっと先にはどうなるのかと思う。それと同様に、経済成長≠熕i化と考えるなら、このまま成長し続けて≠「ったらどうなるのか。このあたりについて納得のいく説明ができる経済理論なんてあるんだろうか。そもそも成長≠前提とする今の発想自体に無理があるのではないか。そんな気がして仕方がない。ところでわが国は、中国だけでなく、このごろは韓国の国際経済分野における活躍にも圧倒されている。たとえば、アラブ首長国連邦(UAE)で原発を受注したというニュースは繰り返し報道されている。この情報は韓国の戦略を強調しているのだが、私はアラブ首長国連邦の方にも目を向けるべきだと思う。UAEといえばドバイのバブルで知られているが、連邦のGDPの約40%が石油と天然ガスで占められているという。現時点で確認されている原油埋蔵量は約980億バレルで世界5位、また天然ガスの方は6兆600億m3で世界の3.5%を占めるらしい(Wikipedia)。それにも関わらず、この国は石油後≠見据えているのである。それはまだ何十年も先のことではないか。しかし、いやしくも国家というからには、その運営に責任を持つ政治家たちは、先を見通した判断をし、そして果敢に行動すべきなのである。それをするのが政治というものだ。しかし、この国の政治家たちはその責任をどれだけ果たしてきたか。現状を含めて暗澹たる気持ちにならざるを得ない。ただし、それを許してきたのは国民である。
成長し続ける? 2010/12/28 2871
 持続的成長≠ェ強調される。これからも成長し続けなければならない≠ニいうのである。このごろ日本人の身長が頭打ち≠ノなったという記事を読んだ。戦後の生活習慣や食事の改善による効果が限界に達したようだ。私たちが子どものころは足がしびれるほど正座させられた。これが短足になった最大の原因だと信じている私だが、若者はとにかく足が長くなった。おそらく座高は変わらずに、足の分だけ身長が伸びたに違いない。正座だけではない。鬱屈≠オた環境では身長だって抑制されるだろう。その点、戦後は自由闊達≠ネ雰囲気の中で生活できるようになった。それが行き過ぎかどうかの議論は取りあえず置くとして、これまた体の成長に貢献しただろう。まさに伸び伸び≠ニ育ったのである。もちろん最大の要因は食事であることは間違いない。とにかく飽食の時代≠ニ言われる、これまた行き過ぎの状況にまで至ってしまった。しかし、そうした環境要因の影響が来るところまできたらしい。われわれが与えられた遺伝子的なベースではこのあたりが限度なのである。もちろん、それは望ましいことだ。基本的には体が小さい方が食べるものも排泄物も少ない。環境に優しいecoということである。そして、智恵≠ウえしっかり持っていれば力は十二分に発揮できる。何といっても人間は考える葦≠ネのだから。それにしても成長しなければならない≠ニ言われると、そうなのか≠ニ妙に納得してしまう。もちろん、私だって今より退化≠オた方がいいなどとは思わない。しかし、このまま世界中が成長≠オ続けるとなると最後はどうなるんだろう。いや、し続ける≠フであれば最後≠セってないわけだ。そんなことってあり得るんでしょうかね。
蓄えがゼロ≠ノなる日 2010/12/27 2870
 麻酔薬のない手術は死ぬほどの苦痛を伴う。しかし、あの世に行きたくなければ、それにも耐えないとまずい。しかし、ここまで来てしまったからは、われわれにはその選択肢しか残されていないのだ。ところが、この苦痛をどう分け合うかとなるとこれまた議論百出で前にも後にも進まない。まさに二進も三進も行かない≠フである。そうなると最終的には座して死を待つ≠アとになってしまう。そう遠くないうちに、この国は天文学的数値の借金で首が回らなくなる。経済や財政の専門家は国債は国民の資産でまかなっているから大丈夫≠ネんて言ってる。素人には貯金があるからまだまだ借金しても大丈夫≠ニしか聞こえない。そりゃあそうかもしれないが、それなら借金と貯金が同じになったらどうなるの≠ニ素朴に思う。そのときは、何のことはない、貯金がなくなるだけよ≠ネんですか。もしそうだとすれば、国民もそのことをしっかり知っておかないといけない。つまり、せっせと貯めている貯金も、将来はゼロ≠ノなるのである。その覚悟をしておかないと、あとで気づいても手遅れなのだ。私をまともに相手にしてくれる経済学者などいるはずもないが、この理屈に誤解があるなら説明してほしいものだ。そもそも経済学はバブルの崩壊すら予測できなかったのではないか。あるいは予測していてもそれを阻止できた専門家がいなかったことは事実である。ずっと前から今が最後のチャンス≠ニ言う声は上がっているが、それが本当のアクションには繋がらない。何分にも総論賛成、各論反対≠フ世界なのである。素人ついでにもう一つ大きな疑問がある。経済に関わる責任者や専門家は口を開けば成長≠強調する。しかし、それって本当に可能なんですか。
不摂生の末路 2010/12/26 2869
 経済学の素人だからプロがどんな説明をしているのか知らない。しかし、自分たちの力をわきまえずに金を印刷してバラまいたからバブルになったことは間違いない。つまりは国債の乱発だ。そもそも赤字国債の発行は本来は法律違反であり、それを特例法≠フ継続で垂れ流し続けてきたのである。そしてその金で役に立たないものを作りまくったのである。個人でいえば、自分の収入など考えずにいらない物、使わない物を買いまくった。そして遊びほうけた。うまい物を食いまくった揚げ句に、余り物は残飯に棄てた。その原資はと言えば、これがすべて借金でまかなったのだ。そして気づいたら、返済の目途すら立たない大借金だけが残っていたのである。しかも悪いことに、その間に年を取って体力はしっかりと衰えていた。弱った目で周りを見ると、ご近所には伸び盛りの若い衆が増えていた。いまや昔話になってしまったが、こうした人たちからも兄貴分としておだてられ、偉そうに指導していた時期もあった。しかし、もう体力の逆転ははっきりしている。それにしても、こうなることはわかっていたはずだ。しかし、どんなに警告されても暴飲暴食を止めようとしなかった。ああ、とうとう入院されましたか。まあ、ご自分で健康管理がおできにならなかったから、時間の問題だとは思っていましたがね…=Bご近所だけでなく、長年お付き合いいただいている遠くのお友達からもそんな声が聞こえてくる。それは哀れみ≠フようでもあり、さげすみ≠フ声のようにも聞こえる。まさに自業自得≠ネのである。ここまでくれば、手術を受けるか、それを拒否してついにはあの世に行くか、選択肢はそのどちらかにしかない。この手術の麻酔薬は調達できないかもしれない。
日本株式会社の危機 2010/12/25 2868
 JALが大変な状況にあることは報道だけでも十二分に伝わってくる。私が子どものころ、飛行機は一生かけても乗れないと信じていた。それは超大金持ちの乗り物であり、今ならビル・ゲーツや孫正義さんたちなら乗れるといったイメージだ。そんな時代からJALはあこがれの翼だった。そんな栄光の時代を知っているだけに、そして縁あって講演もしたJALだから、私としては何としても再生してほしいと思う。それだけではない。われわれは、JALの窮状を他人事≠ナ済ますことはできないはずなのだ。なぜなら、日本国≠ニいう組織≠サのものがJALとまったく同じ状況にあると思うからである。その昔、わが国が、それ行けやれ行けの勢いがあったころのことである。海外からは日本株式会社≠ニ呼ばれたりしていた。そうそう、集中豪雨的輸出≠ニいう文字も新聞を飾っていた。日本がまるで一つの株式会社のように一塊になって、猛烈に製品を製造し売りまくってくるように見えたのである。それが今や生気と自信を失っている。まさに存亡の危機に瀕しているのだ。あの狂騒のバブルは一体全体、何だったのだろうか。たしかに輸出を中心にして多くの外貨を稼いでいたのは疑いない。しかし、本当に自分の実力に見合った生活をしていたのだろうか。たしかに右肩上がりで、株価だって40,000円にもなろうかとしていた。日本の土地代はアメリカの数倍、いや数十倍なんていう計算さえあった。いはば土地本位制のバブルだったのだが、それにしても、どうしてそんな計算ができたのか。何のことはない。今から振り返れば、借金をドンドンしまくって踊っていただけのことである。国も国民もみんなが経済は右肩上がりと信じて疑わないから、金も借りまくった。
戻ってきたメール 2010/12/24 2867
 味な話の素≠フチョンボだが、誤字脱字£度でお知らせを受けることはない。その他では、ときおり○日の内容がおもしろかった≠ニか□については、朝の朝礼でネタにしました≠ニいったメールが届いたりする。ありがたいことである。それに、アクセスカウンターの区切りがいいところでお知らせいただくこともある。のこの前も222222をゲットしました≠ニいう内容のメールをいただいた。2≠フオンパレードというわけである。これまたご愛読に感謝しなければならない。さてさて、内容がダブっている≠ニいうご指摘をいただいたJALで整備を担当されている方からメールは、今後とも楽しみにしています≠ナ終わっていた。それからさらに2年以上が経過した。最近、ちょっとした論文をまとめたので、その方にお送りしようと考えた。その際に、ちょっとばかりJAL の現状が頭に浮かんだ。新聞等の報道で知る以外にないが、とにかく大変な状況であることが伝わってくる。いわゆる退職勧奨も行われているようだ。実際、それに応えて、少し前に退職した知り合いを1人ではあるが知っている。そんな中で、あの方はどうなさっているだろうか。ふと、メールで論文をお送りしても戻ってくるかもしれない=Bそんな思いが頭に浮かんだのである。講演会で名刺交換をしたわけではなく、メールでのやりとりだけだった。これからも読み続ける≠ニいった趣旨のメールを下さったものの、個人的な情報はまったくもっていない。つまりはお顔はもちろん、お立場もお歳もわからないままなのだ。そして結論としては、メールは配信エラーになって戻ってきた。もちろん、定年で退職された可能性もあるのだが、どうされているのかなあ≠ニ思うのである。
ただただ感謝 2010/12/23 2866
 JALで講演をした2007年1月11日から1年半以上が経過した2008年7月17日のことである。あの方からメールが届いた。冒頭に、会社での先生の講演以降、「味な話の素」を欠かさず読まさせて頂いております≠ニ書かれていた。本当にありがたいことである。私のエネルギーは、こうした方々によって維持されているのだ。そして、仕事の関係上、新しく更新された場合前日のが読めない場合がありますので更新されても3日分ぐらい残して頂ければ幸いです≠ニ続いていた。正直なところ、この部分は理解できなかった。何分にも粘着質なものだから、数日で削除するどころか、backnumber<{タンも付けて、2003年4月29日のスタート≠ゥら読めるようにしているのである。これに対して、私は正確には記憶していないが、おかしいですね。過去の内容はすべて読めるはずなのですが≠ニいった返事をしたと思う。さらに、メールは衝撃的な内容を告げていた。7月7日の内容と13日の内容が同じでしたので残念でした=Bこれには心臓が止まるほど驚いてしまった。私がホームページビルダーにコピーする際にエラーを犯したのだった。いつも朝からキャッキャ叫びながら書いて、そのままアップしているのだが、原稿として残っていた1週間ほど前のものをコピーしてしまったのである。もともと掲載するはずだったものも残っていたのですぐに入れ替えた。それにしても、ここで知らせていただいたから、幻の原稿にならずにすんだのである。このときは、字句や曜日の誤りとは本質的に異なる重大なミス≠セったので、他のお1人からもご指摘していただいた。こうした強力なサポートを受けながら、味な話の素≠ヘ続いているのである。ただただ感謝あるのみ。
JALと公開講座 2010/12/22 2865
 JALでの講演をきっかけにして、そのとき窓口になられた方に公開講座のご案内を出した。熊本大学公開講座リーダーシップ・トレーニング≠ヘすでに18年ほど続けているが、東京での開催はその年がはじめてだった。その記念すべき第1回目に、私のお誘いに応えて、JALからもお二人がご参加された。その次の年も4人が受講されたのではなかったかと思う。何分にも還暦を超えて、近々の記憶が怪しくなってきているので、正確性についてはご容赦いただきたい。そして3年目は2人の方からお申し込みを受けた。ただし、お一人は事前に都合がつかなくなりキャンセルとなった。そして、4年目の今年はJALさんからのご参加はなかった。いま、JALは再建のために大変な状況にあるのだと推測する。この時期に社外の研修等に参加する時間も取れないのだろうと思う。私がはじめて飛行機に乗った1970年代、JALは言うまでもなく日本の翼≠セった。あのI丸<}ークは日本のシンボルでもあった。そんな思い出のある私としては、しっかりがんばってほしいと願う。ところで、フォーラムでの講演後に、整備関係の方からメールをいただいた。その文面から、実直そのものの方で整備という仕事にすべてをかけていらっしゃることが伝わってきた。私の話に関連したご質問が書かれていたので、お答えをした。それがきっかけになって数回のやりとりが続いた。しかし、あるときに先生のお時間を取ってはいけないので≠ニいう理由で、メールを出すのは止めにするとのご連絡があった。これからは先生の‘味な話の素’で勉強していきます≠ニ書かれていた。私としてはいただいたご質問等にそれなりにお答えしていたのだが、このメールからも実直さが伝わってきた。
JALのフォーラム 2010/12/21 2864
 ある学会のシンポジウムで早稲田大学の小松原明哲先生とご一緒したことがある。ご専門は人間生活工学≠ナ、リスクマネジメント≠中心に幅広く活動されている。先生はJALの安全アドバイザー委員で、学会でのご縁から、私はJALで講演したことがある。今からほぼ4年前のことである(社内報SORA)。演題は組織の安全管理と人間理解 −ヒューマンエラーのグループ・ダイナミックス−≠セった。JALグループ安全フォーラムでの講演で、そのときが第3回目であった。またあんたの自慢話かい≠ニうんざりされるかもしれないが、お時間がある方はしばらくお付き合いいただければと思う。とにかく、過去2回の講師がすごいのである。第1回目は評論家の柳田邦男氏、第2回目が宇宙飛行士の若田光一氏なのだ。もう誰もが知っている大物である。もちろん知名度なんてほとんどゼロ≠フ私だから、このお二人の向こうを張るなんてことはつゆほども考えなかった。とにかく自分がしていることを淡々とお話しした。フォーラムの会場はJALの本社で、アドバイザリーグループの柳田邦男氏をはじめ、当時の会長や社長にも聞いていただいた。しかも、その中に高校時代の同級生が2人もいたのには驚いた。それにしても人間の記憶はすごいなあと感動した。なにせ、40年も会っていないのに、話している途中で、あっ、○○君だあっ≠ニわかるのである。まあいずれにしても、ものすごいフォーラムであった。このときは、安全啓発センター≠ノも行った。あのジャンボ機墜落事故≠フ機体の一部や資料が展示されているところである。そしてこれをきっかけにして、私が東京で開催している公開講座リーダーシップ・トレーニング≠ご紹介した。
うゎ−っ、新幹線だぁ 2010/12/20 2863
 家族で夕食に出かけた。もうすぐ行くと新幹線の高架下をくぐることに気づいた。新幹線が見えるかもしれないぞ=B来年3月の開業を控えて試運転中だという新聞記事を読んでいた。とは言っても、たまたま高架の下を通過することが頭に浮かんだので、ただ口に出してみたまでのことである。それから数分後、話題の高架が近づいてきた。そのときである。な、なんと、目の前をさくら≠ゥはやぶさ≠ゥ、まあどっちでもいいが、新幹線が博多方面に走っていくではないか。しかも、ちょっと見えたという程度ではなく、われわれが来るのを待っていたかのように、横切っていくのである。家内と私が大声で叫んだことは言うまでもない。娘はそこまで興奮しないでよ≠ニいった風情で、両親のいつもと変わらぬはしゃぎぶりに苦笑していた。しかも、それと合わせるかのように、いやまさに、合わせて博多方面から在来線のつばめ≠ェ走ってきてすれ違うではないか。新幹線の高架の方がほんの少しばかり高い。それで両者の大きさが比較できたが、やはり新幹線は堂々として一回り大きい。あまりの偶然に感動して、2つの電車が交差するのを見ていたら、目の前にバンの背中が見えた。うゎーっ≠ニ叫んで急ブレーキを踏んだ。脇見運転というか、上目運転というのか、まあどうでもいいが、あぶない、あぶない。それにしても、こんなことがときどきあるから人生はおもしろい。街中を歩いていて、ふと○○さんはどうしてるかなあ≠ネんて思い浮かぶ。ところがその数分後に、ご本人とばったり出会ったりする。それもこれも偶然≠セと言ってしまえばそれでおしまいだが、ついついなあんかあるよなあ≠ニ思いたくなる。それだけでも楽しくなってきますよね。
New York Timesの目 2010/12/19 2862
 ときどき、New York Tomes の日曜版から日本がらみの記事を取り上げている。外の目≠ゥらわが国はどう見えているかがわかる。今日は3本で、まずは7月25日の誰もが喜ぶ製品づくりのリスク(The Risk of Trying to Please Everyone)=Bパナソニックは白物家電なども含めて多品種の製品を市場に出すことを決断したという。今や日本の企業は自社の強いところに特化している。そんな中でのこの選択には、批判や危ぶむ声もあるようだ。しかし、同社としてはとくに中国やインドなどを中心にしながら販売していくということらしい。2本目は9月19日のもので、若者たちがサイドビジネスに向かう日本(In Japan, Young Workers Turning to Second Jobs)=B大阪発の記事である。長いこと終身雇用が定着していた日本だがそれが壊れてきた。この10年間でサラリーは12%も下がってしまった。そんな中でとりわけ独身の若者たちは、生活を維持するために、第2の、場合によっては第3の仕事をしている。厚生労働省の統計では、15歳から34歳までの労働人口のうち、56%程度の人々が生活のために給与以外の収入を必要としているという。そして最後は12月5日付けの記事。暴力団と決別を図る日本のビジネス界(Japan Working to sever Ties Between the Mob and business)=Bこの国では建設業を中心にYakuza≠ニの関わりが続いてきたが、いまそれを断ち切ろうとしている。そもそもこうした集団は、戦後復興の中で安い労働力を供給し、ストライキを潰し、従順に働くようプレッシャーをかけることで建設業界をサポートしてきたのだそうな。そうした関係を断ち切る最新の実例がTokyo Sky Tree≠フ建設らしい。いかがですか、外からの目≠ヘ。
仕事は忙しい人に頼もう 2010/12/18 2861
 もう一つ、NHK実践ビジネス英語≠フQuote...Unquote≠ナ、飛びきりおもしろいものがあった。これが登場したのはかなり前、つまり数年は経過していると思うが、とにかく忘れられない逸品だ。If you want work well done, select a busy man: the other kind has no time. これはアメリカの哲学者Hubbardのことばである。仕事をちゃんとしたいのであれば、忙しい人に頼みなさい。そうでない人は時間がないから…=B忙しい$lは時間管理がしっかりしていて、仕事もうまく捌いている。仕事の優先順位も明確に決めていて段取りがいい。その結果、仕事も速くなる。これに対してそうでない人≠ヘ、このあたりがうまくない。だから人も仕事を頼まない。そして、ますます時間がなくなる=Bしかも、そんな人に限って忙しい、忙しい≠ニ叫んでいたりする。仕事場を走り回って冬でも汗をかいている。どのくらい忙しいかと観察してみると、1時間でコピー2枚…。まあ、そこまでひどい人はいないだろうが、世の中にはこんな人がそこここにいそうではありませんか。どんなことでも過ぎる≠フはまずい。だから忙し過ぎる¥況が続けば仕事をしっかりやろうという意欲も減退する。それが事故や不祥事を引き起こすことにもなる。ということで、適度な忙しさ≠フ基準なんてないけれど、ときにはちょっとだけ忙しくなる仕事≠ノチャレンジしてみてもいいのではないか。それまで通りのやり方ではうまくいかないような仕事をあえて引き受けてみるなんてのはどうだろう。そうした課題に取り組んで成果が得られれば、自分の成長にも繋がっていくはずである。アマちゃんのお前さんと違って、そんな時間なぞないぞおーっ≠ニ叱られてしまうかなあ。
悪妻の力 2010/12/17 2860
 By all means marry. if you get a good wife, you will become happy; and if you get a bad one, you will become a philosopher. これも実践ビジネス英語≠フQuote...Unquote≠ゥら。何はともあれ、結婚はするものだ。もし良妻に巡り会えたなら、あなたは幸せになるだろう。また、彼女が悪妻だった場合は、あなたは哲学者になれるだろう=Bすばらしき妻と出会えば幸せになることは疑いない。ただ、ひょっとしたらそれだけかも。これに対して、相手が悪妻だと哲学者になるかもしれないのである。人によってはこちらの人生の方がおもしろいと思うかもしれない。なあんて、勝手なことを言っているが、哲学者よりも単純な幸せの方がいいかもなあ…。ところでこの発言の主については、ご存じの方も多いと思う。そう、ギリシャ哲学の巨人たるSocrates(ソクラテス)さんその人である。彼の妻クサンチッペ(Xanthippe)は名だたる悪妻だったという。どこがどのように、どのくらい悪かった≠フかは知らないが、ソクラテスさんを尻に敷いていたのかもしれない。そんな生活を送る中で彼は考えた。人生とは何ぞや∞生きるとは何ぞや=Bそもそも、この宇宙に男と女がいるのは何でか≠ネどなど、ソクラテスさんは朝から晩までそんなことを考えざるを得ない状況に追い込まれていたのかもしれませんね。それをお気の毒と思うかどうかですよ。まあ古今東西、夫というものは嫁さんの手のひらの上で飛び回っている方が平和でいいですよねぇ。お偉いさんに対して、組織の人間は、はっきりものを言うことができないものだ。それが高じて面従腹背¥態にでもなったら最悪、組織の存続すら危うくなる。そんなときでも、嫁さんなら平気な顔をして直言できるんじゃないの。
Quote...Unquote 2010/12/16 2859
 NHKのラジオ講座に実践ビジネス英語≠ェある。講師は杉田敏氏で東京神田の生まれ、私より4つほど年配だ。ずっと以前はやさしいビジネス英語≠ニいう、とても信じられない講座名だった。というのも、ラジオ講座の中でもっともハイレベルの位置にあり、会話の内容もスピードもまさにライブといった感じなのである。実際の理由は知らないが、あるときからやさしい≠ェ取れた。それはともあれ、講座にQuote...Unquote≠ニいうコーナーがある。英語のquote≠サのものは、引用する、引用符で囲む≠ニいった意味である。また、unquote≠ヘ、引用を終わる≠ニしか説明されていない。ただし、ビジネス英語≠フテキストでは金言・格言≠ニ言う解説がついている。そうした経緯は置くとして、ここで取り上がられる金言≠ノは、うーん≠ニうなったり、ときにはにやりと笑ったりもする。まさに言い得て妙≠ネるものであふれている。ついでながら、このときの妙≠ニいうのは、変だ≠ニ言う意味ではなくきわめてすぐれていること≠ナある(電子版「明鏡ことわざ成句使い方辞典」)。掲載された日付をメモしていなかったが、アメリカ第26代大統領Theodore RooseveltのThe only man who never make a mistake is the man who never does anything.≠ヘ私にとってもそうだ、その通り≠ニ大いにヒットした。リスクマネジメントを考える際に、エラーやミス≠犯す可能性があるのは仕事をしている証拠≠ネのだ。だから、自分たちがそうしたリスクを抱える仕事をしていることを誇りに℃vってチャレンジしようではないか。とまあ、私としてはそんな趣旨のことを話しているのである。まさにピッタシなのだ。Rooseveltさん、おおきに。
3000回を目指して… 2010/12/15 2858
 不易流行≠フ解説は続く。芭蕉俳諧の理念では、不易と流行とは根源において一つであるとし、それは風雅の誠に根ざすものだという≠フである。これを芭蕉俳諧の理念としているが、実際には門人の去来、土芳、許六たちが俳論として展開したらしい。ともあれ、この解説では不易≠ニ流行≠ヘ対立するものではないのである。新しいものを求め続けることが、とりもなおさず本質を突き止めることになる。とまあ、そんなわかったようなわからないような意味なんだろう。しかし、そんな説明にちょっとだけ意を強くした。それなら、わが味な話の素≠フ場合もとにかく新しいものについて書いていけばいい。それこそが人間の本質を探る方法でもあるというわけだ。ともあれ辞書によれば、一刻も早く書かないと賞味期限切れ≠ノなるものが流行≠ナ、普遍的なものが不易≠ニいう捉え方も怪しくなる。私としては、書きたいことを淡々と書いていけばそれでいいということだ。それにしても、あれやこれやと頭に浮かんだことをメモしていると、それがドンドン溜まる。そしてついには書いたメモの意味すらわからなくなるものが出てくる。それをメモしたときは、かなりいいネタ≠セったはずである。まことにもったいない話だが、思い出せないのだから仕方がない。こうしたことをこれからも積み重ねながら、いつかはおしまい≠フ日が来るわけだ。それにしても、私はすでに62歳になった。このコラムをはじめたのは54歳のときだった。あれから今日まで2858個を積み重ねてきた。このままだと、あと4ヶ月ほどで3000回を迎える。これまた大きな区切りになる。ここまで続けることができたのは何といっても健康だからである。まずは両親に感謝しないと。
話の素の賞味期限=@2010/12/14 2857
 味な話の素≠フ素≠ノもいろいろある。かなり刺激的で、今日のいま書きたい≠ニ思って、そのままワープロに打ち込んでいく。そんなものもあるが、これはかなり少ない。そうしたものも、取りあえずメモ≠しておく。いくつかのキーワードを書いておけば、あとでそのときの気持ちも含めて再現できる。ただし内容によっては、しまった≠ニ思うこともある。これはいい≠ニ思ったときに書いておけばけっこうユニークなものになったのに、もう手遅れというものだ。もちろん、いつ書いても新鮮さを失わないネタもある。私は、もとはと言えば学校教育とは縁遠いところで仕事のスタートを切った。学校と関わりを持ち始めたのは熊本へ来てからである。すでに30歳になっていたが、そのときはじめて知ったことばがある。とにかく学校の先生方、とりわけ校長先生などのベテランがけっこう多用されるものだ。それは不易≠ニ流行≠ナある。そんなもの、常識じゃないか≠ニ言われる方もいらっしゃるだろうが、私は熊本に来るまでは知らなかった。不易≠ヘいつまでも変わらないこと=A流行≠ヘ文字どおり、時代とともに変化していくこと≠ナある。これを味な話の素≠ノ合わせれば、いつ書いてもOK≠フネタなら不易≠セが、すぐに賞味期限が切れてしまうものは流行≠ニいうことである。しかし、ことはそう単純でもないのである。不易≠ニ流行≠不易流行≠フ四文字熟語として辞書を引くと興味深いことがわかる。たとえば、小学館「精選版日本国語大辞典」では、まずは芭蕉俳諧の理念の一つ≠セと説明したあと、新しみを求めて絶えず変化する流行性にこそ、永遠に変わることのない不易の本質があり≠ニ解説する。
生の声≠ノ支えられて 2010/12/13 2856
 ともあれ、トレーニングは効果があるのですか≠ニいう質問に対しては、数値化した実証データはある。しかし私としては、受講者からいただく肉声を大事にしたいと思っている。むしろ、数値的データよりも生の声の方がトレーニングの効果を確信させてくれるのである。ここで、トレーニング終了後に頂戴した受講者のメールがある。もちろん匿名で抜粋しているが、ともあれお読みいただければと思う。熊本大学 吉田教授様 お世話になります。先日、研修に参加させて頂きました「○○の□□□□」と申します。当初、本研修受講に対して、あまり乗り気でなかったのが本音でしたが、先生の講義を聴いていく中で「なるほどな!!」と感心していく自分がおりました。先生はただ講義するのではなく、話し方の基本となる顔の表情(眉毛を動かす)の変化、手振り身振りによるボディランゲージ、声音量の加減(特に小声の場面)等のさじ加減がバツグンでした。このため、午後からのお昼寝タイムも苦痛無く、過ごすことができました。これは、普段他の講義にも行くこと事があり、なかなか目を開けていることが苦痛の状況(笑)なのですが、先生の場合は大丈夫でした。やはり充実しているときの時間の経過は早いものです。ここ数年、モチベーションが低下傾向を示していた当方にとっては大変、参考となる講義と感じた次第です。今後も多方面で先生のご活躍をお祈り致します。この度は有り難う御座いました…=Bこれだけしっかりほめていただくと、私も舞い上がってしまう。なあんだ、ただ自慢したいだけなのね≠ニ苦笑されることだろう。たしかにそうなのだが、私はこうした声に支えられて、実践に役立つレーニング開発のエネルギーを持ち続けてきたのである。
黒子としてのグループ・ダイナミックス 2010/12/12 2855
 時代の流れとともに仕事の環境、施設の改善・整備≠ェ進められ、職場における災害件数が減少してきた。その基盤には人命を尊重する文化の成長≠烽ったに違いない。しかし、そうしたハード的な対応には限界がある。目の前にある装置を使えば特定の事故を完璧に防げたにも拘わらず、それを使用しなかったために大きな事故を引き起こした事例もある。事故やトラブルがハードの整備≠セけでは達成できないことの証拠である。そこで、人≠ノも焦点が当てられることになる。とくに職場の人間関係≠フあり方など、きわめて人間的で集団的な要素がもっている影響力は、安全な職場の実現に欠かせないものとして登場する。そうした状況の中でグループ・ダイナミックス≠ヘ重要な役割を果たすことができる。グループ・ダイナミックス≠ヘ集団との関わりを通して人間を理解する科学≠セからである。もちろん、そうした手法を導入したからといって、ただちに事故や災害がゼロ≠ノなるわけではない。そもそも人間が仕事をする限り、あるいは生存している限り、完全にトラブルゼロ≠フ達成は課題であり続ける。だからこそ、ハード≠セけでなくソフト≠ナある人間的側面≠ゥらのアプローチも継続していかなければならない。私はグループ・ダイナミックスは組織安全の舞台≠ナは黒子だと考えている。まずは環境や設備・機器の整備が第一に来ないとお話にならない。その上で、そうした環境や設備をうまく機能させるためにグループ・ダイナミックスのノウハウを生かすのである。いま、海老蔵事件で歌舞伎が話題になっているが、役者の衣装や化粧、それに舞台装置がどんなにすばらしくても、黒子がいないと物語は進んでいかないのである。
トレーニングの効果は? 2010/12/11 2854
 私の専門は何かと聞かれれば、まずはリーダーシップです≠ニ答える。それからすぐに、リーダーシップといっても、それを改善することを目的にした‘リーダーシップ・トレーニング’の開発と実践を仕事にしています≠ニ補足する。さらに、リーダーシップ≠ニ聞くと、それが管理者のためのものか≠ニ受け止められやすい。そこで改めて、もっと広い意味で‘対人関係トレーニング’と言った方がいいでしょうね≠ニ付け加える。先日も、ある方にこんな説明をしたところ、それに対して質問が返ってきた。そのトレーニングは効果があるのですか=Bまことに素朴かつ根本的な問いかけである。私としてはそれに対する回答をけっこう持っている。たとえば、リーダーシップ・トレーニング≠フ後で、部下の意欲やコミュニケーションの向上など、いわゆるモラールといわれるものが改善したことを示すデータがある。また、かなりの期間にわたって実施したトレーニング≠フ結果、職場における事故件数が著しく減少したケースもある。もちろん、人間的な働きかけだから、そうした望ましい結果もリーダーシップ・トレーニング≠フみが貢献しているというつもりはない。いやむしろ、私としてはそんなことはあり得ないと思っている。1970年代に行われた造船所における安全運動≠フ展開では、いわゆる小集団活動≠ェ事故の減少に大きな影響を及ぼした。ただし、その活動≠効果的に推進するためにリーダーシップ・トレーニング≠ェ果たした役割が大きいことも事実なのである。それに戦後間もなくから今日まで、時間の経過とともに、わが国全体の事故件数が減少してきたのは、安全に関わる環境や作業施設の改善・整備によるところが大きい。
鴨長明とグループ・ダイナミックス 2010/12/10 2853
 今私はグループ・ダイナミックス≠ニいう領域で仕事をしている。日本語では集団力学≠ニいう。英語をそのまま直訳したものである。私たちも日常的にじつにダイナミックな表現ですねえ≠ニいった使い方をする。英語のdynamic≠ヘ形容詞で、動的な∞力強い∞精力的な≠ニいった訳語が最初に上がってくる。それに続いて、物理学用語として力学的な、力学の≠ニいった意味が掲げられる。力学≠フ前に(動)がついているから、いかにも動き≠ェ感じられる。また名詞形として力、(特に活動などの)原動力≠ニいう意味もある(この項、電子版ランダムハウス英和辞典。以下も同じ)。これにs≠ェついてdynamics≠ニなると、最初に物理学的用語として力学、動力学≠ェ出てくる。しかも単数扱い≠ナある。しかし、2番目の意味として(肉体的、精神的)原動力≠ェ登場し、こちらは複数扱い≠ニなる。さらに3番目には成長[変化、発達]の型・歴史≠ニある。こちらも複数扱い≠セ。また少し飛んで、6番目は[経済]動学≠ナある。単数扱い≠ノなっているが、これはdynamic economics≠フ訳で、economic≠フ方にs≠ェついている。いずれにしても、グループは絶え間なく変化している。もちろん、それが必ずしもプラスの成長≠竍発達≠フプロセスだとは限らない。ゆく河の流れは絶えずして、しかも、もとの水にあらず。よどみに浮かぶうたかたは、かつ消え、かつ結びて、久しくとゞまりたるためしなし…=Bここでふと鴨長明の方丈記*`頭を思い出した。いまから800年ほど前の1212年の成立とされる。河の流れ≠組織や集団≠ノ読み替えれば、これはまさにgroup dynamics%I視点である。
なせばなる… 2010/12/09 2852
 今年も趣味≠フ人間ドックに行ってきた。母が予想もしない40代で亡くなったため、36歳のときからドックに通っている。この年になったのは、35歳からドックの補助が出ることになっていたためである。ただし、35歳になる年には募集が終わっているので、スタートは翌年からということになった。そんなわけで、今回は27回目だった。昨年の3月9日にお医者さんからメタボっぽい≠ニの宣告を受けた。この危機を克服するには体重を減らすのがポイントだということだった。そこで減量大作戦をはじめた。甘い物を中心に間食と食べ過ぎをストップするとおもしろいように体重が減っていった。最も重いときは66kgにも達するかと危ぶまれたのだが、それが52kgまでになった。その成果は明らかで、年末のドックではデータが軒並み改善された。それから1年が経過した。昨年は急に体が変わった年だったから、データも一時的なものかもしれない。それが、さらに1年経過してどうなるか。これが楽しみだった。ともあれ、体重はそのまま維持している。じつは、体重が減るのを楽しそうに言うので、お医者さんからはもう止めなさい≠ニストップをかけられた。まだ公式のレポートは届いていないが、速報値では良好な状態が続いていた。そもそも還暦を超えたネズミじいさん≠セから、データがさらに良くなることはない。この体験で学んだことは、またしてもやればできる≠ニいうことである。このごろは、コミュニケーションや対人関係に関した話をする際もこころの筋肉運動≠ェ大事だと強調している。つまりはエクササイズすれば、対人関係も間違いなく改善するというネタである。なせばなる、なさねばならぬ何事も、ならぬは人のなさぬなりけり=B
仕事の優先順位 2010/12/08 2851
 優先度の高い仕事があったのであれば、カウンターに客が並んでいても、少なくとも2人がいても、そちらを先にするのは仕方がない。しかしそれにしても、目の前に並んでいる客にはまるで気づかない様子で後ろに下がったのは、いかがなものだろうか。本を持って会計の順番を待っている客がいるのに一言も声をかけないのである。まずは、こちらを見て少々、お待ちください≠ュらいは言ってほしいものだ。客の側から見れば、優先すべきものがあるかどうかはわからない。一言なんだよなあ…。私の推測だが、コンビニでは客が少しでも並ぶと、複数のレジを開けるようにしているようだ。店内の商品をチェックしているスタッフがいてもすぐに飛んでくる。そんな教育をしているのではないか。実際にそうなのか確かめたわけではないが、そんな対応が見られる。カウンターで最も大事なのはそこなのだ。少なくとも貴方のことについては気づいていますよ≠ニいうメッセージが大事なのである。ともあれ、その後も10秒間ほどは待っていたのだが、それでもだれもこちらに気づく気配≠ェない。先ほどから端末に向かっていた店員も一区切りついたように見えたが、やはり客の方を見る様子が窺えない。短気(?)≠ネ私はすっかり気持ちが萎えてしまった。そこで回れ右をして手にしていた4冊を元の場所に戻しに書棚に向かった。その際、店内を回っているスタッフに出会った。ここにもいたのである。その翌日、別の本屋さんで買うつもりだった本を手に入れた。本屋の店員さんたちは本好き≠ネんだろうか。今回の体験とは直接関係ないようだがふとそう思った。授業でこの話をしたら、本屋でバイト中という学生から私は本好きです≠ニいう答えが返ってきた。
本屋のカウンター 2010/12/07 2850
 このごろの大きな本屋さんには椅子まで置かれている。まるで図書館のように本が読めるのである。あれで商売になるのかと余計な心配もする。しかし逆に言えば、そうしないと客離れが起きてしまう心配があるのかもしれない。とにかく商いはむずかしいのである。私自身は店内の椅子に座ったことはない。本屋さんでは立ち読み≠ェ原則で、やはり本は別の場所で読みたいと思う。ところで、わが国でもいよいよ電子ブックが本格的に登場するようだ。本をめくるときの紙の感触がたまらない。少し前のページを振り返る。電子ブックではそんな自由度がかなり低下しそうである。しかし、本棚のスペースがいらなくなるといったメリットも多い。いずれにしても、町の本屋さんはさらに厳しい状況に追い込まれるだろう。それはそうだけれど、私は本屋さんが大好きだ。ほんの数日前にも東京に本店がある大手の熊本支店に出かけた。いつものようにブラブラしながら4冊ほど手にとって会計へ向かった。平日だったこともありレジは2ヶ所だけになっていて、どちらもお客さんに対応していた。私はその次の番で、ほどなく後ろに一人の女性が並んだ。カウンター内には3人の店員がおり、そのうち一人はコンピュータに向かっていた。一見して彼女はカウンターに客が並んだことには気づかない様子だった。おそらく優先順位の高い仕事をしていたのだろう。それから間もなくして、お客のうち一人が支払いを終えてカウンターから離れていった。当然のことながら次は私の番だ≠ニ思ったのだが、その店員さんはこちらに目もくれずにカウンターから少し奥の方へ引き下がってしまったのだ。それから本を包装しはじめたようだったから、そちらを優先しないといけなかったのだろう。
本屋の楽しみ 2010/12/06 2849
 最近の本屋で働いている店員さんは本好き≠ネんだろうか。私の勝手な思い込みだが、昔は本好き≠ネ人が多かったような気がする。書店は単に印刷物を売るのではない。まさに文化を広めるキーステーション、そんな意気込みを求めるのは無理な時代になったのだろうか。たしかにこのごろはネット販売も盛んなようで、本屋さんに行かなくても本を注文することができる。それもコンビニで購入できるという。コンビニなら小さな町にもあるから、本好き≠フ中には心から喜んでいる人もいるだろう。それはそれでけっこうなことである。しかし私は1つの例外を除いて、本はすべて本屋さんで購入してきた。例外というのはNHKのラジオ講座テキストである。こちらは月ごとに講座を聞き終えるとテキストを廃棄する。出張の際などは、バッグをできるだけ軽くしたいから数ページ分をわざわざコピーしていた。それにテキストにはワンザカとコマーシャルがついているが、これもいらない。そんなこともあって、テキストだけはネットで買うことにした。これだと必要な部分だけを使用済みの裏紙にプリントアウトすることができる。これもECO対応になる。しかも書店で購入するよりも10%ほど安い。ただしこれは例外で、原則として私は本屋さんに行って本を買う。もちろん在庫がなければ注文することになるが、それも本屋さんに頼む。おそらく中学生のころからだと思うが、洪水のように本があふれるお店の中をあっちこっちと回遊する。そのこと自身が楽しいのである。こんなに本があったら、全部を読めないじゃないかあぁ=B心の中でそう叫びながら、ゆっくり歩いていく。そうすると自然に笑顔になる。そんなわけで、私は書店に行くだけで気持ちがよくなる。
教育実習生の修行 2010/12/05 2848
 教育実習が終わった後で、子どもたちから実習生に対する評価を聞く。とにかく様々な声が出てくる。実習生としては学級の全員が理解できるように授業を展開したつもりに違いない。あるいは特定の事柄について自分が持っている情報をできる限り提供したいと考えることもあるだろう。そのためにしっかり工夫して指導案をつくって授業に臨む。しかし、現実はなかなか厳しい。子どもの世界も甘くないのである。この点は経験を積んでいくしかない。それでもプロの教師だって、授業内容の時間配分やスピードが満足できる境地にまで達するのは簡単ではない。ともあれ、実習生は子どもたちの予期せぬ反応に焦り慌てる。そんな授業に対してもう少し授業をゆっくりしてほしかった≠ニいう声も出てくる。とにかく時間内にすべてを出し切ろうという気持ちが走ってしまったのだろう。また、もう少し授業を盛り上げてほしい≠ニいった要望もある。これは伝える内容やスピードの問題ではない。生徒たちは楽しい&オ囲気の授業を期待しているのである。もちろん当然の声だが、それを実現するためには実習生に心の余裕が必要になる。これまた実習生にとってはむずかしい課題である。こうした力も時間の経過とともに身についてくるものだ。そんなこんなを考えると、教育実習の期間もある程度の時間がほしくなる。現時点では、大学の低学年から現実の学校に触れることを重視して教育実習が分散化する傾向にある。こうした課題については今後も検討していく必要がある。現職の教師ですら、対人関係やコミュニケーションのスキルに困難を抱えている時代である。教えるべき内容に関する学習も必要だが、人と関わる態度や行動のスキルを教育実習で高める手立てもいる。
社会の実験室 2010/12/04 2847
 教育実習生に対する児童生徒の期待や要望を聞く。それを分析すると、リーダーシップに関わる様々な課題が浮かんでくる。適切な表現とは言えないが、教室は社会の実験室である。一人の教師が30人から40人ほどの集団に働きかける。相手は子どもだからといって大人よりも扱いやすいとは限らない。われわれが子どものころはそんなところがあったかもしれない。そもそも社会が教師に一目置いていた。とくに小さな町や村では大卒の学士さんは珍しかった。学歴だってけっこうな影響力を持っていた時代である。そんなこんなで、教師が影響力を発揮しやすい環境があった。しかしそれから随分と時間が経過した。今日ではかつて教師が持っていた権威が相対的に低下している。それに加えて、教師側もいろんな事件を起こす。報道されるたびにやるせなくなる。もちろん発生件数が昔より増えたのかどうかは知らない。過去には明らかにされなかったようなことも、いまではしっかり取り上げられるからだ。だからこそ、教師側にも緊張感が求められるのである。ともあれ、親も子どもも時代とともに変わってきた。これは昔からだが、そもそも子どもたちの反応は率直なものが多い。たしかに成績評価などを気にする子どももいるだろうが、大人ほど遠慮したりはしない。だから評価の対象が教育実習生になれば、さらにストレートだ。しかし、その多くは純粋な反応であり、それを生かすことで教育実習生も育つのである。むしろ何も聞かないままであれば成長のチャンスを失ってしまう。そんなわけで、本欄でも教育実習生に対する子どもたちの声を取り上げている。ときどき思い出したように書くので唐突に感じられると思うが、ボチボチ進めていきたい。前回は11月1日だった。
コインの両面 2010/12/03 2846
 講義や講演で同じことを繰り返していても、私自身はまった飽きることがない。最大の理由は聞いていただく方が違うからである。だから反応もキチンとしてもらえる。それが私のエネルギーになる。もちろん、講演などではリピータがいらっしゃる場合もある。しかし、そんな方からは同じことでもいいのよ≠ニ励ましていただきもする。もっとも、中には心配はいりませんよ、いつも忘れてるんだから≠ニ必ずしも喜べない声をかけられることもある。しかし、それはまたそれなりでいいなじゃないかと笑っている。また私だって人が書いた台本を読んでいるわけではない。したがって、講義や講演はいつも違っている≠ニも言える。それにパワーポイントも好きなものだから、スライドには絶え間なく手を入れている。そんなわけで、厳密に言えば完全に同じ話などあり得ないのである。いずれにしても、仕事の段取り≠フ単純さが問題ではなく、仕事の意味≠ェ大事だということだ。とくに責任≠ニ誇り≠フバランスを取ることが何よりである。コインだって片方だけに刻印されているのでは偽物である。責任≠フ裏側に誇り≠ェ、そうですねえ、ついでに言えば権利≠フ裏には義務≠ェ刻まれているからコインとして使えるのである。そしてできることなら、責任≠ニ誇り≠自分で発見する力を身に付けたい。もちろん、それが可能になるように職場の上役や先輩がしっかりサポートしてほしい。さらに、世の中のみんなが、お互いにすべての仕事を尊重する、そんな社会の実現が期待されていると思う。そんな中でこそ、誰もが自分の仕事に責任≠感じるとともに、誇り≠持つことができるのである。ちょっと理想的、ユートピア的でしょうかねえ。
大きい自慢話 2010/12/02 2845
 ある企業から、組織の安全≠ノついて話を聞きたいというアプローチがあった。もう10年以上は経過していると思うが、私としては組織安全学≠ネるものの必要性を訴えてきた。もちろん、組織安全≠フ領域は極めて広い。人命に関わる事故は言うまでもないが、組織で起きる不祥事≠焉A組織にとって安全≠フ問題そのものである。教育の場でも、セクハラ≠竍体罰=Aさらには飲酒運転≠ネどもすべて組織安全学≠フ対象に含まれる。それはともあれ、私としては組織の安全≠ノ関わるお問い合わせだから、それなりに対応させていただくことにした。それにしても、私の情報をインターネットで得られたとのお話だったが、その詳しいことはお聞きしなかった。ただし、私としてはちょっと興味がわいてきて、Yahooにとりあえず、組織安全≠ニヒューマンエラー≠入れて検索してみた。その結果を見てあっ≠ニ驚いた。とにかく一瞬、目を疑ったのである。熊本大学が研究者とその仕事を紹介する研究シーズ集≠ニいう情報コラムがあり、私もそこに2件ほど登録している。その1つがYahooのトップ≠ノ出ているではないか。たまたま組織の安全≠ニヒューマンエラー≠ニいう2つのキーワードを使っていたこともあるが、それにしても45,400件の中でトップなのである。これはやはり自慢してもいいんではないかと思うんですがいかがでしょうか。こうなると、ついつい調子に乗る私である。組織安全≠ニミス≠フペアで検索すると、2番目だった。こちらは2,330,000件中となっているから、やはり自慢していいですよね。それにしても、またやる気が出てきましたよ。熊本大学研究シーズ集≠セった点もいいじゃないですか。
ちょっと自慢話 2010/12/01 2844
 このところ、パイロットという職業に絡めて仕事の責任≠竍誇りの話をしている。いつものように、あれやこれやと妄想が広がりちょっと続きすぎた。しかし、まだ完全に区切りを付けるところまで達していない。そうかと言って、同じような流れがずっと続くと、本コラムにお付き合いいただいている皆さま方が退屈されるに違いない。そこで少しばかり休憩して、私の好きな自慢話≠させていただくことにしよう。いつも思うのだけれど、日本語はおもしろい。自慢じゃないが≠ニ言いながら大いに自慢する。言いたかないが≠ネんて前置きをして、しっかりしゃべる。もっとも、これは日本語に限ったことではない。英語でもNot to change the subject≠ニ言いながら話題を変えるのだそうな。このとき誰もそんなら話すな≠ネどと文句を言ったりはしない。ともあれ、日本語の慣習に従って自慢じゃないけど=A自慢話をさせていただこう≠ニいうわけだ。まずは私のホームページだが、これを紹介するときに、YahooやGoogleを使って『吉田道雄』で検索してください。今のところ私のホームページがトップに出まあーす≠ニ自慢している。もちろん、いつ何時その地位を奪われるかわからないから、今のところ≠ニいう予防線的条件を付けている。ところが最近、これよりもかなり自慢≠ナきることが起きたのである。ある企業の方から、組織の安全≠ノついて情報を提供してもらえないかというご相談があった。私はその方面でも仕事をしているつもりだから、お話をお聞きすることにした。その詳細は置くとして、私の情報をインターネットから得られたという。何分にも控え目で恥ずかしがり屋の私だから、それ以上に詳しいことは聞かなかった。