バックナンバー

味な話の素
No.34 2006年02月号(1025-1052)
 
分析不在、情緒優先(06/02/28-1052)
 私が、海外のメディアが日本のメダル獲得に厳しい予想をしている記事を見たのは2月9日の毎日新聞である。もともとスポーツとは無縁の私だ。そうした予想を評価するなんてできない。それも冬の競技であるから、なおさらだ。しかし、それにしても厳しいな。後で予想が外れたらどうするんかいな≠ュらいの感想は持った。外国のマスメディアだから日本人のことはあまり知らないんじゃないか=Bそんな思いもあった。そこで、記事のメモを取っておいたのである。オリンピック終了後に、この予想について確認しようと考えたからである。そして、そのときがやってきた。厳しい予想が見事に的中である。事前にチェックしたわけではないが、日本でこうした予想をしたところがあったのだろうか。どうも快進撃≠フムードばかりが高まって、冷静な分析ができない。そんなところで、じつは厳しいぞ≠ネどと言おうものなら、白けさせるな≠ニプレッシャーがかかる。私だって生まれてはいなかったが、何となく60年ほど前の状況を思い起こさせる。マスコミも、事前に冷静な判断をしたわででもなさそうなのに、うまくいかないと責めまくる。これに対して責められた方は、あんたたちだって騒いだじゃないか≠ニマスコミの責任を指摘する。どこもここも、できるだけ責任を薄めようと躍起になる。そして、最後の最後で荒川選手が金メダルを取ると号外≠ナある。ところで、お隣の韓国は、何と金6個、銀3個、銅2個というものすごい成績だ。そこで、韓国では大騒ぎだろうなと、Yahoo Koreaを開けてみた。なにせ、韓国語はチンプンカンプン、何が書いてあるか分からない。ただ、26日には、荒川選手の大きな写真入りの記事がトップに載っていた。
予想と現実(06/02/27-1051)
 トリノのオリンピックは26日で終わった。大会前に、各国が獲得するメダル数を予想したところがある。それによると、日本は「フィギュアの荒川静香」と「スピード男子500メートルの加藤条治」の2人で、どちらも銅メダルである。また、別のひとつは、「荒川の銅1個」だけと予想していた。結果は、荒川選手の金1個だった。メダルの「色に関係なく5個」というのが日本の目標だった。この数字は団長の名前とともに日本中に広まっていた。これは「あくまで目標だから」といえば、それだけのことである。みんな全力を尽くしてがんばったはずだ。もっとも、200gの体重オーバーで失格した超ベテランのあの人だけは、相当問題だけれど…。しかし、数字は一人で歩きはじめる。できればいい≠ニいう目標が、できるかもしれない≠ニいう可能性に変わる。これに、あのアテネの快進撃の記憶が甦る。こうした状況の中で、マスコミが煽りはじめる。夜も寝ずに昼寝して(?)でもテレビにかじりつく。そして失望の連続。とうとう、JOCの会長が責められ、JOC、競技団体、マスコミとも、五輪前に騒ぎすぎの感じがあった≠ニ大反省することになる(NIKKEI NET)。これは金メダルが有望とされていたスケートがうまくいかなかった後に出されたコメントだ。競技が始まってまだ3日目である。マスコミだって騒いだじゃないか=Bそんな気持ちがにじみ出る。それなら、そうした騒ぎを押さえて、冒頭に挙げたような冷静な判断をしておけばいいのに…。ところで、日本のメダル獲得の厳しさを予想したのは、前者がアメリカの「スポーツ・イラストレーテッド」という雑誌、後者はAP通信である(毎日新聞)。いまから見れば、じつに的確な予想という他はない。
東京・熊本3時間(06/02/26-1050)
 さて、ボーディングブリッジを離れてから1時間経過したところでトラブルの原因が分かり、出発までさらに15分ほどかかることを知らされた。それが正しければ、20時ということだ。本来の出発時刻が18時45分だったから、1時間15分遅れになる。そして、その20時になったとき、またスチュワーデスの声が聞こえた。度重なる滑走路の変更でご迷惑をおかけします。出発するまでに、さらに10分から15分かかる見込みです=Bこうなると、もう、好きにやってちょうだい≠ニいった心境になる。そんな思いの中で、しばらく経ってから、飛行機はようやく飛び上がった。時計を見ると20時13分になっていた。ドアが閉まってから1時間30分が経過していた。その後、飛行機は順調に飛んでいたが、21時30分頃に機長が状況を説明した。本日はJALのトラブルのため出発が遅れてご迷惑をおかけしました。ただいま最大速度で飛んでいます。なお、熊本市内および八代方面のバスは私たちのために待っています=Bこんな内容だった。このときも、JAL≠強調しているような感じがして、私は一人で小さく笑った。そして、21時50分、ようやく熊本空港に着陸した。スタートしてから3時間後のことである。おかげで鈴木史朗氏がナビゲートする機内放送「歌のアルバム」を3回半も聞くことができた。その中でも、天童よしみの「道頓堀人情」、内山田洋とクールファイブの「会わずに愛して」、藤圭子の「女のブルース」などはよかったなあ…。ところで、駐車場の係員さんの話だと、JALの最終便は21時30分に着いたそうだ。それって、19時05分発だったんですよね。えーっ、JALの不具合が原因だったのに、JALの方が早く着いたんですって…。
ガンも1個の細胞から(06/02/25-1049)
 危機的な、あるいは緊急事態が発生したとき、どれだけ冷静でいられるか。それは、日ごろからの訓練次第ではある。口では、あらゆる事態に備えて≠ニ言う。しかし、真の意味でのすべて≠カバーすることなんてできるわけがない。当然のことながら、できる限り≠竄チておくしかないのである。そして、何かが起きたときには可能な限り冷静に¢ホ応することだ。そのためには、リーダーシップが大きな役割を果たす。これがわれわれの考え方である。あのときの羽田の管制室はパニック状態になっていたのだろうか…。ともあれ、出発が大幅に遅滞している原因は分かった。それにしても、そもそもの原因がJAL機のトラブルだという。かなり前になるが、このコラムでJALとANAの物語を書いたことがある。栄光のナショナルフラッグ機、JALの翼は一体どうなったのだろうか。ANAだって、ときおりトラブルを起こしている記事を見るのだが、JALの方が圧倒的に目立っている。このところは、社長退陣要求が出るなど、内紛までニュースになっている。そうした事態が働く人たちの意欲や満足度にプラスに働くはずがない。小さな不満の積み重ねが、組織にとって取り返しのつかない致命傷の原因になる。ガンだって、最初は1個の細胞の異変からはじまる。しかも、その時点では誰にも気づかれない。それをいいことに、ガン細胞は自由気ままに増殖していくのである。しかも、ちょっと変かな≠ニいう自覚症状が出たときには、すでに手遅れ≠フ場合もある。だから人間ドックに行くなどして、自分の健康に気を配っておかなければならないのである。こうした事情は、組織にも当てはまる。JALさん、手遅れになる前に、しっかり体制を立て直してくださいよ。
緊急時の管制塔(06/02/24-1048)
 機長の説明が続く。滑走路を変更して別の滑走路に向かっていましたが、閉鎖が解除されましたので、また本来の滑走路に戻ります…=B出発するために動き始めてから1時間も経過した後で、JALがトラブルを起こしたことを知らされた。そのため、別の滑走路から飛び立つことになった事情も分かった。そして、今や不具合はなかったことが判明した。ここまではいい。ところが、その結果として、はじめに予定していた滑走路に戻るという。もう相当に動いてきているはずなのに、なんで戻るのか。その理由が分からない。少なくとも素人には何をやってるんだあ≠ニしか思えない。しかし、説明する機長さんも困惑した様子なのである。さらにアナウンスは続く。管制官も混乱していますが、これには従うしかありません。この時間帯はもともと混雑していることもあり、あと15分程度はかかると思われます。≠サうなのだ。飛行機に指示を出す管制塔が、非常事態にうまく対応できずに混乱しているのである。ただでさえラッシュ時なのだから、そこで焦りまくって、とんでもない管制などやられては危なくて仕方がない。しかし、それにしても、指示に従うしかありません≠ニいう一言には、機長たち自身が困ったものだ≠ニ思っている感じがにじみ出ていた。管制官たちも、さまざまな事態に対応するための訓練はしているはずである。その点では、滑走路に油が漏れたかどうかという程度のことで、混乱している≠ニ言われるようでは、何とも頼りないなと感じる。あのときは、出発できない飛行機がいたのだから、降りることができない便もいて、上空にも飛行機が待っていたと思われる。こうした中で、管制塔内のリーダーシップはどうなっていたのだろうか…。
具体的な説明(06/02/23-1047)
 飛行機がボーディングブリッジから離れたのが6時45分ころ。滑走路の不具合のため、別のところへ移動していた。ところが、スチュワーデスのアナウンスによると、問題が解消したので、本来の滑走路に戻るという。こうなると、一体どうなってるのか≠ニいう雰囲気が機内に充満する。何分にも1時間近くが経過しているのである。そして19時45分になったとき、今度は機長がアナウンスをした。先ほどのスチュワーデスの説明では不十分だったと感じたような口調だ。ご迷惑をおかけします。羽田空港に着陸したJAL機の油圧装置の油がなくなるというトラブルが発生しました。そのため、油が漏れていないかチェックするため滑走路が閉鎖されました…=Bこの時点でようやく原因が分かった。不具合≠フ原因は到着したJAL機にあったのだ。細かいことは分からないが、油が滑走路にこぼれまくっているとすれば、たしかにまずい。素人の客だから、詳細な情報は必要ない。しかし、どうして、今のような状況になっているのか≠ノついては、ある程度の説明がほしいのである。内容が具体的になれば、しかたないなあ≠ニいう気持ちになるものだ。ただ不具合が発生した≠ニいうばかりでは、落ち着かない。あの飛行機の乗務員たちが、いつの時点で滑走路閉鎖の原因について情報を得たのかは知らない。しかし、1時間も経過してからの説明では、やはり遅過ぎる。こんなとき、人間は情報を求めたがる生き物なんだとつくづく思う。それはそうと状況を説明する機長の声は、トラブルの原因がJAL機にあることを強調しているように聞こえた。これは私の思い過ごしの可能性が強い。しかし、原因はわが社じゃないんです≠ニ言っているような気がしたのである。
まだ飛ばない(06/02/22-1046)
 いよいよ離陸します≠フ声が聞こえるかと思ったのだが、飛行機は本来の滑走路と思しきところまで行っても飛び上がらずボトボトと歩いていく…。なんだ、まだ別の滑走路まで行くのかいなとガッカリする。とにかく何が起きているのかさっぱり分からない。冬の夜は暗い。ボーディングブリッジから離れた6時45分の時点から、周囲はよく見えないのである。飛行機はそのまま向きを変えながら進んでいく。乗客にはそのノロノロ具合が気になる。そして、時間だけはハイスピードで経過していく。こんなときは、こまめに情報を流さないとまずいのである。たとえ同じ情報であっても、何もないよりはましなのだ。大変に申し訳ございません。まだ詳細な状況は分かりませんが、当機は○メートルほど離れた△滑走路に向かっています≠ネんて感じのものでもいい。そんな思いでいると、スチュワーデスの声が聞こえた。それがまた驚愕のアナウンスだった。時計を見るとすでに19時40分になっていた。動きは決めてからほぼ1時間が経過しつつある。その内容がとにかくすごいのである。みなさま、お急ぎのところ申し訳ございません。ただいま閉鎖されていた滑走路が解除されましたので、最初の滑走路に戻ることになりました…=Bナニーっ、また元に戻るだって=Bこれを聞いて驚かない人がいたら会ってみたい。空港のどこにいるのか知らないが、最初に予定していた滑走路に引き返すなんて、なんたることか。行きかけたんなら、そっちの滑走路から飛ばんかい=Bこんな文句も言いたくなるじゃないか。すでに1時間も経っているのに、これから戻るとなれば、またぞろ相当の時間がかかるだろう。そんな思いになったとき、今度は機長のアナウンスが流れた。
知らせるタイミング(06/02/21-1045)
 飛行機が滑走路に向かい始めて30分近く経過した。そのとき、ようやくスチュワーデスのアナウンスが流れた。羽田空港の滑走路が不具合のため閉鎖されました。そのため、滑走路を1本だけを使っているので混雑しています。しばらくお待ち下さい=Bうーん、なるほど、そうだったのか。これでノロノロの事情は分かった。しかし、それにしても情報提供がちょっと遅いよね。それは、機内スタッフの責任ではなく、管制塔の情報提供が遅れたせいかもしれない。だから、一方的に文句は言えないが、ともあれ、もう少しは早く情報を知らせてほしいものだ。私はその日のうちに熊本へ帰ればいい状況だったが、乗客の中には大急ぎの人だっているかもしれない。それから間もなく19時15分に、今度は操縦席から機長が説明を加えた。とにかく滑走路が1本しか使えなくなったため、そちらへ移動します≠ニいう。羽田の滑走路がどこにどんな風に配置されているか知らないが、空港って広いんですよね。これからボトボトと別の滑走路まで行くというのだから、相当に時間がかかるだろうなあと思う。すでに出発時刻から30分も遅れてるのに…。そんな気持ちになったが、どうしようもない。そこで本を読んでいたが、しばらくしてふと機内のテレビを見た。すると滑走路らしきものが映っている。まあ、素人ですからこれが本物の滑走路だとは断定しませんよ。でも、あの太めの白いストライプや、ずっと先まで続くライトの線は、これまでもよく見ている滑走路に違いない。いよいよ、ポン、ポン、ポン≠ニチャイムが鳴る。皆さま大変お待たせしました、当機はだだ今から離陸いたします。シートベルトを今一度お確かめ下さい≠ネんていつもの声が聞こえると確信した。
羽田空港遅延物語(06/02/20-1044)
 もともと羽田空港からは時間通りに飛ばない。客がまともに乗っていても、ボーディングブリッジから離れる時間そのものが遅れることが多い。それから、広い空港をゴトゴトと滑走路に進んでいくが、これがまたすごい。まるで飛行機の行列である。窓から覗くと、自分の飛行機の前にも後ろにも数珠繋ぎになっている。あまりにも動きが鈍いこともあって、決まったセリフのようにスチュワーデスがアナウンスする。みなさまの飛行機は出発の準備を終えて滑走路に向かっていますが、ただいま羽田空港は離着陸の便が多く…≠ニいった内容である。さらに、この飛行機は○番目に離陸いたします≠ネどと具体的な順番も伝えられる。さすがに大東京だと言えばそれまでのことではある。まともな状態のときにこんな調子だから、何かが起きると事態は大いに悪くなる。つい先日のこと、18:45発のANAに乗ることがあった。この日はいつもとくらべると、めずらしい≠ニいいたくなるような好発進だった。なにせ、ほぼ定刻≠ノドアが閉まり、滑走路に向けて動き始めたのである。しかし、好事魔多し≠ニいう。うまくいきそうなときには、とかく悪魔が嫌がらせをしたがるのだろうか。それから悪夢の物語がはじまるなんて、それこそ夢にも思わなかった。ともあれ、われわれが乗った飛行機はいつものように滑走路に向かって進んでいる。そう思えるのだが、なかなか滑走路まで行き着かないのである。このときも、順番待ち≠フアナウンスが聞こえた。いまでは何番目だったか憶えていない。いつものことだから気にも留めていなかった証拠だ。しかし、それにしても動きがのろすぎる。時計を見るともう19時10分過ぎである。ブリッジを離れてから30分近くが経っている。
反省と行動(06/02/19-1043)
 反省だけなら猿でもする≠ニいっても、あれだって正確には、反省するふり≠しているだけかもしれない。たとえ本気≠セったとしても、大事なのはその後の行動である。同じことを繰り返せば、あの反省はうわべだけだった≠ニ言われてしまう。そんなわけで、人間なら反省≠ノ見合う行動≠ェ伴わないとまずい。そうした行動のモデルを示さないと、子どもにはとても見せられない。あれのこれのと言い訳ばかりしていては、格好だって悪い。国会の論戦にしても、攻守が逆になったらどうなるんだろう。たとえば、野党の幹部が問題人物を応援していた場合、自民党の方は、まあ、選挙の時はそんなこともあるもんだ≠ニ言って不問に付すだろうか。それも考えにくい話である。相手に力があればあるほど、願ってもない好機とばかり、攻撃の材料にするに違いない。相手の立場からものを見る≠アとができるかどうか。これで人間力に差がつくのである。だから、言い訳などせずにすんなり責任を認めた方がいいのだ。しかし、それはあくまで素人の発想なんだろう。うっかり責任があるなんて言ってしまうと、火に油を注ぐことになる。ここは、何が何でも、まあ、責任を感じないでもない≠ニいったレベルで止めておかねばならない。そんなことなのだろう。どんな状況にあっても、一切の責任を認めようとしない。ひょっとしたら、政治家の辞書には謝る≠ニいうことばが載っていないのかもしれない。それに、みなさん、人の噂も七十五日≠ニ言うじゃないですか。しばらくの間だけ攻撃を凌いでいたらいいんです。そのうち世の中の人たちは忘れてくれます。まさに時の経過は金なり≠ネんです。しかし、そんな対応では、子どもの教育にはまずいなあ。
お詫び
     12日(土)早朝から13日(月)の午前中にかけてサーバーがダウンしていました。ご迷惑をおかけしましたが、更新はせっせと続けています。同じようなことが起きた際には、時間をおいてお立ち寄り下さい。
反省だけなら…(06/02/18-1042)
 最近は大人にも幼稚な反応が多くて、子どもに示しがつかない。先日も、市長の収賄やホテルの社長の態度について、そんな趣旨の話を書いた。しかしこの点では、国権の最高機関である国会でも似たような反応をする人が多い。国会の場合、発言中の耳障りなヤジなどはいつものことだ。あまりのひどさに、このコラムでも国会中継は子どもに見せられない≠ニ書いたことがある。これだって、相当の幼稚さぶりを露呈している。うーん、そう言えば、われわれの会議などでも私語するのがいるなあ。授業では学生がしゃべっているとうるさーいっ≠ニ学生を叱っている。それが自分のことになると例外ということかしら。学生の私語はレベルが低いが、自分たちのものは内容がある。まさかこんな発想なんじゃあないでしょうね。それはともあれ、日曜日のテレビでもホリエモン≠ノ絡んで与野党がやり合っていた。自民党が選挙で彼を持ち上げ、大応援をしたというので責められる。とくに、私の息子でーす≠ニまで言い切った幹事長が矢面に立たされている。テレビでもそのシーンが繰り返し流される。こうした攻勢に、もともと公認はしていない≠ニいう理由でかわそうと懸命だ。しかし、犯罪まで犯していることに気づかなかった点で反省はする≠ニいう。そして、野党だって彼と接触していたではないか≠ニ切り返すのである。うーん、この辺りが、かなり幼稚なやり取りなんだなあ。とくに問題はないが、反省する点もないではない=Bこれで、自分たちの行為に大きな責任はないことを強調する。そして、あんただって同じことをしたではないか≠ニ言って反論するのだ。このところテレビで見なくなったが、反省する≠セけなら、猿でもできるんですよね。
ネットワークの切断(06/02/17-1041)
 個人情報の扱いが厳しくなってから、学校の連絡網もなくなったと聞いた。われわれが子どものころは電話を持っている家はほとんどなかった。だから、クラス全員をカバーする連絡網などは存在しなかった。なにせ教師自身が電話を持たないのだから、各家庭に情報を即時発信するなんて考えられなかったのである。それが、いつの間にか電話は常識になった。そして、保護者同士のスムーズな情報伝達が実現した。ところが最近では、そうしたネットワークがなくなりつつあるという。一方では、子どもを巻き込んだ犯罪が多発する。その深刻さは昔とは比較にならない。それなのに、何かが起きてもお互いに連絡も取れないのだ。地域の連携が大切といいながら、情報の網の目は断ち切られていく。何でそうなるか。それは情報を悪用する人間がいるからである。たしかに、このごろの状況はとにかくひどい。大学のコンピュータを使っているメールにも、なんとも怪しげな内容のものが入ってくる。それも、半端じゃない。迷惑メールを撃退するための対応は取っているのだが、そこをすり抜けてくる。どのくらい出しているのか分からないが、機械的にワンサと発信しまくっているのだろう。世の中にはいろいろな人がいる。何万件に一人くらいは、それに反応してくるんだろう。おそらく元手はほとんどかかっていない。だから、反応の確率は低くても、引っかかるものがいればペイするということか。困ったことだ。人と人とのコミュニケーションが欠かせない時代だというのに、せっかくのネットワークも断ち切られ、お互いの関わりはますます希薄化していく。光と影と言うけれど、このごろは本体よりも影≠フ部分が大きくなっている。まさに、この世の黄昏ということか。
個人情報(06/02/16-1040)
 個人の情報が自分の知らないところで勝手に使われてはかなわない。ストーカー行為や押し売り被害なども、個人情報が利用されたりする。一人暮らしの情報をもとに、押し入る先を探したという強盗まで出てくる始末だ。そんなこと、あんなことから個人情報保護法が生まれたのだろう。しかし、その結果として必要な情報も手に入らなくなってしまった。知っている人が入院したと聞く。そこで、それを病院に確認しようと電話する。しかし、その手の問い合わせをしても、病院は教えてくれない。私自身がそうした体験をしたことは、このコラムでも書いたことがある。もちろん、そのことで病院を責めるわけにはいかない。それをすると、病院の方が責任を問われかねないからである。私の友人が銀行で新規の口座を開設しようとしたら、本人を証明できるものの提出を求められたといって怒っていた。引き出すのならまだしも、お金を預けるのになんでそこまでするのか≠ニいう理屈である。しかし、それも仕方がないのである。なにせ、本人でない人間が勝手に口座を作って、振り込め詐欺の振込先に指定するなんてことが起きるからである。もっとひどい場合には、本人が口座を作ることもある。そして、その通帳を他人に渡して報酬をもらう。その通帳が詐欺の振込先に指定されるのである。そうなると、通帳の持ち主を捕まえても、本人は何も知らない。自分は人から頼まれて通帳を作っただけなのだと主張する。自分の通帳を人に売る行為そのものが大問題なのだが、たしかに本人は大金をだまし取ったわけではない。こうなると、本人確認をしていても、犯罪が起きることになる。こんな時代だから、病院や銀行だけでなく、いろんなところで手続きが面倒になっていく。
トイレの喫煙(06/02/15-1039)
 先日、飛行機で熊本へ帰る際に、小さなトラブルに遭遇した。もうすぐ着陸のため降下するという機内アナウンスがあった。その少し後のことである。突如として機長の声が聞こえた。ただいま、トイレから火災の警報が出ました。おそらくタバコと思われますが、すぐに確認を行います。それが終了するまで、当機は熊本空港に着陸できませんのでご了承下さい=B誰だ、トイレでタバコなんか吸うやつは。火災発生≠ネら大事だが、タバコを吸ったのであれば、そう大したことはないはずだ。だって昔は、機内中でタバコを吸っていた。そのうち、喫煙席が後方の席に限定された。そして、ついには全面禁煙となったのである。機長の声も落ち着いていたから、本当に心配した人はほとんどいなかったと思う。しばらくして、確認をしましたらタバコでした。吸い殻がございまして、処理をすませました≠ニのアナウンス。そして、飛行機では火災が最も危険でございます。おつらいとは思いますが、飛行中はタバコを我慢してくださいますようお願い申し上げます=Bじつに柔らかい声で、まあ機長としては満点の対応だった。しかし、とにかく約束を守れない¢蜷lがいるから困ってしまう。子どもに示しがつかないわがまま大人≠ェ多すぎる。吸い殻を残しているところなんぞ、幼稚≠ナもある。それとも確信犯か。こんな大人はお灸を据えないと病気は治らない。トイレの喫煙は航空法で禁じられています。熊本空港に着陸次第、警察官が立ち入りますのでご了承下さい=B機長さんよ、このくらいの脅し文句でも言ってくれや。なあんて思ったが、そんなことすると、今度は機長さんが脅迫罪に問われてしまうか。とにかく、こんな人は飛行機には乗らないでくれよ。
幼稚化現象(06/02/14-1038)
 関西地方にあるT市の市長さんが収賄の容疑で捕まった。パチンコ店の出店に便宜を図る見返りに車をもらったということである。ご本人は車を受け取ったことは認めている。だから収賄は確実のように思える。しかし、それには大いに反論があるようだ。新聞によると、市長は「車は個人的なつきあいの深い○○社長に買ってもらった。わいろではない」と弁明しているという(Asahi.com 2月7日)。私はこの部分を読んだだけで吹き出してしまった。問題の車はトヨタのセルシオ≠ナある。名前は聞いたことがあるが、何と800万円もするそうだ。いくら仲がいいといっても、そんな高級車をタダでくれる$lっているわけがない。それくらいのことは子どもでも分かる。苦し紛れの言い訳なのだろうが、何とも幼稚な反応である。幼稚といえば、条例に違反してホテルを改造した社長の対応も相当なものだった。最初の会見がひどすぎた。違反しました。ごめんなさーい≠ニ、まるで人を食ったような態度だった。条例の違反程度だから、罰則も大したことはないと甘く見ていたのだろうか。自分の態度やことばが持っている意味や世の中に与える影響が分かっていない。おそらく、あの時点では本音≠ナものを言ったつもりだったのだろう。それにしても、幼稚な反応ではある。しかも、批判を浴びると一転して大反省≠ニなる。利益至上主義でした≠ニ、これまた正直≠ネ気持ちを吐露しているように見える。その変わり様の極端さには苦笑してしまった。寿命が延びたせいか、日本人全体が幼稚化している感じがする。それにしても、ちょっと度が過ぎてはいないか。世の中、子どもたちに説明できないことばかり…。そんな大人の世界を見ながら子どもたちは育っていくのだ。
システムの実験(06/02/13-1037)
 組織の活性化にとっては、人の違いよりもシステムの違いの方が大きい。組織≠ヘ文字通り、人を組み合わせ=Aそれを効果的に織り込んで≠「く必要がある。人が集まっただけでは、組織とは言えない。それは烏合の衆である。その組み合わせ方がポイントなのだ。しかも、単に結びつけるだけではない。それぞれを縦糸や横糸として織り上げていくことが必要だ。しかも、個々の糸は場所によって色も性質も違う。だから、出来上がると見事な絵柄が浮き出してくるのである。人間で言えば、それぞれの役割が違うということだ。だから、人数が多い、少ない≠セけで組織を評価してはいけない。これは国について考える場合にも当てはまる。お隣にある2つの国では、システムの重要性を示す歴史的実験が行われている。北朝鮮と韓国に住む人々のDNAはまったく同じはずである。それなのに、現実には天と地ほどの差が生まれている。たしかに、地理的には北の方が寒く、土地がやせているのだろう。その面では、北朝鮮の方が不利だと思われる。しかし、わが国なら北海道と九州程度の違いだろうが、あんな差は生じていない。だから、豊かさの違いは、土地の差では説明できないのである。その本当の原因は、だれが考えてもはっきりしている。何のことはない。システムが違うのである。両国の場合、遺伝学的にはまったく同じ人たちが構成員なのだから、システムだけ≠ェ違うと言ってもいい。もちろん、われわれが採用しているシステムの方が絶対的に優れているというわけではない。人類の歴史は、その正解を求め続ける&烽ンだと考えることもできる。いずれにしても、とにかく人口が少ない≠ゥら、とても勝てないなんて諦めるのはまずいと思いますよ。
システムの力(06/02/12-1036)
 あの元気のよかった日本はどこかに行ってしまった。毎日のようにあってはならない℃膜盾笊s祥事が続く。もう、21世紀は日本崩壊の世紀≠ニいった雰囲気だ。こんな状況の中で、中国やインドの台頭である。だから、わが国の将来に不安感を覚える気持ちが生まれてくる。とにかくあの人口の多さだ。はじめから勝負にならない≠フである。しかし、それって弱気に過ぎるんじゃないの。なぜなら、人口が多い方が勝つのなら、日本なんて太古の昔から負け続けのはずである。そして中国やインドは、ずっとその栄華を楽しんできてよかったのではないか。しかし、歴史の現実はそうはならなかった。その理由は簡単だ。それはシステムの問題だからである。中国が力をつけてきたのは、突然にして中国の人々が賢くなったからではない。そうではなくて、地域を限定しながらも、資本主義的システム≠導入したからである。いまでも中国は社会主義≠フ国である。政権を握っているのは中国共産党≠セ。しかし、上海などの映像を見て、この国が社会主義≠セと考える人はどこにもいないだろう。こうした点で、中国の人々の柔軟性にはかなわない。日本人は、本音と建て前を分けて行動する。心ではそう思っていなくても、表面上は建前を重視する。だから、ときには無理な行動をしたり、やせ我慢だって厭わない。日本が同じ状況に置かれたら、それこそ国会が動かなくなるほどの大騒ぎになるかもしれない。そのあたりが、中国はじつにおおらかだと思う。地域限定とはいうものの、公式のシステム≠ヘ変えないで、実質的な経済システム≠変えているのである。中国が元気になったのは人口が多い≠ゥらではない。それは、新しいシステムの力≠ネのだ。
中国とインド(06/02/11-1035)
 中国やインドの台頭がめざましい。この両国とも、いわゆる文明発祥の地である。中国は、いわゆる黄河文明だ。それは紀元前5000年ころ栄えたというから、相当に古い。すでに稲作が行われていた形跡があるらしい。ただし、ネットで見ると紀元前1600年ころと書いたものもあったから、正確なところは分からない。しかし、とにかく古い≠アとだけは間違いない。ヤンシャオ≠ネんて地名(?)を丸暗記しましたね。インドの方はインダス文明で、紀元前2300年ころに繁栄したという。これまたネットの情報なので正しい数値は保証できないが、古代文明として教わったことはたしかだ。遺跡などが発掘されるのは、現在のパキスタンのようだ。モヘンジョダロ≠竍ハラッパー≠ニいった名前も懐かしい。ことばの響きだけで、原っぱ≠ノあるなどと言って丸暗記したっけ。この2つの地域は人類の長い歴史の中で光り輝いていたのである。しかし、巨人軍は永遠に不滅≠ゥもしれないが、文明≠フ繁栄は続かないのが相場のようだ。2つの文明は、歴史の彼方に消え去ることになる。そして近代に至って、中国もインドも植民地と化して往年の姿を失なってしまった。それが、21世紀を迎えて急激に甦りつつあるということだろうか。すでに、アメリカはこの2つの国を相当に意識した発言をしはじめた。両国に共通しているのは人口の多さである。中国が13億なら、インドも10億を超えている。第3位のアメリカが3億に達していないから、とても比較にならない。わが国などは、今のところ9位らしいが、昨年から人口減少≠ェはじまった。もう、どうひっくり返っても人の数で勝てはしない。そこで、もう日本はあきまへんで≠ニ諦め声が聞こえてくる。
Managementの訳語(06/02/10-1034)
 仕事をしている人々の作業効率を上げるために、科学的管理法という手法が提案されたことがある。その提唱者はフレデリック・テイラー(Frederick Winslow Taylor)。彼は働く人たちの動作や作業時間などを厳密に測定し、生産性を伸ばそうとした。その著書The Principles of Sicentific management≠ェ出版されたのは1911年である。このSicentific management≠フ日本語訳が科学的管理法≠セ。ここで、使われているmanagement≠ニいう英語はなかなかおもしろい。これは、管理≠フ他に、経営≠ニいう訳もある。日本語で管理者≠ニか管理職≠ニいう場合は、あまり抵抗なく耳に入ってくる。しかし、管理主義的≠ニいった表現が使われると、否定的なイメージを帯びてくる。上からの一方的な統制、コントロールというニュアンスが感じられられるからである。これに対して、経営≠ニいうことばには、マイナスのイメージは含まれていない。学校教育の場でも、学級経営≠ニいう用語が使われている。文字通り、教師が担任する学級をうまくマネージすることである。私は熊本大学に赴任するまで、教育界の知識はまったく持ち合わせていなかった。そんなわけで、学級経営≠ニいうことばをはじめて聞いたときは、ちょっと驚いた記憶がある。もう25年以上も昔の話である。ともあれ、管理≠ニ経営≠ヘ、似て非なるもののような気がする。リーダーとしては管理的≠ネ発想よりも、経営的≠ネ姿勢で、集団の運営を考えた方がうまくいく。上からコントロールするぞーっ≠ニいう魂胆が見え見えだと人は動かない。それは大人でも子どもでも同じことである。Management≠ヘ、翻訳の仕方で行動も変わってくる。
緊急時のリーダーシップ(06/02/09-1033)
 私はリーダーシップについて仕事をしている。そこで、何でもかんでもリーダーシップと結びつける。職場を活性化するのもリーダーシップなら、事故を防ぐのもリーダーシップなのである。そして、日常的な人間関係づくりがリーダーシップにとって大事な要素であることを強調しまくる。そんな私に、ある方からご質問があった。たしかに、日ごろから人間関係づくりに気をつけていることは大事でしょうね。組織が元気になるためにも、職場の管理者たちがリーダーシップを発揮する必要があると思います。ただ、そうしたリーダーシップは緊急事態でも働くんでしょうか。そんなときは、人間関係など無視して、厳しい指示や命令を出さねばならないでしょう=Bおよそこんな内容だった。つまりは、緊急事態では、日常の関係など役に立たないのではないかという疑問である。これに対する私の答はきわめて単純である。いえいえ、そんなことはありません。そうした事態が発生したときでも、日ごろからのリーダーシップが大いに効くはずです。たとえば、上役が「右の出口へ走れ」とか「赤いボタンを押せ」などと叫んだとします。そのときに、あなただったらどうされますか。上司との信頼関係ができていれば、瞬間的にその指示や命令に従うに違いありません。ところが、関係がまずいとどうでしょうか。「この人の判断はいつも危なっかしい。ここで、下手に言うことを聞いてるとやばいぞ」。ほんの一瞬でもこんな気持ちになれば、指示や命令と正反対のことをするかもしれませんね。パニックになると、反射的に行動する可能性が高まるのです。いかがでしょうか。やっぱり、普段から望ましいリーダーシップを発揮しておくことが、緊急時にも大いに役立つのです=B
鼻毛&ィ語(06/02/08-1032)
 この欄で、鼻くそ関係≠ノついて書いたことがある。話している相手が鼻くそ≠つけていたとき、何の抵抗もなく鼻くそがついてますよ≠ニ言えるかどうか。それは、しっかりと信頼関係ができていることの証である。たとえ言いにくいことでも、その行為は相手のためになる。そんな関係にある人が多ければ多いほど、職場のコミュニケーションもいいはずだ。そこでは、職場の問題点も指摘し合うような雰囲気が生まれるに違いない。そんな話である。これは、私自身の鼻くそ≠ニ信頼関係≠ノまつわる体験をもとにしている。もう2年以上も前の2003年11月07日に書いた。対人関係やコミュニケーションに関わる講演のときには、このエピソードを紹介している。その際には、それなりにそうだなあ≠ニいった好意的な反応をいただいてきた。そんな中で、とうとう同じような体験をした≠ニいう方に出会うことができた。そのお話しをしてくださったのは、外科のお医者さんだ。患者さんの中に、反応が今ひとつで、コミュニケーションがうまく取れない人がいたという。ほとんど会話が進まない状態だったのだろうか。お医者さんが患者さんとうまく意思疎通ができないとなれば、大いに問題である。そんなことで、その外科医の先生もどうしたものか≠ニ思っておられたという。ところが、ある日のことである。問題の患者さんが、先生、鼻毛…≠ニ声を発したという。それからというもの、グーンとコミュニケーションがよくなったという。その患者さんの心境は分からないが、なかなかいい話だなあ。それならコミュニケーションを促進させるために、鼻毛≠伸ばしたり、鼻くそ≠つけたりするか。うーん、それってやっぱし格好悪いですよね。
外向き思考(06/02/07-1031)
 ワンガリ・マータイさんのMOTTAINAI<Lャンペーンは毎日新聞が熱心のようだ。田中耕一さんが、もったいない≠強調した著書は朝日新聞社が発行している。お互いに意識しているとは思わないが、何となくおもしろい。それにしても、何でMOTTAINAI≠ニ言われてから、もったいない≠ェ話題になるんだろう。たしかに、ノーベル賞、環境副大臣、外国人の3点セットは強力だ。しかし、その前に同じノーベル賞の田中耕一さんが、日本語でもったいない≠強調しているのだから、その際に、このことばが脚光を浴びてもよかったのではないか。海外で評価されたら、わが国でも認められる…。昔は研究の領域でもそんな傾向が強かったと思う。こうした反応パターンは劣等感≠フ現れなのだろう。わが国が開国したときは、とにもかくにも近代化しなければならなかった。そんな状況では、欧米での評価≠アそが、すべての基準だった。まあ、明治時代はそれも仕方がないだろう。また、大正や昭和初期でも、国民の生活水準は、まだまだの状態だったと思う。だから、外からの評価≠ェいつまでも気になったに違いない。それに、自分たちこそ評価の基準≠ニいう発想だって、大いに問題ではある。しかし、それにしても、日本人が培ってきた文化や生き方には自信を持つことも必要ではないか。田中さんは、講演のときなど、話の間に冗談をはさむように心がけているのだが、いつもそこだけが報道されてしまうと嘆いている。もったいない≠フ精神こそが、田中氏のノーベル賞に繋がる大いなる発見を導いたのである。そのときに、もったいない<Lャンペーンを張るところがあったらすごかったんだけどなあ。私たちは、いまだに外向き思考なのかしら。
もったいない≠ニMOTTAINAI(06/02/06-1030)
 昨年だったと思う。突如としてもったいない≠ェ流行った。その発信源はノーベル平和賞を受賞したワンガリ・マータイという人である。ケニアの環境大臣だ。彼女が来日したとき、日本語のもったいない≠フ心に感動して、それを世界に広げようと考えたという。その精神を大事にして生活することが、ゴミを減らし、資源の再利用にも大いに役立つというわけである。環境に責任を持つノーベル賞受賞者の発言だから、なかなか説得力がある。しかも、MOTTAINAI≠ネどと、日本語が世界共通語になるというのも気持ちがいい。ところで、これがなかなか翻訳しにくいらしい。それだけ日本人が育ててきた伝統的な心を表現しているとも言える。そして、なんとMOTTAINAIノートバッグ≠ノ、MOTTAINAITシャツ=AはたまたMOTTAINAIピンバッジ≠ワで発売されている。うーん、そこまでやるか。そんなものをわざわざ作るなんて、それこそMOTTAINAI≠ニ思いませんか。それに、この精神はもっと前に発信していた人がいるのである。ノーベル化学賞を受賞した田中耕一さんだ。彼は実験の準備段階で、混ぜ合わせるべき材料を間違えてしまった。その誤りには気づいたものの、もったいない≠ゥら、それも実験に使ったというのである。それが、ノーベル化学賞に結びつく大発見に繋がったというわけだ。失敗作までも使ってしまった理由を、田中さんはおばあちゃんの口癖だったもったいない≠フ精神がしみ込んでいたからではないかと言っている。そして、これをノーベル賞授賞式の講演でも使おうと思ったが、ピッタリくる英語がなかったと書いている。田中耕一著「生涯最高の失敗」(朝日新聞社)の中だが、その発行日は2003年9月25日なのだ。
巡り合わせ(06/02/05-1029)
 経団連の会長は原則として副会長から選ぶという。その中にトヨタの張社長も含まれている。しかし、現会長の奥田碩氏は、張氏の次期会長就任に難色を示したのである。それは、企業がいかに大きくても二代続けて経済界をリードするのは一般常識からも難しい≠ゥらだという。そして、トヨタ自体もやりにくい≠ニ説明している。そんなわけで、現在のトヨタの社長は財界総理≠ノ着くチャンスを失ったことになる。時代の巡り合わせというのだろうか。前会長が同じ会社だったために、財界トップの座につけなかったのである。長い歴史を振り返れば、偶然≠フなせる業と思われるようなことはいくらでもあるんだと思う。織田信長が明智光秀に襲撃されずに生き続けていたら、豊臣の天下はあったかどうか。そうなると、徳川時代だって怪しくなるかもしれない。まあ、これも人生、あれも人生というわけだ。人のことだから無責任なことを言っているが、張氏ご自身がどう考えておられるかは知りようがない。ただし、その次ってのはあるのかなあ…。ともあれ、奥田氏の発言をメモした私だったが、じつは経団連に副会長が何人いるのかも知らなかった。そこでネットで調べてみると、現在は16人もの副会長がいることが分かった。これなら次期会長にふさわしい人材を選ぶことに苦労しなかったかもしれない。奥田氏としてはとにかくトヨタではまずいという点だけはっきりさせていたということだろう。そんな中で、次期会長の御手洗氏がキャノン出身であることは時代を象徴している。キャノンも物づくりの会社だが、いわゆる軽薄短小′^である。これまで経団連のリーダーといえば、東芝や新日鐵、東京電力など、重厚長大′^の企業出身者が中心だったのだ。
経団連の会長さん(06/02/04-1028)
 (社)日本経済団体連合会の会長が交代する。現会長はトヨタの奥田碩氏だが、今度はキャノンの御手洗富士夫氏が就任する。交代は5月とのこと。経済のことはよく分からないが、この団体は、昔からあった経団連と日経連が2002年5月に統合されてできたものである。会員は1600を超えるそうで、当然のことながら企業が中心になっている。その中に、例のライブドアも含まれていたことが話題になっていた。昨年の12月に会員になったばかりのようだが、奥田会長は「経団連として非常にミスった」と発言したらしい(朝日)。いずれにしても、日本の産業界を代表する組織で、その会長は「財界総理」とも言われるそうだ。だから、会長人事はトップニュースになる。じつは、昨年の総会で任期が1年になった奥田会長が、次期会長について、「まったく白紙」だとコメントしていた。その上で、「個人的にはトヨタ(の次も)トヨタという路線は取るべきではないと思っている」という発言もしている。そのとき、トヨタの張富士社長が副会長に就任することになっていた。会長の候補者は原則として副会長を対象にするようだが、そうもいかないという慎重な態度を見せたというのである。私はこのニュースを見たときに、さてさて、どうなるか≠ニ興味を持った。そのことを味な話の素≠ノも書こうと思ってメモしていたのだが、いつの間にかすっかり忘れていた。あれから1年ほど経過して結果が明らかになったわけだ。次期会長はトヨタからではなくキャノンの社長が選ばれた。その点で、奥田会長は自分の発言を実践したことになる。そんなわけで、今年にはGMさえ抜いて世界最大の自動車メーカーになるかもしれないトヨタの社長が会長にならなかったのである。
事件≠フ真相(06/02/03-1027)
 あの駅員さんがオッさんの勘違い≠ナ済ませずに、こんなクレームがありましたよ≠ニ伝えたかどうか。それは分からない。しかし、あのときの雰囲気では、それっきりになったような気がする…。さて、先月からしつこく続けてきた車両番号替え事件≠焉Aいよいよ大詰めである。改札窓口でクレーム≠つけてから、われわれは駐車場に向かった。その際に、入場券を渡すのを忘れたことはすでに書いた。けっこう興奮≠オていたのかもね。うわー、これも「味な話の素」になるぞーっ≠ニいうわけだ。さて、車に乗って間もなく、家内の携帯に息子からメールが入った。問題のつばめ≠ナ掲示の訂正アナウンスが流れたと書いてある。そのことを聞いた瞬間、あの駅員さんが言ってくれたんだろうか≠ニ思った。しかし、残念ながらそれはない。息子によれば、上熊本に着く前に訂正があったという。だとすると、発車から2、3分後だから、まだ私が文句を言っている時間である。そういえば、車両の表示は電車外だけでなく、列車内でも流れていることを思い出した。これが連動していれば、車内の車掌も間違いに気づくわけだ。息子たちは上熊本に止まったら、9号車≠ノ移ろうと、後ろの車両に移動していたという。なにせ、電車は2つの編成を連接している。だから、いま乗っている2号車≠ゥら9号車≠ノ行くには、一旦降りて乗り換え≠ネければならないからだ。ところが、隣の車両に移った途端に、その表示が8号車≠ノ変わったという。それから、訂正のアナウンスがあったのである。ついでながら、この列車、玉名を出てからも、しばらくは次は玉名≠ニいう表示になっていたらしい。この日の車掌さん、もしかして厄日だったりして。
凡ミスは大事故のもと(06/02/02-1026)
 車掌さんは新八代からのつばめ≠ェ繋がっていることに気づかず4両編成だと思い込んだ。そこで、後ろから2両目の車両に9号車≠フ表示があるのを間違いだと考えて2号車≠ノ替えた。これが私が推測する事件≠フ真相である。あの日、息子夫婦とデッキで話をしているときには、すでに電車は繋がっていた。しかし、熊本駅始発する電車は4両編成で完結している。だから、外に出ない限り後ろに電車が繋がっていることは分からないのである。その点は、プロでも仕方がない。もちろん、後ろが見えないからといって間違っては困るのである。そもそも、このときの車掌さんは、10時30分発のつばめ≠ノ乗り慣れていたのだろうか。いつもそうなら、こんな勘違いはしないと思う。だから、年末の特別ダイヤでいつもとは違う車両編成になっていた可能性もある。車掌さんがそのことを忘れていたのかもしれない。もちろん、そうだとしてもプロとしては言い訳できないミスである。しかし、この手のチョンボは、けっこう聞く話なのである。いわば、ささやかなミスである。しかし、そうした思い違いやミスが起きたときこそ、その原因を明らかにしておくことが大事なのだ。そうした事態が起きた際にどう対応するかが、組織の運命を決めると言ってもいい。そもそも人命に関わる大事故も、その原因は小さなミスや事故のそれと変わらないことが多いのである。凡ミスをいい加減に考えていると、組織はいつか大きなしっぺ返しを食らうだろう。これまで起きた事故の多くが、小さなことが無視される職場で起きているのではないか…。そこでふと思うのである。あの駅員さんは、オッさんのクレーム≠真剣に受け止めて、職場の上司に報告しただろうかと。
ほうれんそう(06/02/01-1025)
 あっという間に2月になった。今日から読まれる方は、何のことか分からないことが書かれていると思われるだろう。じつは、先月23日から、ある事件≠取り上げて連載しているのである。よろしければ、バックナンバー≠熹`いていただきたい。そうすれば、話は繋がるはずなのですが…。さて、職場活性化のキーワードにほうれんそう≠ェある。このことばをはじめて聞いたのはいつだっただろうか。私の記憶では、このことばは、すでに1970年代には市民権を得ていた。報告・連絡・相談≠フ頭を取ってほうれんそう≠ニいうわけだ。職場の風通しを良くして、仕事を効果的に進める。ヒヤリハット事例や小さなミスも報告・連絡されれば、その後の大きな事故を防ぐことができる。自分勝手に判断せずに、周りに相談することも大切だ。どれをとっても当たり前≠フことである。しかし、その当然のこと≠ェできない。それが人間というものの本性なのだろうか。そんなことだから、わざわざほうれんそう≠ネどと呪文のように唱え続けることが必要になる。その点で、あの改札口の駅員さんは途中で号車番号を替えた≠ニ言ってきた難癖おじさんの文句を伝えただろうかと思う。報告≠キることで、問題が起きたことが職場で共有化されるのである。そして、そうした事態が起きた理由についても真面目に整理しておくことが必要だ。私の勝手な想像だが、あのとき電車の車掌さんは4両編成≠ネのに、車両の表示が9号車≠竍10号車≠ノなっていることに気づいた。そこで、わざわざ&\示を正しく¥C正した。ところが、その電車には新八代からやってくる列車が連結するのである。車掌さんはそのことをことを忘れていたのではないか。